【VR用画像の撮影法】
その前に、VR用画像の撮影法についてまとめておきます。VR用の画像には大きくわけて2種類あります。今話題の全周360タイプと、普通の3Dステレオタイプです。
全周360タイプは、リコーTHETAやGoProを複数台使ったケージでの撮影などいろいろタなタイプがありますが、THETAのような安価なタイプは画質が粗い、高価なものも値段の割に画質がイマイチのようです。Youtubeあたりでは8KのVR動画も出ていますが、コスト的に無理なので今回はパス。
一方、3Dステレオタイプは、1方向でしか見れませんが、対応したレンズを使えば安価にシステムが組め、4K収録のできるデジカメならそれなりにきれいな動画が見れるのではないかということで今回はこちらに挑戦です。
【3Dステレオ撮影】
3D撮影にもいろんなタイプがありますが、スマホVRでは、ステレオ撮影(サイドバイサイド、平行法)という手法で撮影する必要があります。簡単に言えばひとつの画面の左右に動画が並び、左は左眼用、右は右眼用となります。
いろいろ調べて候補に挙がったのが次の2つ。
①マイクロフォーサーズ用 12.5mm F12 単焦点 3D対応レンズ G H-FT012
こちらは、デジカメに装着するだけで簡単に3Dステレオ撮影ができるマイクロフォーサーズ用のレンズです。結論から言えばこのレンズはVRに不向き。というのも「交差法」という方法で撮影されるため、生成される画像は左側が右眼用、右側が左眼用と反対になるので、撮影後、VR用に動画編集が必要になります。
加えて、構造上、F値が暗く、左右のレンズが近接しているため立体効果も得られにくいという弱点があるようです。
②PENTAX ステレオアダプターDセット
ということで、採用したのはペンタックスから発売されているステレオ写真撮影用のアダプターです。もともとはステレオ写真撮影用につくられたもののようで、10年以上前に発売された製品です。付属のビューワーで撮影した写真を見れば3D画像が見れるというものです。
このアダプターなら平行法で撮影されるので、左の画像は左に、右の画像は右にそのまま表示され、VRグラスでも使えそうです。
アダプターは、52mm径のねじ込み式で装着するようになっており、フィルターなどと同じようにレンズの先に装着して使います。35mm換算の焦点距離50mmで撮影すると3D効果が出るようになっています。ちょっと望遠よりな点が弱点か。
【装着してみた】
ニコンの50mmレンズ(フィルター径52mm)が手元にあったのでそいつを使用。ニコン→Eマウントレンズアダプター経由でα7II Rに装着して、静止画ならびに4K動画の撮影をしてみました。
ニコン50mmレンズに装着
LCD画面には左右2種類の画像が表示されます。あとは撮影した画像や動画ファイルをMoto Zに移してVRグラスで視聴すれば3Dになっているはず。
できあがったステレオ画像
まずは写真から。普通にgoogleフォトで全画面表示してVRグラスで見れば3Dになります。動画もスマホに写してVLCなどの再生ソフトで視聴すればオッケーです。3Dになっていますね。手前のものが浮き出て見えます。
スマホの画面を虫めがねで見るような形になるので、液晶のドットは見えますが元の画像が精細なので360VRほど粗が目立つこともありません。
撮影時の注意点としては、まず、撮影対象を中央に置くこと。VRグラスの性質上、画面の端は見えづらいです。ポートレートなら顔なりバストなりを画面の中央に置くと立体感得やすいです。次に、絞りについては、絞ったほうが立体感を出しやすいです。
【4Kハンディカムに装着】
ついでに、手元にあったハンディカムで使えるかも試してみました。4Kハンディカムのフィルター径は55mmなので、55→52mmステップダウンリングを介して装着です。ズームを操作して35mm換算50mmあたりでステレオ画像になります。ハンディカムでも問題なくステレオ撮影できました。
ハンディカムにも装着できます
ちなみに、3Dテレビが出始めたころには3D動画撮影用のハンディカムも販売されていたようで、ビクターのTD-1やパナソニックのVW-CLT2などはステレオ撮影(サイドバイサイド3D)ができるようです。これらはズームでも3D対応するようで使い勝手がよさそう。オークションで入手するのもいいかも。
ビクターTD-1はステレオ動画撮影に対応
【3DサイドバイサイドDVD】
そのほか、VRグラスで視聴できる素材がないかなと探していたところ、Amazonで3Dサイドバイサイド撮影したDVDを発見しました。アダルト動画ですがステレオ撮影した動画がそのまま収録されているので、動画をスマホに移して再生すればVRグラスで堪能できます。2013年の作品ですが、サイドバイサイドで収録されている貴重な作品です。
【評価☆☆☆☆☆】
ということで、商品評価は星5つ。手ごろな価格で3D撮影が楽しめる点は評価していいでしょう。特に、最近はミラーレスなどでも手軽に4K撮影ができるようになったことも加味すると、なかなか楽しいギミックの商品です。VR環境がある人はためしてみると面白いかも。
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