夜間撮影や暗視カメラに興味はあるけれど、「本当に見えるの?」「赤外線って危なくない?」「改造って難しい?」と不安に感じていませんか?
本記事では、実際に赤外線撮影機材を使用・検証した経験をもとに、暗視性能・メリット・デメリット・必要な機材・注意点までわかりやすく解説します。
これからナイトビジョン機材を購入したい方、赤外線カメラ改造に挑戦したい方、実写レビューを見て判断したい方に向けて、失敗しない選び方とリアルな使用感をまとめました。
「結局どれがいいの?」という疑問に、実体験ベースで答えます。
カラー&赤外線暗視撮影に対応したナイトビジョンカメラNVC200レビューの第二弾です。今回はNVC200を使ってのテスト撮影です。画質や望遠倍率、カラーナイトビジョンや赤外線暗視撮影の性能を詳しく検証していきます。2.6倍テレコンや外部赤外線VCSELライトを組み合わせての超遠距離暗視撮影も試してみたのでお楽しみください。
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⚠ 注意事項・免責事項
本記事で紹介している赤外線撮影機材の使用およびカメラ改造は、すべて自己責任のもとで行ってください。分解・改造を行うとメーカー保証は無効となる場合があります。
また、赤外線カメラやナイトビジョン機材の使用にあたっては、各国・各地域の法律および条例を遵守してください。公共の場や私有地での撮影、人物の無断撮影はプライバシー侵害や法令違反となる可能性があります。
本記事は技術的検証および製品レビューを目的としており、違法行為や迷惑行為を助長する意図は一切ありません。機材の使用に際しては、安全面および周囲への配慮を十分に行ってください。
NVC200の基本スペックと特徴
はじめにNVC200のスペックを簡単に紹介しておきます。5Kムービーや5200万画素静止画撮影に対応したナイトビジョンカメラで、カラーと赤外線ナイトビジョン撮影に対応しているのが特長です。ナイトビジョンスコープNV016とほぼ同等のスペックですが価格は2倍ほどします。詳しいスペックについては、前回の記事を参照ください。
▶【レビュー】ナイトビジョンデジカメNVC200を買ってみた(概要編)
NVC200の画質レビュー(日中カラー撮影)
静止画撮影の性能は?
まずはNVC200を使って晴天下の屋外でテスト撮影してみました。撮影場所はいつもの岡山城です。天守閣までの距離は350m程度で、スマホカメラの50mm相当で撮影するとこんな感じ。
モニターは大きく視認性もよい
望遠レンズで手ブレしやすいので小型三脚に固定しての撮影です。モニターの輝度は晴天下でも問題なし。日陰ではありますが、5段階の中間レベル3でも視認性は十分です。
日中の画質は物足りない
静止画から見ていきましょう。今どきのデジカメやスマホカメラと比べるとセンサーサイズが小さいので高画質とはいきませんが、晴天下で露出が合えばそれなりにきれいに撮れます。
ただレンズの品質はイマイチなようで、横方向の周辺部はぼんやりした感じでかなり画質が悪いです。
静止画の解像度比較(96MPは本当に必要?)
