【レビューの王子さま】岡山県赤磐市にコストコ進出か?

先月、アップしたコストコ・ホールセールの岡山進出についての記事ですが、その後、気になるウワサを耳にしました。7月のまとめでは、大穴として挙げていた赤磐市ですが、市長がかなり積極的にコストコ誘致に向けて動いているという話です。地元ではすでに決定したとの情報も流れているようですが、この手の話には過去何度も騙されてきたので、本当かどうか、いろいろと情報を追いかけてみました。結論から書くと、赤磐市コストコが進出する可能性はかなり高いです。ウワサ通りなら2025年度に建設工事がスタートし、2026年度にはオープンが見込まれます。それでは詳しく見ていきましょう。

You Tube動画版

赤磐市

赤磐市は、岡山市の東隣に位置する人口4.3万人の小さな街です。平成の大合併で旧山陽町赤坂町熊山町吉井町の4町が合併して誕生しました。桃やぶどうの生産農家が多く、高度成長期には大規模な住宅開発が進み、岡山市のベッドタウンとして発展してきました。

しかし、少子高齢化と、若年層の市外転出、最寄りのパナソニック岡山工場閉鎖など、将来的に大幅な人口減の可能性が指摘され、市では大きな危機感を感じているようで、人口減対策が喫緊の課題となっています。

赤磐市長

赤磐市長は、友實武則(ともざね たけのり)氏で、2010年に当選、現在3期目を務めています。友實(友実)という名前を見れば、地元民ならピンとくるのではないでしょうか。この人、桃茂実苑(ともみえん)という、地元では有名な老舗の観光農園の関係者(妻が社長)です。

だからどうしたという話ですが、この写真を見ると、コストコ赤磐進出のウワサ話に信憑性が出てきます。どうぞ。

桃茂実苑の一角で「コストコミニショップ」を開催している写真です。情報の出所は桃茂実苑フェイスブックページです。6年前の写真で、時期的にブドウの収穫が終わったオフシーズンですかね。

店内には、おなじみコストコのトイレットペーパーに、オキシークリーンなどが写っています。

見覚えのある巨大なピザも。規模は小さいですが、コストコ商品がひと通り揃っています。現職市長と関係のある会社に大量のコストコグッズです。しかし、この規模では仕入れ経費を考えるとほとんど儲けにならないはずです。おそらく市長もしくは関係者がかなりのコストコファンだと思われます。

誘致の正否は

仮に、このウワサ話が本当だとして、果たして赤磐市コストコを誘致できるのでしょうか。このあたりを詳しく検討してみましょう。

群馬県明和町の事例

赤磐市のコストコ誘致については、群馬県の小さな自治体、明和町の事例が参考になります。明和町は群馬県南東部に位置する人口1万人程度の小さな町ですが、今年4月にコストコ群馬明和店をオープンさせました。

成功の鍵は、町長が誘致に熱心だったからです。当初、群馬県側はコストコ進出について否定的な立場を取っていましたが、粘り強い交渉の末、誘致にこぎつけたようです。

加えて、参入障壁となる反対運動が起きにくい環境だった点も挙げられます。明和町は大型商業施設の空白地帯で、住民は隣接する羽生市佐野市太田市のイオンモールなどに車で買い物に出ていたため、大型商業施設誘致に対する反対運動が少なく、出店を歓迎したようです。

コストコ側も、近年は大型スーパーとの競合を避けて、車で60~90分のエリアに十分な人口があれば、小規模な自治体でも積極的に進出する傾向にあります。

先述の明和町をはじめ、栃木県壬生町熊本県御船町福岡県久山町など小規模な自治体に続々とオープンしています。

さらに、今後も南アルプスインターチェンジ亀山インターチェンジ東近江市近江インターチェンジなど、遠方からの集客の見込める高速道路インターチェンジ近くへの出店計画が報じられています。

赤磐市の現状

噂の挙がっている赤磐市も、大型スーパーはマルナカ山陽店コープ山陽ぐらいしかありません。

多くの住民が車で近隣の岡山市や倉敷市、関西方面に買い物に出かけています。コストコ神戸倉庫店も車で1時間半くらいの距離なので、買い物に行く人の話もよく耳にします。

このため、コストコ出店に対する反対意見は比較的少なく、住民アンケートでは、むしろ大型のショッピングセンター誘致を求める声も多かったようです。

赤磐市は元々、岡山市のベッドタウンで、市内に大きな企業がなく、就業者の半数以上が市外に通勤しているなど、雇用の受け皿がなく、昼間人口が少ないという問題を抱えていました。コストコ誘致で1000人程度の雇用創出も見込める上、周辺自治体から買い物客を取り込め、農産物販売などで地域活性化が果たせるということです。

用地取得

出店に必要な大規模な土地についてですが、山陽IC近隣には広大な田んぼが広がるので、地権者の同意が得られれば用地取得は比較的容易でしょう。

アクセス道路も、山陽自動車道山陽ICが近く、国道2号線に繋がる平島方面からは県道37号線が、岡山市中心部からは県道27号線が、それぞれ片側2車線で通っているので条件は十分に満たしています。建設中の岡山美作道路もあるので、県北からのアクセスもよいです。

道の駅あかいわ構想

いろいろとネットで情報を漁っていると、2022年4月、赤磐市道の駅を整備する計画が浮上しているとの業界紙記事(建通新聞を見つけました。

今年6月には、道の駅整備推進事業が予算化されます。かなり具体的な話です。

複合商業施設整備

そして、8月8日に発表された、国土交通省のプレスリリースを見ると、非常に興味深い記述が見つかりました。

地域活性化官民連携事業に赤磐市の名前がありますね。

隣接エリアにおけるホテルや商業施設(複合型)の開業などの民間投資に合わせて、道の駅整備に係る概略設計やPPP/PFI導入可能性検討等を行う」と記されています。商業施設の文字が気になりますね。

