【レビュー】うずらの卵用に自動孵化器を買ってみた(1年経過編)

ウズラの記事を書きはじめて約1年が経過しました。ヒマなときにはのんびりウズラたちを眺めて心癒されていますが、あいにく記事にするほどの出来事&ネタがないということで、今回は、「ウズラの脱肛(卵管脱)」の話題を取り上げてみます。

脱肛とは
脱肛とは、その名のとおり肛門の中から総排泄腔(直腸)が飛び出してくる症状のことをいいます。ウズラが卵を産むと稀に産んだはずみで総排泄腔が捲れて赤い粘膜の一部が飛び出します。多くはしばらくすると元に戻るのですが、飛び出た箇所をウズラが自分で突いたり、他の個体に突かれることで症状が悪化し、最悪のケースでは死に至ることもあります。



脱肛の原因
脱肛の原因としては、エサ中のカルシウム不足を上げることができます。筋肉の収縮にはカルシウムが大きな役割を果たしていますが、産卵に伴いカルシウムが不足することで、筋力が低下し、産卵時に脱肛を招いてしまいます。

ウズラが産む卵のうち、卵殻のカルシウムはエサ中のカルシウムと、骨の中に蓄えられた骨髄骨とから作られます。エサや骨髄骨の中に十分な量のカルシウムが蓄えられていないとカルシウム不足を引き起こし、軟卵や脱肛を招くことに繋がります。

ほかにも、ウズラが卵を産む場所である産卵箱が明るすぎて落ち着かないと、粘膜が元に戻る前にウズラが巣箱から出て、そこを他のウズラに突かれて血が出たり悪化するケースもあります。

軟卵もカルシウム不足が原因


脱肛予防
脱肛を予防するために重要なこととしては、エサ中に適切なカルシウムを含ませることです。ウズラが産む卵は、卵殻が卵全体の10%で、うちカルシウム分は40%です。ウズラの卵が1個10グラム程度ですから、毎日最低でも0.4グラムのカルシウムを体内に取り込む必要があります。

エサからのカルシウム利用率は約50%になります(半分は糞として体外に排出される)から、エサ中に約0.8グラムのカルシウムが含まれていなければいけません。カルシウムが不足しないよう、適切なカルシウム量を含んだエサを与えることが脱肛予防の第一歩になります。

もう一つは、ウズラの筋肉が衰えないよう、適度な運動をさせることです。平飼いではウズラがアチコチ動き回るので、筋肉も発達し、脱肛は起こりにくいですが、ケージ飼いの場合は運動不足で脱肛が起こりやすくなるので、注意してください。

ウズラ専用エサを与えること


脱肛の治療
脱肛は、放置すると壊死したり、自分で突いて出血することがありますが、初期で見つければ飼い主のケアで回復させることができます。まずは、脱肛になったウズラを他の個体から突かれないよう隔離してやります。さらに、卵を産まないよう、3〜4日エサを制限してください。

治療は、清潔にした綿棒もしくは指に、グリセリンやオロナインを塗布して、飛び出した箇所を押し込んでやります。治らないようであれば、足を縛って30分〜半日程度、腹圧がかからないよう逆さ吊りにしておくことで元に戻ることがあります。

脱肛の症状がひどい場合や出血を伴うときは獣医に診てもらいましょう。場合によっては手術が必要になります。


エサとの関係
エサとして給与するカルシウム源の粒子の大きさ(細目、中目、粗目)も重要になります。市販のウズラエサ(飼料用)には、牡蠣殻と石灰石が添加されていますが、細目の石灰石は骨の再石灰化に、粗めの牡蠣殻は卵殻の形成に利用されます。卵を産まないヒナの時期は粗目の牡蠣殻は不要ですが、細めの石灰石が必要になります。

エサの項でも触れましたが、ラウディブッシュのようなインコ用のエサを与えているとカルシウムが大きく不足するので注意してください。ボレー粉を与えていても、骨髄骨にカルシウムを蓄えるための細目の石灰石が入っていないため、骨の再石灰化ができず栄養不足になる可能性があります。

インコのエサはカルシウムが不足し脱肛を起こしやすい


0 件のコメント:

コメントを投稿