夜間撮影で人気のナイトビジョンスコープ「NV016」。標準倍率だけでは物足りないユーザー向けに、パナソニック、ソニー、ニコンのテレコンを装着して画質と倍率を徹底比較しました。本記事では、夜間・暗所での撮影だけでなく、日中や夕方の撮影環境でのテレコンの実力も詳しく検証。購入前に知っておきたいポイントを写真と動画で解説します。
夜間撮影で愛用しているナイトビジョンスコープNV016ですが、倍率がもう少し欲しいよねということでテレコンをいくつかテストしてみました。
いずれも終売品ですが中古品がAmazonやメルカリなどで比較的安価に入手できます。倍率の高いテレコン装着で画質はどの程度変わってくるのかを検証していきます。
【動画内で紹介した製品(Amazonリンク)】
- ナイトビジョンスコープ NV016
- VCSEL高輝度赤外線トーチ Alonefire TK504(IR850 / IR940)
- テレコン Panasonic DMW-GTC1 2.0倍(※終売品)
- テレコン SONY VCL-2630 2.6倍(※終売品※類似商品でVCL-2637 / VCL-2030もあります)
- テレコンSONY VCL-2637(※追加で入手しました。記事最後にDH2630との比較写真載せています)
- テレコン Nikon TC-E3ED 3.0倍(※終売品)
NV016ナイトビジョンスコープとは?
双眼鏡スタイルと高感度カメラセンサー
はじめにNV016について簡単におさらいしておきます。NV016は双眼鏡スタイルの望遠暗視スコープで、カメラと暗視撮影用の赤外線投光器を備えています。高感度カメラセンサーを搭載することで、カラーと赤外線のナイトビジョン撮影に対応しているのが特長です。
光学望遠レンズとデジタルズームの性能
35mm換算250mm相当(FOV10°)の光学望遠レンズに加えて、専用の画像処理プロセッサ(Image Signal Processor / ISP)を搭載することでほぼ劣化のないデジタル5倍ズーム(最大10倍)撮影ができます。動画撮影は最大5K 20fpsまで対応しています。
テレコンの種類と特徴
- Panasonic DMW-GTC1(2倍)
- Sony VCL-DH2630 / VCL-2637(2.6倍)
- Nikon TC-E3ED(3倍)
なお、今回使用する機器はテレコン装着用に先端部に37mm径のフィルターアダプターを取り付けているほか、ゴーストを低減させるため保護レンズを除去する改造を施しています。
また、VLC-DH2630(ソニー2.6倍)は取り付け径が30mm、TC-E3ED(ニコン3倍)は28mmのため、それぞれフィルターアダプターを介してNV016に装着しています。詳細は動画概要欄を参照ください。
テレコン装着による夜間撮影テスト(運動公園)
テスト① 暗所・芝生広場での撮影
テスト撮影の場所はいつもの公園です。道路から離れた芝生広場でほぼ真っ暗な状態です。
40m先の看板を暗視撮影してみます。デジタル5倍ズームで、カラーモード(4K 30fps)だとこんな感じです。街灯のない場所のためNV016の高感度センサーでもかなり粗い画像になります。
デジタル5倍ズームでの基準撮影
内蔵赤外線LEDをレベル5で照射して、ナイトビジョン赤外線モードで撮影してみました。テレコンなしだとこのくらいの倍率です。
4K 30fpsで撮影しているので動画編集ソフトで1080Pに切り抜くとここまで劣化なく拡大できます。
パナ2倍テレコンでの拡大比較
パナ2倍です。こちらも1080Pに拡大してみましょう。画質は良好ですが、他の2機種と比べると倍率は落ちます。
ソニー2.6倍テレコンでの拡大比較
ソニー2.6倍です。パナ2倍と比べると倍率がある割に、文字の解像感は高いように感じます。
ニコン3倍テレコンでの拡大比較
ニコン3倍です。拡大率は一番高いですが、パナ2倍と比べると文字の輪郭を見ると画質はやや劣るかなという印象です。
テレコンなし・テレコン各種の並列比較(写真4枚)
4つの画像を並べてみるとこんな感じです。
赤外線補助ライト使用時の撮影
