NV016の画質はどこまで使える?SONY AX-55ナイトショットと暗視性能を徹底比較

夜間撮影ができるカメラとして人気のナイトビジョンスコープ「NV016」。
低価格ながら赤外線ライトを搭載し、暗闇でも撮影できるのが大きな特徴です。

しかし実際のところ、

  • 画質はどの程度なのか
  • 家庭用ビデオカメラのナイトショットと比べてどうなのか

気になっている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、ナイトビジョンスコープ NV016 を簡単に改造して画質を改善し、赤外線撮影機能を搭載した SONYハンディカム AX-55 のナイトショットと実写で比較してみました。

暗視性能、解像感、遠距離撮影の違いなどを写真付きで詳しく紹介します。

NV016の購入を検討している方や、ナイトビジョンカメラの性能が気になっている方はぜひ参考にしてみてください。

ナイトビジョンスコープ「NV016」とSONYハンディカム「AX-55」の主な違いを比較表にまとめました。 暗視性能や画質、望遠性能の違いを確認してみましょう。

NV016とSONY AX-55の比較

項目 NV016 SONY AX-55
カメラタイプ ナイトビジョンスコープ 家庭用ビデオカメラ
暗視方式 赤外線ライト内蔵 ナイトショット(赤外線撮影)
完全な暗闇での撮影 -100m 10m程度
画質・解像感 やや粗い 高画質
望遠性能(35mm換算) 約250mm 最大約536mm
赤外線ライト 内蔵(高輝度) 内蔵(室内用)
暗闇での観察 得意 やや不利
特長 大画面(4インチ) AF / 光学手ブレ補正
おすすめ用途 暗視観察・ナイトビジョン用途 夜間動画撮影・ビデオ撮影


NV016とSONY AX-55のナイトビジョン画質を比較


双眼鏡スタイルの望遠暗視スコープNV016レビューの第4弾です。購入から3ヶ月経過しましたが、いろんな場面で活躍しているスグレモノカメラです。

NV016の望遠倍率は35mm換算で約250mm相当。さらに2倍テレコンを装着すると約500mm相当になります。同じく赤外線撮影機能を搭載したSONYハンディカム「FDR-AX55」と比べると、画質はどれくらい違うのでしょうか。

NV016とAX-55でナイトビジョン画質を比較

ということで、今回はNV016とAX55でナイトビジョン画質を比較してみました。格安中華カメラの暗視機能はSONYハンディカムにどこまで迫れるのか。それでは詳しく見ていきましょう。

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NV016のゴースト問題と簡単な対策

NV016のゴーストが酷い

比較の前に簡単な改造のお話です。以前のレビューでNV016のゴーストが酷いという話をしましたが解決策が見つかりました。

ゴーストの原因はレンズ前面の保護プラスチック

ゴーストの原因となっているのはレンズ筒前面にあるレンズ保護用のプラスチック板

調べてみたところゴーストの原因となっているのはレンズ筒前面にあるレンズ保護用のプラスチック板のようです。透明のプラスチックですが品質が悪いため街灯など照明がこのプラスチック板に反射してゴーストの原因になっていたみたいです。

保護プラスチックを取り外す方法

ダメ元でレンズ筒に力を入れて回すと簡単に外れました

ということで、このプラスチック板を外すことに。ダメ元でレンズ筒に力を入れて回すと簡単に外れました。

真っ直ぐ引っ張るだけで外せる

外した状態はこんな感じです。僅かに接着剤のあとはありますが、強く接着されているわけではないようで、真っ直ぐ引っ張ると簡単に外れました。

改造時の注意点

壊れたフィルターユニット

※NV016はレンズとイメージセンサーとがプラスチック製のフィルターユニットで接続・固定されています。レンズ部に強い力を入れると破損の恐れがあります(写真はNVC200)。レンズ部の改造はカメラの構造を理解したうえで自己責任でお願いします。以下の記事も参考にしてください。

▶NVC200解体ショー!落下の衝撃で判明した内部構造とスペック詐称の衝撃事実

▶ナイトビジョンスコープNV016を分解改造してみた

両面テープで貼られている保護プラスチックを内側から押し出して外す

あとは両面テープで貼られている保護プラスチックを内側から押し出して外すだけです。レンズは剥き出しになりますが、高価な製品でもないため、今回はこのまま使用することにしました。

フィルターを装着するためのアダプター加工

39-37mmステップダウンアダプターを接着剤で取り付け

テレコンや赤外線フィルターを装着するために39-37mmステップダウンアダプターを接着剤で取り付けます。

一部の接着剤は、成分が蒸発して接着部周辺が白くなる白化現象が起こります

注意点として、アロンアルファなど一部の接着剤は、成分が蒸発して接着部周辺が白くなる白化現象が起こります。特に湿度の高い夏場などは白化が起きやすいです。白化した溶剤がレンズに付着すると除去が困難なのでご注意ください。

