ナイトビジョンカメラ NVC200 を分解・修理した際、内部構造を確認したところ、 レンズを支える フィルターユニットがプラスチック製 であることが判明しました。
通常使用では問題ありませんが、テレコンや重量のあるレンズを装着する場合、 この部分の強度不足がトラブルの原因になる可能性があります。
そこで今回は 金属製フィルターユニットへの交換 を実施。 さらに C / CSマウントレンズ を装着し、NVC200でどこまで望遠撮影が可能なのかも実際にテストしました。
この記事では次の内容を、作業写真と実写テストを交えて詳しく解説します。
- NVC200の内部構造
- フィルターユニット交換手順
- ネジ交換によるマウント強度の改善
- C / CSマウントレンズによる望遠撮影テスト
NVC200の改造内容と今回の検証ポイント
前回無事修理を完了したカラーナイトビジョンカメラNVC200ですが。
▶NVC200解体ショー!落下の衝撃で判明した内部構造とスペック詐称の衝撃事実
テレコンを付けるには接着剤で補修したプラスチック製フィルターユニットの強度が不安です。
ということで、今回は よりハードな使用にも耐えられるよう内部パーツの交換にチャレンジすることに。
AliExpressで見つけた金属製のフィルターユニットを調達し交換します。
合わせてNVC200のレンズ部をCマウントレンズに付け替えての超望遠撮影もテストしてみました。
テスト撮影した動画もアップしているので最後までお楽しみください。なお、ナイトビジョンカメラNVC200の概要や詳細レビューについては、関連記事まとめを参照ください。
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- ナイトビジョンカメラNVC200
- EOS-Cマウントアダプター
- NIKON-Cマウントアダプター
- ナイトビジョンスコープ NV016
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フィルターユニット交換手順(NVC200改造)
NVC200のレンズユニットを分解
前回フィルターユニットの修理でNVC200を分解したことでカメラの内部構造がある程度わかりました。
NVC200のカメラ部はセンサー基板+フィルターユニット+レンズの組み合わせで構成されます。
AliExpressで入手した金属製フィルターユニット
壊れたフィルターユニットはCSマウント用の汎用品のようです。新品に交換しようとAliExpressで同種のフィルターユニットを探していたところ。
金属製のフィルターユニットが見つかりました。金属製なら重めのテレコン付けても強度的に大丈夫かなと期待も込めて注文です。フルメタルタイプで451円でした。
届いた商品がこちら。サイドのフィルター切替機構はプラスチック製ですが、センサー基板に固定される箇所はレンズマウントと一体化した金属製です。これなら重めのテレコンを装着しても耐えられるくらいに強度は高まるでしょう。
センサー基板へフィルターユニットを固定
交換作業スタートです。NVC200レンズユニットの分解方法は前回動画を参照ください。まずはフィルターユニットをカメラセンサー基板にネジで固定して。
レンズを装着して元に戻すだけ。簡単ですね。ところが、組み直したカメラをナイトビジョンモードに切り替えてもIRパスフィルターに切り替わりません。動作音はしていますがどうしてでしょうか。
配線の入れ替えでIRフィルター動作を修正
調べたところ商品説明に画面が赤っぽい色なら赤と黒の配線を入れ替えるようにと書かれていました。配線が逆のようです。
フィルターユニットの配線を左右入れ替えることで正常に動作するようになりました。無事に交換完了です。
金属ユニット交換による強度改善
これでフィルターユニットの強度はかなり高まりました。前回の修理でレンズ筒周りも補強してあるので、重めのテレコンを付けても大丈夫でしょう。
ネジ交換によるセンサー基板の固定強化
フィルターユニット固定ネジが外れる問題
交換でフィルターユニットは強固になりましたがCマウントレンズ交換時にセンサー基板とフィルターユニットを繋げているネジが外れる場面に何度か遭遇。
固定しているネジが短すぎないかということで交換することに。
M2×6mmネジへ交換
