〜フケが出やすい人の特徴〜
- 脂分の多い食事をとる人
- 顔がテカリやすい人
- 日中あまり外出しない人
- メガネをかけている人
- 枕カバーを交換しない人
- 頭皮を保湿している人
- 風呂上がりに髪を乾かさない人
- 頭をゴシゴシ洗う人
〜脂漏性皮膚炎とは〜
脂漏性皮膚炎は、わかりやすく言えば「頭皮の水虫」です。菌の種類は異なりますが、水虫のように“真菌=カビが関係する皮膚炎”で、頭皮上でマラセチアという真菌が繁殖し、水虫のように頭皮がめくれ、それがフケになってボロボロと落ちてくる病気です。頭皮だけでなく、耳の周りや眉毛、オデコや鼻のあたりでも皮がめくれたり、フケのようなものができることがあります。
脂漏性皮膚炎のフケを、アトピーで出る粉のような乾性フケと勘違いして保湿などの間違った処置をしてしまう人が多いですが、頭皮の皮脂をエサに繁殖するカビが頭に発生したとイメージしてもらうと、保湿やオイルケアが間違った対処であることがわかると思います。
脂漏性皮膚炎はなぜ秋〜春に悪化しやすいのか?
脂漏性皮膚炎は一年中起こり得ますが、実際には秋から春先にかけて症状が悪化しやすい傾向があります。その理由は、気温だけでなく「湿度」「紫外線量」「自律神経の変化」が関係しています。
乾燥によるバリア機能低下
冬は湿度が低下し、皮膚の角質層が乱れやすくなります。バリア機能が落ちることで炎症が起こりやすくなり、フレーク状のフケや強いかゆみが出やすくなります。乾燥そのものが菌を増やすというより、“炎症が起こりやすい土壌”を作ることが問題です。
皮脂バランスの乱れとマラセチア増殖
寒暖差や暖房環境は自律神経を乱し、皮脂分泌が不安定になります。その皮脂を栄養源とするのが常在真菌の マラセチア です。皮脂が分解される過程で刺激物質(遊離脂肪酸)が生じ、炎症を悪化させます。
紫外線量の減少が影響する理由
紫外線には軽い抗炎症作用や抗真菌作用があります。冬は日照時間が短く紫外線量も減るため、炎症が抑えられにくくなります。
ストレス・生活リズムの変化
年末年始や年度末はストレスや睡眠不足が増えがちです。これらは皮脂分泌を促進し、症状悪化の一因となります。
春〜夏に症状が落ち着きやすい理由
- 湿度が上がりバリア機能が安定する
- 紫外線量が増え炎症が抑えられやすい
- 代謝が活発になりターンオーバーが整いやすい
そのため、冬に悪化していた症状が自然に軽快するケースも少なくありません。
季節ごとの対策ポイント
秋〜冬
- 洗いすぎない(38℃前後のお湯)
- 軽い保湿(セラミド系)
- 抗真菌シャンプーを適切に使用
春〜夏
- 汗を放置しない
- 紫外線対策はしつつ適度な日光
- 皮脂を取りすぎないケア
〜脂漏性皮膚炎の原因〜
脂漏性皮膚炎は、皮脂分泌異常やビタミン代謝異常、皮膚のpH異常などが原因とされています。症状を訴える人は患部に「マラセチア」と呼ばれる真菌(カビのようなもの)が通常の3倍程度検出されます。マラセチア自体は常在菌として普通に人の皮膚に存在するものですが、この数が極端に増えると脂漏性皮膚炎を引き起こします。このマラセチアが人の皮膚を分解し、繁殖することでかゆみを引き起こすとともに大量のフケが発生します。
〜マラセチアと白癬菌の違い(ざっくり比較)〜
| 比較項目 | マラセチア | 白癬菌 |
|---|---|---|
| 分類 | 真菌(常在真菌) | 真菌(皮膚糸状菌) |
| 皮膚に元々いるか | いる(常在菌) | いない(感染による) |
