【レビュー】NVC200にE 100mm F2.8を装着|1060mm→最大2756mmの実力とテレコン比較レビュー[NVC200⑦]

ナイトビジョンカメラ「NVC200」をより高倍率で使いたい——そんなニーズに応えるのが、フルサイズ用レンズの流用です。今回はニコンFマウントアダプターを介して、コンパクトな中望遠レンズ「E 100mm F2.8」を装着。1/4インチセンサーとの組み合わせにより、35mm換算で約1060mmという超望遠環境を構築しました。

さらに本記事では、オリンパスTCON-17XやソニーVCL-DH2637といったフロントテレコンも組み合わせ、最大2756mm相当まで拡張した際の実用性を検証。昼間の解像感から赤外線撮影時のノイズやホットスポットの発生傾向まで、実写ベースで詳しく比較しています。

「高倍率は本当に画質と両立できるのか」「どの組み合わせが実用的なのか」——その答えを、具体的な撮影結果から整理します。

E 100mm F2.8の導入と基本スペック

コンパクトなサイズ感と取り回し


ニコンFマウントアダプターを装着した改造版ナイトビジョンカメラNVC200用にSeries E 100mm F2.8を入手

ニコンFマウントアダプターを装着した改造版ナイトビジョンカメラNVC200用にSeries E 100mm F2.8を入手してみたのでその実力を詳しくレビューします。

Nikkor 50mm F1.4とほとんど変わらないコンパクトなサイズ感

Nikkor 50mm F1.4とほとんど変わらないコンパクトなサイズ感がうれしい。

1/4インチセンサーで1060mm相当の画角

1/4インチセンサーのNVC200に装着することで35mm換算1060mm相当の光学倍率

1/4インチセンサーのNVC200に装着することで35mm換算1060mm相当の換算焦点距離を得ることができます。今回はこのE 100mm F2.8を使って超望遠撮影をチェックしてみます。

過去のテストで画質がよかったソニーの2.6倍テレコンVCL-DH2637
オリンパスの1.7倍テレコンTCON-17Xを装着しての超望遠撮影も検証

さらに、過去のテストで画質がよかったソニーの2.6倍テレコンVCL-DH2637や、オリンパスの1.7倍テレコンTCON-17Xを装着しての超望遠撮影も検証します。

ソニー2.6倍を使えばニコンP1100の35mm換算3000mm相当に迫る最大2756mm(100mm×2.6倍×10.6)の光学倍率を得ることができます

ソニー2.6倍を使えばニコンP1100の35mm換算3000mm相当に迫る最大2756mm(100mm×2.6倍×10.6)の光学倍率を得ることができますが画質はどうでしょう。実際の撮影シーンを想定しながらみていきましょう。

なお、今回検証に使用する改造版NVC200の詳細については下記サイトを参照ください。レビューや改造方法などを詳しく紹介しています。

▶ナイトビジョンコンデジNVC200関連情報まとめ

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E 100mm F2.8の実写性能

遠距離撮影での解像感(岡山城370m)

E 100mm F2.8の実力から見ていきましょう。おなじみの岡山城で距離は370mです。

まずはE 100mm F2.8の実力から見ていきましょう。おなじみの岡山城で距離は370mです。

オリジナルレンズはこの程度。レンズ性能がいまいちで、中心部はそれなりに解像していますが周辺部がつぶれています。

オリジナルレンズはこの程度の画角でした。レンズ性能がいまいちで、中心部はそれなりに解像していますが周辺部がつぶれています。

E100mm F2.8です。小さなレンズに似合わずかなりの拡大率

E100mm F2.8です。小さなレンズに似合わずかなりの拡大率です。NVC200オリジナルのレンズが25mmなので4倍の倍率が得られます。1/4インチセンサーではフルサイズレンズの中央部分のみを使用し、周辺部を使わないため、収差の影響が少ない比較的良好な画質が得られます。

デジタルズームの実用性

デジタル5倍ズームです。実倍率は2倍になります。

デジタル5倍ズームは表示上5倍ですが、実質的には約2倍程度の拡大感です。

デジタル10倍ではここまで拡大できます。

デジタル10倍ではさらに拡大できますが、画質とのバランスが重要になります。

赤外線撮影での描写

IRフィルターを装着することで可視光がカットされ赤外線のみを取り込むことができます。

IRフィルターを装着することで可視光をカットし、赤外線のみを取り込んだ撮影も可能です。100m先の被写体では、デジタルズームを併用しないとやや倍率不足となります。

対岸の川鵜を撮影(距離100m)

河川敷に降りて対岸の川鵜を撮影です。距離は100m。

河川敷に降りて対岸の川鵜を撮影です。距離は100m。

デジタル5倍ズームです。100mだとちょっと倍率が足りません

デジタル5倍ズームです。100mだとちょっと倍率が足りませんね。

テレコン比較(岡山城370m)

