Aliexpressのセールで安価な赤外線カメラを何点か購入してみました。今回紹介するのは、フィールドスコープなどに取り付けてデジスコ撮影できるアイピース専用デジカメです。モノクロナイトビジョン赤外線撮影にも対応するなかなか個性的なスペックです。500mm望遠レンズに装着して超望遠撮影にチャレンジしてみました。果たして性能はいかほどのものなのか。性能など詳しくレビューしていきましょう。
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[使用した商品]
【商品概要】
商品はAliexpressで見つけた望遠鏡アイピースカメラです。俗にいうデジスコ専用のカメラです。
フィールドスコープの接眼部に取り付けることで高倍率の写真や動画を撮影できるという代物です。ワンタッチで赤外線モードに切り替えできるのが最大の特徴です。
Aliexpressでの購入で、価格は通常3,997円のものがクーポンなど使って3,218円でした。8月26日の注文で9月1日に到着です。
日本のAmazonでも取り扱いがあるようです。興味のある人は概要欄にリンクを貼っておきます。
【商品詳細】
まずは商品についてざっくり紹介です。デジスコ専用で単焦点タイプのデジカメです。付属のアダプターで径22-46mmのアイピースに装着でき、アダプターとカメラ本体はマグネットでワンタッチ着脱できる優れものです。
背面に3インチのモニターを搭載します。
ナイトビジョンモードに切り替えて赤外線撮影できるのが最大の特徴です。望遠レンズに装着して赤外線撮影できれば楽しいよねということで、今回この商品を購入したポイントです。
スペック表を見ると、搭載するレンズは光学4倍ということで35mm換算で100mm相当でしょうか。デジタル4倍ズームにも対応するようです。撮影は4K動画に対応となっています。
バッテリー容量は850mAhです。記録はマイクロSD(TF)カードで、最大128GBまで対応します。本体サイズは8.7×6.2×5.5cmです。
【開封してみた】
それでは届いた商品を詳しく見ていきましょう。同梱品は本体のほか、アイピースアダプター、Type Cケーブルで、説明書は英語と中国語です。ケースは無し。
本体外装はアルミ合金製で、意外と高級感のある作りです。
ただし、レンズ周りの仕上げが雑ですね。塗装の剥げや接着剤のはみ出しが目立ちます。
マグネットでカメラ本体とアダプターが引っ付く仕組みです。アダプター側のシルバーリングがマグネットになっています。
アダプター外周をクルクル回すことで内部のアイピースを固定するプラスチック製の爪の幅を調整できます。
取り付けできるアイピースの大きさは最大で48mmぐらい。
カメラ本体の重量は115グラム。手にした感じではサイズの割にずっしりとした重みです。
アダプターを装着しての総重量は151グラムです。
向かって右側面には操作ボタンか4個。以前紹介したNV99Sとまったく同じ操作ボタンです。ドラレコ用カメラ基盤を使いまわしているのかな。
記録はマイクロSDカード(TFカード)で最大128GBまで対応します。
底面には充電&データ転送用のUSB Cポートがあります。パソコンに繋げると外部ストレージとして利用できるほか、USBカメラとして認識させることも可能です。三脚用のネジ穴は無し。
本体上部にはリセットボタンホールが配置されています。
ディスプレイは3インチで、パッと見た感じでは画質も悪くないです。なお、輝度調整には対応しません。
【操作方法】
操作方法を簡単に説明しておきます。Pボタンを3秒長押しで電源オンです。+ボタン2秒押しで撮影と再生の切り替えができます。Pで静止画撮影、OKで動画撮影です。
ーボタン2秒押しで設定画面へ。OKボタンを2秒長押しするとナイトビジョンモードへ切り替えできます。そのほか詳しい操作方法はブログにまとめておきます。
設定項目は、①日時②オートパワーオフ③スクリーンセーバー④言語と。
⑤50/60Hz⑥IR LED ON/OFF⑦フォーマット⑧初期化ーとなっています。設定変更は、+、ーとOKキーで操作します。ー2秒押しで戻るです。NV99S同様に設定項目は少なめ。
【デジスコ準備】
こちらの商品は写真のようにフィールドスコープに装着して接続しますが、あいにく当方はフィールドスコープを所有していません。
ということで、今回はカメラレンズに取り付けることにしました。カメラレンズ用のアダプターを購入です。SVBONYという中華メーカーのSV149という接眼レンズアダプターです。キヤノン用とニコン用がラインナップされています。
アイピースはSVBONYの23mmをチョイスです。数字が小さいほうが倍率が大きくなるのかな。とりあえずレビューで評価の高かった広角のものを1つ買って、使えるようなら狭角のものを買い足しますか。
【装着してみた】
こちらが接眼レンズアダプターです。
キヤノンEFマウントレンズに装着できます。キヤノンEF用のM42マウントアダプターにアイピース用アダプターを取り付けてあるようです。説明書が無いので調整の仕方とかわからない。
シグマ70-200mm F2.8 APOに装着してみました。
