NV016にオールドレンズは使える?300mm F4+テレコン超望遠赤外線撮影レビュー[NV016/Ⅱ-③]

ナイトビジョンスコープ NV016 にオールドレンズは使えるのか?

本記事では、改造済みNV016に コンタックスヤシカ(C/Y)レンズ や ニコンFマウントレンズ をマウントアダプター経由で装着し、300mm F4やテレコン使用時の超望遠撮影性能を徹底検証します。

さらに、強度に不安のあったフィルターユニットを金属製に交換し、レンズ荷重への耐久性も強化します。

  • NV016でオールドレンズは実用になる?
  • テレコン1.4倍/2倍で画質はどこまで落ちる?
  • 赤外線撮影でホットスポットは出る?
  • 夜間100〜200m撮影は可能?

実写サンプルを交えながら、焦点距離別の使い勝手や最適な絞り値まで詳しく解説します。NV016のレンズ選びや改造を検討している方はぜひ参考にしてください。


前回の改造でキヤノンEFレンズが使えるようになったナイトビジョンスコープNV016です。今回は手元にあるコンタックスヤシカやニコンなどのオールドレンズを試してみます。

マウントアダプターを交換するだけで簡単にレンズ変更できる改造版NV016でのオールドレンズ撮影の魅力を検証します。

さらに、300mmレンズやテレコンを使った超望遠撮影にも挑戦。

合わせて、強度に不安のあったフィルターユニットを金属製に交換する作業も紹介です。

後半では、実際に撮影した映像サンプルもご覧いただけます。NV016の改造やレンズ選びの参考にしてください。なお、NV016の概要については撮影編、分解&改造編など過去動画で詳しく紹介しています。まとめページからアクセスください。

▶ナイトビジョンスコープNV016関連情報まとめ

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  • 本記事は風景・天体・野生動物観察等の学術・趣味を目的とした検証です。

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NV016のフィルターユニットを金属製に交換

純正フィルターユニットの構造と弱点

まずはフィルターユニットの交換から。こちらがNV016オリジナルのフィルターユニットで、NVC200と同じパーツが使われています。

NVC200では落下の衝撃で写真のようにフィルターユニットが壊れました。プラスチック製のパーツでレンズを支える構造のため強度に問題があるようです。

金属製ユニットへ交換する理由

NV016も、マウントアダプターを装着するとレンズや本体の荷重がプラスチック製のフィルターユニットに直接かかるので、堅牢な金属製ユニットへの交換がおすすめです。

交換手順と注意点

ということで金属製フィルターユニットを交換していきます。調達したフィルターユニットです。

可動部はプラスチック製ですがセンサー基板に固定する本体は金属製で堅牢性が高いのが特徴です。

カメラセンサーに細かい埃やゴミが付着しないように注意しながら交換します。センサー基板からオリジナルのフィルターユニットを取り外して。

新しい金属製フィルターユニットをセンサー基板にネジ止めして、配線をカメラセンサーに繋げます。

レンズを装着して。

レンズユニットを本体に固定すれば修理完了です。詳しい交換方法はNVC200の過去動画に掲載しているのでそちらも参考にしてください。

NV016にコンタックスヤシカ(C/Y)レンズを装着

C/Y → EF → Cマウント変換構成

それではいよいよ本題です。キヤノン以外のレンズも試していきましょう。まずはコンタックスヤシカ(C/Y)から。Cマウント用アダプターが見つからなかったので。

キヤノンEFマウント用のC/YアダプターをEOS-Cアダプター経由で装着することに。

ちなみにNIKONマウント用のC/Yアダプターもありますが、ニコンFマウントはキヤノンEFマウントと比べるとレンズとセンサーの距離(フランジバック)が短いため、Cマウントレンズを使うにはピント調整レンズが必要になります。画質が低下するみたいなのでキヤノン用を使います。

Haoge製アダプターの使用感

今回購入したのはHaogeというブランドのアダプターです。コンタックス45mm F2.8に装着するとこんな感じに。レンズ側はレバーを引けば簡単に外れますが、EF側がちょっと硬いかなという印象。

