【レビュー】FUJIFILMのデジカメ&スマホで赤外線撮影してみた

本日も赤外線撮影の話題です。今回は、赤外線の感度が比較的高いといわれている市販のカメラやスマホが、改造無しで、どれくらい赤外線撮影を楽しめるのかを調べてみました。使うのは、無改造で赤外線撮影ができると評判のFUJIFILMのデジカメX20と、スマホのXiaomi POCO F3です。UV/IRカットフィルターを除去、改造した赤外線撮影用デジカメや、専用ナイトビジョンカメラを搭載したスマホとどれぐらい性能差があるのかを比較してみました。それでは検証していきましょう。

なお、赤外線フィルターなど撮影機材の入手方法などはこちらに最新情報をまとめています。

赤外線撮影

まずは赤外線撮影について簡単に紹介しておきます。赤外線は760nm以上の波長のことで、肉眼では見ることのできない光の波長域です。

デジカメに搭載されるCMOSセンサーは、目に見えない赤外線域にも感度を持ちますが、一般的な製品では、人の目に見える380〜780nmの可視光線波長域のみを捉えるよう、紫外線と赤外線をカットするフィルター(UV/IRカットフィルター)がセンサーの前面に配置されています。

しかし、一部の機種では、赤外線域にも感度を持つよう設計されているものがあります。身近な例では、iPhoneのインカメラは、アウトカメラと比べて赤外線の感度が高くなっています。iPhone SEのインカメラでリモコンの赤外線発光部を撮影すると、明るく点滅するのがわかります。一方、アウトカメラではほとんど光が写りません。

このような赤外線域の感度を高めに設計したカメラでは、市販の赤外線フィルター(IRフィルター)を装着することで、難しい改造なしでも手軽に赤外線撮影を楽しむことができます。

室内テスト

それでは実際に撮影してみましょう。まずは、室内でのテストです。写真の赤外線のみを照射する特殊な赤外線LEDライトクレヨンしんちゃんのイラストに照射して撮影してみます。室内光を消した状態での撮影になります。

赤外線カメラを搭載したIIIF150 Raptorのナイトビジョン撮影ではこのように写ります。肉眼ではほぼ真っ暗な状態ですが、照射される赤外線の効果で、暗闇でもイラストがはっきりと写っています。

続いて、Xiaomi POCO F3で撮影してみました。POCO F3のメインカメラのセンサーは赤外線にもある程度の感度があるようです。パッと見た感じでは問題なく写っていますね。

撮影データを見ると、ISO 8984でシャッタースピードは1/14秒です。受光量が少ないのを無理矢理ISO感度を上げ、シャッタースピード遅くすることで、なんとか写しているみたいです。

ほかのスマホも試してみました。OnePlus 9 Proです。こちらも赤外線撮影はできましたが、POCO F3と比べると全体的にノイズが多くて画面がぼんやりしています。

こちらはISO 12800でシャッタースピードは1/4秒です。POCO F3より赤外線域の感度は悪いようです。

Raptorナイトビジョンカメラの数値も見ておきましょう。露出オーバー気味だったので、マイナス補正しました。

ISO100でシャッタースピードは1/129です。6400万画素の超高解像度カメラですが、IR CUTフィルターのない赤外線カメラだけあって、感度はかなり高いです。

デジカメ

続いてはデジカメを検証です。使うのは、FUJIFILM X20で、10年以上前に発売されたカメラです。FUJIFILMのデジカメセンサーは比較的赤外線域の感度が高いといわれているので試してみました。

X20のセンサーは2/3インチで、ローパスフィルターレスということですが、赤外線をカットするフィルター自体は配置してあるようで、専用カメラほどの赤外線感度はないようです。

なお、一般的には、ローパスフィルターは赤外線や紫外線をカットするものを指すことが多いですが、厳密にはローパスフィルターUV/IRカットフィルターは別物のようです。ローパスフィルターレスのカメラでも、UV/IRカットフィルターは配置されています。

X20で撮影してみました。POCO F3ほどではないですが、ある程度赤外線を捕捉するようです。古いセンサーの影響もあってかノイズは多めです。

撮影データを見るとISO6400と感度が高めですが、シャッタースピードは1/60でなんとか手持ち撮影できるレベルです。

屋外でも撮影してみました。晴天下で赤外線撮影には条件の良い日です。

760nm赤外線フィルター(IRフィルター)を装着して、赤外線撮影します。

ISO800、シャッタースピード1/50だとこんな感じです。ほとんど見えませんね。赤外線撮影はできますが、赤外線の透過量は少ないので、IRフィルターを付けると画面がかなり暗くなります。

