Panasonic LTZ10は赤外線撮影で使えるのか? GF5+Tokina SD400mmで絞り別画質とIR720フィルターを徹底検証

古いフロントテレコンは「倍率は上がるが画質は落ちる」と言われることが少なくありません。今回検証するのは、パナソニック製の1.5倍フロントテレコンLTZ10です。フルスペクトル改造したGF5とTokina SD400mm F5.6を組み合わせ、可視光から近赤外線、さらにIR720フィルター使用時まで比較してみました。絞りによる画質変化や回折の影響、赤外線特有の収差変化、そしてLTZ10が本当に実用になるのかを実写で検証します。

前回検証したパナソニックの1.5倍テレコンLTZ10ですが、今回はフルスペクトル化改造したGF5+トキナーSD400mm F5.6に装着して、赤外線撮影をテストしてみました。

トキナーSD400mm F5.6の前側にアダプター経由でLTZ10を取り付けます。400mm×1.5倍の600mmで、マイクロフォーサーズのGF5では35mm換算1200mm相当になります。LTZ10の装着方法は前回の記事を参照ください。

▶古い格安テレコンは使える?Panasonic LTZ10をTokina SD400mm F5.6に装着して超望遠・赤外線撮影を検証

LTZ10にキヤノン100mmマクロ用のリングアダプター経由で三脚に固定します。

130m先の看板を撮影します。この日は晴天で雲が出ておらず、明るさが一定で絞り値の比較をするには適していました。ただ、気温が高めで大気揺らぎが発生しやすい環境な点はご了承ください。

赤外線フィルターは装着していないので、可視光から近赤外線域までが記録され、赤みのかかった画像になります。F5.6は最も眠いです。看板の輪郭が膨らみ、文字のエッジが太く見え、背景の木もモヤっとしています。これは以前α7Sの比較でも見えたSD400開放時の残存収差の影響です。特に赤外線では焦点位置が可視光と微妙に異なるため、可視光で残っていた球面収差がさらに目立つことがあります。そのため赤外線撮影では開放が不利になりやすいです。

F8では、かなり改善しています。看板上部の白文字の輪郭が引き締まり、ピンク色の禁止マークも少し締まっています。SD400の収差が減少し、LTZ10の弱点も目立たなくなっています。

F11が今回のベスト候補です。文字の輪郭、看板枠のエッジ、背景の葉の分離が最も自然です。特に看板下部の白文字の部分を見ると、F5.6→F8→F11で着実に改善しているのが分かります。

F16です。意外と悪くありません。通常なら回折でかなり落ちるはずですが、GF5は1600万画素のマイクロフォーサーズです。画素ピッチが約3.7μmなので、最新高画素機ほどは回折の影響が厳しくありません。

さらに赤外線は可視光より波長が長いので、回折による低下が相対的に目立ちにくく、そのためF16でも大崩れしていません。

F22では、全体の印象は維持されているものの、微細な文字や細線は明らかに回折で低下しています。よく見ると看板中央の細かい説明文や下部の文字はかなり甘くなっています。この画像で一番気になるのは解像力よりむしろベールフレアのような薄い霞みです。看板の白い部分を見ると、F11より少し白が膨らんでいます。

なぜ赤外線ではF16が意外と健闘するのか

F5.6からF16までの4枚を並べてみました。昼間の可視光ではF11がベストに見えた組み合わせでしたが、赤外線領域では少し傾向が違って見えます。

まず全体として、

  • F5.6:88点 かなりソフト
  • F8.0:94点 改善(シャッター速度優先
  • F11 :100点 ほぼピーク(明るい昼間、解像重視)
  • F16 :92点 わずかに低下(被写界深度優先
  • F22 :75点 記録用なら可

という流れですが、可視光ほどF11とF16の差が大きくありません。SD400は1980年代設計の望遠レンズで、可視光用に最適化されています。しかし赤外線になると球面収差、軸上色収差、フォーカスシフトが増えます。そのため絞り込むことで収差低減効果が大きく効きます。結果として、可視光ならF11がピークだったものが、赤外線ではF11〜F16がほぼ同等になっているように見えます。