使われているのはM2という規格で、ネジ径が2mm、長さが3mmです。少し長めの4mmと6mmのネジを調達です。6mmが良さそう。
センサー清掃とダスト除去
センサーダストが付いているのでついでにお掃除しておきます。
ダイソーでアルコール綿と綿棒を調達。はじめにアルコールで濡らした綿棒で汚れをとって、乾燥綿棒で仕上げます(※専用のセンサークリーナーの使用をおすすめします。センサー清掃は自己責任です)。
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ネジ交換による固定強度の改善
長さ6mmでネジ止めします。
ネジ穴の奥までネジが入るのでしっかり固定されます。これで使用中に外れることもないでしょう。
NVC200のレンズ仕様と35mm換算焦点距離
NVC200のオリジナルレンズ(25mm / 約265mm相当)
フィルターユニットの強度問題が解決したところで、次は レンズ交換による望遠化 を試してみます。NVC200は 1/4インチクラスの小型センサー を採用しているため、一般的なC/CSマウントレンズを装着すると 35mm換算で非常に大きな焦点距離 になります。つまり、レンズ次第では手軽に超望遠撮影が可能です。
CマウントとCSマウントの違い
NVC200に採用されているのは、監視カメラなどで広く使われている CSマウントレンズ。この規格はレンズ交換が比較的容易で、さまざまな焦点距離のレンズを装着することができます。CSマウントはCマウントのフランジバックが短いバージョンで、CSマウントのカメラならアダプターを挟むことでCマウントのレンズも使用できます。
今回比較するC/CSマウントレンズ一覧
今回は、手元にあった C/CSマウントレンズ4本 を実際に装着し、倍率や画質の違いを比較してみました。テストするのは、
| レンズ | 焦点距離 | マウント | 35mm換算 |
|---|---|---|---|
| オリジナル | 25mm | CS | 265mm |
| KOWA F2 | 35mm | CS | 371mm |
| 中華ズーム | 5–50mm | CS | 53–530mm |
| VICTOR HZ-H8060 F1.8 | 12.5–75mm | C | 132.5–795mm |
| FUJINON TV.Z F2 | 12.5–100mm | C | 132.5–1060mm |
の5種のレンズです。なお、NVC200は1/4インチセンサーのため、焦点距離は約10.6倍の35mm換算になります。
C/CSマウントレンズの画角と画質比較
撮影条件|距離600m/くもり
今回の比較では以下の条件で撮影を行いました。
- 撮影距離:600m
- デジタルズーム:なし
- 天候:くもり
- ピント:無限遠付近で調整
テスト撮影してみましょう。オリジナルレンズ(25mm)の画角はこんな感じ。本体レビューでも触れましたが周辺部の解像がイマイチな印象です。この画像をベンチマークにして、各レンズを取り付けて600m離れた東横INNの看板をズーム撮影、比較していきます。
KOWA F2 35mm(371mm相当)
KOWA F2 35mmから見ていきましょう。
画質的には問題なし。周辺部もしっかり解像しており、色味も問題ないです。
レンズは2/3インチ用で、1/4インチセンサーのNVC200では中心部の高解像な部分を利用できます。
ただ、35mmでは画角は気持ち大きくなったかなくらいで微妙かな。25mmからわざわざ交換するメリットはないでしょう。
ちなみに、このレンズは絞り羽根が付いておらず、絞りディスクを交換して絞り値を変えるタイプなので、やや使い勝手が悪そうです。
※7/8追記
KOWAレンズに装着可能な27mm径のフィルターアダプターを見つけました。SONY 2.6倍テレコン用に30mm用と37mm用のステップアップリングを注文です。
VCL-DH2630を装着です。35mm×2.6倍で91mmになります。見た目がやや変ですが、オリジナルレンズよりは倍率が稼げます。
中華ズーム 5-50mm(53-530mm相当)
続いては中華製ノーブランドの5-50mmレンズ。監視カメラ用の1/3インチセンサー向けレンズで高倍率な割にコンパクトなのが特徴です。このサイズで35mm換算500mmまでズームできる上、絞りも付いているのはうれしい。