| 増え方 | 皮脂が多いと増殖する | 角質を分解して広がる |
| 感染性 | 基本的に人から人へ感染しない | 感染する(水虫など) |
| 代表的な疾患 | 脂漏性皮膚炎 | 足白癬(水虫) |
脂漏性皮膚炎も水虫(足白癬)も真菌が繁殖する病気ですが、マラセチアはもともと人の皮膚にいる常在真菌で、外部からの白癬菌感染によって発症する水虫とは発症の仕組みが異なります。
普段は常在真菌として、外部からの病原菌類の定着を防ぐ役割を果たすいわゆる日和見菌に近い存在です。
- 皮脂増加
- バリア低下
- 免疫バランス変化
秋から冬に悪化する理由
脂漏性皮膚炎は「皮脂が多い人の病気」と思われがちですが、実は冬の乾燥も大きく関係しています。空気が乾燥すると頭皮の角質バリアが乱れ、防御機能が低下します。すると炎症が起きやすくなり、マラセチアが優位な環境になります。
さらに、皮膚は乾燥を感じると自らを守るために皮脂分泌を増やすことがあります。マラセチアは皮脂を栄養源とするため、この皮脂増加が増殖を後押しします。
- 空気が乾燥
- 皮膚のバリア機能が低下
- 角質が乱れる
- 皮脂バランスが崩れる(部分的に増えることもある)
- マラセチアが刺激物(脂肪酸)を産生
- かゆみ・赤み・フケが悪化
冬場は、乾燥そのものが菌を増やすというより、肌が弱って炎症が起きやすくなるということです。
冬のおすすめ対策
① シャンプーしすぎない(最重要)
- 熱いお湯NG(38℃前後)
- ゴシゴシ洗わない
- 1日2回以上のシャンプーは避ける
皮脂を全部取ると逆に悪化しやすい。
②保湿は“やり方”が大事
結論から言うと:
- 軽めの保湿はOK
- 油分ベタベタは悪化しやすい
理由はシンプルで、マラセチアは「油」をエサにするからです。おすすめは、セラミド配合、ヒアルロン酸、グリセリン系、ノンコメドジェニック、低刺激なものです。逆にワセリン大量塗り、オイル主体ローション、ココナッツオイル、シアバター厚塗りは脂漏傾向なら悪化しやすいです。
〜乾性フケと脂漏性皮膚炎の違い〜
| 比較項目 | 乾性フケ | 脂漏性皮膚炎 |
|---|---|---|
| フケの形状 | 細かい粉状でパラパラ落ちる | 大きくベタついたフレーク状 |
| 頭皮の状態 | 乾燥している | 赤み・炎症が出やすい |
| かゆみ | 軽度〜ほとんどない | 強いかゆみを伴うことが多い |
| 発生部位 | 主に頭皮のみ | 頭皮+眉毛・鼻周り・耳周辺など |
| 原因 | 乾燥・洗いすぎ・季節要因 | 皮脂増加+マラセチアの増殖 |
| 対処法 | 保湿・低刺激シャンプー | 抗真菌シャンプー・皮膚科治療 |
〜脂漏性皮膚炎の対策〜
脂漏性皮膚炎という病気は「頭皮の水虫」という言葉からもわかるとおり、薬や専用シャンプーの使用で一時的に症状を抑えることはできますが、完全に治療するには生活習慣の見直しも含めた対策が必要になります。
脂漏性皮膚炎の根本原因は
- 皮脂が多い体質
- マラセチアへの炎症反応が強い体質
- バリア機能が弱い
など、体質ベースが大きいです。
- 高糖質(甘いもの)
- アルコール
- 刺激物
- 睡眠不足
- ストレス
といった要因が加わることで症状が悪化しやすくなります。特に「ストレス+睡眠不足」はかなり影響大で、皮脂分泌を一気に増やします。
他の病気との関係性
糖尿病との関係
