部屋の湿気が酷いです。鉄筋コンクリート造の1階にある事務所ですが、おそらく水はけの悪い土地の上に建っているのでしょう。
湿度計を買って測ってみたところ、酷いときはキッチン回りで湿度が80%を超える状態です。少しカビ臭い。。。
マンション1階はカビが繁殖しやすい
マンションを探すときの盲点ですが、
水はけが悪い場所にある建物は、地下から湿気が侵入してきます。谷あいなど低い土地や、川、池の近く、沼地の上にある建物では、地下から水分が上がってくるので雨の日の翌日なんかは湿気がひどいです。木造はもちろん、鉄筋コンクリート造でも、
コンクリートは水分を通すので、建物1階は特に湿度が高くなります。
コンクリートを抜けて湿気が
さらに、コンクリート造の建物は気密性が高いため、湿気は一度室内に入ると、換気をしない限りなかなか外に出ていきません。結果、クローゼットの中など空気の循環が悪い部屋、場所では常時湿度70〜80%の高い状況になります。夏場は高温多湿で、カビが大繁殖する条件を備えているのです。
RC造は気密性が高く湿気が抜けない
日当たりの良い部屋やリビングあたりでは、エアコンや換気扇を使うことで湿気が外に抜けていきますが、洗面所や玄関、クローゼット、ベッドの下のような空気が循環しにくい場所は湿気が溜まりやすいです。なので、こうした場所ではしっかりとした湿気対策をしておかないと、下駄箱の革靴やクローゼットの衣類、革製品やカメラのレンズなど、カビが発生しやすくなります。建物北側や日当たりの悪い寝室などでも、ベッドや布団の下にカビが発生っていうのはよくある話です。
湿度の高い建物対策
というわけで、住まいにカビ臭さを感じたら早急に対策を立てなければ大変なことになります。放っておけば、カビが蔓延してカビ城に。大事な財産がカビだらけになりますし、当然、健康被害も発生します。
対策として考えられるのは、①
湿気を入れない②
湿気を排出する-の2つ。①については、湿気が地下から上がってきているので、新築時に建物下に遮水シートを敷くなど大掛かりな工事でもしない限り無理。ということで、溜まった室内の湿気を屋外に排出することに重点を置きます。
防水シートを貼れば湿気の侵入が防げる
まずは
部屋の換気。窓を開けてと言いたいところですが、1階の場合、防犯上四六時中開けておくわけにもいきません。ということで、一番手っ取り早いのが
換気扇です。これを24時間回しっぱなしにしておくだけでも効果はだいぶ違います。各部屋のドアを開け放しにしてキッチンやお風呂の換気扇を回しっぱなしにするだけでもそこそこ改善されます。
24時間換気が効果的
なお、雨の日に換気扇を回しても外の湿気が入ってくるよという意見もありますが、常時換気扇を回しておくことで、室内の空気が対流するので雨の日でも回したほうが効果はあります。このほかにも、寝室や押し入れなどは
スノコや
サーキュレーター、扇風機を使うことで、湿気がたまりやすい場所の空気が循環し、カビ予防になります。
無印のサーキュレーター
除湿器導入へ
換気扇を24時間稼働させたことで湿気はだいぶマシになりましたが、それでも雨の日はなんだかカビ臭い。毎日出入りしているならエアコンつけて除湿できるのですが、週末とか留守のときに雨が降ると不安。床の上にコピー用紙置いておくと、湿気でふにゃってなってるし、やっぱり除湿器入れよっかなとなりました。
ということで、やっと本題。除湿器を投入することにしました。とりあえず、30畳(鉄筋)の広さに対応する除湿器を出しているのが、
シャープ、
コロナ、
三菱、
ナカトミあたり。この中から絞り込んでいきます。
コロナの除湿器は連続排水に対応するが24時間で自動停止する
除湿機選びのポイント
除湿機を選ぶときのポイントとしては、
除湿方式と
除湿能力に注意してください。梅雨の時期や夏場のカビ対策用途であればエアコン(冷房)と同じ
コンプレッサー方式の除湿能力の高いものを選んでおけば大丈夫です。
夏場の湿気はコンプレッサー方式を
デシカント方式は動作音が静かで、冬場でも使えるメリットがありますが、排熱が多いので部屋の温度が上がりますし、ヒーターを使うため電気代も高めです。デシカント式(もしくはハイブリッド式)は、建物北側など冬場に外気温との差で結露が発生しやすい部屋にはオススメです。
冬場の結露対策はデシカント方式
除湿能力が高い機種は価格が高くなりますが、そのぶん可動時間が短く済むのなどのメリットがあります。コンプレッサー方式は動作音が大きいので、大きな音で短時間動かすか、中ぐらいの音で常時可動させるかの選択になります。水捨ての手間を考えるとタンク容量は大きいほうが便利です。
連続排水対応は三菱一択
除湿器は、空気中の湿気を集めてタンクに貯めるというのが基本的な構造です。しかし、タンクが満タンになれば溜まった水を捨てる作業が必要になりますし、満タンの時点で除湿器の運転が止まってしまいます。
タンクの水捨ては重労働です