硬化促進に対応したUV硬化タイプの接着剤がおすすめ

成分がレンズに付着しないよう、硬化促進に対応したUV硬化タイプの接着剤がおすすめです。白化や接着剤については下記記事も参考にしてください。

▶5K録画対応暗視スコープNV016をちょっぴり改造してみた

レンズ筒を元に戻して作業完了

レンズ筒を元に戻して作業完了です。レンズ部が剥き出しになるので、UVフィルターとか付けといてもいいですかね。これでゴーストはほぼ収まりました。

比較に使用するカメラ:SONY FDR-AX55

AX-55の基本スペック

比較対象に使うのはSONYのハンディカムFDR-AX55

1/2.5型 Exmor R CMOSセンサー搭載で、センサーの最低被写体照度はカラー9LUX、ナイトショット0LUXです

今回、比較対象に使うのはSONYのハンディカムFDR-AX55です。1/2.5型 Exmor R CMOSセンサー搭載で、センサーの最低被写体照度はカラー9LUX、ナイトショット0LUXです。

光学20倍のズームレンズ望遠端は35mm換算で536mm

光学20倍のズームレンズ望遠端は35mm換算で536mm(※手振れ補正時は30倍)ということで、テレコン付けたNV016の500mmに近い値です。

ナイトショット機能について

ナイトショット赤外線撮影対応で、ビューファインダーも搭載しているので使い勝手の良いカメラです

2016年発売の古めの機種ですが、ナイトショット赤外線撮影対応で、ビューファインダーも搭載しているので使い勝手の良いカメラです。

なお、中華暗視スコープNV016については以前の動画やブログで詳しくレビューしているので、そちらを参照ください。

▶ナイトビジョンスコープNV016関連情報まとめ

NV016とAX-55の暗視性能を比較

比較① 中距離(約50m)

夜8時の旭川河川敷です。街灯のない真っ暗な場所を選んでテスト撮影です

場所は夜8時の旭川河川敷です。街灯のない真っ暗な場所を選んでテスト撮影です。この日は曇りで月も出ていないのでかなり暗い環境。スマホカメラで撮影するとこんな感じの場所です。

50m離れた場所にペットボトルを置いて撮影

50m離れた場所にペットボトルを置いて撮影してみました。2倍テレコンを付けたNV016のカラー撮影だとこんな感じです。35mm換算で500mm相当になります。橋の照明が届くので何とかカラーで撮影できますが、光量が少ないのでノイズの多いザラザラな画質です。

ハンディカムAX-55のナイトショットモード

ハンディカムAX55のナイトショットモードです。撮影条件を同じにするため、隣に並べたNV016のIRライト(レベル5)を照射した状態で撮影しています。広角端だとこんな感じです。画面中央の明るく映っている箇所が赤外線LEDライトの光です。人間の目には見えません。

4K動画撮影時は手ブレ補正機能の都合で中心部を切り抜いて撮影するので光学30倍(804mm相当)に

望遠端です。4K動画撮影時は手ブレ補正機能の都合で中心部を切り抜いて撮影するので光学30倍(804mm相当)になります。ペットボトルは映っていますが少し暗いですかね。

NV016のナイトビジョンモード

こちらがNV016のナイトビジョンモードです。画角は500mm相当でAX55よりは広角寄りです。

画面を覗くとこんな感じ

画面を覗くとこんな感じです。真っ暗闇でもはっきりと映っているのが伝わるでしょうか。

デジタル5倍ズーム

デジタル5倍ズームにするとこんな感じです。AX55と比べると明るく映っていますね。デジタルズームですが、5倍なら画質の劣化はそれほど気になりません。

NV99Sとの比較(参考)

小型暗視スコープNV99Sに2倍テレコンを装着して撮影した画像

ちなみにこちらは前回レビューした小型暗視スコープNV99Sに2倍テレコンを装着して撮影した画像です。HD画質のため解像感は劣りますが、感度はこちらのほうが高いのかNV016より暗所画質は高いですね。

比較② 遠距離(約80m)

80m先の対岸にあるスワンボートを撮影

場所を移して80m先の対岸にあるスワンボートを撮影です。街灯と看板の照明があるので先ほどの場所より少し明るいです。※スマホカメラの静止画撮影では長時間露光をおこなう関係で実際より明るく写ります。

