赤外線撮影 完全ガイド|IRフィルター・カメラ改造・透過撮影まで徹底解説

 最終更新:2026年3月

スマホ・カメラ・ナイトビジョン・IRフィルターまで赤外線撮影の方法を初心者向けにまとめました。

人の目には見えない光 ――それが「赤外線」です。

実は、スマホやカメラを使うと、この赤外線の世界を写真や動画として記録することができます。ナイトビジョンカメラで暗闇を撮影したり、IRフィルターを使って赤外線写真を撮ったり、市販カメラを改造して本格的な赤外線撮影を楽しむことも可能です。

このページでは、赤外線撮影の方法や機材レビュー、実際の撮影例などをまとめています。興味のあるカテゴリーから、赤外線撮影の世界をチェックしてみてください。

赤外線撮影とは

赤外線撮影とは、人の目には見えない「赤外線」を利用して写真や動画を撮影する方法です。通常のカメラは可視光(目に見える光)を中心に記録しますが、赤外線に感度を持つセンサーやIRフィルターを使うことで、肉眼とは異なる世界を写し出すことができます。例えば植物が白く輝いて見えたり、暗闇でも撮影できたりするなど、独特の表現が可能です。スマートフォンや市販カメラでも条件を整えれば赤外線撮影を楽しむことができ、ナイトビジョンカメラや赤外線改造カメラを使えば、より本格的な撮影も可能になります。

赤外線撮影を撮る

赤外線撮影(渋谷・X100S&IR680)

赤外線撮影の方法

赤外線撮影にはいくつかの方法があり、使用する機材によって撮影の仕組みや特徴が変わります。比較的手軽なのは、スマートフォンや市販カメラを使った赤外線撮影です。機種によっては赤外線にわずかに反応するため、IRフィルターなどを利用して赤外線の写りを確認できます。また、ビデオカメラのナイトショット機能やナイトビジョンカメラを使えば、赤外線を利用した暗所撮影も可能です。さらに、市販カメラのIRカットフィルターを取り外す「赤外線改造」を行うことで、より本格的な赤外線写真を撮影することもできます。ここでは、代表的な赤外線撮影の方法を順番に紹介します。

Xiaomi POCO F3で赤外線撮影(IR720装着、岡山駅)

スマホで赤外線撮影

スマートフォンでも、条件がそろえば赤外線を写すことができます。多くのスマホカメラには赤外線をカットするフィルターが搭載されていますが、完全に遮断されているわけではないため、赤外線LEDリモコンなどをカメラに向けると光が写る場合があります。機種によっては、外付けのIRフィルターを利用することで赤外線の写り方を確認できることもあります。ただし、一般的なスマホは赤外線への感度が高くないため、本格的な赤外線写真を撮るのは難しい場合もあります。それでも、赤外線の存在を手軽に体験できる方法として、スマホ撮影は初心者にも試しやすい方法です。▶スマホ関連記事を見る

大阪・道頓堀で赤外線撮影(X100S・IR680)

カメラで赤外線撮影

一般的なデジタルカメラでも、条件を整えることで赤外線撮影を楽しむことができます。多くのカメラには赤外線を遮る「IRカットフィルター」が搭載されていますが、完全に赤外線を防いでいるわけではないため、IRフィルターをレンズに装着すると赤外線成分を強調した撮影が可能になる場合があります。ただし、赤外線の透過量は機種によって大きく異なるため、シャッタースピードが長くなることもあります。植物が白く輝くような独特の表現や、通常とは違った風景を写せるのが赤外線撮影の魅力です。使用するカメラによって写り方が変わる点も、赤外線撮影の面白さの一つといえるでしょう。▶赤外線カメラ改造記事を見る

FDR-AX55でナイトショット(うめきた公園)

