小型ナイトビジョンスコープ「NV016」は、本当に実用的な超望遠暗視撮影ができるのか。今回は岡山さくらカーニバルを舞台に、昼間の赤外線撮影から夜桜の暗視撮影まで、実写ベースで性能を詳しく検証しました。
フルスペクトラム化したPanasonic GF5との比較に加え、改造したNV016へSIGMA APO 70-200mm F2.8を装着し、画角・感度・ノイズ・赤外線照射時の描写変化までチェック。1/4インチセンサーならではの強烈なクロップ効果によって、200mmでも35mm換算2120mm相当という超望遠撮影が可能になります。
晴天下での赤外線撮影性能、夜間ライトアップ下でのカラー撮影、VCSEL赤外線ライト使用時の画質変化など、NV016の実力を実際の作例とともに詳しく見ていきます。
フルカラーナイトビジョンカメラ「NV016」の性能を検証するために撮影した記録です。画角や感度性能を検証するために撮影した画像です。
動画内で紹介した製品(Amazonリンク)
ナイトビジョンスコープNV016の詳細とマウント改造についてはこちらで詳しく解説しています。
▶ナイトビジョンスコープNV016 Season 2(魔改造編)
岡山さくらカーニバル撮影メモ
岡山後楽園の東側、旭川東岸河川敷約400mにわたって「岡山さくらカーニバル」が開催されます。3月下旬から4月上旬にかけて、岡山後楽園や岡山城周辺で見応えのある桜が楽しめます。多くの飲食屋台が並ぶほか、夜間はライトアップも実施されます。2026年は3月27日(金)~4月5日(日)の10日間開催されました。
フルスペクトラム版Panasonic GF5+400mm
まずは、フルスペクトラム化したパナソニックGF5にトキナSD 400 F5.6を装着して赤外線撮影です。可視光をカットするためにIR720を装着しています。
川を挟んでの撮影です。場所にもよりますが対岸までは直線で70mくらい。角度によって80-100mの距離になります。
人物の全身を収めるには、マイクロフォーサーズ機でも500mm以上のレンズが必要な距離です。
IR720では赤被りが目立つ
晴天下でIR720を使用すると、赤被りがかなり目立ちます。全体的に滲んだ感じの画質に。
RAWで撮影していたので、ホワイトバランスを調整することで赤被りが解消されました。ただ、80m以上離れているので、人物撮影ではやや倍率が不足します。
動画もホワイトバランスを調整すると赤被りを抑えられます。
ブロックノイズが目立つ場面も
GF5は最大でフルHD動画しか撮影できない上、ビットレートも低いので画質はいまひとつ。MP4ではブロックノイズが出ることも。AVCHD 60iならブロックノイズも出にくいみたいですが、今どきインターレスで撮影するのもビミョーです。GH4のような4K対応機種で赤外線撮影したいですね。
NV016+APO 70-200 F2.8で撮影
もう少し望遠で撮影したいということで、カメラを変えてキヤノンマウントを装着できるように改造したNV016にシグマAPO70-200F2.8を装着して撮影です(※写真はシグマAPO 50-500)。
NV016のマウント改造については下記リンク先で詳しく解説しています。
▶【魔改造】NV016を分解・改造してEFレンズ対応に|Cマウント化で超望遠撮影は可能か検証
クロップファクターで200mmでも十分な倍率
1/4インチセンサーの切り抜き効果(クロップファクター)で10.6倍になるので望遠端ではフルサイズ35mm換算で2120mm相当の画角です。
昼間のカラー画像から見ていきましょう。動画からの切り抜きです。広角端70mmでも35mm換算742mm相当の画角です。
望遠端200mmでは2120mm相当に。70m先でも十分なサイズです。
小型1/4インチセンサーで、画質は今ひとつですが、200mmレンズでも100m先の被写体を縦1.35mのサイズで撮影できます。
晴天下の赤外線撮影に対応
ナイトビジョンモードです。日中でもソニーハンディカムのナイトショットのような制限はかかりません。晴天下でも赤外線撮影ができます。
高感度センサーを搭載しているため、夕暮れどきの薄暗い時間帯でもカラー撮影が可能です。
ナイトビジョンモードのほうがノイズは少なくきれいです。
夜桜暗視撮影
さくらカーニバルの期間中は夜間ライトアップされます。
照明の灯りがあるので、ややノイズは目立ちますが明るい場所ならカラーモードでも撮影できます。
ISO感度が上がるので暗い場所ではかなり画質が粗くなります。
デジタルズーム(表示5倍・実倍率2倍)を併用することでここまで拡大できます。
NV016の暗視モードを比較
比較してみましょう。カラーモードです。
ナイトビジョンモードです。IRフィルターを装着していないので、可視光もセンサーに入ります。内蔵の赤外線IRライトが照射されますが、80m程度離れているので減衰されており、可視光が優位になりモノクロ写真のような雰囲気になります。
VCSEL赤外線ライトを照射します。VCSELはレーザー光で狭い範囲に光が照射され、同じ出力でも遠くに光が届きます。赤外線が優位になるため可視光時よりピント位置がずれ、再調整が必要になります。
ピントずれを修正しました。シャープでノイズの少ない画像ですが、制服が赤外線を吸収しない素材のようです。可視光の時より光を反射し、生地の表現に変化が見られます。
まとめ|超望遠暗視撮影にNV016はおすすめ
NV016は、小型ながら非常に強力な望遠性能を持つフルカラーナイトビジョンカメラでした。特に1/4インチセンサーによる大きなクロップ効果のおかげで、200mmクラスのレンズでも100m前後の被写体をしっかり引き寄せて撮影できます。
昼間の赤外線撮影にも対応し、晴天下でもナイトビジョンモードが使える点は大きな魅力です。一方で、暗所ではカラーモードのノイズが増えやすく、より安定した画質を求めるならナイトビジョンモード+外部VCSEL赤外線ライトの併用が効果的でした。
また、赤外線照射時にはピント位置がずれるため再調整は必要ですが、100mクラスでも十分な明るさを確保でき、制服の質感変化まで確認できる描写力はかなり優秀です。
50〜100m程度の距離で超望遠暗視撮影をしたいなら、明るい70-200mm F2.8クラスのレンズと組み合わせたNV016は、コストを抑えつつ高い実用性を得られるおすすめの構成といえます。
なお、ナイトビジョンスコープNV016の詳細とマウント改造についてはこちらで詳しく解説しています。
▶ナイトビジョンスコープNV016 Season 2(魔改造編)

