コストコ岡山で大きな動きがありました。コストコ進出が噂されている赤磐市の議会本会議で、ついに友實赤磐市長がコストコと誘致交渉を進めていることを明らかにしました。情報をまとめると、赤磐市山陽インター近くに計画中の新拠点整備事業で産業振興ゾーン南側の商業施設区画にコストコホールセールジャパンが、北側のホテル棟区画にナカシマホールディングスグループがそれぞれ進出を計画しているようです。
現在、赤磐市とコストコとの間で立地協定に盛り込む内容の調整を進めており、正式決定に向けて大詰めの段階にきていると見られます。これでコストコの赤磐市出店はほぼ確定といってよいでしょう。今秋に開催予定の岡山県都市計画審議会で計画地の用途変更が認められれば、早ければ来年前半にも赤磐市とコストコとの間で立地協定が結ばれ、正式発表、着工の運びです。計画が順調に進めば再来年の2026年中にもオープンを迎えることになります。それでは詳しく見ていきましょう。
【市議会】
9月4日の赤磐市議会本会議では友實市長が、新拠点地域の進出企業について、①コストコホールセールジャパンと②ナカシマホールディングスを中核とするグループ会社ーの2者を相手にトップセールスで企業誘致を進めていることを公表しました。現時点では最終決定には至らないものの「両者とも前向きに検討している」との説明がありました。友實市長は、「詳細な決め事をするよう検討中」と述べ、立地協定締結に向けて赤磐市と事業者との間で細部を調整の段階であることを明かしています。赤磐市長自ら議会の場で誘致内容を公表したことにより、コストコの赤磐市進出は確定的になったといってよいでしょう。
【新拠点事業進捗状況】
まずは赤磐市の新拠点整備事業について簡単に説明しておきます。昨年8月に国土交通省が発表した資料によると、赤磐市岩田の約10.5万平方メートルの敷地に令和7年度(2025年)から民間事業者による複合型商業施設ならびにホテルの整備が行われると記されています。
計画地は岡山駅から車で東へ20分程度。
最寄りの山陽インターから、西に車で5分ほどの県道27号線沿いの広大な田んぼが広がる場所です。
敷地北東には、商業施設開業に併せて道の駅あかいわ(仮称)を整備する計画が進められています。
事業は、すでに本年4月から赤磐市で都市計画区域区分変更の手続きがスタートしています。
8月からは岡山県で都市計画変更案の縦覧手続きが始まっており、秋には都市計画審議会が開催される流れです。順調に進めば12月に決定が告示され、開発にゴーサインが出る見通しです
【開業予定は】
それでは、コストコ赤磐倉庫店(仮称)のオープンはいつになるでしょうか。他県の状況と比較しながら推測してみましょう。直近オープンした、もしくはオープン予定の店舗のスケジュールを調べてみました。
【東近江倉庫店】
5年7月5日 立地協定締結
5年10月1日 着工
6年8月23日 開業
【南城倉庫店】
4年11月16日 計画公表
5年6月29日 正式決定
5年6月30日 着工
6年8月24日 開業
【小郡倉庫店】
4年3月17日 立地協定締結
5年12月1日 着工
6年11月 開業予定
【南アルプス倉庫店】
4年7月4日 立地協定締結
5年12月 着工予定→造成の遅れで6年5月に延期
6年11月 開業予定→7年4月に延期
立地協定締結を正式決定の目安とすれば、
【工事期間】
各店のスケジュールを見ると、店舗工事はおおよそ11ヶ月で完了するようです。赤磐市については道の駅あかいわや隣接のホテル棟の開業予定が2026年というスケジュールから逆算すると、遅くとも2026年1月までに着工すれば、年内にオープンできる計算です。
一方で、山梨県の南アルプス倉庫店では造成工事の遅れで当初よりオープンが5ヶ月後ろにズレこんでいるほか、2024年度オープン予定だった三重県の亀山市では用地取得の遅れや建設コストの上昇で着工が大幅に遅れており、赤磐市も同様の理由で完成がずれ込む可能性は否定できません。
ただ赤磐市の場合は用地取得自体は順調に進んでいるうえに、造成の容易な田んぼなので、山林を造成する亀山市のように工期が大幅にズレ込む可能性は低いでしょう。
なお、立地協定の締結は、自治体によって時期がバラバラで、着工の1年半前のところもあれば、着工直前の自治体もあるようです。赤磐市では現在、立地協定締結に向けて最終調整を進めている段階のようで、用途変更が認められる今年12月以降、来年前半にもコストコとの間で立地協定が結ばれ、正式発表となる可能性が高いです。
【ホテル用地は】
もう一つの進出企業についても調べてみました。赤磐市が誘致交渉を進めている企業として名前の挙がったナカシマホールディングスは、岡山市東区に本社を置く船舶向けのプロペラなどを製造するナカシマプロペラを中核とするグループ企業の持株会社です。JR上道駅前という本社立地は赤磐市とも至近です。同社は2026年に創業100周年を迎えることから、これに合わせて赤磐市の新拠点に何らかの施設建設を計画しているようです。岡山では政治的影響力もある大手企業なので、事業推進へ許認可の面などで大きな後ろ盾の役割を果たしていることが予想されます。