ビデオカメラで赤外線撮影

一部のビデオカメラには、暗い場所でも撮影できる「ナイトショット」などの機能が搭載されており、赤外線を利用した撮影が可能です。これらのモードでは赤外線LEDライトを使って被写体を照らし、その反射光をカメラのセンサーで記録します。そのため、暗闇でも被写体の様子を映像として記録することができます。また、機種によってはIRカットフィルターが自動で外れる仕組みになっており、通常のカメラよりも赤外線を捉えやすいのが特徴です。赤外線撮影を動画で楽しみたい場合や、暗所での観察・記録を行いたい場合に適した方法といえるでしょう。▶ビデオカメラ関連記事を見る

NV016ナイトビジョンスコープで暗視撮影(岡山県総合グラウンド)

ナイトビジョンスコープ/カメラ

ナイトビジョンスコープやナイトビジョンカメラは、赤外線を利用して暗闇でも撮影や観察ができる機器です。本体に赤外線LEDライト(IRイルミネーター)を搭載しているものが多く、肉眼では何も見えない暗い場所でも被写体を映し出すことができます。もともとは夜間の監視や野生動物の観察などを目的に作られた機器ですが、赤外線撮影を手軽に体験できるカメラとしても人気があります。一般的なカメラより赤外線への感度が高く、暗所での撮影性能に優れているのが特徴です。機種によっては写真や動画の記録が可能なモデルもあり、赤外線の世界を気軽に楽しむことができます。▶ナイトビジョンスコープ関連記事を見る

ローパスフィルタを外したPanasonic GF5

改造カメラ

より本格的な赤外線撮影を行う方法として、市販のデジタルカメラを改造して使用する方法があります。多くのカメラには赤外線を遮る「IRカットフィルター」がセンサーの前に取り付けられていますが、これを取り外したり、赤外線を透過するフィルターに交換することで赤外線の感度を大きく高めることができます。このような改造を行ったカメラは「赤外線改造カメラ」と呼ばれ、通常のカメラでは難しい鮮明な赤外線写真を撮影することが可能になります。短いシャッタースピードで撮影できるようになるため、風景写真などでも赤外線特有の表現を楽しめるのが特徴です。▶改造カメラ関連記事を見る

赤外線撮影に必要な機材

ハンディカムにIRフィルターと外部赤外線ライトを装着

赤外線撮影を行うためには、目的に応じたいくつかの機材を用意すると撮影の幅が広がります。代表的なのが、可視光を遮り赤外線を通す「IRフィルター」です。これをレンズに装着することで、赤外線成分を強調した写真を撮影することができます。また、暗い場所で撮影する場合には、被写体を赤外線で照らす「IRライト(赤外線LEDライト)」が役立ちます。さらに、撮影する被写体や構図に合わせてレンズを選ぶことも重要です。赤外線の写り方はレンズによっても変わるため、機材の組み合わせによってさまざまな表現を楽しむことができます。▶赤外線撮影機材記事を見る

赤外線撮影では定番のFUJIFILM IRフィルター

IRフィルター

IRフィルターは、赤外線撮影で最もよく使われるアクセサリーの一つです。通常のカメラは可視光を中心に記録するため、そのままでは赤外線の影響はあまり強く現れません。そこでレンズの前にIRフィルターを装着すると、可視光を大きくカットし、赤外線だけを通すことができます。これにより、植物が白く輝くような独特の赤外線写真を撮影できるようになります。IRフィルターにはさまざまな種類があり、720nmや850nmなど透過する波長によって写り方が変わります。使用するカメラの赤外線感度や撮影目的に合わせてフィルターを選ぶことが、赤外線撮影を楽しむポイントです。▶IRフィルター関連記事を見る

高輝度VCSEL IR LEDなら100m先も明るくなります

IRライト

IRライト(赤外線ライト)は、赤外線を照射して暗い場所でも撮影を可能にする照明機器です。人の目には見えない赤外線を発光するため、周囲を明るくすることなく被写体を照らすことができます。ナイトビジョンカメラや一部のビデオカメラでは、この赤外線の反射光を利用して暗闇でも映像を記録することができます。IRライトにはさまざまな波長や出力の製品があり、撮影距離や用途によって選ぶことが重要です。夜間の観察や赤外線撮影を行う際には、IRライトを組み合わせることで、より安定した撮影が可能になります。▶IRライト関連記事を見る