IR720フィルター装着

IR720フィルターを装着したものとも比較してみましょう。絞りはF11です。あいにく72mm径のIRフィルターはIR720しか手元になく、JPG撮って出しではかなり赤みのかかった画像になります。晴天下ではIR850~940あたりがよさそうです。

F5.6からF16までの4枚を並べるとこのようになります。フィルターなしの比較ではF11付近がベストでしたが、IR720を追加すると傾向が少し変わっています。

まず全体を見ると、

  • F5.6:強いハロとベールフレア
  • F8.0:かなり改善
  • F11 :最もバランスが良い
  • F16 :若干甘くなる

という流れは同じです。ただし、フィルターなしの時より絞りによる差が小さくなっています。

フィルターなしとの比較

IRフィルターなしとIR720とを並べて比較してみます。IR720を挟んだほうが、色収差由来のにじみが減っています。理由は単純で、IR720が可視光をほぼ遮断するからです。フィルターなしでは、可視光、近赤外線が同時にレンズを通ります。しかしレンズはそれぞれ異なる位置に結像するため、像が二重化して眠くなります。

IR720を入れると、ほぼ赤外線だけになるため、可視光との焦点ズレは大幅に減少します。結果として、色収差とフリンジの減少、コントラスト改善が起きています。IR720を使うなら、実用絞りはほぼF11固定で良いと思います。IR720を入れると可視光混入が減るため、赤外線撮影専用と割り切れば、LTZ10の弱点である色収差やフリンジもかなり目立たなくなっています。これはナイトビジョン用途では意外に大きなメリットです。

モノクロモード

こちらは、色収差を目立たなくさせるためにモノクロモードで撮影したものです。モノクロのほうが精細感や黒色の締まりはよくなります。今回はカメラ側でモノクロJPEGを出力しましたが、RAWで撮影して後からモノクロ化した方が自由度は高いです。

海岸でテスト撮影

日にちを変えて須磨海岸でテスト撮影です。

撮影対象までの距離は100m程度です。

SD400単体から見ていきましょう。マイクロフォーサーズ機で35mm換算800mm相当です。特徴は、

  • 解像感が自然
  • エッジが細い
  • 水面の階調が滑らか
  • 髪の線が比較的素直
  • 空気感が柔らかい

特に水面を見ると、波の細かい明暗がちゃんと残っています。IR特有の低コントラストだけど透明感がある描写です。

こちらはLTZ10を装着して撮影したものです。1.5倍の600mm(35mm換算1200mm相当)です。

100m先の被写体は2.1✕2.8mが収まる計算です。

撮影範囲の計算には以下のサイトを利用しました。

こちらは、拡大感は強いけど細部が団子化してエッジも太くなっています。マイクロコントラストが低下し、フレア感増加が出ています。典型的なのが髪です。テレコンなしでは、髪の束が見えていますが、LTZ10では、髪の塊になっています。高周波MTFがかなり落ちている状態で、テレコン由来のMTF低下が主因と思われます。

さらに、水面も差が大きいです。2枚目では、波の細かい陰影が潰れて、紫の面に近づいています。つまり、低周波コントラストは残る、高周波情報が減る状態です。これは古いテレコンで典型的なものです。しかもIR撮影のため、可視光より内部反射が増え、さらにベールフレア(ベールを被せたようなフレア)化している可能性があります。

SD400単体を300%拡大(左)したものと、LTZ10装着を200%拡大したものとを比べるとLTZ10の“劣化の質”がよく分かります。見かけのディテール量はそこまで差がありませんが、テレコンで実解像が増えているなら、右は200%拡大でも左300%より細部が見えるはずです。でも実際は、髪の線、肌の陰影、水面ディテールは、左の方が自然で情報量があります。つまり今回のLTZ10は、倍率は増えたけど、解像情報はあまり増えていない状態です。

ただし、完全に無意味ではありません。右側には、“圧縮効果と被写体の存在感”があります。特に、背景圧縮、ボケ量、被写体の占有率はLTZ10の方が強いです。これは単純クロップでは再現しにくい部分です。