テレ端50mmの画像です。画面中央はしっかり写っていますが、KOWA 35mmと比べると周辺部がぼやけているのが気になります。
オリジナルレンズでデジタル5倍ズームしたものよりは解像感があって画質は良いです。
ただ、50mmならオリジナルレンズにテレコンを装着したほうが画角は上回るので、わざわざ換装するメリットがないかな。
NVC200にSONY 2.6倍テレコンを装着した時の焦点距離が65mmなので、それよりは高い倍率が欲しいところ。
VICTOR HZ-H8060 12.5-75mm(132-795mm相当)
ということでより倍率の高いCマウントレンズを装着です。C/CSマウントのネジ径は同じ(25.4mm)ですが、フランジバックの長さが異なります。

フランジバックの短いCSマウントカメラは、CS-Cマウントアダプターを介することでCマウントレンズが使えます。
C-CSアダプターを経由してNVC200にレンズを装着します。それぞれ画質をチェックしていきましょう。
ビクターのレンズはHZ-H8060という型番で焦点距離は12.5-75mm、開放F値F1.8です。
テレ端75mmです。オリジナルのレンズと比べると画面がぼんやりして全体的に解像感が落ちる印象です。
FUJINON TV.Z 12.5-100mm(132-1060mm相当)
フジノンレンズは望遠端の焦点距離が100mmで、オリジナルレンズ(25mm)の4倍の画角が得られます。
望遠端の100mmですが、こちらも画質はイマイチです。マウントアダプターの精度が悪いのか無限遠でわずかにピントが合いません。古いレンズは今どきの高解像度センサーだと厳しいのかな。
ちなみに、ノーブランドで5-100mmというレンズも見つかりましたが、1/3インチセンサー用で対応解像度も1080Pのため画質的にどうでしょう。5-50mmでも十分な性能だったので試してみる価値はあるかも。お値段は5千円程度。
4K 8MP対応の100mm単焦点レンズが見つかりました。こちらは1インチセンサー用で画質は良さそう。価格が1万円近くするのが悩ましい。
前側には40.5mmネジが切ってあるのでテレコンやフィルターも使えそうです。
予算が許すならKOWAの100mm F2.8なんかもよさそうです。
EFレンズをNVC200に装着して超望遠撮影
EOS-Cマウントアダプターの構造
もう少し倍率が欲しいよねということで、SVBONYのWiFiカメラユニットSC001をレビューした時に使ったEOS-Cマウントアダプターも試してみることに。
EOS-CアダプターはキヤノンEFレンズをCマウントに装着するためのアダプターです。これがうまく機能すればNVC200で各種キヤノンレンズが使えますが。
レンズ重量を支えるマウント補強
CSマウントを補強するため55-37ステップダウンと37-30ステップダウンを組み合わせてレンズ筒を支持できるようにしました。
ぴったり収まりました。
これならレンズを支えているセンサー基板やフィルターユニットへ加わる力がボディーに固定したフィルターアダプターに分散されます。強度的にもかなり強くなったのでは。
なお、EFレンズは絞りリングが無いので、絞りリングのあるニコンFマウントやキヤノンFDマウントレンズのほうが使い勝手は良さそうです。
SIGMA APO 50-500mmで5000mm相当撮影
SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3を装着です。望遠端では35mm換算で5000mm相当の画角が得られる計算です。
広角端50mmです。シャープな画質です。同じ画角のノーブランド5-50mmのテレ端と比較してみると周辺部までしっかり描写されているのがわかります。
望遠端500mmではネオン管まで視認できるほどきれいに写っています。ISO100でシャッタースピードは1/232秒です。望遠側500mmではf6.3と暗めのレンズですがなんとか使えます。
テレコン装着とデジタルズームの倍率
さらに2倍テレコンを装着です。広角端から。
望遠端だとやや甘いかなという感じではありますが、SSが1/60秒なので手ブレが原因の可能性もあります。
さらにデジタル5倍ズームです。
デジタル10倍です。光学5000mm相当×2倍テレコン×デジタル10倍で10万mm相当になるのかな。