コンタックスレンズは絞りリングが付いているのでキヤノンEFレンズよりは使いやすそうです。

300mm F4での超望遠撮影

300mm F4を装着してみました。NV016なら35mm換算で3000mm相当の超望遠画角を得られます。1.4倍と2倍のテレコンもあるので最大600mm F8での撮影が可能になります。動画後半でテスト撮影します。

NV016にニコンFマウントレンズを装着

もう1つ、ニコンFマウントレンズも装着してみましょう。AliExpressでNIKON-Cアダプターを注文です。

NIKON-Cアダプターの問題点

ところが、届いたアダプターを合わせてみるとCマウント側のサイズが大きくて筐体に収まりません。

キヤノンEF用アダプターと比べると取り付け部の径が大きいようです。

K&F Conceptアダプターの適合性


写真のとおり、K&F ConceptのEOS-Cアダプターは先端が細くなっています。

K&F Conceptのアダプターならニコン用も取り付け部が細くなっているので大丈夫そう。価格は高くてもこちらを買っておけばよかった…。

NIKON-EOSアダプターを使用

同じものをもう1台買うのももったいないので、手元にあったNIKON-EOSアダプターを使います。

AFニッコール50mm F1.4を装着です。問題なく取り付けできました。コンタックスレンズ同様に絞りリングがあるので使いやすそうです。

通常時はサイズ的にもこのレンズでよいかもしれません。ただ、オリジナルレンズに2.6倍テレコンを装着したもの(25mm×2.6倍=65mm)と比べると画角はやや落ちます。重量も230gでちょっと重いかな。

軽量単焦点レンズがおすすめ

望遠撮影メインなら、ニコンE 100mm F2.8あたりが倍率と重量(215g)の面でバランスが取れていて良いかもしれません。

なお、使えなかったNIKON-CアダプターはNVC200に装着することに。

NIKKOR 800mm F5.6などニコンレンズの使用感は後日改めて動画にします。チャンネル登録で更新情報をお届けできます。

FDやKマウントレンズも装着可能

K&F ConceptのCマウント用アダプターはキヤノンEFやニコンFのほかにもキヤノンFDやペンタックスKマウント用がラインナップされています。


商品写真をみた感じではいずれもCマウント側はEOS-C同様に細くなっているのでNV016に装着できそうです。

M42やOMレンズもEFアダプター経由で

なお、フランジバックの短いキヤノンEF用のCマウントアダプターがあれば、M42やオリンパスなどのレンズもEF用のマウントアダプター経由で接続できます。

CONTAXレンズの画質検証

安定のPlanar T* 85mm F1.4 

それではコンタックスレンズを装着してのテスト撮影です。85mm F1.4から試してみましょう。

90m先の看板を撮影です。開放端F1.4(ISO 100 SS 1/16666)では露出がうまく合いませんが。

1段絞ったF2.8ではきれいに露出が合いました。1/4インチセンサーのためF2.8でもピントの合う範囲が広いです。

F8まで絞ると手前の芝生までかなり広い範囲にピントの合うのがわかります。

Tessar 45mm F2.8で赤外線撮影

45mm F2.8です。こちらは52mm径なので、55-52ステップアップリング経由でIRフィルターを装着して赤外線撮影を試してみました。

IRフィルターを装着することで可視光をカットした赤外線撮影ができます。SIGMA APOレンズで確認された色ムラ(ホットスポット)も発生しません。

Tele-Tessar T* 300mm F4で200m超望遠撮影

望遠レンズの300mm F4を装着しました。NV016なら35mm換算で3000mm相当の画角を得られます。

通常は100mの距離でテスト撮影していますが、超望遠撮影のためいつもより距離を離してみましょう。

190m先の看板を撮影です。古いレンズですが問題なく撮影できます。200m程度の距離なら300mmがちょうどよい画角です。

デジタルズーム併用時の解像感

デジタル5倍(実倍率2倍)です。解像感もあり良好な画質です。

デジタル10倍(実倍率4倍)ではノイズが目立ってきます。

1.4倍テレコンMutar III T* 1.4x

1.4倍テレコンを装着すると420mmになります。

1.4倍なら画質の劣化もほぼないようです。絞りの変化も見ていきましょう。F4から2段ずつ進めていきます。開放側のF4ではISO 100でシャッタースピードは1/320です。