当然、週末、除湿器まわしっぱで事務所を出たとしても、土曜あたりで満水になって停止してしまう。これじゃ意味がない。ところが、一部機種では
連続排水という機能が備わっていて、ホースをつなぐとそこから常時排水ができます。水捨て不要で集めた水を垂れ流しにでき、満水で止まることもないのです。
この機能を備えているのが、
コロナと
三菱。ところがさらに調べたところ、
コロナは連続排水はできるが、安全のためか24時間で運転が止まってしまうようです。
三菱は大丈夫ということで
三菱の除湿器をセレクトする運びとなりました。
三菱電機MJ-180LX到着
今回購入したのは
三菱電機のMJ-180LXという機種です(
※2018年に新機種が発売されています)。まずは簡単な機能紹介を。除湿能力は
鉄筋39畳、
木造19畳で家庭用としてはかなりハイスペックです。本体は除湿能力に比例して大きめ。タンクは満水で
4.7Lと結構な容量です。衣類乾燥や、カビブロックなどモードあり。
シャープの
プラズマクラスターのようなイオン空気清浄機能はありません。
内部クリーン運転がついているのは安心です。
箱から出して、試運転。とりあえず湿気の多そうな給湯室に設置してみます。運転前の
湿度80%、おぉぉぉ、こんなに湿度高いのかよ。ということで早速運転開始。ものの10分程度で湿度が50%台まで下がります。ハイパワーです。タンク容量は4.7Lと大きめですが、それでも雨の日にフル稼働していると半日もしないうちにタンクが満水になります。一雨で2Lペットボトル2本分以上の湿気が室内に侵入してきていることになります。
ちなみに、この除湿器は
コンプレッサー式といって、空気を圧縮させて除湿するタイプ。温度の高い梅雨から夏場に活躍します。気温の低い冬場は能力が下がるということですが、冬場も部屋干しに除湿機を動かすと一晩で乾くので使えないことはなさそうです。コンプレッサーを搭載しているので、ウーンという動作音は大きめになります。この動作音が唯一の弱点です。とはいえ、湿度設定しておけば目標湿度になると運転を自動で停止するので、常時うるさいということはないです。
連続排水のため15mm径のホースを後部に接続
連続排水用に改造
さて、到着したままでは連続運転はできないので、簡単な改造が必要になります。方法は取扱説明書に図入りで書いてます。準備するのは排水用のホース。
内径15mm(一般的な水道ホース)のものをホームセンターで買ってきます。2メートルで300円ぐらい。
ちょい高いですがAmazonでも手に入ります。
取り付けは簡単です。本体裏側の排水口のプラスチック蓋を取り外し、そこからホースを差し込んで、排水口に繋ぐ。これだけ。ものの5分でできます。
玄関ドア下の隙間から排水
あとは排水ホースをどこかに設置するわけですが、当然、本体より低い位置に置く必要あり。排水できる場所となると、キッチン、トイレ、あと玄関あたりかな。排水ホースを玄関ドア下に潜り込ませて、戸外に垂れ流しにすることに。無事設置完了です。
ちなみに、湿気対策に効果てきめんだったので、後日、同じ機種を自宅用にも購入し設置しました。自宅での排水は窓サッシのレール部分にホースを置くことで、隙間からベランダに抜けていきます。
80%を超えていた湿度は50%台前半に
総合評価(☆☆☆☆☆)
今の時期、日中事務所にいるときはエアコンつけてるので、除湿器は停止。不在時の夜間や週末は運転状態です。週末雨で、週明けに事務所を覗いてみると湿度は51%に。1週間、除湿器を使ったところ、酷いときは80%を超えていた湿度も常時稼働させると30%台にまで下がりました。建物が北向きということもあり、除湿機まわしておくだけでエアコンは必要ないほど。
空気がカラッとするので、除湿機+扇風機でも十分快適です。エアコンの寒さは苦手だけど、ジメジメしたのは嫌って方にもオススメです。赤ちゃんや小さなお子さんなど、エアコンはあまり使いたくないよーという家庭にもよいと思います。Amazonのレビューを見ると、別荘の湿気対策に利用している方が多いようです。
ちなみに、MJ-180LXの除湿モードには、
強、
弱、
自動、
浴室カビガードの設定があります。自動モードの場合は、設定した湿度以下になると除湿器が停止、超えると再運転を開始する仕組み。強、弱は運転パワーの違いで、弱は音が静かめ。強はパワフルで、一気に除湿させたいときなど便利ですね。うちの事務所は弱運転で30%台をキープしていますが、乾燥肌などもう少し湿度が高いほうがいいという人は、湿度設定すればオッケーです。
総合評価は文句なしの5つ星。常時連続排水できるオンリーワンの除湿機です。湿気やカビで悩んでいる人にはオススメできます。
なお、2018年、三菱電機からムーブアイ搭載の除湿機が新発売されました。新しい2機種もうれしい24時間連続排水対応です。
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