NVC200解体ショー!落下の衝撃で判明した内部構造とスペック詐称の衝撃事実[NVC200③]

買って間もない中華製ナイトビジョンカメラ「NVC200」を、不注意で地面に落としてしまいました…。レンズが根元から折れるという絶望的な状況ですが、転んでもただでは起きません。

今回は修理の過程を公開するとともに、NVC200の「解体ショー」をお届けします。メーカー公表のスペックはどこまで本当なのか? 内部にはどんなパーツが使われているのか? 実際に分解してみると、スペック表には書かれていない「衝撃の事実」が次々と明らかになりました。

構造上の弱点から、将来的なCマウントレンズへの換装の可能性まで、技術的視点で詳しくレビューします。

やってしまいました。買ったばかりのNVC200を地面に落としてしまい、レンズが本体から外れて飛んでいきました…。ということで、せっかくなので修理の様子と合わせてNVC200解体ショーをお届けします。中華製ナイトビジョンカメラの内部構造を見ていきましょう。スペックに記載された内容は本当か嘘か、そのあたりも詳しく検証していきます。

なお、NVC200の概要や撮影サンプルについては前回の動画で詳しく紹介しているので、購入を検討している人はそちらも参考にしてください。それでは解体スタートです。

    動画内で紹介した製品(Amazonリンク)

    衝撃の破損!NVC200のレンズが根元から折れた原因

    テレコン装着による重量負担が仇に

    落下の衝撃でレンズ筒に力がかかって根元から折れてしまった

    SONY VCL-DH2637という132gのやや重めテレコンを付けていたことも災いしたのか、落下の衝撃でレンズ筒に力がかかって根元から折れてしまったようです。

    センサーユニットを支えるプラスチックの強度不足

    センサーユニットが落下の衝撃で壊れていました

    確認してみるとセンサーユニットが落下の衝撃で壊れていました。このプラスチックパーツでレンズユニットを支えていたようで、さすがに強度的に問題があるような気もしますが…。

    見るも無惨な姿です。プラスチックが割れているので修理は難しそうですね。せっかくなので、分解して内部のパーツを見ていきたいと思います。

    NVC200解体ショー:内部パーツを徹底チェック

    フィルターユニットの仕組み|昼夜切り替えの裏側

    壊れたのはカメラセンサーのフィルターユニットのよう

    外れたレンズ側から見ていきましょう。2種のフィルターが見えます。壊れたのはカメラセンサーのフィルターユニットのようです。

    小型モーターでワイパーみたいなパーツを動かしてフィルターを切り替える仕組み

    本体側です。小型モーターでワイパーみたいなパーツを動かしてフィルターを切り替える仕組みです。

    フィルターユニットをレンズから取り外し

    フィルターユニットをレンズから取り外しました。通常撮影時はUV/IRカットフィルターで紫外線と赤外線をカットします。ナイトビジョンモードがオンになると可視光と赤外線を通すIRパスフィルターに切り替わります。

    IRフィルターが無い状態では近赤外線域が取り込まれ赤みのかかった画像に

    カメラセンサーは赤外線も取り込むため、IRフィルターが無い状態では近赤外線域が取り込まれ赤みのかかった画像になります。

    IRカットフィルターがあることで近赤外線域の光が遮断され正常な色合いに

    IRカットフィルターがあることで近赤外線域の光が遮断され正常な色合いになります。NVC200では通常撮影時はIRカットフィルターがセンサー前に移動し赤外線光をカットしています。

    IR860フィルターを装着すると可視光がカットされ赤外線光のみを取り込み

    ちなみに、IRカットフィルター無しの状態でIR850フィルターを装着すると可視光がカットされ赤外線光のみを取り込み、写真のような色合いになります。

    上側のIRパススルーフィルターは赤外線光を通過させています

    ハンディカムの赤外線ライトをオンにした状態で、取り外したフィルターを赤外線カメラで撮影してみました。上側のIRパスフィルターは赤外線光を通過させていますが。

    下側のUV/IRカットフィルターでは赤外線光がほぼカットされている

    下側のUV/IRカットフィルターでは赤外線光がほぼカットされているのがわかります。

    レンズユニット検証|実際の焦点距離はスペックと違う?