ただ、画質面ではかなり特徴的な劣化があります。まず最も大きいのは、低周波化です。右側は、輪郭は見える、でも細線が溶ける、面っぽくなる傾向があります。典型的なのが髪。左は、髪束の“方向性”があります。右は、髪が柔らかい塊に近い。これは、高周波MTFがかなり落ちている状態です。

ただし、低周波コントラストは残っているため、スマホ表示では一見シャープに見える可能性があります。つまりLTZ10画像は、遠目では良い、等倍では崩れるタイプです。

次に面白いのが、肌描写です。右側は、肌がかなり滑らか。一見すると綺麗に見えます。でもこれは解像ではなく、高周波情報喪失による“天然美肌化”です。IR+テレコン+回折で、皮膚微細構造が消えています。これは人物撮影では逆にプラスになることもあります。

特にIRは、もともと肌が滑らかに写るので、LTZ10でさらにフィルター感が出ています。だから今回のLTZ10は、野鳥解像用途より、雰囲気重視ポートレートIRの方が向いている感じがあります。

さらに重要なのが、フレアの質です。右側は、全体に乳白感があります。これは単なるピンボケではなく、内部反射、IR散乱、ベールフレアっぽいです。特に、白い服の周囲が少し膨らんでいます。つまり、光が局所的に滲んでいる。この影響で、シャープ不足というより、コントラスト不足に見えている面があります。

RAW現像の際に、ブラック締めやコントラスト調整、かすみ除去、ローカルコントラストのような処理を行うことで画質の改善が期待できます。逆に、強シャープだけでは改善しにくいでしょう。

この比較を見る限り、LTZ10の価値は、超望遠感、圧縮感、被写体拡大、IR独特の空気感、雰囲気です。逆に、期待しすぎない方がいい部分は微細解像、等倍画質、細線描写、高周波情報です。つまりこのシステムは、高解像超望遠ではなく、IRシネマ風超望遠として使うと、かなり面白いです。

興味深いのは、F11でも改善が限定的な点です。通常、絞ればテレコン収差は改善することがあります。ただ今回は、マイクロフォーサーズ、16MP、IR720、超望遠、テレコンという条件なので、既に回折限界やIR散乱の影響が強く、F11では“解像改善”より“回折による軟化”が始まっている可能性があります。

マイクロフォーサーズの16MPだと、可視光でもF8前後から回折の影響が出始めます。さらにIRは波長が長いため、可視光より回折が大きくなります。つまり、LTZ10の収差を絞りで改善より先に、IR回折で全体が柔らかくなる領域に入っている感じです。F11は、被写界深度、収差は改善しても、“IR解像”は少し失っている印象です。

総合的には、SD400単体は情報量型で、自然、階調豊か、IRの空気感、作品向きに。一方、LTZ10装着は雰囲気特化型」で圧縮感強い、被写体を大きく撮れる、でも解像は犠牲という違いです。特に今回の比較では、テレコンで倍率は増えたが、情報量は増えていないのがかなり分かりやすく出ています。

有効な修正方法は

もう一枚見ていきましょう。こちらの画像も赤外線望遠スナップとして雰囲気が出ています。特に、GF5+IR720+SD400mm F5.6+LTZ10というかなり癖の強い構成として見ると、思ったより破綻が少ないです。ただし、LTZ10由来と思われる劣化もはっきり見えます。

LTZ10装着のメリット

まず良い点から。被写体分離はかなり強いです。マイクロフォーサーズ+400mm+テレコンで圧縮効果が非常に大きく、背景の水面が滑らかに潰れているため、人物が浮き上がっています。IR720特有の空気遠近感の減衰もあり、可視光望遠より抜けが良く見えます。

また、IR特有の肌の明るさも自然です。720nmは可視光カットが比較的強いため、肌表面の散乱で白く柔らかく写りやすいですが、この画像は白飛び寸前までは行っておらず、階調は残っています。GF5の古い16MPセンサーとしては健闘しています。