AX-55です。やや暗めですが、ボートはしっかり映っています。

AX55です。やや暗めですが、ボートはしっかり映っています。奧のお店の棚の商品も確認できますね。

NV016です。AX-55より明るく映っており、お店の中もはっきり見えます。

NV016です。AX55より明るく映っており、お店の中もはっきり見えます。

デジタル5倍ズームです。ボートのハンドルもしっかり見えます。

デジタル5倍ズームです。ボートのハンドルもしっかり見えます。これだけ離れていても赤外線照明が十分に届いているようで、明るく映っていますね。

AX-55の画像をフォトショップのレベル補正で明るく

AX55の画像をフォトショップのレベル補正で明るくしてみました。NV016と比べると、全体的に鮮明さに欠け、ノイズも多いようです。センサーの感度が低いのが影響しているのでしょう。NV016の5倍ズームのほうが画質的には上回っている印象です。

比較③暗闇の公園(約100m)

夜の公園で100m離れた場所からベンチをそれぞれのカメラの赤外線暗視機能を使って超望遠撮影

続いては、日にちを変えて夜の公園で100m離れた場所からベンチをそれぞれのカメラの赤外線暗視機能を使って超望遠撮影してみました。スマホカメラで撮影するとこんな感じです。道路から離れた芝生広場で街灯もないので、前回の撮影場所よりさらに暗くなります。1/8秒の低速シャッターでもほとんど写らない真っ暗な環境です。

同じくスマホカメラで動画撮影です。30fps動画撮影ではシャッタースピードの上限が最大1/30に制限されるためさらに暗くなります。街灯以外はほとんど映っていません。

NV016は2倍テレコンを装着しているので、光学ズーム倍率は35mm換算で500mm相当です。

それでは、NV016の画像から見ていきましょう。NV016は2倍テレコンを装着しているので、光学ズーム倍率は35mm換算で500mm相当です。まずはカラーナイトビジョンから。灯りがほとんど無いのでかなりノイズの多い画像です。

ナイトビジョンに切り替え

ナイトビジョンに切り替えてみました。赤外線ライトはレベル5で照射しています。カラーモードと比べるとかなり明るくきれいな画像になりました。

デジタル5倍ズームです。ベンチがハッキリと映っています。

デジタル5倍ズームです。ベンチがハッキリと映っています。100m程度の距離なら赤外線LEDは動画撮影に必要な十分な光量を照射できるようです。デジタルズームのため画像はやや粗いですが、暗闇で100m離れた場所がこれだけきれいに撮れれば十分満足です。

ハンディカムはどうでしょう。赤外線ライト無しだとこんな感じです。

続いて、ハンディカムはどうでしょう。赤外線ライト無しだとこんな感じです。

NV016の赤外線ライトを照射

照明の条件を同じにするため、NV016の赤外線ライトを照射します。広角端では照明の当たる中央が明るくなっているのがわかります。

望遠端までズーム。ベンチがあるのはなんとなくわかりますが、画質は粗い

望遠端までズームしていきます。ベンチがあるのはなんとなくわかりますが、画質は粗いですね。全体的に画面が暗いです。赤外線の光量がかなり不足しているようです。

NV016ではノイズはそれなりに乗っている

NV016ではノイズはそれなりに乗っているものの、ベンチの形はもちろん塗装の剥げまで映っています。周辺の樹木もしっかり描写されているのがわかります。

同じ赤外線光量でも、NV016ではハンディカムより明るく映っている

比べてみると、同じ赤外線光量でも、NV016ではハンディカムより明るく映っているのがわかります。

100m以上離れると感度の低いハンディカムのセンサーでは光量がかなり不足する

検証前は、光学ズーム倍率の高いハンディカムのほうが画質的には有利かと思いましたが、意外な結果です。50-80m程度の距離ならハンディカムでもなんとかナイトショット撮影できますが、100m以上離れると感度の低いハンディカムのセンサーでは光量がかなり不足するようです。

比較④動態撮影(約100m)

別のベンチにカップルが座っていたのでカメラを

別のベンチにカップルが座っていたのでカメラを向けてみました。距離は100m程度です。ハンディカムは人の姿がかろうじてわかるかな程度で画質的には厳しいです。

NV016は人の姿がはっきり映っています

一方、NV016は人の姿がはっきり映っています。センサーの感度が高いため、人の姿もはっきり判別できます。暗視撮影についてはNV016の圧勝といって良いでしょう。

NV016でさらに離れた場所から撮影してみました。距離は140-150mぐらいです。さすがに150m離れると倍率的には厳しいですが、輪郭程度なら判別できます。

NV016についてはこのほかにもテレコン装着やマウント改造も

NV016についてはこのほかにもテレコン装着やマウント改造も行っているので、興味のある人はリンクを参照ください。

▶ナイトビジョンスコープNV016関連情報まとめ

検証結果:NV016とAX-55はどちらが優秀?