さらに距離をとって100m先の看板を撮影です。カラーナイトビジョンだとこんな感じです。
AloneFire VCSEL 850nm IRトーチ使用方法
内蔵赤外線ライトではやや光量が不足するので、以前レビューしたAloneFireのVCSEL 850nm IRトーチで赤外線を照射してナイトビジョン赤外線モード(4K 30fps)で撮影してみました。まずはテレコンなしから。
デジタル10倍拡大の画質変化
デジタル10倍だとこんな感じです。5倍まではほぼ劣化なく拡大できますが、10倍になると粗さが目立ってきます。
テレコン別比較(パナ・ソニー・ニコン)
パナ2倍テレコン
パナ2倍です。デジタル10倍のほうがくっきりとした画像ですが、1080Pまで拡大してみると文字の解像感はこちらのほうが高いです。
ソニー2.6倍テレコン
ソニー2.6倍です。パナ2倍と比べると拡大率が高い上に、画質もシャープです。
ニコン3倍テレコン
ニコン3倍です。ソニー2.6倍と比べるとややモヤッとしているのが気になりますね。
テレコンなし・テレコン各種の並列比較(写真4枚)
4枚の画像を並べてみました。やはりソニー2.6倍が一番きれいに撮れていますね。
日中・夕方の画質テスト
百間川親水公園で野鳥撮影
場所を移してもう少しテストです。日中の画質も見ておきましょう。夕方5時頃の百間川親水公園で野鳥撮影です。
カラー等倍での画質
カラー等倍です。夜間撮影時の設定で露出を-1.0EVにしていたのでやや暗めな画質です。
デジタル5倍です。センサーサイズが小さいので、今時のデジカメやスマホカメラと比べると昼間の画質は今ひとつですかね。
対岸110m先の車にカメラを向けてみました。等倍250mm相当です。拡大するとナンバープレートの4桁の数字はなんとか読めますが、地名やひらがな、3桁の分類番号は判読不能です。
5倍までデジタルズームです。4桁の数字ははっきり読めるようになりましたが、その他の文字はまだ厳しいです。
パナ2倍テレコン
パナ2倍です。地名と3桁の分類番号も判読できるようになりました。ただ、他の2機種と比べると文字はやや粗いです。
ソニー2.6倍テレコン
ソニー2.6倍です。地名など小さな文字もしっかり判読できます。
ニコン3倍テレコン
ニコン3倍です。こちらも小さな文字まで判読できます。ただ、ソニー2.6倍と比べるとややシャープさに欠けるかな。
赤外線補助ライト使用時の撮影(親水公園)
日が暮れるのを待ってナイトビジョン撮影をテストです。
撮影は3月末の新月の夜です。周辺に建物がない上に街灯もない場所のため、ほぼ真っ暗な環境です。
ソニー2.6倍を装着してカラーナイトビジョンで撮影です。デジタル5倍です。超高感度センサーですが、ほとんど光が無い環境のため、川の中央にいる鳥の形がなんとか映るくらいです。
ナイトビジョンに切り替えると、赤外線ライトの効果ではっきりと映るようになりました。
赤外線補助ライト使用時の撮影(車両・距離100m)
カラーナイトビジョン
続いて、明るい時間に撮影したこちらの車をナイトショットで比較してみましょう
ソニー2.6倍を装着した状態でカラー等倍撮影です。
デジタル5倍です。なんとか車の形が判別できる程度でほとんど見えません。
ナイトビジョンをオンにしました。NV016の内蔵赤外線ライトをレベル5で照射しています。車ははっきりと見えるようになりましたが、車内はシートの形がなんとか見える程度です。NV016の赤外線ライトは強力ですが、100mの距離では光がそれなりに拡散するため光量も落ちるようです。
AloneFire VCSEL 850nm IRトーチ使用方法(SONY2.6倍)
VCSEL 850nmを照射します。VCSELライトは光量が大きい上に照射範囲を調整できるので、スポット照射すると100m先でもかなり明るいです。車内まではっきりと見えるようになりました。
編集ソフトで1080Pに切り抜き拡大すると車内の様子もはっきりとわかるくらい拡大されます。
スマホカメラで撮影してみました。真っ暗闇でも対岸100m先の車内がはっきりと視認できます。
ニコン3倍テレコン