三脚に乗せて、シャッタースピードを1/5まで下げると、それなりに見れる絵になってきました。ただ、古いカメラで高感度耐性が低いのでISO800でも、空の青い部分など、かなりノイズが目立ちます。

画質を良くするために、ISO100固定で撮影です。シャッタースピードは30秒とかなりの長時間露光です。写りは上々で、ノイズも気にならなくなりました。

ということで、X20でもIRフィルターを装着することで赤外線撮影はできることがわかりました。ただし、晴天下の屋外でも三脚にしっかり固定しての長時間露光が必要です。

人物も撮影してみましたが、ISO800でもシャッタースピード2/5秒で、被写体ブレしていますね。

ISO3200まで上げてもシャッタースピードは1/10秒です。人物など動きのある被写体は難しいかな。高感度でも低ノイズで撮影できる今どきのセンサーなら、もう少しきれいに写るかもしれません。

ちなみに、赤外線撮影用に改造したPentax Q7IR760フィルターを装着して撮影するとこのような写真になります。

赤外線カットフィルターを取り外してあるので、ISO160 シャッタースピード1/40で撮影できます。これなら室内でも動画撮影できます。

なお、マップカメラさんがX100Fを使った赤外線撮影の作例を紹介していますが、高感度耐性の高い最近の機種だと、ストリートスナップでもそれなりに使えそうな感じではあります。

屋外(スマホ)

スマホのカメラでも撮影してみました。POCO F3のレンズにFUJIFILM IR76フィルターを貼り付けて赤外線撮影します。

デジカメ画像と比較するために、2倍ズームで撮影です。

シャッタースピード1/17で、感度はISO2862まで上がりますが、想像していたよりはきれいに写っています。ただ、ノイズはそれなりに乗っていますね。

ISO100に固定すると、シャッタースピードは3秒まで落ちますが、ノイズは目立たなくなりました。

手持ち撮影の限界値、シャッタースピード1/60だとISO6400まで上がります。ノイズが多くて実用的ではありませんね。X20よりは高感度耐性ありますが、スナップ写真や動画撮影は難しそうです。

同じ条件でRaptorナイトビジョンカメラで撮影するとこのような感じです。

IR86フィルターを装着していますが、IRカットフィルターが無いので、ISO130でシャッタースピード1/120と、手持ちで撮影できる数値です。動画も問題なく撮影できます。

まとめ

ということで、まとめです。市販のカメラやスマホでも、機種によってはある程度赤外線域への感度があるので、IRフィルターを取り付けることで赤外線撮影が楽しめます。赤外線感度があるかは、カメラをテレビなどリモコンの発光部に向けるとわかります。感度の高いカメラなら肉眼では見えないリモコンの赤外線が写ります。ただし、赤外線カットフィルターの影響でセンサーに届く赤外線の光量がかなり不足するため、ISO感度を上げたり、シャッタースピードを落としたりするなどの工夫が必要です。三脚は必須ですし、ISO感度が上がるために画質も今ひとつです。風景撮影なら長時間露光で撮影できますが、動きのある被写体や動画撮影などは厳しそうです。とはいえ、無改造で赤外線フィルターを買うだけで楽しめるので、赤外線撮影を体験するにはよいかもしれません。今回は古めのカメラで試してみましたが、皆さんのお手元のカメラで赤外線撮影できたものがあればコメントください。このチャンネルでは、赤外線撮影に関するさまざまな情報を発信しているので、合わせてチャンネル登録いただけるとうれしいです。

【レビュー】PENTAX Q7を赤外線カメラ化してみた

大掃除をしていたら、使っていないPENTAX Q7が出てきたので、赤外線撮影専用カメラに改造してみることにしました。ローパスフィルター(UV/IRカットフィルター)を取り外してフルスペクトラム化し、代わりに可視光をカットするIRフィルターを挿入します。10年前に発売された機種ですが小型赤外線カメラとしてどれぐらい使いものになるのか。合わせて、暗視撮影透け透け撮影06 Telephotoに2倍テレコンを組み合わせた超望遠撮影にもチャレンジしてみたので、赤外線写真と改造に興味のある人は最後までご覧ください(※2024.4一部情報をアップデートしました)。