    レンズ側はこんな感じ

    レンズ側はこんな感じです。

    レンズを上から押さえたら筒から外れました

    レンズを上から押さえたら筒から外れました。接着剤で固定していたようです。

    レンズ本体は見た目よりかなり小さい

    レンズ本体は見た目よりかなり小さいですね。スペック表では焦点距離50mmとなっていましたが、実際は25mmです。

    レンズユニットはNV016と同じもののよう

    レンズユニットはNV016と同じもののようです。

    センサー基板とフレキシブルケーブルの注意点

    カメラセンサーは本体から出ているフレキシブルケーブルで繋がっています

    カメラセンサーは本体から出ているフレキシブルケーブルで繋がっています。ムダにスペースが空いています。

    赤青の線はフィルターユニットの電源ケーブル

    カメラセンサーを取り外しました。赤青の線はフィルターユニットの電源ケーブルです。

    カメラセンサー基板の裏面にフレキシブルケーブルの端子が

    カメラセンサー基板の裏面にフレキシブルケーブルの端子があります。KHX-N200-28Pとプリントされています。

    フィルターユニットの下にカメラセンサーが

    フィルターユニットの下にカメラセンサーが見えます。

    カメラセンサーの型番は不明ですが、サイズは1/4インチのよう

    フィルターユニットを外してみました。カメラセンサーの型番は不明ですが、サイズは1/4インチのようです。

    接着剤で補強すればなんとか修理できそう

    割れたパーツを接着剤で補強すればなんとか修理できそうな感じではあります。

    フレキシブルケーブルを切断してしまいました

    ところが、センサー基板を取り外す際に誤ってフレキシブルケーブルを切断してしまいました…。ピンセットでつまんだ時に切れたようです。別途フレキシブルケーブルを調達する必要がでてきました。ケーブルの種類がわからないので、本体側も分解することに。

    本体分解

    本体も分解していきます

    ということで、本体も分解していきます。しかし開け方がわからない。接着剤で貼り付けてあるのかと思いオープナーで背面パネルを外そうとしても外れません。

    LCDカバーを剥がすとネジ穴が

    両面テープで固定されているLCDカバーを剥がすとネジ穴が見つかりました。四隅のプラスネジを外すと背面パネルがとれます。

    LCDのフレキシブルケーブルを外すことで背面パネルを取り外し

    LCDのフレキシブルケーブルを外すことで背面パネルを取り外しできました。

    フレキシブルケーブルは黒い箇所を90°はね上げると外れます

    フレキシブルケーブルは黒い箇所を90°はね上げると外れます。

    ムダにスペースがあってパーツも少ないので作業はしやすい

    本体側はこんな感じです。ムダにスペースがあってパーツも少ないので作業はしやすい。

    メイン基板が外れてカメラセンサーへ繋がるフレキシブルケーブルにアクセス

    2箇所のプラスネジを外すとメイン基板が外れてカメラセンサーへ繋がるフレキシブルケーブルにアクセスできました。

    フレキシブルケーブルです。28pinで長さは100mm

    カメラセンサーのフレキシブルケーブルです。28pinで長さは100mmです。

    Reverse Directionを選択、ピッチ(線間)は0.5mm

    ケーブルの種類が分かったので注文です。端子が表裏になっているのでReverse Directionを選択、ピッチ(線間)は0.5mmです。

     →使われているのは長さ10cmですが、サイズ的にギリギリなので、取り付けのしやすさを考えると15cmのほうがよいと思います。

    10個入りで706円

    10個入りで706円でした。

    本体内部の検証で判明した「スペック詐称」の真実

    本体基板のLCD側にはシャッターボタンの基板とバッテリーに繋がるケーブルが

    せっかく分解したので中身を覗いてみましょう。本体基板のLCD側にはシャッターボタンの基板とバッテリーに繋がるケーブルが見えます。

    画像処理SoCとWiFiモジュールの正体

    シルバーの四角いパーツが画像処理用のSoC半導体

    メイン基板中央のシルバーの四角いパーツが画像処理用のSoC半導体です。その隣はSECとプリントされているのでサムスン電子製RAMでしょうか。

    メイン基板のレンズ側には、レーザーポインターとIR LEDなど

    メイン基板のレンズ側には、レーザーポインターIR LED、右側操作ボタン基板に繋がる配線やmicro SDスロットUSB C端子です。

    中央に配置されているのが高輝度赤外線LEDユニット

    ボディ中央に配置されているのが高輝度赤外線LEDユニットです。コンパクトに収まっています。

    赤色レーザーポインターのユニット

    こちらがレンズ下に配置されている赤色レーザーポインターのユニット。

    WiFiモジュールはFn Linkというメーカーのもの

    WiFiモジュールはFn Linkというメーカーのものが使われています。

    バッテリー容量が4,800mAhではなく3,000mAhだった件

    搭載されているバッテリーは3,000mAh

    スペック表では4,800mAhとなっていたバッテリー容量ですが、搭載されているのは3,000mAhでした。これもスペック詐称です。バッテリーはハンダ直付けなので交換は難しそう。

    実録!断線したフレキシブルケーブルの修理と補強

    失敗から学ぶ:28pinフレキの選定と交換方法

    フレキシブルケーブルが届いたので修理

    注文していたフレキシブルケーブルが届いたので修理していきます。

    センサーユニットの壊れたプラスチックパーツを瞬間接着剤で補修

    センサーユニットの壊れたプラスチックパーツを瞬間接着剤で補修します。このパーツの強度が不安ですね。

    フィルターをセットして

    フィルターをセットして。

    フタをするとこんな感じ

    フタをするとこんな感じ。やや浮いてますが、ネジで固定するのでどうにかなりそうです。

    補修したフィルターユニットをレンズに固定

    補修したフィルターユニットをレンズに固定し、配線をセンサーユニットに繋げます。

    カメラセンサー基板をフィルターユニットに固定

    カメラセンサー基板をフィルターユニットに固定します。

    本体側の基板にフレキシブルケーブルを装着

    本体側の基板にフレキシブルケーブルを装着してレンズ側に出します。

    フレキシブルケーブルをセンサーユニットに繋げます

    フレキシブルケーブルをセンサーユニットに繋げます。長さがギリギリのため装着は少し手こずります。本体内にはスペースがあるので150mmのケーブルでもよかったですかね。