糖尿病があると、①免疫機能が落ちやすい②皮膚のバリアが弱くなる③真菌が増えやすいです。その結果、常在真菌の マラセチア が増殖しやすくなり、脂漏性皮膚炎が悪化しやすいといわれています。特に、治りが悪い、何度も再発する、他にも皮膚トラブルが多い場合は血糖の影響を疑ったほうがよいです。
うつ・慢性ストレス
そのほかにも、うつや慢性ストレスのような自律神経・ホルモンの乱れを引き起こす病気は皮脂を増やしやすいので注意してください。
①脂分の多い食事をとる人、顔がテカリやすい人
脂分の多い食事を控えましょう。脂分の多い食事をとりすぎると、真菌のエサになる頭皮上の皮脂分泌が増し、脂漏性皮膚炎になりやすくなります。症状が酷い方はまず普段の食事を見直してください。顔がテカリやすい方は皮脂の分泌が多いので、頭皮も同じ様な状態になっていると考えられます。皮脂を過剰に分泌させないよう食生活を見直す必要があります。
②日中あまり外出しない人
天気の良い日は外出する。これが意外と重要です。日中屋外に出て頭皮に日光(紫外線)を当てることで、真菌の繁殖を防ぐことができ、これが脂漏性皮膚炎の症状改善に繋がります。適度な日光浴をするよう心がけてください。
とはいえ、真夏など紫外線量の多い時期に長時間直射日光を当てるのはかえって頭皮にダメージを与えるので気をつけてください。なお、日焼け止めクリームは症状を悪化させるので生え際付近には塗らないほうが良いです。
③メガネをかけている人、枕カバーを交換しない人
身につけるものは常にきれいにしましょう。特にメガネは耳にかかる柄(フレーム)の部分が汚れやすく真菌を繁殖させやすくなります。耳や鼻に当たる部分をていねいに洗ってください。アルコール性のクリーナーなどは真菌の消毒に効果的です。同様に枕カバーは、できれば毎日、最低でも3日に一度は交換しましょう。枕カバーの交換が面倒なら枕と頭の間にタオルを挟んで、それを毎日交換してもよいです。
④頭皮を保湿している人、風呂上がりに髪を乾かさない人
フケの原因が頭皮の乾燥だと勘違いして頭皮の保湿をする方がいます。自己判断の過度な保湿やオイルケアは悪化することがあります。湿気は真菌が繁殖するための栄養になります。同様に風呂上がりに髪の毛を乾かさず放置するのも好ましくありません。また、髪の毛が長い人は、湿気が頭皮にこもりやすいので、風通しの良いショートヘアにすることで症状が改善する場合があります。女性は化粧品で使う保湿剤やクリームが影響することもあるので気をつけてください。
⑤頭をゴシゴシ洗う人
頭皮のケア方法については少し詳しく解説したいと思います。一度真菌が繁殖すると自力で繁殖した菌を減らすことはなかなか難しいです。オススメは脂漏性皮膚炎専用のコラージュフルフルというシャンプーです。真菌を死滅させる薬効成分が入っている薬用シャンプーなので、これで頭を洗うだけでかなり症状が改善します。一般的なシャンプーと比べると少し値段の高い(200ml 1,280円)商品ですが、症状が出ていないときは使う必要はないので、普段使いのシャンプー・リンスと併用すればそんなに負担にはならないと思います。
シャンプーをするときは、汚れや脂分を落とそうとゴシゴシ洗うと頭皮を傷つけるので、優しく髪の毛だけを洗う感じで、頭皮にはシャンプーの成分を行き渡らせる程度にしてください。毛穴にシャンプーを浸透させるように、こすり洗いではなくもみ洗い(頭皮を親指の腹で押すような感じで洗う)をするよう心がけてください。
- ミコナゾール硝酸塩
- ケトコナゾール
- ピロクトンオラミン
のような成分が真菌抑制に効果があるので、このような成分が入っているシャンプーでも代用できます。