F8ではISO 184でシャッタースピードが1/125秒に。このあたりまではシャープな画質ですが。

回折の影響(F16以降の画質低下)


F16になると回析現象によるものでしょうか、ややぼやけた画質になります。ISO 176で1/60です。シャッタースピードが落ちているので手ブレの可能性も考えられます。

F32ではISO 184で1/30です。画質はかなりぼやけた感じに。1〜2段絞ったあたりが高画質な印象です。

回折現象ってなに?回折を解説

回折現象を簡単に説明すると「絞りすぎると、光がにじんでボヤける現象」です。F値を大きくする=レンズの絞りを小さくすると光は小さな穴を通ってセンサーに届きます。このとき小さな穴を通ることで光が広がり、検証写真のようなボケを生じます。

小さいセンサーほど回折が起きやすい

NV016は1/4インチセンサーです。センサーが小さい=画素も小さいので、少しの回折でも画素サイズを超えてボケが広がります。だからフルサイズよりも早い段階で回折の影響が出ます。

動画撮影テスト距離400m


実写動画も確認します。公園の外にあるホテルにカメラを向けます。距離は400mです。

300mmではHOTELの文字がちょうど収まります。

300mmでもここまで拡大できます。ISO 100で1/862秒です。

動画の描写もチェックしましょう。等倍からデジタル5倍へ。

▶YouTubeで動画を見る

デジタル10倍ではノイズが目立ちます。

1.4倍テレコンを装着します。

トラベル三脚のため風で手ブレしていますが、画質的には問題なさそう。

2倍テレコンです。

晴天下であれば静止画でシャッタースピードが1/702秒出るので問題なく使えそうです。

デジタルズームを併用するとここまで拡大できます。

デジタル5倍で部屋の窓ガラスが収まるくらいの拡大率です。画質はやや甘いかなという印象ですが、2倍テレコンも問題なく使えます。

NV016での赤外線ナイトビジョン撮影テスト

300mm F4+VCSELライトの実力

ナイトビジョンモードで夜間撮影もテストしてみました。テレコンは付けずに300mm F4でVCSEL赤外線ライトを照射しての撮影です。看板までの距離は100mです。ISO 243でシャッタースピードは1/30秒です。

ホットスポットの有無

SIGMA APO 50-500で見られたようなコーティング由来のムラ(ホットスポット)は出ていません。赤外線撮影でも問題なく使えます。

SIGMA APO 70-200 F2.8に1.4倍テレコンを付けたものと比べるとCONTAX 300mm F4のほうが画質はいいかな。

夜間撮影での最適絞りは

2倍テレコンを装着です。ISO 765でシャッタースピードが1/25秒です。画質は想像していたよりシャープです。これなら夜間でも十分使えますね。

F5.6ではISO 745です。シャープさと暗所ノイズのバランスを考えるとF5.6が一番きれいです。

F8ではISO 3232まで上がりノイズが目立ってきます。

F11ではISO 6400まで上がり、画質はかなり悪くなります。夜間撮影では1段絞るくらいが限界でしょうか。

距離200mでも検証

もう少し距離の離れた場所も撮影してみましょう。看板まで190mです。ISO 784でSSは1/24秒です。距離が離れるにつれて赤外線ライトの光量が落ちるため、それに合わせて画質も落ちますが200mくらいなら使えそうです。

2倍テレコンです。ISO 2069まで上がります。シャッタースピードは下限の1/15秒です。

夜間の動画撮影で使える?

動きのあるものも試してみましょう。ベンチに座っている人にカメラを向けてみます。70m程度の距離では300mmだと拡大率が高すぎて上半身しか入りません。

100m先のベンチへカメラを向けてみました。この距離なら300mmがちょうどよさそう。ただし、立ち上がると全身は入らないかなという倍率です。

1.4倍テレコンを装着します。テレコン無しと比べるとやや画質が悪くなるかなという印象です。

NV016におすすめのレンズ選び

マウントアダプターの選び方

今回は改造したNV016にマウントアダプター経由で各種レンズを装着してみました。

NV016は筐体サイズの関係で装着できるマウントアダプターのサイズに制限があるのでご注意ください。K&F Conceptの製品なら取り付け部が細くなっているのでNV016でも大丈夫そうです。

