CAD未経験者がSONY Eマウントアダプターを自作してみた後編です。前回、NVC200用のSONY EマウントレンズをCSマウントに装着するためのマウントアダプターをAutodesk Fusionで製作しましたが、JLC3DPにプリント注文した商品が届いたので、組み立ての上、装着してテスト撮影してみます。果たしてNVC200でSONY Eマウントレンズは使えるのか見ていきましょう。
なお、NVC200の仕様や詳細については撮影編、修理&改造編など過去動画で詳しく紹介しています。YouTubeには掲載できなかった情報や追加情報についてはブログに随時掲載しているのでそちらも参考にしてください。それでは組み立て編スタートです。
【動画内で紹介した製品(Amazonリンク)】
【開封】
届いた商品はこんな感じです。素材のMJFナイロンは触ってみた感じではマウントアダプターとしての強度は十分です。
裏面はこのような感じです。CSマウントのネジ山もしっかり出ており、これなら問題なく装着できそう。
Eマウント用マクロアダプターを分解して手に入れた金属パーツを当ててネジ穴を開ける場所に印を入れます。
位置を決めたら。
径1mmのドリルでネジ穴を開けます。
接地面のパーツをはめてみたところ、着脱ピンのネジ穴が大きすぎたようです。
はみ出た箇所を削って、着脱ピンの穴を開けます。
ピンの固定部分が径2mmと小さくて、1mmの穴を開けると肉厚が0.5mmしか残らないので強度的に無理がありました。
なんとか刺さりますがピンが上下するほどルーズにすると潰れてしまいそうです。
おまけに穴のサイズが小さすぎて金具がハマりません。設計が雑でしたね。マクロアダプターだけでなく金具のサイズも見ておくべきでした。ということで、着脱ピンは断念します。
金具とパーツをネジで固定します。ナイロン製でドライバーで回せばネジが入ります。バネの位置も問題なし。
ピンは装着できませんでしたがとりあえず完成です。
FE70-200 F4.0に取り付けてみました。接地面は市販のマクロアダプターパーツのため問題なくハマりました。着脱ピンは無いですが、金属バネでしっかり締まっているのでピンが無くても簡単には外れません。
【テスト撮影】
それではNVC200に装着して撮影です。
が、まったくピントが合いません。
FE 50mm F1.8も試しましたがダメでした。
どうやらSONY Eマウントレンズも電磁絞りのため、前回のマイクロフォーサーズ同様に電子接点の無いNVC200では手動でフォーカスを合わすことは無理なようです。
Eマウント用のフルマニュアルレンズがあったので装着してみました。
Eマウントのフランジバックは18mm、CSマウントは12.5mmなので、理論上のアダプター厚みは5.5mmまで。でも今回はマクロアダプター込みで8mmになってしまい、2.5mmオーバーしました。。
フルマニュアルレンズなのでピントは手動で動きますが、やはりフランジバックが長過ぎるようです。マクロアダプターを付けたような状態で、近距離でしかピントが合いませんでした。
【調整】
なにか良い手はないかと思案したところ、1つの案が。マウントアダプター内部に光軸調整のガラスを埋め込めばピント位置をセンサー側に動かせるのでは。
Grokの計算ではアダプター内に4.81mm厚のガラスを配置すれば焦点位置を2.5mmセンサー側に動かせるとのこと。無限遠が出るように余裕を持たせるなら5mm厚のガラスをマウントアダプター内部に配置すればいけそうです。
アダプター本体のスペースはEマウントレンズが繰り出すため、CSマウント側のオスネジ内部にガラスを配置すれば大丈夫でしょうか。Aliexpressで径mm厚さ5mmのガラスレンズを調達します。
【まとめ】
ということで、まとめです。今回はJLC3DPで製作したE-CSマウントアダプターを組み立ててNVC200に装着、撮影してみました。
3Dプリントについては、出力したマウントアダプターでは設計ミスもありロック機構は使えませんでしたが、なんとかEマウントに装着できました。プリントに使用したMJFナイロンは強度も十分です。
ただ、2mm径の円柱に後から1mm径の穴を開けるような細かい加工は箇所は強度的に難しいようです。
マウントアダプターについては、SONY Eマウントレンズはマイクロフォーサーズ同様に電子絞りのため外部からのフォーカス調整ができず、ほとんどのレンズが使えません。
フォーカス調整できるフルマニュアルのレンズではピント操作はできますが。
アダプターの長さが8mmで、フランジバックが2.5mmオーバーし、無限遠が出ないというか近距離でしかピントが合いません。2.5mmのマクロアダプターを付けたような状態に。
今回検証したSONY Eマウントやマイクロフォーサーズのような小型レンズは、CSマウントではほぼほぼ使えないという結論に至りました。
とはいえ、3Dプリンターでマウントアダプター製作することは可能なので、ニコンFマウントなどフランジバックの長いレンズであれば自作できます。市販されていないレアなマウントであれば製作してみるのもおもしろいと思います。
次回は、3Dプリントサービスを利用して小型ナイトビジョンスコープをピンホールカメラ化してみます。興味のある人はチャンネル登録で更新情報が届きます。
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