続いて解像度の違いで画質はどの程度変わるのかを見ていきましょう。静止画は96MPから5MPまで5段階で選択できます。NVC200のセンサーは8MPなので、96MPなど8MPを超える静止画撮影は実解像ではなく、ソフトウェア補間によるアップスケール画像です。
96MPは5MPと比べると解像度が高いのがわかりますが、52MPや20MPと比べると大きな差は無いような。96MPではファイルサイズが8.6MBで、書き込みに時間もかかるので、連写速度が遅くなります。20MPあたりが画質と解像度のバランスが取れているかなという印象です。
以前NV016で撮影したものと比較してみましょう。画角はほぼ一致するので、レンズユニットは同じものが使われているようです。画質も大きな違いはなさそうです。
動画4K画質の実力
続いて動画も見ていきましょう。4K 30fpsで撮影しています。
デジタルズーム25倍は実用的か
デジタルズームは25倍あたりまでは画質の劣化も少なくきれいな印象です。
50倍になるとそれなりにノイズが目立ちます。常用できるのは25倍あたりまでかな。
デジタルズームの表示がおかしい
なお、画面上のズーム表示は1-50倍となっていますが、実際は光学5倍250mm相当をデジタル10倍したもののようです。画面上の表示はなぜか1-50倍で表示されるので違和感がありますね。
ズーム操作は広角端から望遠端まで9-10秒くらい。独立したズームボタンがあるのでNV016より操作はしやすいです。
マニュアルフォーカスのため、鳥など動きのあるものは撮影が難しいですが、画面が大きいのでピント合わせはしやすいです。
スマホ連携は使える
スマホアプリは撮影状況を確認するのに便利です。離れた場所からも画角など確認でき、録画・停止操作ができます。10メートルくらいの距離なら問題なし。ただ画像は粗いのでピント調整には向かないですね。
NVC200の赤外線撮影性能(IRモード検証)
赤外線撮影は規制なし
赤外線撮影もテストしてみましょう。IR+をオンにするとナイトビジョンモードに切り替わり、赤外線撮影モードになります。民生用ビデオカメラの一部機種のような赤外線カット制限はありません。
IRフィルター装着時の描写
別途、赤外線フィルターを装着すると近赤外線域のみを取り込む赤外線撮影ができます。ZOMEIのIR760フィルターを装着して撮影してみました。可視光域がカットされ、肉眼では見えない近赤外線域を捉えることができます。
近赤外線感度は高いのか?
NVC200のカメラセンサーはハンディカムなど市販のデジカメやスマホカメラと比べて近赤外線域の感度が高いので、赤外線撮影に適しています。赤外線撮影については過去動画で詳しく扱っているので、そちらも参考にしてください。
NVC200のナイトビジョン性能(夜間テスト)
カラーナイトビジョンはどこまで見える?
続いては場所を河原に移して暗視撮影の検証です。高感度センサーを生かしたカラーナイトビジョンから見ていきましょう。明るい時間に撮影するとこのような場所です。対岸のボートハウスまでの距離は80m程度。
時刻は19時半頃、空には夕焼けの明かりがわずかに残る程度の明るさです。スマホカメラで動画撮影するとかなり暗いですが。
NVC200のカラーモードではここまで明るくなります。
ボートの上に立っているアオサギの姿が見えます。それなりにノイズは乗りますが、街灯程度の明るさがあれば高感度センサーを生かしてカラー撮影できるのが特長です。
暗闇ではノイズが目立つ
20時を過ぎて辺りは真っ暗になりました。橋の街灯と看板の照明がわずかにあるくらい。カラーナイトビジョンではかなりノイズが目立ちます。
赤外線ナイトビジョンは高画質
ということで、赤外線ナイトビジョンも試してみましょう。スワンボートを撮影です。お尻のAの文字にピントを合わせて撮影します。
ナイトビジョンモードではIR LEDから赤外線光が照射されます。赤外線光が当たっている箇所は暗闇でも明るく映すことができます。
内蔵赤外線LEDの照射距離と明るさ
スマホの赤外線カメラで撮るとこんな感じです。内蔵IR LEDからはボート6艇くらいの範囲に赤外線が照射されているのがわかります。
内蔵LEDをレベル5にしてズームしていきます。5倍あたりまではきれいな画質です。
10倍までいくとノイズがそれなりに出てきますが、80m先の暗闇がここまで撮れるのは驚きです。なお、内蔵IR LEDは7段階で光量を調整できますが、バッテリー残量が減るにつれて輝度が落ちていきます。この日は日中の撮影でバッテリーが減っていたのでレベル5までしか試せませんでした。
NVC200に2.6倍テレコンを装着すると
SONYテレコン装着で650mm相当の画角に
SONYのテレコンVCL-DH2637を装着しての超望遠撮影も試してみました。光学2.6倍で35mm換算650mm相当の画角です。
等倍からスタートして、デジタル5倍を併用すると3,250mm相当になります。
10倍ではここまで拡大できます。
240m先も撮影可能な倍率に
240m先の橋上の看板を撮影してみましょう。デジタルズームで10倍まで拡大します。
テレコン無しでは看板があるのが分かる程度ですが。
テレコンを付けると、文字までは判読できませんが、釣り禁止の看板ということがわかります。望遠撮影するならSONYのテレコンはおすすめです。過去記事ではテレコン比較もしているのでそちらも参照ください。
▶NV016 × パナ・ソニー・ニコンテレコンレビュー|夜間撮影でベストな倍率は?