なお、赤外線フィルターなど撮影機材の入手方法などはこちらに最新情報をまとめています。

PENTAX Q7

PENTAX Q7は、今から10年以上前の2013年に発売された超小型のミラーレスカメラです。1/1.7インチ裏面照射型CMOSセンサーを搭載し、有効1240万画素で写真や動画撮影ができます。

計6種類のレンズが発売されており、望遠レンズ(06 Telephoto)を装着することで、小さいながらも35mm換算200m相当のズーム撮影もできます。

動画撮影は、フルHD1080p 30fpsと今どきのデジカメやスマホと比べると見劣りしますが、ヤフオクなどでも1.5-2.5万円と安価に入手できるので、手軽に赤外線撮影を楽しむにはおすすめのカメラです。

ちなみに、同じQマウントですがセンサーサイズがQ7より一回り小さい1/2.4インチQ10もあります。こちらは、センサーが小さく暗所耐性は弱いですが、望遠レンズ装着時300mm相当の画角が得られます。

赤外線改造

このQ7を赤外線カメラとして改造するためには、赤外線をカットするガラス製フィルター(ローパスフィルター)を取り除く必要があります。一般的なデジタルカメラでは、センサーの手前に紫外線(UV)と赤外線(IR)をカットするフィルターを配置しています。

Q7では、本体前面にある赤いフィルターが、ガラス製のUV/IRカットフィルターです。これを取り外すことで、センサーが赤外線を受光できるようになります。通常、デジカメのローパスフィルター除去は、カメラ本体の分解など難しい作業が必要ですが、Q7の場合、このガラス板を強引に割ることで、比較的簡単に取り外せます。

Q7のローパスフィルターは、プラスチック製のフレームに差し込んであるようです。分解すればガラスを抜くことができそうですが、安いカメラなので、このガラス製フィルターを無理やり割って取り外します。

フィルターは、手ブレ補正ユニットと一体になっているので、触るとグラグラ揺れています。プラスチックパーツの黄色くマークした箇所をニッパーでカットします。あとはガラスをピンセットで摘んで取るだけです。

プラスチックパーツには、側面からの遮光用にゴム製の蛇腹が付いていました。プラスチックフレームはキープしつつ、ガラスだけ割ったほうが良かったかもですね。なお、フィルターガラスには、ダストクリーニング用の配線が繋がっているので、そちらは切断して適当に処理しました。

フィルターを取り外すとこのような感じになります。細かいガラスの破片がセンサーに付着したので、エアダスターで除去して、センサークリーナーできれいにしたら作業完了です。

ローパスフィルターを外すだけでは、可視光が取り込まれるので、代わりにIRフィルターを貼り付けて赤外線だけを取り込むようにしておきます。写真の黄色い箇所に薄手の両面テープで固定します。

FUJIFILMIR84フィルターをフレームのサイズに合わせてカットし、貼り付けました。これでとりあえず赤外線改造が完了です。

試し撮り(室内)

それでは、試し撮りです。とりあえず室内で何パターンか撮ってみましょう。浴室内での撮影です。クレヨンしんちゃんのフィルムカット袋をバインダーに挟んだものを被写体にします。

IR84フィルターを挟んでいるため、浴室の白色LED照明だけでは光量が足らないようです。感度がISO12800まで上がり、かなりノイズが乗ります。

ということで、赤外線光のみを照射する特殊な赤外線ライト(IRトーチ)を照射して撮影します。

LEDライトの光量でISO800まで下がりました。ノイズも少なくきれいに写っています。カラーセンサーのため若干赤みのかかった色になります。

動画も撮影してみました。30fpsですがきれいに撮影できますね。

透け透け撮影です。バインダーの上にTシャツを被せて撮影します。肉眼では見えませんが、赤外線の効果で透けて見えます。

Tシャツを水で濡らして撮影した画像はこんな感じです。きれいに透けていますね。透け透け撮影は成功です。

試し撮り(屋外)】◯◯◯

屋外でも撮影してみました。パッと見た感じでは、全体的にぼんやりした画像になっていますね。曇り空が影響したのか、ピントが合っていないのか、どちらでしょうか。

天気の良い日に改めて撮影してみました。やはり、無限遠でピントが合わないようです。ローパスフィルターを外したことで、無限遠側のピント位置がズレているようです。

ズームすれば多少マシですが、それでもピントが甘いかな。

ガラス製のローパスフィルターを取り外すと、屈折率の関係でピント面がセンサーから離れて、前ピンになってしまいます。このため、無限遠でピントを最長にしても焦点が合わず、画像がボケてしまいます。IRフィルターを挟みましたが、それでは厚みが足らないようです。