ニコン3倍です。拡大率は上がりますが、ソニー2.6倍と比べるとややシャープさに欠けますかね。
パナ2倍テレコン
パナ2倍です。倍率は落ちますが、画質は良い感じです。
ハンディカムFDR-AX55+TCON17X
ちなみに、ハンディカムFDR-AX55にオリンパスの1.7倍テレコンTCON-17を装着したものでナイトショット撮影するとこんな感じです。
NV016にDH2630 2.6倍を装着したものと並べてみると、倍率はハンディカムのほうがやや有利ですが、画質はセンサー感度の高いNV016のほうがきれいな印象です。NV016はデジタルズーム5倍ですがしっかり解像しており、ソニー2.6倍テレコンと組み合わせることで、暗視撮影に限ればハンディカムより高画質に撮影できます。
まとめ・おすすめテレコン
SONY 2.6倍は倍率・画質とも良好
ということで、まとめです。今回はナイトビジョンスコープNV016に3種のテレコンバージョンレンズを装着して昼夜の画質を比較してみました。
画質はSONYのVLC-DH2630 2.6倍がシャープで一番良いかなという結果でした。
VLC-DH2630 2.6倍は重量(132g)はややありますがコンパクトで持ち運びに便利です。ソニーのデジカメ用テレコンはこのほかにもVLC-DH2637(2.6倍)やVLC-DH2030(2.0倍)もあるので、DH2630が見つからない場合はそれらを候補に入れてもよいでしょう。
パナソニック2倍は軽量コンパクト
次点でパナソニックのDMW-GTC1(2.0倍)でしょうか。GTC1はプラスチック製で重量が85gと軽いのがメリットですが、DH2630と比べると倍率が低い割に画質がやや劣るのがマイナスポイントです。
ニコン3倍はかなり嵩張る
ニコンのTC-E3ED(3.0倍)は一番高倍率ですが、DH2630 2.6倍と比べるとややシャープさに欠けるようです。
加えて他の2機種と比べると本体サイズがかなり大きく重い(262g)のがマイナス点です。このあたりが許容できるなら選択肢に入るでしょう。いずれのテレコンも販売終了しているため、中古やオークションでの入手になりますが、比較的安価に入手できるのでおすすめです。
おすすめはSONY 2.6倍
ということで、今回の検証で一番高評価な結果を出したのはSONYのVLC-DH2630 2.6倍でした。NV016に装着して、VCSELライトで撮影することでハンディカムより高画質な暗視撮影ができるようになりました。今年もいろんな撮影場面で活躍しそうです。
なお、今回使用した機材の詳細やテレコンの装着方法については別動画やブログで詳しく紹介しているのでそちらも参考にしてください。
追記:37mm径のSONY 2.6倍もあります
37mm径は手ごろな価格
SONY VCL-DH2637も入手してみました。DH2630(※ヤフーショッピング)が1.5万円程度するのに対して、こちらは2千円台とお手頃価格です。
DH2630(左)と比較してみるとこんな感じ。同じ2.6倍テレコンなので取り付け径を変えただけかと思っていましたが、DH2637はひと回りくらい大きいです。DH2637は取り付け径が37mmで専用アダプターが必要ないのはメリットです。
重量は168gとDH2630と比べると35gくらい重いです。
径の異なる2種のSONY 2.6倍を比較
画質を比較してみました。DH2630はこんな感じ。
DH2637です。DH2630と比べるとややボンヤリした印象です。同じSONYの2.6倍ですが微妙に画質は違いますね。
NV016に各社テレコンを装着した結果、倍率と画質のバランスではソニー2.6倍が最も高評価となりました。パナ2倍は画質の解像感が高く安定しており、ニコン3倍は倍率は最強ですがややモヤがかかる印象です。夜間・日中ともにテレコン選びは使用シーンで最適化すると良く、購入時の参考にしていただけます。
- フィルターアダプターのネジ山や清掃を確認
- 保護レンズやゴースト対策を忘れずに
- 高倍率テレコンでは三脚使用を推奨







