NVC200に外部IRライト併用でどこまで明るくなる?
外部IRライト使用でさらに高画質に
NVC200の内蔵赤外線ライトは強力ですが、テレコンを使った遠距離撮影では光が拡散され、やや暗いかなという印象です。そこでVCSELの外部赤外線ライトを使って撮影してみます。
テレコンを装着した状態で10倍ズームしてスワンボートを撮影します。内蔵IRライトでも十分な明るさですが。
80m先の暗闇も明るく撮影できる
VCSELライトを照射することでさらに明るく、ノイズの少ないきれいな画質になりました。
スマホの赤外線カメラで撮影すると、ボート1艇の狭い範囲に光が当たっているのがわかります。80mの距離でもかなり明るいですね。遠距離を望遠撮影するときはVCSELライトがおすすめです。
もう1パターン。100m先の対岸の茂みの中にある看板を撮影します。日中はこのような感じ。街灯の当たらないかなり暗い場所です。
看板の落書きがはっきりと映っています。100m程度の距離なら真っ暗闇でも問題なく撮影できることがわかります。IR外部ライトについての記事は下記サイトにまとめているので、深堀したい人は参考にしてください。
▶赤外線ライト IRトーチ(5W LED / VCSEL)関連情報まとめ
NVC200で深夜の公園の暗視撮影
深夜の公園で赤外線撮影
公園でもナイトビジョンのテスト撮影をしてみました。街灯の少ない芝生広場でベンチに座っているカップルを撮影します。街灯から離れたベンチはほぼ真っ暗な環境です。40〜50mくらいの距離ならそれなりにノイズは乗りますが内蔵IRライトでもかなり明るく撮影できます。
遠距離もVCSELで画質が向上
さらにVCSELを追加するとノイズの少ないきれいな画質になります。
120m離れると内蔵IRライトでは光が拡散され厳しいかなという印象です。
VCSELを照射することでこの距離でも明るく撮影できます。
倍率が足りないので1080Pで切り抜くとこんな感じです。
内蔵バッテリーで3時間の赤外線撮影
ちなみに、バッテリー容量ですが、商品説明によると4,800mAhとなっており、赤外線モード(IR Lv1)で3時間弱撮影して残量1メモリでした。モバイルバッテリーも使えるので困ることはないでしょう。
NVC200のメリット・デメリットまとめ
NVC200のメリット・デメリットのまとめです。
商品説明はデタラメ
マイナス面から見ていきましょう。まず、商品説明のスペックはデタラメなのでご注意を。使われているレンズのサイズから推測するに、SONYセンサーは使われていないですし、センサーサイズも1/4インチと小さいです。
NV016と同レベルの暗所性能
とはいえ、センサーなど中身はNV016とほぼ同じということで暗所性能は十分です。
価格が最大のマイナスポイント
ただ、価格がNV016の2倍以上ということで、性能がまったく同じなら安いNV016でいいよね。コスパは悪いかなというのが率直な感想です。
レンズまわりは安っぽい
価格以外では、デザインですかね。外観、特にレンズ周りの見た目がチープです。厚みのあるレンズフードは邪魔なので、取り外して使うのがおすすめ。フィルターアダプターを取り付けたことで多少マシな見た目にはなりました。
コンパクトなボディは高評価
良い点としては、NV016と同等のカラー&赤外線暗視撮影機能と高輝度赤外線ライトをコンパクトな本体に内蔵していることでしょう。ズームや電源ボタンも増えたので操作性も向上しています。
個人的にはNV016がもう少しコンパクトになって日常シーンでも使いやすいデザインになればとは思っていたので、カメラスタイルの外観はうれしいです。また、一般的なデジカメと比べると画面サイズが大きいのは利点です。
赤外線対応とリモート機能は使える
加えて、近赤外線域の感度が高いので、IRフィルターを装着することで手軽に赤外線撮影できるのもうれしい。リモート視聴にも対応しているので、防犯目的など離れた場所でカメラの画像を確認したいという用途にも向いています。
コンパクトさ優先なら選択肢に
