ネットニュースで滋賀県にもコストコがオープンするという知らせを聞いて、久しぶりにコストコ岡山出店について再調査してみることにしました。最近はこれといった出店の噂を聞きませんが、以前囁かれていた候補地のいくつかは既にボツになっているようなので、その辺りも含めて、まとめです。
【出店基準】
はじめに、コストコの出店基準は、ざっくりこんな感じです。①半径10キロの人口が概ね50万人以上②敷地面積15,000坪以上③車のアクセスの良い物件。
まず、商圏人口については、50万人となっていますが、来年、コストコがオープンする滋賀県東近江市は10キロ圏人口が11万人ですから、それほど厳格なものでは無いみたいです。20〜30キロ商圏の人口50万人が目安になるでしょう。
岡山の場合、岡山市単独でも70万人、お隣の倉敷市が48万人ですから、商圏としては余裕で条件をクリアしています。人口規模的には岡山は全国的に見てもトップクラスのコストコ候補地です。
加えて、中四国はコストコ空白地帯で、広島市を除き、岡山市をはじめ高松市、松山市、松江市、姫路市などコストコが出店していません。四国や山陰からのアクセスも期待できる岡山に出店するメリットは高いと言えます。
次に、基準敷地面積の15,000坪(50,000平方メートル)ですが、これは東京ドームと同じぐらいの広さです。って、この例え、岡山人にはピンと来ないですね。似たような広さの敷地を探してみたところ、イオンモール岡山の敷地面積(47,000平方メートル)とほぼ同じです。これだけの規模の土地となると、郊外の工場跡地とか農地、埋立地が候補に挙がりますかね。
加えて、車のアクセスのよい場所ですね。海外からの荷物は新岡山港もしくは水島港に、国内の荷物は西日本の物流拠点である三木物流センターから高速道経由で運ばれることになります。遠方からの集客も望まれるので、やはり、高速道路インターチェンジ周辺が浮かんできます。
条件的には、岡山IC、倉敷IC、玉島IC、水島IC、早島IC、総社IC、山陽ICあたりが候補地になりそうです。そのほか、2号線バイパス沿いですかね。どこも広大な田んぼがあるので条件的にはクリアできそう。
一方でコストコを迎える自治体も条件があります。やはり誘致に積極的な自治体でないとダメですね。今まで、岡山にコストコができなかった一番の原因はこれです。候補地はいくらでもあるのに、なぜか行政がジャマをしているように見えます。例えば、兵庫県たつの市は、龍野IC南側の土地を区画整理してコストコ誘致を目指しているとのこと。残念ですが、岡山の自治体にはここまでの積極性が感じられないです。
それでは岡山の状況はどんなものかを見ていきましょう。
【岡山市は積極的に反対】
岡山で初めて具体的にコストコ出店の噂が流れたのは、岡山市南部の操南学区です。国道2号線南側の田んぼが広がる地域です。新岡山港が近く、物流的には最適な場所です。中四国の拠点としてコストコの物流基地を作ってもよいような恵まれた立地ですね。
この場所、10年ぐらい前から噂が出ては消えています。噂の出所は地元市議会議員さんのTweetのようです。コストコの役員が訪れて交渉しているので、情報の確度としてはかなり高いです。
しかし、場所が田んぼということで市街地再開発の許可が降りなかったみたいです。でも、同じ地区にハローズとか大規模店舗は出店しているので、市街化調整区域だからというのは疑問が残りますね。
調べてみると、5年前(2018年)の岡山市都市計画審議会でコストコの件が議題になっていました。ここで市当局が「中心市街地の商業施設が衰退するからコストコのような大型店舗の開発許可はしない」と回答しています。わかりやすく言えば、「天満屋とか表町商店街とかの売上を守るために、競合するコストコの出店を岡山市内に認めるわけにはいきません」って感じですね。
えっ、天満屋とコストコで客層被りますか?
ほんと岡山市の行政の人間ってセンスないですよね。とにかく表町商店街さまの既得権を守りますってことです。
あの、昭和の風情残るお店ばかりの商店街です。この商店街に賑わいを戻すという名目のために、これまで岡山市行政がやってきたことって覚えてますか?
