【レビュー】ナイトビジョンデジカメNVC200を買ってみた(撮影編)

カラー&赤外線暗視撮影に対応したナイトビジョンカメラNVC200レビューの第二弾です。今回はNVC200を使ってのテスト撮影です。画質や望遠倍率、カラーナイトビジョンや赤外線暗視撮影の性能を詳しく検証していきます。2.6倍テレコンや外部赤外線VCSELライトを組み合わせての超遠距離暗視撮影も試してみたのでお楽しみください。

なお、撮影に使用したナイトビジョンカメラNVC200の概要については前回の動画で詳しく紹介しているので、購入を検討している人はそちらも参考にしてください。

動画内で紹介した製品(Amazonリンク)

テスト撮影①(日中カラー)

まずはNVC200を使って晴天下の屋外でテスト撮影してみました。撮影場所はいつもの岡山城です。天守閣までの距離は350m程度で、スマホカメラの50mm相当で撮影するとこんな感じ。

望遠レンズで手ブレしやすいので小型三脚に固定しての撮影です。モニターの輝度は晴天下でも問題なし。日陰ではありますが、5段階の中間レベル3でも視認性は十分です。

静止画から見ていきましょう。今どきのデジカメやスマホカメラと比べるとセンサーサイズが小さいので高画質とはいきませんが、晴天下で露出が合えばそれなりにきれいに撮れます。

ただレンズの品質はイマイチなようで、横方向の周辺部はぼんやりした感じでかなり画質が悪いです。

続いて解像度の違いで画質はどの程度変わるのかを見ていきましょう。静止画は96MPから5MPまで5段階で選択できます。NVC200のセンサーは8MPなので、10MP以上は画素補間した画像になります。

96MP5MPと比べると解像度が高いのがわかりますが、52MP20MPと比べると大きな差は無いような。96MPではファイルサイズが8.6MBで、書き込みに時間もかかるので、連写速度が遅くなります。20MPあたりが画質と解像度のバランスが取れているかなという印象です。

以前NV016で撮影したものと比較してみましょう。画角はほぼ一致するので、レンズユニットは同じものが使われているようです。画質も大きな違いはなさそうです。

動画撮影

続いて動画も見ていきましょう。4K 30fpsで撮影しています。

デジタルズームは25倍あたりまでは画質の劣化も少なくきれいな印象です。

50倍になるとそれなりにノイズが目立ちます。常用できるのは25倍あたりまでかな。

なお、画面上のズーム表示は1-50倍となっていますが、実際は光学5倍250mm相当をデジタル10倍したもののようです。画面上の表示はなぜか1-50倍で表示されるので違和感がありますね。

ズーム操作は広角端から望遠端まで9-10秒くらい。独立したズームボタンがあるのでNV016より操作はしやすいです。

マニュアルフォーカスのため、鳥など動きのあるものは撮影が難しいですが、画面が大きいのでピント合わせはしやすいです。

スマホアプリは撮影状況を確認するのに便利です。離れた場所からも画角など確認でき、録画・停止操作ができます。10メートルくらいの距離なら問題なし。ただ画像は粗いのでピント調整には向かないですね。

テスト撮影②(日中赤外線)

赤外線撮影もテストしてみましょう。IR+をオンにするとナイトビジョンモードに切り替わり、赤外線撮影モードになります。ハンディカムのような規制はかかりません。

別途、赤外線フィルターを装着すると近赤外線域のみを取り込む赤外線撮影ができます。ZOMEIIR760フィルターを装着して撮影してみました。可視光域がカットされ、肉眼では見えない近赤外線域を捉えることができます。

NVC200のカメラセンサーはハンディカムなど市販のデジカメやスマホカメラと比べて近赤外線域の感度が高いので、赤外線撮影に適しています。赤外線撮影については過去動画で詳しく扱っているので、そちらも参考にしてください。

テスト撮影③(カラーナイトビジョン)

続いては場所を河原に移して暗視撮影の検証です。高感度センサーを生かしたカラーナイトビジョンから見ていきましょう。明るい時間に撮影するとこのような場所です。対岸のボートハウスまでの距離は80m程度。


時刻は19時半頃、空には夕焼けの明かりがわずかに残る程度の明るさです。スマホカメラで動画撮影するとかなり暗いですが。


NVC200のカラーモードではここまで明るくなります。ボートの上に立っているアオサギの姿が見えます。それなりにノイズは乗りますが、街灯程度の明るさがあれば高感度センサーを生かしてカラー撮影できるのが特長です。


テスト撮影④(赤外線ナイトビジョン)

20時を過ぎて辺りは真っ暗になりました。橋の街灯と看板の照明がわずかにあるくらい。カラーナイトビジョンではかなりノイズが目立ちます。

ということで、赤外線ナイトビジョンも試してみましょう。スワンボートを撮影です。お尻のの文字にピントを合わせて撮影します。

ナイトビジョンモードではIR LEDから赤外線光が照射されます。赤外線光が当たっている箇所は暗闇でも明るく映すことができます。

スマホの赤外線カメラで撮るとこんな感じです。内蔵IR LEDからはボート6艇くらいの範囲に赤外線が照射されているのがわかります。

内蔵LEDをレベル5にしてズームしていきます。5倍あたりまではきれいな画質です。

10倍までいくとノイズがそれなりに出てきますが、80m先の暗闇がここまで撮れるのは驚きです。

なお内蔵IR LEDは7段階で光量を調整できますが、バッテリー残量が減るにつれて輝度が落ちていきます。この日は日中の撮影でバッテリーが減っていたのでレベル5までしか試せませんでした。