ローパスフィルターのあった場所に、同じ厚みのガラスを挿し込んでやることで、無限遠のピント位置がセンサー側にずれて、ピントのズレが修正されます。同じ厚みのガラスをいれるのが理想的ですが、センサーより奥にピントが合えばピント位置は調整できるので、元あったものより厚みのあるガラスでも大丈夫です。

ガラス調達

Aliexpressでカットガラスを調達です。15mm角のもので、厚さが0.5mm1.0mmのものを購入してみました。

厚さ0.5mmのガラスです。こちらから取り付けてみましょう。0.5mmでピントが合わなければ1.0mmに変えます。

ローパスフィルターユニットのサイズは15×15mmですが、貼り付け位置にプラスチックの突起が2つ出ていてガラスに干渉するので、彫刻刀で突起を削って平らにします。

あとはフレームに両面テープでガラスを貼り付けて改造が完了です。

なお、Aliexpressでは、ガラス製のIRフィルターも売っているので、赤外線撮影専用で使うなら、そちらを加工してハメてもよいでしょう。2000円ぐらいで手に入ります。

再撮影

改めて屋外でテスト撮影です。この時点ではIRフィルターを外してあるため、赤外線域から可視光域までを捕捉する、赤みの強いカラー画像になります。UVガラスを差し込む前は、写真のように無限遠のピントが合わず、ぼやけた画像でした。

ガラス板を配置したことでピント位置が補正され、無限遠側でもピントが合うようになりました。元からあったローパスフィルターより、挿入したガラスはやや厚みがあるのか、無限遠だと気持ちピントがズレますね。ピントリングを少し戻せば合焦します。オートフォーカスも問題なく動作しています。

ただ、赤外線フィルターを外しているので、このままでは純粋な赤外線域のみの撮影はできません。ということで、レンズに赤外線フィルターを装着します。55mm径のIRフィルターZOMEI IR680を、55 to 40.5mmステップアップアダプター経由で装着です。カメラの感度が低いので、IRフィルターの数値は低いほうが感度が上がって使いやすいです。

680nmIRフィルターでは、赤色光域も透過するので、かなり赤みのかかった画像になります。

写り自体は問題なさそうですね。

IR680nmで撮影すると赤味がかかっていますが。

IR760nmに替えると、こんな感じになります。フィルターの数値を上げると、それに伴い受光量も少なくなるためシャッター速度が下がり、ISO感度も上がります。

屋外での透過撮影も試してみました。晴天下で赤外線量が多いので問題なく透けています。

ちなみに、IRフィルターの代わりにUV/IRカットフィルターを装着することで、元通り可視光域のみを撮影することもできます。赤外線光の影響で出ていた赤みが解消され、普通のカメラとして使えます。

  • フィルター無し→暗視撮影
  • IRフィルター→赤外線撮影
  • UV/IRカットフィルター→通常撮影

赤外線改造しても、フィルターを交換することで使い分けができます。

望遠レンズ+テレコン

標準レンズの02 Standardでは望遠側が35mm換算69mmと物足りないので、オークションで望遠レンズの06 Telephotoを入手しました。03 FISH-EYEとのセットで10,175円です。Qマウント用のレンズは故障しやすいみたいなので、動作確認済みのものをおすすめします。

06 Telephotoの望遠端は45mmで、Q7に取り付けると35mm換算で207mm相当の画角が得られます。

さらに37 to 40.5mmステップダウンアダプター経由でパナソニックの2倍テレコンDMW-GTC1を装着します。GTC1マイクロフォーサーズ用のテレコンなので軽量でQ7でも問題なく使えます。これで35mm換算414mm相当の望遠撮影ができます。