まず、天満屋さまと表町商店街さまのために、新市民会館(ハレノワ)を利便性の悪い商店街の外れに移転しました。
さらに、イオンモールから表町商店街に客を誘導するために、片側2車線だった道路を潰して、天満屋方面への一方通行にします。ハレマチ通り。
さらには路面電車の延伸&環状線化etc。表町商店街の利権を守るために湯水の如く税金を注ぎ込んでいます。
三丁目劇場なんてのもありましたね。こうした施策だけでは足りず、コストコ進出も妨害しているというわけです。役所総出で反コストコなわけですから、岡山市にコストコが来る可能性は限りなくゼロに近いでしょう。
ただ、前回岡山市長選に出馬落選した浦上雅彦元市議はコストコ誘致に積極的です。この人が、次回の市長選で当選すればコストコ誘致に向けて規制緩和してくれるかもです。
そのほかにも、岡山市内ではこんな場所が候補地として噂されました。
JR山陽本線の北長瀬駅前はかつて最有力候補地として名前が出ていた1つです。しかし、こちらも岡山市の反対で潰されたようです。現在はブランチ北長瀬という微妙な商業施設がオープンしたのでもう出店は無理ですね。
南区にあったカバヤゴルフ場跡地などにもコストコ進出との情報が流れました。しかし、こちらはホームセンターのカインズや中古車販売のガリバーが出店することが決まったようです。カインズはかつて、コストコと共同で操南地区に出店を計画していましたね。パートナーをガリバーに変えて再挑戦、念願かなったという感じです。
2020年9月に岡山市東区平島にあるパナソニック岡山工場が撤退を表明し、こちらも新たなコストコ候補地として噂が流れました。敷地面積8万平方メートルと十分な広さ。一時期は確定というウワサも流れましたが、名古屋の衣料品会社に売却されたようです。物流倉庫を建設するということでコストコ出店の可能性はなくなりました。
ということで、近々に岡山にコストコが進出するなら岡山市以外の自治体でしょう。候補はどこか。先に挙げた条件から、倉敷市、早島町、総社市、赤磐市が浮かびます。
【本命は倉敷市】
倉敷市では、イオンモール倉敷の北にあるクラレ跡地に出店するのではないかという話が5年前ぐらいからまことしやかに囁かれています。倉敷ICからはやや離れており、物流という面ではイマイチな立地ではありますが、市街地近くの広い土地は魅力的。
イオンモール倉敷と隣接することになりますが、幕張や尼崎などイオンと隣接するパターンは前例があります。集客効果という点ではシナジーも期待できます。
噂によると2019年秋の時点でクラレとコストコが土地売買の交渉中とか。これが事実なら数年のうちに倉敷にコストコ登場ということになります。この土地は、最近までイオンモールが臨時駐車場として利用していましたが、2022年にはクラレに返還されたということで、更地にした後、何らかの発表があるかもしれません。
ただ、アリオ倉敷の件でもわかりますが、倉敷市も天満屋との繋がりが強い自治体なので、コストコ進出にゴーサインが出るかどうかは微妙なところ。イオンモール倉敷周辺は、慢性的な渋滞が発生しており、周辺住民の反対も含めてこのあたりもマイナス材料です。とはいえ、現時点では1番実現可能性が高い場所と言えるでしょう。
【対抗は早島町】
続いては、岡山県の物流拠点でもある早島町です。岡山市と倉敷市の間に挟まれた小さな町ですが、国道2号線ならびに瀬戸中央自動車道早島ICが近く、県外からのアクセスも良好です。ハローズ物流センターや物流団地があることからわかりますが港湾(水島港)からのアクセスも良好な場所です。
早島町についてはネットで2018年末に決定情報が流れています。しかし、それからすでに5年が経過しており、この話は立ち消えになったようですね。
【単穴の総社市】
総社市は岡山自動車道総社ICがあり、近年ではインターチェンジ周辺に物流拠点が進出している注目の場所です。水島港からは瀬戸中央自動車道→山陽道→岡山道と少し遠くなりますね。今の片岡総社市長になってから、Amazonのほかにもヤマザキパン、パナソニック、大黒天物産などいろんな企業が総社に進出しています。市長が企業誘致に積極的な点は期待が持てますね。
ただし、年始の初詣渋滞でも明らかなように、この地区は、一般道が片側1車線で道路事情が乏しく、岡山市、倉敷市ともにアクセスがかなり悪いのがマイナス点です。出店すれば慢性的な渋滞が発生する可能性大です。総社一宮バイパスの工事は進んでいますが、全線完成までにはまだまだ時間を要します。アクセス的に厳しいかなという印象です。
可能性としては、兵庫県三木市にあるような物流センターが進出するのではと勝手に想像しています。コストコとしては中四国進出の物流拠点を岡山県内に設けたい。とすれば、総社や早島、水島の辺りは魅力的な場所ではあります。
【大穴の赤磐市】
岡山市の東隣、赤磐市も一時期コストコ進出のウワサが流れた地域の1つです。岡山市東区瀬戸町との境界に山陽自動車道山陽ICがあり、また、県南北を繋ぐ美作岡山道路の熊山ICも最寄りです。目の前には広大な畑が広がるので、お隣の瀬戸町と合わせて、シネコン等の進出話が絶えない場所です。コストコが出店するにはうってつけの場所です。
ただ、赤磐市については、兵庫県たつの市が候補地として登場したことがマイナス材料です。商圏が被りますし、コストコ的には、福山市や四国からの広域集客を見込める岡山市以西がベストですからね。
【岡山にコストコは来ない】
という感じで、最近の状況を調べてみました。今のところ明るいニュースは無さそうですね。結局、今日までコストコが来ていない現実を見れば、天満屋、両備、中国銀行を筆頭とする地元財界に忖度した自治体の反対が大きく影響しているのでしょう。
やはり、岡山市が政令指定都市になってしまったのが痛いですね。これに伴い大規模店舗の開発許可権限が岡山市に移ったので、やりたい放題です。岡山市以外の自治体なら権限は岡山県にあるので、、、あっ、今の県知事は天満屋ですからどのみち無理ですね。
最近の岡山市の都市開発を見ても、大阪本社のJR西日本案件しかまともな商業施設が進出できない構造です。このため、中心部にはマンションと病院しか建たない。終わってますね。新潟市などそこそこ人口があるのにコストコが出店していない街はどこも似たような事情なのかなと思えてしまいます。地域の発展を妨げているのは誰ですか?闇は深い。ということで、2023年現在のコストコ岡山出店まとめでした。
コストコ岡山出店について、新しい情報がありましたらコメントよろしくお願いします。
カバヤショートコースの跡地では?
返信削除噂たってます