マイナスポイント

一方、画質面ではいくつか特徴的な問題があります。最も大きいのは「低周波的な甘さ」です。単純なピンぼけではなく、

  • 微細ディテールが溶ける
  • エッジが太る
  • コントラストだけ残る

という、典型的なテレコン劣化です。特にスカートのチェック柄や髪の毛を見ると、本来ならもっと細線が分離してほしい場面で、線が団子状になっています。これはLTZ10の解像性能不足、あるいは光軸ズレの影響がかなり疑われます。

さらに、画面全体に薄っすらと滲みがかかったようなベール状のフレアがあります。IRでは可視光より内部反射が起きやすく、古いテレコンはIRコーティングが最適化されていないため、

  • 黒浮き
  • マイクロコントラスト低下
  • ハロっぽい滲み

が出やすいです。特に海面の暗部を見ると、黒が締まり切っておらず、少し灰紫色に持ち上がっています。これはIRでの迷光の典型例です。また、像面湾曲か片ボケ気味にも見えます。中央人物付近より左右端で解像感がさらに落ちています。LTZ10は本来、FZ10のレンズを前提にして設計されているため、SD400との組み合わせでは周辺収差が悪化しているのでしょう。

興味深いのはIRだから意外と成立している点です。可視光では色収差やフリンジがより目立つ可能性があります。しかし720nmでは単色域に近くなるため、色収差問題が大きく緩和されています。その結果、解像度は落ちているが破綻感は少ない描写になっています。

つまりこの構成は、高解像を狙うシステムではなく、IR望遠の空気感を得るシステムとして見ると面白いです。

RAW現像ソフトで簡単に調整してみます。最重要なのは黒を締める処理です。オリジナル画像はIRフレアで全体が少し眠くなっています。RAW現像ソフトでブラックを下げ、コントラストを少し上げるだけでかなり改善しました。

修整前後を並べてみました。IR720では完全モノクロにせず、少し紫を残したほうがIRっぽさは出ます。ただ現状はマゼンタが強すぎるので、彩度を少し下げる、マゼンタの輝度を下げる、紫を青寄りへ少し振ると、映画っぽいIR表現になります。

逆に情報重視なら、モノクロ化してしまうのも有効です。LTZ10の解像不足は色ノイズや色滲みがあると余計目立つので、RAW現像後にモノクロ化することで“古いIRフィルム風”として成立しやすいです。

さらに遠くにカメラを向けます。

200m先の人物を撮影してみました。

LTZ10が像を拡大すると、普通は輪郭がもっとボヤけやすいのですが、この写真では輪郭のにじみが比較的少ないです。一方で足元や砂地を見ると細かなテクスチャがやや眠く見えます。これは、LTZ10によるMTF低下とF11の回折に加えて、遠距離撮影による大気揺らぎの複合要因でしょう。特に400mm×1.5倍になると、大気の影響が急に目立ち始めます。

ボールを見ると、白い面と黒い面の境界が崩れていません。これはSD400自体の解像力+LTZ10の性能、F11まで絞った効果がうまく噛み合っている証拠です。ただし、人物の手を見ると少し流れたような描写があります。これはレンズの問題というより、被写体ブレ、シャッター速度不足の可能性が高そうです。

スマホを見ている2人の服を見ると、ヒジャブ、デニム生地、ベルトの階調が残っています。IR撮影ではコントラストが低下しやすいのですが、この写真では立体感が比較的維持されています。また、水面の波が意外によく解像しています。ここを見るとレンズ性能よりも撮影条件の影響が大きいことが分かります。もしレンズやLTZ10が限界なら、水面の細かい波模様はもっと溶けてしまいます。

赤外線望遠撮影におけるLTZ10の評価

今回の検証結果から、LTZ10は①黒浮き②コントラスト低下③ベールフレアが目立つかなという印象です。ただ、テレコン拡大に伴う解像感は破綻していないので、RAW現像処理で修復可能なレベルです。赤外線撮影におけるLTZ10の使用について、IR超望遠の表現拡張としては価値ありです。

前回レビューしたα7Sカラー撮影では、α7S側にかなり余裕がありました。α7Sは、フルサイズ、高感度耐性、低画素、大画素ピッチ、高ISO実用性が非常に強いため、多少テレコンで劣化しても、クロップより有利になりやすいです。特に動画では、低解像度出力、ノイズ耐性、圧縮耐性が強いため、テレコンのメリットが残りやすい結果でした。