オリンパス TCON17X

オリンパスの1.7倍テレコンTCON-17Xを装着

もう少し倍率が欲しいよねということでオリンパスの1.7倍テレコンTCON-17Xを装着してみました。カメラ本体で重めのレンズ2本を支えているのでかなり不安定です。

等倍から見ていきましょう。1060mm×1.7倍で1802mmです。ISO 100でシャッタースピードは1/6097に。

等倍から撮影です。1060mm×1.7倍で約1800mmです。ISO 100でシャッタースピードは1/6097に。

デジタル5倍です。特に問題はないですね。

デジタル5倍です。特に問題はないですね。

SONY VCL-DH2637

ソニーの2.6倍テレコンVCL-DH2637です。こちらも金属製でそれなりに重みがあるので不安定です。

もう1つ。ソニーの2.6倍テレコンVCL-DH2637です。こちらも金属製でそれなりに重みがあるので不安定です。

VCL-DH2637をはじめとするテレコンについては下記サイトに画質比較などレビューをまとめているので、お時間あれば合わせてご覧ください。

▶テレコン関連情報まとめ

周辺部の画質が著しく低下しています。レンズ口径が小さいのでフルサイズ用レンズには厳しそう。

1060mm×2.6倍で2756mmですが、パッと見でわかるほどのぼやけた画質です。特に周辺部の画質が著しく低下しています。レンズ口径が小さいのでフルサイズ用レンズには厳しそう。

中心部を切り抜くデジタルズームでも全体的に滲んだような感じに

デジタル5倍です。中心部を切り抜くデジタルズームでも全体的に滲んだような感じになっています。

テレコン比較(250m)

250m先の看板を望遠撮影

続いて250m先の看板を望遠撮影してみます。

 FDR-AX55+TCON-17Xと比較

ハンディカム FDR-AX55にオリンパスのTCON-17Xを装着して撮影した時の望遠端の画像

比較用に、以前ハンディカム FDR-AX55にオリンパスのTCON-17Xを装着して撮影した時の望遠端の画像です。1366mm相当でもこの程度にしか拡大できない距離です。

E100mm F2.8にテレコンなしの1060mmではややワイドな画角

E100mm F2.8にテレコンなしの1060mm相当ではややワイドな画角です。

デジタル5倍です。

デジタル5倍です。

デジタル10倍でも平仮名が読めるかどうか。

デジタル10倍でも平仮名が読めるかどうか。

オリンパスTCON17X

TCON-17Xを装着

続いてTCON-17Xを装着です。

デジタル5倍で注意書きの文字が判読できるように。

デジタル5倍で注意書きの文字が判読できるように。

10倍では釣り禁止のイラストも確認できます。

10倍では釣り禁止のイラストも確認できます。

SONY VCL-DH2637

VCL-DH2637です。やはりぼやけた画質です。

VCL-DH2637です。やはりぼやけた画質です。

倍率が高いので文字は読めますが、画質は曇ったような感じです。

倍率が高いので文字は読めますが、画質は曇ったような感じです。

レンズ口径が小さいのが影響しているよう

やはりレンズ口径が小さいのが影響しているようです。

F11まで絞れば多少マシにはなりますが、実用にはやや厳しい画質です。

F11まで絞れば多少マシにはなりますが、実用にはやや厳しい画質です。

三脚座による安定化対策

テレコン装着時の重量バランス

TCON-17Xに三脚座を装着

テレコンを装着するとかなり不安定な上に手ブレも発生するので対策することに。TCON-17Xに三脚座を装着します。キヤノンEF70-200 F4用のRING A (W)という型番のものがTCON-17Xにぴったりでした。これで重たいレンズ側を固定することに。

カメラ本体は軽量なのでだいぶ安定するように

カメラ本体は軽量なのでだいぶ安定するようになりました。静止画撮影ではシャッターを押すときに手ブレしますが、動画なら問題なし。

公園で野鳥撮影(距離20m)