こちらが23mmの接眼レンズです。
これでキヤノンEFレンズがフィールドスコープに変身しました。
接眼レンズにアダプターを装着して。
カメラをペタッとはめると撮影準備完了です。
【日中撮影】
それでは実際に撮影してみましょう。撮影場所は岡山城です。スマホカメラの2倍ズーム(50mm相当)で撮るとこんな感じです。
レンズに装着する前の素の状態で撮影してみました。パンフォーカスのようでピント調整はできません。パッと見た感じでは画質は悪くない。
6928×5192(10.8MB)のJPEG画像が生成されます。生成される画像は36MPと解像度が高いですが、拡大してみると解像感は低いです。無理やり解像度を上げた感じ。PC上で見るとスマホカメラと比べると画質はイマイチですね。
それではシグマのAPO 50-500mmに装着です。
接続部分はこんな感じです。マグネットでワンタッチ着脱できるのは便利ですね。
アイピースを覗くとこんな感じです。接眼レンズアダプターでは、フィールドスコープのように上下を反転させるプリズムが入っていないので、天地が逆さまになって表示されます。また、1.5インチのアイピースでは四隅がケラれていますね。
Pボタンを押すと写真撮影できます。広角端の50mmから。オート撮影でシャッタースピードの変更や露出補正には対応しません。パッと見た感じでは画質はいいですね。
望遠端の500mmです。360m離れた天守閣のシャチホコもしっかり撮影できます。倍率も十分です。
スワンボートにレンズを向けてみました。露出補正できないので真っ白なボートでは白飛びが目立ちますね。
OKボタンを押すと動画撮影開始です。センサーの性能が良くないのか、感度が低くノイズが目立っています。画質はいまひとつな印象ですね。
動画は1080P 30fpsのMJPEGでaviファイルが生成されます。
本体横の+ / ーボタンでデジタルズームの倍率を変更できます。0-4まで最大で5倍ズームできます。5倍ズームなら四隅のケラレも消えていい感じですが…。
デジタルズームした状態で撮影ボタンを押すと等倍にリセットされます。撮影中にデジタルズーム操作しても反応しません。
やはりNV99S同様にデジタルズーム撮影には対応しないようです。
生成される画像は、静止画が3600万画素、動画が1080P 30fpsです。商品説明では4K対応となっていましたが、実際は異なりますね。
赤外線撮影も試してみましょう。OKボタンを2秒長押しするとナイトビジョンモードに切り替わります。日中でも問題なく赤外線撮影ができます。超望遠で赤外線撮影ができるのは大きなメリットです。
夜間撮影です。カラーモードだとこんな感じです。カメラセンサーの感度はあまり高くないようでザラつきが目立ちます。
ナイトビジョンに切り替えてみました。IR LEDは搭載していないので、NV99SのIR LEDを照射して赤外線撮影です。NV99Sと同じなら暗所撮影に強いのではと期待しましたが、カメラセンサーは異なるものを使っているようです。NV99Sほどの暗所耐性はありません。
比較してみるとわかりますが、NV99Sのほうが感度が高いようです。
【総合評価☆☆★★★】
ということでまとめです。ざっくり触ってみての評価です。前回レビューしたNV99Sと比較しての感想です。
マイナス面から挙げていくと、NV99S同様に宣伝されているスペックはアテにならないようです。4K撮影はできません。まあ、1080P撮影はできるので、720PのNV99Sよりはマシですが、一方でセンサーの性能はNV99Sと比べるとかなり低い印象です。
一番のザンネンポイントは1.5インチの接眼レンズだと四隅にケラレが出る点ですね。せめてデジタルズーム撮影に対応していれば使い勝手がよかったのですが。
加えて、操作性がイマイチです。カメラレンズだと天地が逆さになるので扱いづらいです。天地切り替え機能が付いていればです。あと、オート撮影で露出補正など細かな設定変更ができないのもマイナスポイントでしょう。
評価できる点としては、難しい設定なしで気軽にデジスコが楽しめる点でしょうか。カメラ用の望遠レンズを持っているなら、わずかな出費で超望遠撮影が楽しめます。画質もそこそこきれいです。
赤外線撮影に対応している点もメリットです。センサー感度はNV99Sほどではありませんが、超望遠のキヤノンレンズで赤外線撮影を楽しめます。赤外線撮影については、センサーの感度が低いため夜間の暗視撮影には不向きですが、晴天下の赤外線撮影であればそれなりに使えそうではあります。
総合評価は、星2つですかね。あまりオススメはできません。ハードはそれなりに良いのですが、操作アプリの作り込みが甘いため使い勝手がイマイチです。とはいえ、NV016やNV99Sのような超高感度センサーを載せてデジタルズーム撮影できるようになれば用途は飛躍的に高まると思います。アイデアとしてはおもしろい商品です。もう少し値段が高くてもよいので、センサーの品質を上げたり、アプリの使い勝手が良くなればというのが正直な感想ですかね。
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