【レビュー】赤外線撮影機能付きスマホでどれくらい透けるか検証してみた

アスリート盗撮という言葉で一部界隈では話題になっている、赤外線カメラを使った透け透け撮影についての検証です。前回は中華スマホIIIF150 Raptorを赤外線カメラ化する改造方法について紹介しましたが、今回は実際に、ナイトビジョンカメラを搭載したスマートフォン改造で、写真のような透け透け写真が撮影できるのかを調べてみました。

赤外線撮影

はじめに赤外線撮影によって、衣類などが透ける原理について簡単に解説しておきます。

赤外線は、可視光線(青〜緑〜赤)より波長が長いので、黒色や赤色などの素材を透過しやすい特性を持ちます。

このため、晴天下など赤外線照射量が多い環境では、条件によっては衣類が透けることがあるようです。ネットには、この赤外線撮影の仕組みを利用して撮影した盗撮画像が大量に出回っています。実際にどのような条件で透けるのかを調べてみましょう。

検証①

使用するカメラは前回紹介したIIIF150 Raptorのナイトビジョンカメラで、赤外線撮影用にIR 82フィルターを取り付けて改造したものです。通常の白色LED室内照明に加えて、補助光として内蔵の赤外線LEDを照射して撮影します。写真のマネキンを使って、何パターンか撮影してみましょう。

まずは、ユニクロ製ポリエステル生地のスポーツウェアです。少し濃いめの迷彩柄Tシャツです。

IRフィルターで可視光がカットされるため、生地の模様は消えますが、透けているという感じではないですね。マネキンのバスト部が出て、生地が体から浮いているのも影響しているようです。

背中側です。前後で異なる生地が使われており、背中側は前側より、やや薄めの生地です。

こちらは、はっきりとインナーが透けているのがわかりますね。生地が肌に密着すると透けやすいようです。

続いて、同じくポリエステル生地ですが、黄色いカラーのTシャツです。

こちらは、赤外線が生地の表面で反射するので、微妙に透けているかな程度ですね。白系の生地は透けにくいようです。

続いては、ぴったりめのユニフォームです。発汗しやすいようメッシュのポリエステル生地でできており、かなり薄手です。

やはり、赤外線の吸収率が高い黒系の布地は透けやすいようです。インナーの輪郭がわかりますね。

背中側もはっきりと透けています。タイトめの服で、生地が体に密着しているため、透けやすくなっている印象です。ポリエステル生地を使ったユニフォームで体に密着したものは、かなり透けることがわかります。

検証②

続いては、生地の下に雑誌を入れてどの程度透けるのかを見ていきましょう。

1つ目は、水着です。ポリエステル製ですが、ある程度厚みのある素材です。肉眼では雑誌は透けて見えません。

赤外線撮影では、顔の輪郭が分かる程度に透けています。透過度は、見た感じでは50%ぐらいといったところでしょうか。

水着の生地とサポーターが重なる箇所でも、ぼんやりですが透けて見えます。透過度は、20%ぐらい。

続いては、ユニクロの黒いトップスです。

素材はポリエステル100%です。

こちらは、かなりはっきり透けていて、文字も大きなものなら判読できます。透過度90%です。

綿100%の白Tシャツはどうでしょう。もともとが透けて見えます。

赤外線を反射しやすい白色の生地でも、材質によってはある程度は透けるようです。70%ぐらい透けてますかね。

こちらは、赤外線を通しやすい黒色ですが、かなり厚手の綿100%のTシャツです。さすがに厳しいですかね。

これだけ厚みのあるものなら透けないかと思いましたが、うっすら透けています。透過度は30%です。

かなり厚手ですが、ジーンズはどうでしょう。

綿100%のジーンズは、さすがに無理でしたね。

ウール製パンツはどうでしょう。秋冬物でそこそこ厚みのある生地です。

こちらは、微かに透けていますね。20%といったところです。

ポリエステル製のジャージパンツです。

こちらはかなり透けています。70%ぐらい。やはり、濃い色のポリエステルは赤外線を通しやすいようです。

最後は、ワッフル生地の素材です。

厚みはありますが、生地の薄い箇所が透けています。60%ぐらいでしょうか。

検証③

続いては、生地が濡れた状態でどうなるかの検証です。冊子ホットペッパーを水着の下に入れて撮影してみましょう。

表紙を赤外線撮影すると、一部の色が見えなくなるほか、紙が薄いので下のページが透けて見えます。

冊子を水着の下に入れて、赤外線撮影をしてみました。髪の黒い部分が透けているかな程度です。

続いて、水着を濡らした状態で撮影です。文字まではっきりと透けるようになりました。内側の冊子と布地が密着することで透過効果が高くなったようです。

赤外線は金属を透過しない性質を持つので、アルミ箔を間に挟むことで、衣類が透けるのを防ぐことができます。

ミズノなど一部のメーカーからは赤外線盗撮を防ぐ効果のある防透け生地を使ったユニフォームも開発されています。こちらは、近赤外線を吸収する素材を使っているようです。

まとめ

ということで、まとめです。実際にいくつかの材質の衣類を赤外線撮影してみたところ、Tシャツなど日用の衣類は、赤外線カメラである程度透けますが、せいぜい下着や体のラインが見える程度です。これを「透ける」といえるのかは微妙ですね。

一方で、スポーツウェアなど、赤外線を透過しやすい赤や濃い色で、薄手のポリエステル生地は、体に密着することで、かなり透けやすくなるという印象です。また、水や汗で濡れることで透過性が高まる点も気をつけたほうがいいですね。

ネットに溢れている盗撮系画像は、画像加工して創作したものかと思っていましたが、赤外線撮影の仕組みを利用して、撮影できることは確かなようです。

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