TCON-17Xを付けて公園で撮影テスト

TCON-17Xを付けて公園で撮影テストです。

テレコンなしのE 100mmではこのような画角

距離は20m程度。テレコンなしのE 100mmではこのような画角です。やや物足りない。

TCON-17Xを装着すると1800mm相当に

TCON-17Xを装着すると1800mm相当になる計算です(100mm×10.6×1.7倍=1802mm)。

小さな鳥でも20m程度の距離なら十分な拡大率

小さな鳥でも20m程度の距離なら十分な拡大率です。

夜間・赤外線撮影での検証

暗闇の公園で100m先の看板を撮影

夜間のナイトビジョン撮影も試してみましょう。暗闇の公園で100m先の看板を撮影です。VCSELライトで赤外線を照射しています。

使用する赤外線投光器(IRライト)については下記サイトでレビューをご覧いただけます。

▶赤外線ライト IRトーチ(5W LED / VCSEL)関連情報まとめ

テレコンなしの基本性能

1060mm相当の画角で、開放端F2.8でISO 421 シャッタースピード1/30

テレコンなしから見ていきましょう。1060mm相当の画角で、開放端F2.8でISO 421 シャッタースピード1/30です。周辺部に赤外線が当たっていないためISO感度はやや高め。

デジタル5倍です。IRライトの照射範囲にズームされることで感度はISO 218に下がっています。

デジタル5倍です。IRライトの照射範囲にズームされることで感度はISO 218に下がっています。 

デジタル10倍です。

デジタル10倍です。

絞りによる画質変化

絞りの変化による画質の違いも見ておきましょう。F4です。ISO 676でSS 1/30。

絞りの変化による画質の違いも見ておきましょう。F4です。ISO 676でSS 1/30。

F5.6では ISO 774に。SSは1/20に下がります。

F5.6では ISO 774に。SSは1/20に下がります。

F8でISO 1028に。SSは下限の1/15です。

F8でISO 1028に。SSは下限の1/15です。

F11です。ISO 1720に。ノイズが目立ってきます。

F11です。ISO 1720に。ノイズが目立ってきます。

F16ではISO 3111です。かなりのノイズです。

F16ではISO 3111です。かなりのノイズです。

F22ではISO 6400に。文字もほぼ読めなくなりました。

F22ではISO 6400に。文字もほぼ読めなくなりました。

TCON-17X装着時の変化

TCON-17Xを装着しました。テレコンなしでISO 421です。

TCON-17Xを装着しました。テレコンなしでISO 421です。テレコン装着でF値はF2.8の1.7倍でF4.76になりISO 715になる計算ですが、画像が拡大されて赤外線の照射範囲にズームされるのでISO 564に収まっています。シャッタースピードは1/30です。

F4です。ISO 678でSS 1/25に。

F4です。ISO 678でSS 1/25に。

F5.6でISO 714に。SSは下限の1/15です。

F5.6でISO 714に。SSは下限の1/15です。

F8ではISO 1419です。テレコンなしより1段分暗い感じです。

F8ではISO 1419です。テレコンなしより1段分暗い感じです。ノイズが目立ってきました。開放側では目立っていなかった赤外線撮影由来の色ムラ(ホットスポット)が出ています。テレコンなしでは出ていなかったので、TCON-17Xのコーティングが影響しているようです。

F11 ISO 2233 SS 1/15

F11 ISO 2233 SS 1/15

F16 ISO 4664 SS 1/15

F16 ISO 4664 SS 1/15

夜間動態撮影(距離60m)

60mの距離ならデジタルズーム無しでも十分な倍率です。縦方向の撮影範囲は120cmくらい。

動きのあるものも撮影してみましょう。60mの距離ならデジタルズーム無しでも十分な倍率です。縦方向の撮影範囲は120cmくらい。

100mの距離でもデジタル5倍ズームを併用することできれいに撮影できます。

100mの距離でもデジタル5倍ズームを併用することできれいに撮影できます。テレコン装着でF値はF4.8まで上がっていますが、ノイズはそれほど目立ちません。

Contax 300mm F4だとこんな映りです。

参考までにContax 300mm F4だとこんな映りです。

両者を比べるとデジタルズーム由来のノイズが目立ちますが、E 100mm F2.8+TCON-17Xは十分許容できる画質です。

両者を比べるとデジタルズーム由来のノイズが目立ちますが、E 100mm F2.8+TCON-17Xは十分許容できる画質です。

▶ナイトビジョンコンデジNVC200関連情報まとめ

総合評価とおすすめ構成

ニコンFマウントを取り付けたナイトビジョンカメラNVC200用にコンパクトな100mmレンズを装着

以上を踏まえてまとめます。ニコンFマウントを取り付けたナイトビジョンカメラNVC200用にコンパクトな100mmレンズを装着してのテスト撮影でした。

Series E 100mm F2.8(右)は50mm F1.4と同レベルのサイズ感で、常用するにはおすすめです。

Series E 100mm F2.8(右)は50mm F1.4と同レベルのサイズ感で、常用するにはおすすめです。安価な上に軽量小型で画質も上々です。

NVC200のオリジナルレンズ比で4倍の画角が稼げるので、倍率を重視するならE 100mm F2.8を選択肢に入れてよいでしょう。

NVC200のオリジナルレンズ比で4倍の画角が稼げるので、倍率を重視するならE 100mm F2.8を選択肢に入れてよいでしょう。赤外線撮影でホットスポットが発生することもありません。加えてフロントテレコンを装着できるのも利点です。