撮影してみましょう。広角端の69mm相当だとこんな感じですが。

望遠端207mm相当だとここまで寄れます。小さなカメラなので、街中で撮影していても目立ちません。

さらに2倍テレコンを付けて414mm相当です。テレコンの取り付け径が37mmなので、画面の四隅がケラれますね。

2倍に拡大したものと画質を比較してみましょう。光学テレコン付けたほうが画質はシャープですかね。

赤外線望遠撮影

こうなると、400mm相当でも赤外線撮影をしたいところですが、このテレコンは前面にフィルターネジが切っていないので、IRフィルターが装着できません。

ということで、40.5mm径用のIRフィルターをAliexpressで調達です。FORTHEYEというメーカーのものでIR680IR760を購入。1枚2000円程度でした。

06 Telephotoに装着するとこんな感じです。

レンズとテレコンの間にIRフィルターを装着することで、テレコンを装着した状態でも赤外線撮影ができるようになりました。このコンパクトさで400mm相当の赤外線撮影ができるのはいいですね。

それでは、IRフィルターを装着しての赤外線望遠撮影です。あいにくの曇り空だったのでIR680のみテストです。まずは広角端から。

望遠端だとこんな感じになります。

2倍テレコンを装着すると、四隅はケラレます。マウントアダプター経由で他社製レンズを装着すれば倍率は上げれますが、この組み合わせならコンパクトで、オートフォーカスも効くのがメリットですね。


動画モードにすると四隅のケラレは多少改善されます。

超望遠撮影

ついでに、超望遠撮影にもチャレンジです。CANON EFレンズ用のマウントアダプター経由で、SIGMAAPO50-500mmを装着してみました。Q7の1/1.7インチセンサーでは、35mm換算で4.6倍の画角が得られます。

スマホカメラの写真です。ここから、画面中央左手の看板を撮影します。

APO50-500mmはフィルター径が86mmで装着できるIRフィルターが無いので、カラー画像になります。広角端50mmです。35mm換算で230mm相当になります。

望遠端500mmです。2300mm相当で、看板の説明文も読めますね。

続いて、CCTV用のCマウント フジノンレンズ12.5-100mmを装着して撮影してみました。望遠端100mmで460mm相当の画像です。

こちらはIIIF150 Raptorのナイトビジョンカメラで撮影したものです。Q7はカラーセンサーで感度が低い上に、画素数が1240万画素なので、Raptorの6400万画素モノクロ画像と比べると画質がイマイチな感じです。

暗視撮影

暗視撮影も試してみましょう。IRフィルターは取り外しての撮影になります。ローパスフィルターを外したことで、赤外線域にも感度が出ます。ただし、暗闇では普通のカメラと同じで真っ暗になって撮影できません。

赤外線LEDライトを当てるとはっきりと写るようになりました。LEDライトの発光部は赤く光っていますが、被写体に当たる赤外線光は肉眼では見えません。

まとめ

ということで、まとめです。PENTAX Q7では、難しい分解・改造なしで、ローパスフィルターを簡単に取り外して赤外線カメラ化できます。コンパクトなカメラなので取り回しも楽で使い勝手はよいです。ただし、無限遠でピントを合わせるためには取り除いたローパスフィルターと同じ厚みのガラス板を差し込んでピント位置を調整する必要があります。

メリットとしては、オークションなどで安価に入手できて簡単に改造できる点をあげることができます。オートフォーカスや手ブレ補正などカメラの機能をフルで使える上、センサーサイズが1/1.7インチと小さいので、望遠撮影に向いています。露出補正などマニュアル設定も細かくできるので、スマホやCマウントカメラより設定の幅は広いです。

一方で、古いカメラのため動画は最大でもフルHD 30fpsでの撮影になるほか、今どきのカメラやスマホと比べると、センサーの感度も低いのでフィルターを挟むとかなり暗くなるのがデメリットです。晴天下なら問題ありませんが、雲天や室内では使いづらいです。

今回は手元にあったPentax Q7を使いましたが、一般的なミラーレスカメラでもローパスフィルターを取り外すことで同じように赤外線撮影を楽しめます。赤外線撮影用にカメラを改造してくれる業者もありますが、改造するならできるだけ新しいカメラを使ったほうがいいですかね。

このチャンネルでは赤外線撮影に関する各種話題をお届けしています。興味のある人は最新情報をお届けできるので、チャンネル登録いただけるとうれしいです。