【レビュー】満充電で通電オフできるUSB スマートケーブルを買ってみた

PD対応の電源オフ機能付USB電源コントローラーUD24 を買ったついでに、スマートケーブルをいくつか買ってみたのでレビューしましょう。バッテリーが100%になると過充電を防ぐために自動で給電が止まる便利なUSBケーブルです。今回購入したのは、Amazonで売ってたスマートケーブルで、①QC3.0対応USB A to C②タイマー機能付きUSB A to C③USB C to Lightning(PD)ーの3点です。

過放電と過充電

スマホに搭載されているリチウムイオンバッテリーは消耗品です。500回程度充電をすると寿命がきて使えなくなります。ヘビーユーザーなら毎日充電していると大体2年ぐらいで寿命が来るイメージ。自分の利用歴的にも1年で使えるバッテリー容量が減ってきたかなで、2年あたりでバッテリーダメになって使えなくなるパターンが多いです。

このバッテリーの寿命については、使い方を理解しておけば、ある程度伸ばせるようなので、そのあたりを簡単にまとめておきましょう。

バッテリーに良くないのが、過放電過充電です。

過放電は、その名のとおり、バッテリー残量ゼロになるまで電池を使うこと。モバイル機器など長期間利用しないとバッテリー残量がゼロになることでダメージを与え、起動しなくなることがあります。使っていないリモコンとかの乾電池の液漏れなんかも過放電が原因で起きますね。

対策としては、バッテリーを0%まで使い切らず、20%手前で充電するのがいいみたいです。ノートパソコンなどリチウム充電池搭載機器を長期間使わない場合は、バッテリー残量を60〜80%あたりでシャットダウンさせておくのがおすすめです(スリープモードだと徐々にバッテリー消費して残量ゼロになるのでご注意を)。

過充電は、容量いっぱいまで充電すること。これもバッテリーにとってはよくないです。一昔前のノートパソコンとか充電器繋ぎっぱなしで使っていると1〜2年でバッテリーがダメになってましたね。場合によってはバッテリーが膨らんできてなんてこともありましたが、これらは過充電が原因で起きるみたいです。

こちらの対策は、充電完了後にACアダプターやUSBケーブルを外すことです。ノートパソコンのACアダプターは常時挿したままで使いがちですが、実はメーカーの説明書にもノートPCなど充電完了後はケーブルを抜いてくださいと書いてます。

そのほか、繋ぎっぱなし充電という、ケーブル繋げて充電しながらスマホを使うのもバッテリーにはよくないと言われています。ただ、これについては充電器メーカーのHPを見ると特に問題ないみたいですね。

充電管理機能

なお、ここ数年で発売されたスマホやノートパソコンでは、バッテリーへのダメージを極力与えないようにする充電管理機能が搭載されています。例えば、iPhoneiOS13以降)やMac Bookでは、バッテリー充電の最適化という設定項目があり、起床時に充電が100%になるように調整してくれます(※iPadにはこの充電管理機能は搭載されていません)。

Androidスマホでも、満充電になる手前で電流を落としてバッテリーへの負担を抑えたり、起床時に満充電になるよう充電を調整する機能が搭載されているものがあります。

ただ、こうした充電管理機能も満充電後は100%付近で充放電を繰り返すため、やはり100%になった段階でケーブルを抜くに越したことはないようです。

OnePlus 9 Proの場合

OnePlus 9 Proでは、充電開始後バッテリー容量97%あたりで10V 0.5Aを切ります。100%になると0.3Aあたりまで電流を落とし、10分経過すると0.1Aになります。

ということで、紹介するのが充電管理機能を備えたスマートケーブルと呼ばれるものです。仕組みは簡単。満充電になった段階で、ケーブル内部のチップが物理的に給電を停止してくれます。

QC3.0対応

まずは1つ目。STOKというメーカーのQC3.0対応満充電で通電オフ! USB スマートケーブルです。最大の特徴は名前のとおり、QC3.0急速充電規格に対応しています。

充電中はLEDが点滅。完了するとオフになります。

POCO F3を接続。25W前後で充電されます。いい感じ。難しい設定等の必要なく繋げるだけでオッケーなので、便利ですね。

タイマー搭載

2つ目はタイマー機能付きのスマートケーブル。こちらはQC3.0には対応していない普通のスマートケーブルですね。上のと同じくSTOKが販売していますがWSKENというメーカーのもの。hocoというメーカーのものもあるようです。

最大10時間、1時間単位でのタイマー設定ができます。指定の時間になるか、満充電になるとオフになります。充電中はワット、アンペア、時間が交互に表示されます。

裏側のスイッチをクリックするとプラス、ダブルクリックするとマイナスでタイマーの時間を1〜10hの間で変更できます。

こちらもQC3.0には対応してるみたいですね。25W前後出てます。機能的にはどちらも大差なさそう。タイマーが必要ならWSKENかな。

Lightning 20W

最後は、iPhoneなどLightningケーブルで20Wの急速充電に対応したもの。USAMSというメーカーの商品です。Apple製品はQCチャージに対応していないので、急速充電するためにはUSB C to LightningのPDチャージケーブルが必要になります。こちらはPD対応で満充電でオフになる機能を搭載しています。

