HEADWOLFから新登場した8インチタブレットFPad3が到着したのでさっそくレビューです。Unisoc T616搭載で、RAM/ストレージが4GB / 128GB、フルHDパネル&4G LTE搭載で、重量317グラムの軽量タブです。このスペックで約1.7万円という価格帯は魅力的ですね。詳しい仕様は製品紹介の記事を確認ください。
【購入】
商品は日本のAmazonで8月1日に注文して、8月11日に到着しました。購入価格は、25,999円から9,000円の割引クーポン使って1.7万円です(→こちらから購入できます)。現在メインで使っているiPad mini 5thなどと比較してみましょう。
なお、リンク先では、先日、日本国内でも販売開始されたALLDOCUBEのiPlay 50 miniとの比較もしています。
【開封してみた】
さっそく開封していきましょう。同梱品は、本体のほか、USB Cケーブルと充電器、SIMピンです。充電器は5V 2Aで10W充電です。本体も急速充電には対応していないみたいです。
ディスプレイには保護用のシートとフィルムの計2枚が重ねて貼られています。そのままシールを引っ張ると2枚とも剥がれてしまうので、慎重に保護シートのみ剥がしましょう。フィルムは指でイジってるだけで簡単にキズが入るのであまり品質はよくなさそう。別途フィルムを購入したほうがよさげです。
【外観】
外観から見ていきます。低価格帯のタブレットは筐体がプラスチック製のものが多いですが、Fpad3の本体はアルミ合金製です。
表面は細かいザラつき加工がしてあり、指紋は目立たないですが、若干滑りやすいかなという印象です。値段の割に質感は良いです。安っぽさは感じません。知らない人が見ればiPad mini 6thに見えるかもしれません。
画面サイズは180×112mm、iPad mini 5thが160×120mmなので、それよりひと回り大きいです。
ベゼル幅は左右がそれぞれ6-7mm、上下が10mmとスッキリしてます。
カメラ部は2mmほど飛び出しています。カメラ下にはLEDライトも搭載しています。
右側面に電源とリセットボタンホール、音量ボタンを配置しています。
底面にUSB Cポートとスピーカーホール。スピーカーは底面に2つのステレオスピーカーです。
本体上部は、電波干渉対策のためか、一部、樹脂のパーツを使っています。カメラ上にはマイクホールがあります。
左側面には、3.5mmイヤホンジャック、SIMスロットがあります。iPlay 50 miniもそうでしたが、この位置にイヤホンジャックを配置するのが流行っているのですか?電源&音量ボタンを上に向けて横置きにすると、イヤホンジャックが下になって使えないんですけど…。
SIMトレイは2 SIMで、うち1つがマイクロSD(TFカード)との排他スロットになっています。
重量の公称値は317グラム。実測値は321グラムです。保護フィルムを1枚貼った状態なので、ほぼ公称値どおりですかね。
iPad mini 5thと比べると縦の長さは同じですが、横幅は10mmほど狭いです。
厚さはiPad mini 5thより気持ち厚いかな。サイズ感はiPad miniと似たような感じです。ただ、やはりカメラ部の出っ張りは気になりますね。iPad mini 5thみたいにフラットだとよかったな…。
【起動してみた】
さっそく起動してみました。システム設定を確認したところ、出荷状態でストレージは128GBのうち、16GBが使われています(※写真はAntutu Benchmarkインストールのため18GBです)。動画を大量に保存しなければ十分な容量です。
RAMは、初期状態で本体メモリ4GBに加えて、仮想メモリ4GBが割り当てられています。設定→システム→メモリ拡張機能を選択すると、仮想メモリを2GBもしくは4GBに設定できます。なしを選択しておけば仮想メモリはオフになります。
Antutu Benchmarkの結果は27万点。ざっと使ってみた感じでは、 Xiaomi Pad 5あたりと比べるとアプリの起動がモッサリだったり、描画で若干もたついたりする感はありますが、許容できる範囲です。Web閲覧や電子書籍、動画視聴といった用途であれば問題ないです。細かいシステム情報はこちらに貼り付けておきます。
【ストレージ詐称問題】
Fpad3は発売開始当初、UFS2.2ストレージ搭載を謳っていました。しかし、SNSなどで、ストレージが実際はeMMCだったという情報が出回り、ちょっとした騒ぎになりました。実際に搭載されていたのはeMMCだったようで、後日メーカーはスペックを修正しています。
Device Info HWで見ると確かにeMMCと表示されます。eMMCはUFS2.2と比べると性能が劣るので、これはかなりの残念ポイントです。
Antutu Benchmarkのストレージテストスコアは10683点でした。ただ、実際使ってみた感じでは、ストレージの遅さはそれほど気になりません。UFS2.1搭載のiPlay 50 miniと体感でどれぐらいの差がでるのか比較してみた結果はこちらです。
【ネットワーク】
Fpad3はソフトバンクのプラチナバンドBand8とドコモのプラチナバンドBand19に対応しているということで、LINEモバイルのソフトバンクSIMをセットしてみました。APN設定すれば問題なく使えます。
※8月17日追記 ドコモ回線、au回線についても検証した結果、どちらもプラチナバンドに繋がりました。
【ディスプレイ】