総合評価は星4つかな。暗視性能も高く使いやすいカメラですが、NV016と比べると価格がお高めなので星1つマイナスです。とはいえ性能的には十分です。暗視スコープは欲しいけど、双眼鏡スタイルは見た目が怪しすぎて日常では使いづらいよねという方にはおすすめです。
壊れたので次回は内部構造を確認です
さあ、これからガンガン使っていくぞと思った矢先、不注意で落としてしまいレンズ部が壊れてしまいました…。ということで、せっかくなので次回はNVC200を分解して内部構造を見ていくことにします。解体ショーをお楽しみに。
まとめ|NVC200は赤外線撮影特化の実験機として面白い
NVC200は、日中画質では一般的なデジカメに及ばないものの、赤外線撮影およびナイトビジョン性能においては価格帯を考えれば十分に実用的なカメラです。
特に以下の点が特徴的でした。
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8MPセンサーながら96MP補間撮影に対応
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デジタルズームは25倍まで実用レベル
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内蔵赤外線LEDは想像以上に強力
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IRフィルター装着で本格的な近赤外線撮影が可能
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カラーナイトビジョンは街灯レベルの明るさがあれば使用可能
一方で、
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日中の周辺画質はやや甘い
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完全暗所ではカラーモードはノイズが多い
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デジタルズーム表示はやや誤解を招く仕様
といった弱点もあります。
総合的に見ると、
「赤外線撮影を手軽に楽しみたい人」
「ナイトビジョンを試してみたい人」
には十分楽しめる一台です。
日中万能カメラというよりも、赤外線特化型のガジェットとして考えるのが正解でしょう
赤外線カメラやナイトビジョン機材は、正しく選べば夜間撮影の可能性を大きく広げてくれます。一方で、赤外線の波長・IRライトの有無・改造のリスクなど、事前に知っておくべきポイントも少なくありません。
本記事で紹介した選び方と注意点を参考にすれば、自分の用途に合った機材を見極められるはずです。購入前に性能・用途・安全性をしっかり確認し、納得したうえで選びましょう。
❓ FAQ
Q1. 赤外線カメラは本当に真っ暗でも見えますか?
A. IRライト(赤外線照射)がある場合は、肉眼では見えない暗闇でも撮影可能です。ただし、照射距離や波長によって見え方は大きく変わります。
Q2. 850nmと940nmの違いは何ですか?
A. 850nmは照射距離が長く明るく映りますが、IRライトが赤く発光します。940nmは発光がほぼ見えませんが、照射距離はやや短くなります。用途によって選択が分かれます。
Q3. フルスペクトラム改造は初心者でもできますか?
A. 分解作業が必要になるため難易度は高めです。失敗するとカメラが故障する可能性もあるため、自己責任で行う必要があります。
Q4. 赤外線撮影は危険ではありませんか?
A. 一般的な出力のIRライトであれば通常使用で問題はありませんが、強力な赤外線照射を長時間至近距離で使用することは避けるべきです。
Q5. スマホでも赤外線撮影できますか?
A. 通常のスマートフォンはIRカットフィルターが搭載されているため難しいです。専用機材や改造が必要になります。