また、シャンプーするときは、髪の毛だけでなく、真菌が繁殖しやすい耳の中や裏側、眉毛、オデコから鼻にかけてのTゾーンのあたりまでシャンプーするようにしてください。できればリンスもコラージュを使うことをおすすめします。
お風呂から上がったら、厚手のタオルでしっかり髪の毛と頭皮の水分を取り、ドライヤーで髪の毛と頭皮を乾かします。ドライヤーは温風より冷風のほうが肌に刺激を与えないので、温風で8割乾かし、最後に冷風で仕上げるようにしてください。耳のまわりやうなじあたりは水分が残りやすいのでしっかり乾燥させるようにしてください。
風呂上がりの時点でかゆみがあるようであれば、かゆみを抑える成分の入ったアルコール性の育毛トニック(柳屋フレッシュトニックなど)を頭皮にスプレーしておくとよいです。また、塗り薬が処方されている場合はこのタイミングで塗ってください。ステロイド使用を躊躇して塗薬の塗布量が少ないケースが多いようですが、量が少ないと十分な効果が得られず真菌の繁殖を抑えることができない可能性があります。医師の指示に従い適切な量を使用し
頭が痒くてもくれぐれも頭皮を掻かないようにしてください。ガマンできないときは痒みのある部分を親指の腹で抑えて揉むように掻いてください。夏場などはお風呂上がりで頭皮に汗をかくと、その水分が真菌繁殖の原因になります。汗がしっかり引くまで、ドライヤーや扇風機で頭皮を乾かしてください。
シャンプーの頻度はどれくらい?
基本は 1日1回。これがベース。ただし、①皮脂多い②整髪料使う③汗をかくなら毎日でOK。1日2回は基本NG。皮脂を取りすぎてバリア崩壊 → 逆に悪化しやすい。
抗真菌シャンプーはどう使う?
主役は皮脂をエサにするマラセチア を抑えること。使い方が命です。
- まず普通のシャンプーで軽く洗う(整髪料を落とす)
- 抗真菌シャンプーで泡立て3〜5分放置
- しっかりすすぐ
頻度は週2〜3回で十分。毎日は不要(刺激になることも)。
シャンプー後の保湿は必要?
“うっすら水分補給”くらいがちょうどいい。
髪を乾かさないのはどう?
これは地味に重要。自然乾燥はよくない。
理由は
- 湿った状態は菌が増えやすい
- 皮膚がふやけてバリア低下
- かゆみ増悪
- タオルでしっかり水分取る
- ドライヤーは15〜20cm離す
- 熱風を一点に当て続けない
- 最後に冷風で仕上げると◎
⑥それでも改善しない場合
上記の対策でも症状が改善しない場合は、皮膚科の受診をおすすめします。治療は、脂漏性皮膚炎用の抗真菌薬(塗り薬)やステロイドを処方してもらえるので、それを塗って治療を進めていきます。
急性期はステロイドで炎症を抑え、その後抗真菌薬でコントロールするのが一般的です。自己判断で長期使用せず、医師の指示に従いましょう。
皮膚科医によっては知識不足で脂漏性皮膚炎の症状を悪化させるワセリン(保湿剤)を処方するところもあるので注意してください。アトピー性皮膚炎と間違って診断することがよくあるので、信頼できる、評判の良い皮膚科を探して受診しましょう。
脂漏性皮膚炎は、水虫同様にちょっとやっかいな病気で、薬を塗るだけですぐに治る病気ではありませんが、このホームページに記載した対策と併用することでかなり改善すると思います。
【関連外部サイト】
頭皮のカビって?(持田製薬)
カビが原因の脂漏性皮膚炎にご注意を(オムロン)
頭皮の脂漏性皮膚炎の症状・原因・治し方まとめ(アンファー)