古めの第5世代iPad miniだと満充電で通電がオフになります。

総合評価☆☆☆☆☆

いずれの製品も問題なく使えますね。Android用ケーブルについてはどちらもQC3.0対応で、25W出てるので、UD24 使ってわざわざPDチャージしなくてもいいかな。iPhone使いなら急速充電使えるUSAMSはオススメです。スマホ故障の原因になりやすいバッテリー保護のためには持っておいて損はしないと思います。星5つ。

注意点としては、今どきのスマホは充電管理機能搭載しているので、例えばOnePlus 9 Proだと、朝起きたときに100%になるよう、100%手前になると電流を極端に落としてゆっくり充電を続ける機能がついてます。この場合、朝まで充電は続くのでスマートケーブルは機能しません。なので、充電管理機能をオフにしておいたほうがバッテリーにはよさそう。

【レビュー】PD充電を満充電でオフにできるUSB電源コントローラーUD24を買ってみた(その②)

USB電源コントローラーUD24レビューの続きです。ここからはノートパソコンで試してみることに。先日買ったUMPCのCHUWI Minibook X(USB PD)現在メインで使っているLenovo IdeaPad Slim 350(DCプラグ)、ついでにMacbook Air(USB PD)につなげてみました。

過充電対策

ノートパソコンは、ACアダプターを挿しっぱなしにしておくと満充電でも給電が続きバッテリーにダメージを与えます。取扱説明書には充電が完了したらコンセントを抜くように注意書きがありますが、ノートPCを据え置きで使ってるときとか挿しっぱなしで使う人は意外と多いですよね。

写真は以前使っていたDELL XPS13のバッテリーですが、コンセント繋ぎっぱなしで使ってたらタッチパッドを押し上げるぐらいバッテリーが膨張して充電できなくなりました。このように過充電を続けるとバッテリーにダメージを与えて充電できなくなったり、膨張したりで危険です。なので、充電完了したらこまめにコンセント抜く習慣にすればいいのですが、100%になったタイミングでコンセントを抜き挿しするのはなかなか面倒くさい。

ということで探していたのが、満充電になると自動で給電を停止するUSB C接続のスマートケーブル。ところが、QC3.0対応のUSB A to Cタイプのスマートケーブルはあるけど、PD(USB C to C)対応のものは見つからないのです。やっと見つけたのがこのUD24です。 

Minibook X

前置きが少し長くなりましたが、それではCHUWI Minibook Xで試してみることに。PDチャージャーからのケーブルをType C INPUTへ、Minibook XへのケーブルをType C OUTPUTへ繋げます。これでPD充電がはじまります。残量50%あたりだと27〜28ワットで充電されます。

残量90%あたりで20Wを下回ります。1.5Wだと99〜100%でオフになりました。

Macbook Air

Macbook Airでも試してみました。こちらもPD充電なのでMinibook X同様にUSB Cケーブルを繋げればオッケー。FCOPの設定は5W 3Mにしてます。

Minibook Xでは20Wぐらいしか出ませんでしたが、こちらは45Wで充電されてますね。

Macbook Airでは100%まで20Wで充電されるようです。その後15分程で5Wを下回ります。FCOPの設定値は9.9Wでもよいかも。

IdeaPad Slim 350

LenovoIdeaPad Slim 350でも試してみましょう。こちらは電源がDC端子なので以前紹介したUSB CをDCプラグに変換するMagPlug経由での充電になります。

MagPlug本体にeMarkerチップが搭載されているのでプラグを接続するとUD24が起動します。eMarkerはPD充電のネゴシエーションをしてくれるICチップ。IdeaPad Slim 35020V 3.25A給電情報をPDチャージャーに送りネゴシエーションしてくれます。

IdeaPad Slim 350Macbook Airと似たような感じですね。満充電から15分程度で5Wを下回りオフになりました。ノートパソコンはFCOP9.9Wに指定しておくのがよいかもです。

総合評価☆☆☆☆☆

評価は文句なしの星5つ。最適なFCOPの設定値探すのにもう少し時間必要かなという感じではありますが、PDチャージで充電管理するという目標は無事達成されました。スマホなら5W、ノートPCなら9.9Wが適当かな。この設定なら100%手前で給電オフになってバッテリーにやさしそう。Macbookなどバッテリー交換の費用が高い機器ではマストで使いたいですね。

評価できる点としては、スマホ、ノートパソコンetc各種USB給電機器の電源がコントロールできるとこ。給電停止する電力値(ワット数)を細かく指定できるので、100%とか90%とか、自分の好きなとこで充電を止めることができます。標準的なUSB充電規格のBC1.2をはじめPDQCなどに対応している上、Type C、A、DCなど各種プラグが使えるのもいいですね。

マイナス点は、本体が若干かさばるかなぐらい。スマホ用のスマートケーブルほどコンパクトではないです。まあ、手のひらサイズなのでノートパソコンのアクセサリーならそんなにジャマにはならないでしょう。PD専用でコンパクトになればいいかな。あと、FCOPの上限が9.9Wなのがどうかなといったあたり。最近の機器は急速充電でワット数高いので、20Wあたりまで設定できたらなという気はします。

まあ、PD給電を自動でオフできる機器はいまのところこれしかないと思うので、Macbookなどノートパソコンの過充電対策にはオススメです。