ナカシマプロペラについてざっくり調べてみたところ、Googleの検索候補になぜか日帰り温泉事業、露天風呂、温泉事業部などのワードが見つかりました。おそらく関係者がGoogleで頻繁にこれらの単語を検索しているため関連ワードとして検索候補に上がってくるようです。
そして、過去の赤磐市議会では、新拠点整備について「温浴施設を計画している」との答弁もあったことから、ナカシマグループが5万平方メートルのホテル用地に温浴施設を計画している可能性が浮かんできます。
国土交通省発表の資料では計画地の北西部5万平方メートルに「ホテルの開業」の文字があります。総社市にあるサンロード吉備路のような温浴施設と宿泊施設が一体型になったものになるのか、それとも、温浴施設とは別にホテルが建設されるのかは不明ですが、5万平方メートルという敷地の広さを考えるとかなり大きな施設になる可能性が高いでしょう。こちらも開業はナカシマプロペラの創業100周年に合わせた2026年で確定でしょう。
【残る商業施設は】
ホテル用地への進出がナカシマグループであれば、商業施設は5.5万平方メートルという広さに加え、国土交通省の公表している資料にも複合型商業施設の文言があることから、コストコ以外にもう1店舗進出することが予想されます。仮にもう一つの商業施設となれば、赤磐市当局はすでに生活に密着したスーパーは誘致しないことを表明しているのでそれ意外の商業施設になりそうです。他県の事例を見るとカインズのようなホームセンターが候補でしょうか。
ただし、近年オープンしている沖縄南城倉庫店や東近江倉庫店では、コストコ単独で6〜7万平方メートルの敷地を使っているので、コストコ単体での出店の可能性も残ります。単独出店であればガソリンスタンドが併設される可能性が高いでしょうか。
【コストコたつの】
コストコ赤磐のライバルとしてニュースで名前の挙がったお隣り兵庫県のたつの市の誘致状況についても触れておきましょう。こちらのウワサは、神戸新聞が8月2日付けで報道したことで火が点いたようです。
ただ、神戸新聞の報道内容を見ると、あくまでたつの市関係者が誘致を進めていることを取材に答えたもので正式な発表では無いようです。出店見込時期も2029年度ということで、だいぶ先の話です。コストコ進出はいろんな自治体が要望を出しており、たつの市もそのうちの1つとして手を挙げた段階という状況で、赤磐市よりはだいぶ遅れをとっているようです。
SNS情報によると、岡山県西部の笠岡市でもコストコ誘致に向けての動きがあったようですが、コストコ側の反応は今ひとつだったようです。すでに、赤磐市へのコストコ進出が確定的な状況の中で、たつの市に進出するかは微妙な気もします。とはいえ、それなりの人口を抱える福山市や姫路市周辺はコストコ出店の候補としては魅力的であり将来的には両地域へ出店する可能性は残されているでしょう。
【アクセス】
アクセスについても見ておきましょう。沖縄のコストコオープンでは周辺道路の大渋滞が大きなニュースになりましたが、赤磐市のアクセスはどうでしょうか。
計画地は山陽自動車道山陽ICが近く高速道路を使ってのアクセスは良好な場所です。一般道路では、国道2号線に繋がる平島方面からは県道37号線が、岡山市中心部からは県道27号線が、それぞれ片側2車線で通っています。津山方面からのアクセスについては、現在は無料で利用できる岡山美作道路からアクセスできます。
従前の道路では、車両通行が集中する新下市交差点での大渋滞が予想されることから、赤磐市では山陽ICからのバイパス道として市道岩田長尾線の整備を進めています。
道の駅あかいわ建設に先立ち、すでに詳細設計と測量がスタートしており、完成すれば山陽ICからインター西の高架下を通って新拠点に直接アクセスできるようになります。これで山陽自動車道と国道2号線経由で入ってくる車両については大幅に渋滞を緩和できるでしょう。
なお、建設予定地は岡山駅から路線バスを使えば30〜40分程度でアクセスできます。バスの便数も多いことから公共交通機関でのアクセスも比較的良好です。開業当初の土日祝は、最寄りのJR瀬戸駅も含めてコストコ行きの臨時バス運行が期待されます。
【まとめ】
ということで、まとめです。友實赤磐市長のコストコ誘致公表で、コストコの赤磐市進出は確定的なものになりました。コストコ出店は岡山県内で初めて、中四国では広島に次いで2店目となります。開業すれば山陰や四国方面からの集客も見込まれ、かなりの賑わいが期待できます。
計画が順調に進めば、早ければ来年前半にも赤磐市とコストコとの間で立地協定が結ばれ、正式発表、着工の運びとなります。ナカシマグループが計画している温浴・ホテル施設や道の駅あかいわと併せて2026年中にもオープンの見込みです。やっと岡山にもコストコが。みなさんも楽しみですね。
なお、この動画で掲載の情報は、一部不確定な部分や個人の憶測も含まれますので、そのあたりはご注意ください。あくまでネット情報など分析に基づく個人の予想です。ご覧の皆さんも、耳よりな情報ありましたらコメント欄にお寄せください。レビューの王子さまでは、コストコ岡山の地元最新情報を随時更新していきます。チャンネル登録と「いいね」いただけるとうれしいです。
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