レンズによってはホットスポットが発生することが

レンズ

赤外線撮影では、使用するレンズによって写り方が変わることがあります。一般的なレンズは可視光を基準に設計されているため、赤外線ではピント位置がわずかにずれる場合があります。この現象は「フォーカスシフト」と呼ばれ、赤外線撮影ではピント合わせに注意が必要です。また、レンズの種類によっては画面中央に明るい円が現れる「ホットスポット」が発生することもあります。そのため、赤外線撮影ではホットスポットが出にくいレンズを選ぶことがポイントになります。焦点距離や描写の違いも含め、レンズ選びによって赤外線写真の表現は大きく変わります。▶レンズ関連記事を見る

赤外線透過撮影

赤外線の特性を利用することで透過撮影も可能に

赤外線透過撮影とは、赤外線が特定の素材を透過する性質を利用して、通常の撮影では見えないものを写し出す撮影方法です。赤外線は可視光よりも波長が長いため、布やプラスチック、薄い樹脂などをある程度通り抜けることがあります。この性質を利用すると、内部の構造や隠れている物体を確認できる場合があります。ナイトビジョンカメラや赤外線に感度のあるカメラを使用し、赤外線ライトを組み合わせることで撮影が可能になります。素材や厚みによって透過の度合いは大きく変わるため、さまざまな対象で試してみるのも赤外線撮影の面白さの一つです。▶赤外線透過撮影記事を見る

赤外線撮影の作例

X100SにIR680フィルターを装着して撮影(渋谷)

渋谷(X100S+IR680)

甲子園球場(IIIF150 Raptor)

甲子園球場(IIIF150 Raptor)

チームラボ(Doogee S96Pro)

チームラボ(Doogee S96 Pro)

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赤外線撮影 FAQ

赤外線撮影は普通のカメラでもできますか?
多くのデジタルカメラには赤外線を遮る「IRカットフィルター」が搭載されているため、通常の状態では強い赤外線写真を撮影することは難しい場合があります。ただし、IRフィルターを使用したり、ナイトショット機能を持つカメラを使うことで、簡易的な赤外線撮影を楽しむことは可能です。本格的な赤外線写真を撮影したい場合は、赤外線改造カメラを使用する方法もあります。
スマホで赤外線撮影はできますか?
スマートフォンのカメラにも赤外線を遮るフィルターが搭載されていることが多いため、一般的な撮影では赤外線はほとんど写りません。ただし、機種によっては赤外線LEDの光がわずかに写ることがあり、簡易的な赤外線確認を行うことはできます。本格的な赤外線写真の撮影には向いていませんが、身近な機材として赤外線の性質を体験するには面白い方法です。
IR720やIR850などの数字は何を意味していますか?
IRフィルターに表示されている720nmや850nmといった数字は、赤外線の波長を示しています。720nmフィルターは可視光を少し残しながら赤外線を取り込むため、比較的明るく撮影できます。一方で850nm以上のフィルターは可視光をほぼ遮断するため、より赤外線らしい幻想的な写真になります。用途や表現したい写真によってフィルターを選ぶことが大切です。
赤外線撮影は昼間でもできますか?
赤外線は太陽光にも含まれているため、条件を整えれば昼間でも赤外線撮影を行うことができます。特に晴天の日は赤外線量が多く、植物が白く輝くような独特の風景写真を撮影することができます。ただしIRフィルターを使用すると光量が大きく減るため、三脚を使用した長時間露光になる場合があります。
赤外線撮影におすすめのカメラはありますか?
赤外線撮影に向いているカメラは、赤外線感度が比較的高いセンサーを搭載している機種や、ナイトショット機能を持つビデオカメラなどです。また、市販カメラを赤外線改造することで、より自由度の高い撮影が可能になります。初心者の場合はナイトビジョンカメラやナイトショット機能付きビデオカメラから始めると、比較的簡単に赤外線撮影を楽しむことができます。

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