Fpad3は安価な製品ですが、ディスプレイの品質は良さげです。画面輝度については想像していたより明るく、室内で使うぶんには不満に感じることはないレベルです。日中屋外でとなると厳しいのかな。
Widevine L1対応ということで、Amazon PrimeビデオやYoutubeなど1080Pで表示されます。NETFLIXについては独自のDRM(著作権保護機能)が採用されているため、720P表示になります。
電子書籍版週刊文春のグラビアページを最大輝度(360 nit)で表示してみました。iPad mini 5th(左、500 nit)のほうが画面は明るいですが、Fpad3も暗いという印象は受けません。なお、縦横比の関係で、雑誌の表示サイズはほぼ同じになります。
テレビ番組など動画については、ヨコ長なFpad3のほうがiPad mini 5thより、ひと回り大きく表示されます。
続いてディスプレイの品質を見ていきましょう。B5サイズの週刊新潮を1ページ表示で、画数が多く、ルビの振ってある「忖度(そんたく)」の文字を比較します。Fpad3ですが、廉価版タブレットにしてはキリッとした文字です。
iPad mini 5thだとこんな感じ。さすがにiPad miniは解像感、背景の白色もきれいです。文字は読みやすい。iPad miniと比べると、Fpad3は背景の白も若干粗いというかギラつく感じです。キリッとした白色ではないです。
さらに2ページ見開きで表示して撮影してみました。Fpad3です。さすがに見開きだと字が細かすぎて見辛いですが、十分に判読はできます。
iPad mini 5thは小さく表示しても、ルビまでしっかり解像していますね。さすがApple製品、値段相応の品質です。
1点、気になったのが、ディスプレイのリフレッシュレートについてです。Device Info HWには58Hzと表示されています。iPlay 50 miniは60Hz出てるので、微妙に劣りますかね。
【スピーカー】
Fpad3のスピーカーは、本体下部に配置しています。ステレオスピーカーで、スピーカーホールも2つあります。さすがに高音質とは言えませんが、悪くはないです。ただし、音量はボリュームを最大にしてもイマイチ小さいかなという印象です。静かな室内で聴くぶんには問題ないですが、屋外とか車の中だと聞きづらいかもしれませんね。
なお、Bluetoothオーディオについては各種コーデックが対応していないため、デフォルトのSBCしか使えません。このため、ゲームや動画では遅延の影響が出て、音ズレが発生する可能性があります。有線イヤホンが必要になるでしょう。
【バッテリー容量】
Fpad3は5,500mAhのバッテリーを搭載しています。ディスプレイの輝度を80%に設定して、バッテリー100%の状態からAmazon Primeビデオで150分の映画(TENET)を3回(450分)再生したところで、バッテリー残量が3%でした。一般的な用途であれば7時間半以上は使える計算です。これだけ持てば十分でしょう。充電時間は、急速充電に対応していないので、0%から満充電までは3時間半程度を要します。
【GPS】
気になったのはGPSの掴みの悪さ。岡山駅近くの商業ビル内(窓際)で調べたところ、ほとんど掴まず正確な位置が表示されない。スマホ(POCO F3)は、同じ場所でも30近く掴むのに、Fpad3では6〜7つぐらいしか表示されないです。しかも、捕捉するのが遅い。
駅から離れた自宅だと建物の中でも25ぐらい掴んで、位置も正確に表示されるのですが、なぜこんなに…。
田舎に行くとGPSとして機能する程度に拾うので、やはり高い建物がある場所だと拾いにくい印象です。タブレットなのでGPSが必要な場面は少ないですが、カーナビ目的で購入を考えている人はご注意ください。
【総合評価☆☆☆☆☆】
ざっくり触ってみての感想です。まずは良い点から。高評価ポイントとしては、①安価②軽量コンパクト③画面きれい④LTE対応⑤かっこいいーといったあたり。とにかく1.7万円という値段の割にクオリティが高いです。全体的な使用感はiPlay 50 miniとよく似ています。
一方で、マイナス点は、私の使途だと、指紋認証非搭載、高速充電非対応といったあたりが不便ですね。あとは、ストレージがeMMCというのが、どの程度性能に影響するかです。ベンチマークの値を見た感じでは、UFS2.1と比べると、かなり読み込みが遅いようです。これが実用上、どれぐらいストレスになるかですね。
加えて、気になるのは重さです。iPlay 50 miniとは30グラム差ですが、手にすると、はっきりと重さを感じます。とにかく軽いのがいいならiPlay 50 miniですし、プラス30グラムで高性能なLenovo Legion Y700 2023(348グラム)という選択肢も見えてきます。このあたりが判断のポイントになるでしょう。
あと、Amazonや楽天でレビュー操作するのはどうですかね。星5つのレビュー投稿すると3,000円のAmazonギフト券がもらえる仕組みです。規約違反なので、こういうことするメーカーはあまり好きではないです。
総合評価は、満足の星5つ。ストレージ詐称とか、レビューの件とかは引っかかりますが、商品自体はよいものだと思います。少し重くてもいいからSoCほか性能の高いのものを希望する人にFpad3はおすすめです。不満点もそれなりにありますが、コスパはかなり高いです。
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