ソニーVCL-2637では径が小さくて画質が悪化する

テレコンについては、ソニーVCL-DH2637ではレンズ径が小さいため周辺光量や解像が大きく低下します。

TCON-17Xなら画質の劣化もほぼ無く35mm換算1800mm相当の画角が稼げます。

TCON-17Xなら画質の劣化もほぼ無く35mm換算1800mm相当の画角が稼げます。

野鳥なら20m、人物なら50m程度の距離が適しています。

野鳥なら20m、人物なら50m程度の距離が適しています。

TCON-17Xは280gとやや重めで、レンズ1本ぶんくらいの重量。E 100mm F2.8と合わせると500g近い

ただ、TCON-17Xは280gとやや重めで、レンズ1本ぶんくらいの重量。E 100mm F2.8と合わせると500g近いので、それなら100-300のようなズームレンズを使ったほうがという気もします。

Series Eの75-150 F3.5なら520gで重量も大差ありません

同じSeries Eの75-150 F3.5なら520gで重量も大差ありません。こちらは3000円程度と安価に入手できるのもメリットですが、F3.5と若干暗くなるのはデメリットです。

夜間撮影については、TCON-17X装着で50m程度、デジタルズームを併用することで100mあたりまで対応可能

夜間撮影については、TCON-17X装着で50m程度、デジタルズームを併用することで100mあたりまで対応可能です。テレコン装着で1段分くらい暗くなりますが、F2.8の明るいレンズなので問題なく撮影できます。

TCON-17Xを装着するとホットスポットが発生するケースが

ただしTCON-17Xを装着するとホットスポットが発生するケースがあります。絞りをF8あたりまで絞らなければ目立たないので、実用上はそれほど影響はありません。

▶ナイトビジョンコンデジNVC200関連情報まとめ

まとめ|軽量で常用レンズに最適

今回の検証では、E 100mm F2.8をNVC200に組み合わせることで、コンパクトな構成のまま約1060mm相当の超望遠撮影が可能であることが確認できました。オリジナルレンズ比で約4倍の画角が得られ、中央部を使う特性から画質も安定しています。

テレコンについては、TCON-17Xが最もバランスに優れ、約1800mm相当まで画質を大きく損なわず拡張可能でした。一方でVCL-DH2637はレンズ径の影響により周辺画質の低下が顕著で、高倍率と引き換えに実用性は限定的です。

夜間撮影では、テレコン装着により1段程度暗くなるものの、F2.8の明るさを活かせば実用範囲内に収まります。ただし、組み合わせによってはホットスポットが発生するため、絞りや構成の最適化が重要です。

総合的に見ると、「高倍率と画質の両立」という観点では、E 100mm F2.8単体、またはTCON-17Xとの組み合わせが現実的な選択肢といえるでしょう。


よくある質問(FAQ)

Q. NVC200にE 100mm F2.8を装着するとどのくらいの倍率になりますか?

A. 1/4インチセンサーとの組み合わせにより、35mm換算で約1060mm相当の画角になります。オリジナルレンズ(約25mm)と比較すると、約4倍の拡大効果が得られます。

Q. テレコンを使うとどこまで倍率を伸ばせますか?

A. オリンパスTCON-17X(1.7倍)を使用すると約1800mm相当、ソニーVCL-DH2637(2.6倍)では最大約2756mm相当まで拡張可能です。

Q. 一番おすすめのテレコンはどれですか?

A. 画質と倍率のバランスを考えると、TCON-17Xが最も実用的です。画質の劣化が少なく、約1800mm相当でも十分な解像感を維持できます。

Q. VCL-DH2637はなぜ画質が悪化するのですか?

A. レンズ径が小さいため、フルサイズ用レンズと組み合わせた場合に周辺光量や解像が大きく低下します。その結果、全体的にぼやけた描写になりやすい傾向があります。

Q. 赤外線撮影でも高倍率は使えますか?

A. 使用可能です。ただしテレコン装着により約1段分暗くなるため、ISO感度が上昇しやすくなります。F2.8クラスの明るいレンズであれば実用範囲内に収まります。

Q. ホットスポットは発生しますか?

A. レンズ単体ではほぼ発生しませんが、TCON-17Xなどのテレコンを装着した場合、F8付近から赤外線特有のホットスポットが発生することがあります。

Q. 実用的な撮影距離はどのくらいですか?

A. 昼間撮影では20〜100m程度、夜間の赤外線撮影ではテレコン併用で50〜100m程度が実用的な範囲です。被写体や照射条件によって変動します。

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