検証してみると意外にもNV016のほうが高画質

ということで、まとめです。暗視撮影では光学ズーム倍率の高いハンディカムが有利かと思っていましたが、検証してみると意外にもNV016のほうが高画質なことがわかりました。

NV016のカメラセンサーはドライブレコーダーなどに使われるもので、最低被写体照度が高いことに加え、赤外線域の感度も高くなるよう設計されている

詳しいスペックは公表されていませんが、NV016のカメラセンサーはドライブレコーダーなどに使われるもので、最低被写体照度が高いことに加え、赤外線域の感度も高くなるよう設計されていることが影響しているようです。

NV99Sはナイトビジョン撮影時の最低被写体照度がカラー0.001 lux、モノクロ0.0001 lux

似たような暗視スコープでセンサーのスペックが公表されているNV99Sはナイトビジョン撮影時の最低被写体照度がカラー0.001 lux、モノクロ0.0001 luxあり、NV016でも同程度の性能のセンサーが使われていると思われます。

ハンディカムはナイトショット撮影時の最低被写体照度は0 luxとなっていますが、カラー撮影時の最低被写体照度が9 luxでセンサーの感度が低い

一方、ハンディカムはナイトショット撮影時の最低被写体照度は0 luxとなっていますが、カラー撮影時の最低被写体照度が9 luxなので、カラー0.001 luxのNV016と比べるとかなりセンサーの感度が低いようです。

また、家庭用ビデオカメラという性質上、カメラセンサーの赤外線域の感度はさほど重視されていないようです。夜間走行時も撮影できるよう赤外線域にも高い感度を持つよう設計されたドラレコ用センサーと比べると、赤外線域に対する感度は劣るようです。

ハンディカムのナイトショット機能を活かして100m以上の超望遠赤外線撮影をするためには、かなり光量の大きな赤外線LEDライトが必要なようです。高輝度赤外線ライトの比較記事もアップしているので参考にしてください。

▶赤外線ライト IRトーチ(5W LED / VCSEL)関連情報まとめ

NV016のメリット・デメリット

今回の検証結果をもとに、ナイトビジョンスコープ「NV016」のメリットとデメリットを整理しました。

メリット デメリット
・赤外線ライト内蔵で完全な暗闇でも撮影できる
・低価格でナイトビジョン撮影を体験できる
・軽量で扱いやすいナイトビジョンスコープ
・望遠撮影が可能(約250mm相当)
・改造やカスタムが比較的しやすい
・映像の解像感は家庭用ビデオカメラより低い
・レンズ前面の保護パーツによるゴーストが発生することがある
・標準ではフィルターネジがない
・昼間の撮影用途には向かない

まとめ|暗視機能ならNV016がおすすめ

今回の検証では、ナイトビジョンスコープ NV016 とSONYハンディカム AX-55 のナイトショット機能を比較しました。

NV016は赤外線ライトを搭載しているため、完全な暗闇でも撮影できるという強みがあります。一方でオートフォーカスや手振れ補正などビデオカメラとしての性能の面ではAX-55のほうが優れている印象でした。

つまり、

  • 暗闇での観察や監視用途 → NV016
  • 動きのある野生動物などの動画撮影 → AX-55

という使い分けが適していると言えるでしょう。

低価格で赤外線撮影を楽しめるNV016は、ナイトビジョン入門機としては十分面白いカメラです。今回の比較結果が、ナイトビジョンカメラ選びの参考になれば幸いです。


よくある質問(FAQ)

NV016のナイトビジョンはどのくらい暗い場所でも撮影できますか?

NV016は赤外線ライトを内蔵しているため、街灯のない暗闇でも撮影が可能です。 完全な暗所では赤外線ライトの照射距離が画質に影響しますが、数十メートル程度の距離であれば被写体を確認することができます。

NV016とSONY AX-55のナイトショットはどちらが明るく撮れますか?

完全な暗闇では赤外線ライトを搭載しているNV016の方が有利です。一方で、解像感や映像の自然さという点では家庭用ビデオカメラであるAX-55のナイトショットの方が優れている場合があります。

NV016に発生するゴーストの原因は何ですか?

NV016ではレンズ前面の保護プラスチックが原因で、強い光源の周囲にゴーストが発生することがあります。このパーツを取り外すことで改善する場合がありますが、改造は自己責任で行う必要があります。

NV016にフィルターを装着することはできますか?

NV016には標準でフィルターネジがありませんが、アダプターを使用したり加工することでフィルターを装着することが可能です。赤外線撮影ではIRフィルターやNDフィルターを使用することで撮影条件を調整できます。

ナイトビジョンカメラはどこまで見えるのでしょうか?

ナイトビジョンカメラの見える距離は、赤外線ライトの出力やセンサー性能によって大きく変わります。一般的な民生用モデルでは、数十メートルから100メートル程度の範囲で被写体を確認できることが多いです。

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