一方、今回のGF5+IRは事情がかなり違います。まずIR720フィルター装着の時点で、波長長化による回折増加、コントラスト低下、内部反射増加があります。さらにLTZ10追加で、MTF低下、ベールフレア(全体的にベールをまとったようなフレア)、マイクロコントラスト(中〜高周波MTF由来の“細部の立体感・質感表現)低下が重なっています。

つまり、IRで既に柔らかいところへ、さらに柔らかい光学系を追加している状態です。そのため、純粋な解像性能では、SD400単体+クロップの方が有利な場面がかなり多いです。特に今回の比較画像を見る限り、倍率は上がる、でも情報量はあまり増えない典型例です。

ただし、それでもLTZ10に価値はあります。理由はIR望遠表現が独特だからです。LTZ10装着時は、圧縮感、被写体分離(※被写体が背景からどれだけ自然に浮き上がって見えるか)、背景圧縮、空気遠近感減少(※遠くのものほど空気の影響でコントラストや彩度が低下して見える現象)、“監視カメラ感”がかなり強くなっています。

特にIR720は、可視光より空気散乱が減るため、遠距離でもコントラストが落ちにくい。ここに超望遠圧縮が加わると、独特の“平面的なのに立体的”な描写になります。これは単なる解像比較では得にくい表現です。

また、IRだからLTZ10の弱点が多少隠れている面もあります。可視光なら古いテレコンは、色収差、パープルフリンジ、RGB軸ズレがかなり出やすいですが、IR720ではほぼ単色域なので、色の破綻が目立ちにくくなっています。その結果、「柔らかいけど雰囲気は良い」方向に転んでいます。

個人的な評価としては、LTZ10が有効なケースは、

  • 被写体をさらに大きくしたい
  • IR超望遠の圧縮感を使いたい
  • 雰囲気重視
  • 記録より作品性
  • SNSサイズ出力
  • モノクロIR化前提

LTZ10が不向きなケースは、

  • 微細解像重視
  • トリミング耐性重視
  • 高精細プリント
  • 細線描写
  • シャープなIR写真を狙う

です。今回のシステムでは、LTZ10は画質向上アクセサリではなく、IR超望遠の表現フィルターとして考えると納得しやすいと思います。

画質改善は可能?

最優先はフードです。これはかなり効く可能性があります。IR720では可視光より、センサー反射、レンズ内反射、テレコン内迷光が増えやすいです。しかもLTZ10はIR専用設計ではないので、内部反射が起きやすい可能性があります。そのため、深めのフードはかなり有効です。今回のような海辺撮影は、水面反射、斜光、地面反射、が強烈なので、フード効果が大きいと思います。

そのほかにも、改善余地としては回折の影響を抑えるためにF8付近まで絞ったり、可視光の影響を受けにくいIR850フィルターの使用なども有効でしょうか。このあたりも今後改めて検証してみたいと思います。

まとめ|IR撮影では意外と実用的

今回の検証では、LTZ10は高解像なテレコンというよりも、「被写体をより大きく写すための雰囲気重視のフロントテレコン」という印象でした。SD400単体と比較すると微細解像やマイクロコントラストは低下するものの、600mm相当の画角と強い圧縮効果は確実に得られます。

絞りによる画質変化を見ると、可視光・近赤外線ともにF11付近が最も安定しており、F16でも大きく破綻することはありませんでした。これは回折の影響が見え始める一方で、レンズやテレコンの収差低減効果も得られるためです。

また、IR720フィルターを使用すると可視光による焦点ズレや色収差の影響が大きく減少し、LTZ10の弱点が目立ちにくくなりました。その結果、可視光撮影では厳しく見える組み合わせでも、赤外線撮影では十分に実用的な描写を得られています。

高解像な野鳥撮影向けとは言い難いものの、赤外線超望遠ならではの圧縮感や独特の空気感を楽しむ用途としては十分に面白い組み合わせでした。1000円台で入手できる中古テレコンとして考えれば、LTZ10は予想以上に健闘していると言えるでしょう。

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