超望遠での夜間撮影テスト
600m先のホテルを撮影
夜間撮影もテストです。600m先のホテルはデジタル5倍を併用すれば室内の様子がわかるくらいに拡大できます。
2倍テレコンはF値も2倍になります。ただ、望遠端ではF12.6まで低下するので、夜間撮影では画質的に厳しいですね。かなりノイズが乗っています。
900m先のホテルを撮影
テレコンを外して900m先のホテルへカメラを向けます。肉眼だとこれくらいの距離感です。
最上階のレストランの様子もよくわかります。
デジタル5倍です。
10倍まで拡大してみました。顔も識別できそうです。
テレコン装着時のISOとノイズ比較
テレコン有無で画質がどう変わるか比較です。テレコンなしではISO 710だったものが、2倍テレコンを装着するとISO 1654まで上がります。ノイズがかなり増えています。
デジタル5倍までは画質の劣化が少なく、室内の様子がわかるくらいに拡大できます。テレビに映っている番組の内容もわかります。
センサー感度が高いので、薄暗い部屋でもなんとか人影が見えます。
赤外線ナイトビジョン撮影テスト
VCSEL赤外線ライトによる遠距離照射
赤外線ナイトビジョン撮影もテストです。150m先の建物を撮影です。この距離だと内蔵IRライトは拡散されるためほぼ届きません。
VCSELライトで赤外線を照射すれば、この距離でも明るく映すことができます。
赤外線撮影で発生するホットスポット
ただ、赤外線光に蚊取り線香のような色ムラが出ているのが気になります。レンズが赤外線撮影に対応していないため、ホットスポット(コーティングなどが影響して色ムラ)が出るようです。
なお、ホットスポットについては下記記事で詳しく解説しています。
▶NVC200に最適な望遠レンズはどれ?5本+テレコン徹底比較|夜間100m実写レビュー
月撮影テスト(超望遠実写)
2倍テレコンを装着して月を撮影してみました。
1080Pで切り抜くとここまで拡大できます。
NVC200改造とおすすめレンズ
金属フィルターユニット交換のメリット
ということで、まとめです。NVC200のフィルターユニットはプラスチック製のため強度面で不安がありましたが、金属製ユニットに交換することでかなり強度を高めることができました。これで重めのテレコンを装着しても大丈夫です。
交換はネジ止め作業で簡単にできるので、NVC200にテレコンを装着するなら購入時に金属製フィルターユニットに交換しておくのがおすすめです。
Cマウントレンズの選び方
Cマウントレンズについては、古いレンズは性能的にいまいちの結果でした。ノーブランドでも今どきの高画素に対応したレンズのほうが良い結果を得られます。
なお、Cマウントレンズはセンサーサイズに合わせて1/3インチや1インチなど各種あります。対応するセンサーサイズが小さいレンズはコンパクトですが、周辺部の画質が悪化するので、そのあたりが気になる人は大きめのレンズがおすすめです。
EFレンズによる超望遠撮影の可能性
キヤノンEFレンズを使った超望遠撮影は、とにかく倍率を稼ぎたいという人にはおすすめです。NVC200の1/4インチセンサーはフルサイズの10倍の倍率を稼げます。画質はそれなりですが、高感度センサーのためF値の大きい暗めの望遠レンズでも動画撮影できるのは大きなメリットです。
なお、レンズ交換の際はセンサーや内蔵フィルターに埃が付着しやすいのでご注意ください。
なお、NVC200関連記事まとめは下記リンクへ。
まとめ
今回の改造では NVC200のフィルターユニットを金属製パーツへ交換 することで、レンズ周りの強度を大きく改善することができました。
さらに固定ネジを M2×6mm に変更することで、センサー基板とマウント部の固定もより安定しています。
NVC200は CSマウントレンズを採用した構造 のため、市販の監視カメラ用レンズを使用すれば比較的簡単に望遠化が可能です。小型センサーのため焦点距離が大きく伸び、思った以上の超望遠撮影も楽しめます。
低価格ながら改造の自由度が高いのも、このカメラの大きな魅力と言えるでしょう。
次回は C/CSマウントレンズによる倍率・画質の比較テスト を実写で紹介します。







































