テスト撮影⑤(テレコン)

SONYのテレコンVCL-DH2637を装着しての超望遠撮影も試してみました。光学2.6倍で35mm換算650mm相当の画角です。

等倍からスタートして、デジタル5倍を併用すると3,250mm相当になります。

10倍ではここまで拡大できます。

240m先の橋上の看板を撮影してみましょう。デジタルズームで10倍まで拡大します。

テレコン無しでは看板があるのが分かる程度ですが。

テレコンを付けると、文字までは判読できませんが、釣り禁止の看板ということがわかります。望遠撮影するならSONYのテレコンはおすすめです。以前の動画でテレコン比較もしているのでそちらも参照ください。

テスト撮影⑥(外部IRライト)


NVC200の内蔵赤外線ライトは強力ですが、テレコンを使った遠距離撮影では光が拡散され、やや暗いかなという印象です。そこでVCSELの外部赤外線ライトを使って撮影してみます。

テレコンを装着した状態で10倍ズームしてスワンボートを撮影します。内蔵IRライトでも十分な明るさですが。

VCSELライトを照射することでさらに明るく、ノイズの少ないきれいな画質になりました。

スマホの赤外線カメラで撮影すると、ボート1艇の狭い範囲に光が当たっているのがわかります。80mの距離でもかなり明るいですね。遠距離を望遠撮影するときはVCSELライトがおすすめです。

もう1パターン。100m先の対岸の茂みの中にある看板を撮影します。日中はこのような感じ。街灯の当たらないかなり暗い場所です。

看板の落書きがはっきりと映っています。100m程度の距離なら真っ暗闇でも問題なく撮影できることがわかります。

公園でテスト

公園でもナイトビジョンのテスト撮影をしてみました。街灯の少ない芝生広場でベンチに座っているカップルを撮影します。

街灯から離れたベンチはほぼ真っ暗な環境です。40〜50mくらいの距離ならそれなりにノイズは乗りますが内蔵IRライトでもかなり明るく撮影できます。

さらにVCSELを追加するとノイズの少ないきれいな画質になります。

120m離れると内蔵IRライトでは光が拡散され厳しいかなという印象です。

VCSELを照射することでこの距離でも明るく撮影できます。

倍率が足りないので1080Pで切り抜くとこんな感じです。

ちなみに、バッテリー容量ですが、商品説明によると4,800mAhとなっており、赤外線モード(IR Lv1)で3時間弱撮影して残量1メモリでした。モバイルバッテリーも使えるので困ることはないでしょう。


総合評価★★★★☆

ということで、まとめです。NVC200をざっくり使ってみての感想です。

マイナス面から見ていきましょう。まず、商品説明のスペックはデタラメなのでご注意を。使われているレンズのサイズから推測するに、SONYセンサーは使われていないですし、センサーサイズも1/4インチと小さいです。

とはいえ、センサーなど中身はNV016とほぼ同じということで暗所性能は十分です。ただ、価格がNV016の2倍以上ということで、性能がまったく同じなら安いNV016でいいよね。コスパは悪いかなというのが率直な感想です。

価格以外では、デザインですかね。外観、特にレンズ周りの見た目がチープです。厚みのあるレンズフードは邪魔なので、取り外して使うのがおすすめ。フィルターアダプターを取り付けたことで多少マシな見た目にはなりました。

良い点としては、NV016と同等のカラー&赤外線暗視撮影機能と高輝度赤外線ライトをコンパクトな本体に内蔵していることでしょう。ズームや電源ボタンも増えたので操作性も向上しています。

個人的にはNV016がもう少しコンパクトになって日常シーンでも使いやすいデザインになればとは思っていたので、カメラスタイルの外観はうれしいです。また、一般的なデジカメと比べると画面サイズが大きいのは利点です。

加えて、近赤外線域の感度が高いので、IRフィルターを装着することで手軽に赤外線撮影できるのもうれしい。リモート視聴にも対応しているので、防犯目的など離れた場所でカメラの画像を確認したいという用途にも向いています。

総合評価は星4つかな。暗視性能も高く使いやすいカメラですが、NV016と比べると価格がお高めなので星1つマイナスです。とはいえ性能てきには十分です。暗視スコープは欲しいけど、双眼鏡スタイルは見た目が怪しすぎて日常では使いづらいよねという方にはおすすめです。

さあ、これからガンガン使っていくぞと思った矢先、不注意で落としてしまいレンズ部が壊れてしまいました…。ということで、せっかくなので次回はNVC200を分解して内部構造を見ていくことにします。解体ショーをお楽しみに。

最後までご視聴ありがとうございました。このチャンネルでは赤外線撮影に関する各種話題やレビュー動画をお届けしています。動画アップ時に通知がいくのでチャンネル登録いただけるとうれしいです。


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