計画概要には用地も含めた具体的な内容が記載されています。詳しく見ていきましょう。

道の駅を核とした新たな賑わい・交流拠点の整備を進めているが、隣接するエリアにおいて民間投資の機運が先行して高まっており」とあります。民間投資が行われるので、それに合わせて道の駅を作りたいということですね。

資料には、令和7年度(2025年)から民間事業者による商業施設(複合型)並びにホテルの整備が行われると記されています。これに合わせて、国の補助金で農産物直売所や道の駅を整備する計画です。

場所は、山陽インターから西に車で5分ほどの県道27号線沿いの場所です。現在は広大な田んぼが広がります。ここに、コストコかどうかは不明ですが大型商業施設の整備を計画していることは確かです。すでに国の予算がついていることから、かなり具体的に進んでいる話です。

グーグルマップでみるとこんな感じの場所です。

商業施設とホテル計画予定地の敷地面積は合わせて約10万平方メートルです。

商業施設の面積は約5.5万平方メートルです。これだけ大規模な土地に計画される商業施設となると、浮かぶのは、ショッピングモール、大型ホームセンターなどですかね。

仮にコストコ出店となると、似たような都市規模の石川県野々市倉庫店の敷地面積が2.5万平方メートルです。「複合型」とあることから、コストコ+αという形になるでしょう。もう1つの商業施設が何かも気になります。

8月24日にオープンの門真倉庫店は、ららぽーと三井アウトレットパークが併設されていますが、赤磐市の場合、商圏的にその2施設は厳しいかな。

かつてコストコが岡山市内の操南学区に共同出店を計画していたカインズのようなホームセンターや、大黒天物産系のスーパーマーケットとかですかね。大穴狙いで、イケア(IKEA)とか来たら面白いですが、イケアは広島からも撤退してますし、無理でしょう。

ちなみに、コストコカインズと共同出店した壬生町の場合、カインズの敷地面積が2.5万平方メートルで、コストコの敷地面積が3.3万平方メートルです。足せば赤磐市の商業施設面積の5.5万平方メートルに近い数字になりますね。カインズは南区のカバヤゴルフ場跡地に今年中に新店舗を開業予定ですが、それに続けての開業となるのか。

ホテル整備

ホテルについてはインターチェンジ近くで、駅からは離れているという立地から、総社市にあるサンロード吉備路や、旅籠屋のようなロードサイド型の宿泊施設が想定されます。敷地面積の広さを考えると、ホテル併設型のスーパー銭湯のような施設もありえますね。

視聴者の方からこんな情報も寄せられました。超高級ホテルのマリオットグループ積水ハウスが共同で展開している「フェアフィールド・バイ・マリオット 道の駅プロジェクト」です。国内の各自治体と連携し、各地にある道の駅をハブとして「地域の魅力を渡り歩く旅」を提案する地方創生事業プロジェクトです。岡山県では津山蒜山などに、ロードサイド型ホテルを開業しています。城東地区に道の駅整備が計画されていますね。

経済効果

赤磐市は、桃やぶどうの生産農家が多い地域で、コストコ誘致で市外からの買い物客が増えれば、現在計画中の道の駅整備と相まって地元産業も潤います。また、他店の例をみると、コストコ的には納品トラックを空にして帰るのはもったいないので、出店先の特産品などを全国で取り扱うケースが多いです。赤磐の農産物をドーンと積んで帰ることになるでしょう。関西圏を中心に全国への販路が確保できます。周辺農家にとっては大きなビジネスチャンスです。

さらに、コストコが出店すれば、固定資産税と都市計画税で年間数千万円の税収が見込まれます。また、地方消費税として売上の1.1%も入ってきます。コストコ1店舗あたりの年間売上が約290億円と言われているので、ざっくりした計算で3億円近い税収増に結びつきます。加えて、1000人近い雇用創出が期待できる上、アルバイトの時給が高いのが特徴です。メリットは計り知れないです。

渋滞対策

この手の大型商業施設出店で反対意見として挙がるのは「渋滞」です。現状、コストコが予定地にオープンすれば、特に新下市交差点のあたりは激しい渋滞が見込まれます。

これについては、山陽インターチェンジから高速道路沿いにバイパス道を整備することである程度緩和できるでしょうか。

最大の懸念材料

実現に向けての最大の懸念材料は、都市計画法の開発権限を握る岡山県の妨害が入るかもしれないという点です。某県のリニア工事と同じで、県知事が開発許可を下さなければ、この手の話はまったく前に進みません。

赤磐市の場合、その権限を握るのは岡山県知事ですが、伊原木隆太知事は、あの天満屋さんの関係者ですからねえ。ズブズブです。岡山市の出店が失敗したときのように役所総出で反対運動が起こる可能性は高いです。縄張り意識が強く、とにかく既得権を守りたい勢力です。

まとめ

ということで、まとめです。ざっくり調べた感じでは、出所が国土交通省発表のプレスリリースということで、かなり信頼できる情報源です。敷地面積や立地から見ても、コストコ進出の条件を十二分に満たしており、出店の可能性はかなり高いでしょう。ただ、地元赤磐市ではコストコ進出は決まりという情報がある一方で、中止になったという話も耳に入ってきています。県の反対で立ち消えになった可能性も否定できません。とにかく地方の発展を妨げる一族の存在が…。商業施設はできるけど、コストコではなかったというオチもありえます。今のところは7割ぐらいの確率で出店かなという印象です。ご覧の皆さんも、耳よりな情報ありましたらコメント欄にお寄せください。


0 件のコメント:

コメントを投稿