アダプターについては、キヤノンEF用が1台あれば、ニコンやコンタックスなどレンズをEFマウント用のアダプター経由で装着できます。特定のレンズだけ使うならNIKON-Cなど専用マウントアダプターを選択しておけばよいでしょう。

単焦点 vs ズーム

テスト撮影ではコンタックスレンズの300mm F4に1.4倍(420mm)や2倍(600mm)テレコンを装着して撮影してみました。古いレンズですが画質は良好で問題なく使えます。NV016用にフルサイズレンズを選ぶなら、ホットスポットが発生しにくく絞りリングのついたコンタックスやニコンの単焦点オールドレンズはおすすめです。

ホットスポットが出にくいレンズ

300mmと画角が狭い割に明るいレンズなので夜間の望遠撮影でも問題なく使えます。赤外線撮影ではSIGMA APO 70-200のようなコーティングムラ(ホットスポット)も発生しないので赤外線撮影に向いています。

用途別おすすめ焦点距離

ただ、単焦点300mmは100mの距離では寄りすぎるかな。単焦点レンズで画質は良好ですが、フレーミングが難しいです。定点撮影なら問題ありませんが、動きのあるものは難しいです。とにかく画角を得たいなら300mm F4や400mm F5.6といった望遠単焦点レンズを選択肢に入れてもよいでしょう。

ちなみに1/4インチセンサーでの撮影では、100mの距離で180cmの被写体を画角に収めるには150mm相当の焦点距離が目安になります。70-200mm F2.8のようなズームレンズのほうが使い勝手はよいかもしれません。

検証まとめ|単焦点オールドレンズは赤外線撮影におすすめ

今回の検証では、改造したNV016にコンタックスやニコンのオールドレンズを装着し、300mm F4や1.4倍/2倍テレコン使用時の画質・実用性を確認しました。

結論として、

  • 1.4倍テレコンは画質劣化が少なく実用的
  • 夜間撮影では F5.6前後がシャープさとノイズのバランスが良好
  • 200m程度までなら赤外線撮影も十分可能
  • ホットスポットは発生しにくく、赤外線用途でも実用レベル

という結果になりました。

一方で、300mm単焦点は画角がかなり狭く、動きのある被写体ではフレーミングが難しい場面もあります。汎用性を求めるなら70-200mmクラスのズーム、画角を最優先するなら300mm以上の単焦点が有力な選択肢です。

NV016はマウントアダプターのサイズ制限こそあるものの、適切なアダプターを選べばオールドレンズ資産を活かせる拡張性の高い機種です。赤外線撮影や超望遠撮影を本格的に楽しみたい方にとって、レンズ選び次第でまだまだポテンシャルを引き出せる一台と言えるでしょう。

▶ナイトビジョンスコープNV016関連情報まとめ

よくある質問(FAQ)

Q1. NV016にオールドレンズはそのまま装着できますか?

いいえ、マウントアダプターが必要です。Cマウント用アダプターを経由すれば、キヤノンEF・ニコンF・コンタックスC/Yなどのレンズが使用可能です。ただし筐体サイズの制限があるため、アダプターの外径には注意が必要です。

Q2. NV016で300mmレンズは実用になりますか?

はい、35mm換算で約3000mm相当の超望遠画角になります。100〜200m程度の被写体であれば十分実用的ですが、画角が狭いためフレーミングは難しくなります。

Q3. テレコンは画質が落ちますか?

1.4倍テレコンは劣化が少なく実用的です。2倍テレコンではやや解像感が低下しますが、晴天時や赤外線照射下であれば使用可能です。

Q4. 赤外線撮影でホットスポットは発生しますか?

レンズによります。今回検証したコンタックス300mm F4ではホットスポットは発生しませんでした。コーティング特性によって差が出るため、実写確認が重要です。

Q5. 夜間撮影でおすすめの絞り値は?

F5.6前後がシャープさとノイズのバランスが良好でした。F8以上ではISOが大きく上がりノイズが目立ちます。

▶ナイトビジョンスコープNV016関連情報まとめ

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