    カメラセンサーの基板を本体に固定

    カメラセンサーの基板を本体に固定します。

    動作確認です。無事起動しました

    動作確認です。無事起動しました。

    ナイトビジョンモードにするとフィルターが切り替わっているよう

    ナイトビジョンモードにするとフィルターが切り替わっているようで、問題なく機能しています。

    接着剤とフィルター枠を活用した剛性アップカスタム

    レンズ筒を上から被せれば修理完了

    あとは、レンズ筒を上から被せれば修理完了です。ただ、このままでは横方向から衝撃を受けた時に基板やネジ止め部に力が加わりまた壊れそう。強度的に不安なので、ついでにレンズ筒を補強することにします。

    金属製の外枠をカメラ本体に接着剤で固定

    手元に余っていた55mmフィルターからガラスを外して、金属製の外枠をカメラ本体に接着剤で固定します。さらに55mmメスメスアダプターをハメることでレンズ筒が横方向に動かないようにしてみました。

    わずかにルーズ

    わずかにルーズなので。

    55mmフィルターの内側リングをさらにハメてみる

    55mmフィルターの内側リングをさらにハメてみると。

    横方向からの衝撃にもある程度は耐えられそう

    いい感じで隙間が埋まりました。これで、横方向からの衝撃にもある程度は耐えられそうです。

    似たようなフィルターユニットもAliExpressで扱いが

    ちなみに、似たようなフィルターユニットもAliExpressで扱いがあるようです。こちらに換装してもよかったですね。

    CSマウント用のユニットも

    CSマウント用のユニットも見つかりました。こちらは金属製のパーツです。これに付け替えればCマウントレンズが装着できそう。

    内部構造似たNV016への応用

    ということで、まとめです。今回は修理に合わせてNVC200の内部構造を詳しく調査してみました。

    センサーサイズやレンズスペックに加えてバッテリー容量まで詐称している

    メーカー公表のスペックはかなり盛られているようで、前回のレビューで触れたセンサーサイズレンズスペックに加えてバッテリー容量まで詐称していることがわかりました。やれやれです。

    ドラレコ用のパーツを入れ込んでいるよう

    ミラーレスカメラに似せたボディにドラレコ用のパーツを入れ込んでいるようで、センサーユニットの下やバッテリー周りなど、スペースに余裕があります。その気になれば本体サイズはもう少し小さくできそう。3Dプリンターが使えればコンパクトなボディを作って、中身だけ換装とか楽しめそうです。

    カメラレンズは比較的容易にCマウントレンズに交換できそう

    そのほか、カメラレンズは比較的容易にCマウントレンズに交換できそうです。装着されているのは35mm換算で250mm相当の25mmのレンズですが、50mmなどに変更することで光学倍率を上げることができます。

    5-50mmのCSマウントレンズがあるのでNV016のレンズを換装してみるのもおもしろそう

    手元に5-50mmCSマウントレンズがあるのでNV016のレンズを換装してみるのもおもしろそう。

    まとめ|改造で超望遠化の道が拓けた

    NVC200の修理と分解を通して見えてきたのは、ミラーレスカメラ風のボディにドラレコ用ユニットを詰め込んだ、いかにも中華製ガジェットらしい「割り切った構造」でした。

    センサーサイズやバッテリー容量の詐称には驚かされましたが、内部にムダなスペースが多いからこそ、自分好みのコンパクトな筐体を作ったり、レンズを換装したりといった「改造の楽しみ」が残されているとも言えます。

    今回の修理で、Cマウントレンズへの交換が比較的容易であることも分かりました。次回は、同様のレンズユニットを持つ「NV016」をベースに、50mmレンズなどの望遠化・高画質化に挑戦してみたいと思います。


    NVC200の分解は難しいですか?
    背面のLCDパネルが強力な両面テープで固定されているため、剥がす際にパネルを割らないよう注意が必要です。そこさえクリアすれば、内部はスペースに余裕があり、ネジも一般的なプラスネジなので作業自体は比較的スムーズです。
    交換したフレキシブルケーブルの仕様は?
    28pin、ピッチ0.5mm、端子が表裏逆の「Reverse Direction(タイプB)」を選択してください。長さは標準の100mmでも可能ですが、作業性を考えると150mmがおすすめです。
    バッテリーを4,800mAhに交換できますか?
    物理的なスペースには余裕があるため、サイズが合うリチウムポリマー電池を見つければ交換は可能です。ただし、配線が基板に直接ハンダ付けされているため、ハンダ作業のスキルが必要になります。
    レンズユニットは他の機種と共通ですか?
    分解の結果、レンズユニットやフィルター切り替え機構は「NV016」とほぼ同等であることが分かりました。そのため、NV016用のレンズカスタムパーツなども流用できる可能性が高いです。

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