【レビュー】Cマウントレンズが装着できるWiFiカメラユニットSVBONY SC001を買ってみた(開封編)

Cマウントレンズを装着して動画撮影ができるWiFiカメラユニットSVBONY SC001を買ってみたのでレビューです。自宅に眠っていたCCTV用のCマウントレンズや、Cマウント用アダプター経由でキヤノンEOS用のEFマウントレンズなど、各種レンズを装着して、赤外線撮影など試してみました。果たして性能やいかに。使い方も含めて詳しく紹介していきます。

商品概要

商品はAmazonで見つけた、フィールドスコープ用の外付けカメラユニットです。発売されてから2年ぐらい経つ機種ですが、Cマウントレンズを装着できるのをはじめ、WiFi接続でスマホからリモート操作できたり、バッテリー搭載していたりと、ガジェットとして、いろいろ楽しめそうなので購入してみました。

本体は、いわゆるCマウントの監視カメラ(CCTVカメラ)ですが、デジスコ用にカスタマイズされているのが特徴です。フィールドスコープ接眼部に装着できるほか、付属のマウントアダプターを使うことでC/CSマウントレンズも取り付けできます。さらに、Cマウント用のアダプターを用意すれば、キヤノンなど各社カメラメーカーのレンズも装着できます。

10年ほど前にオリンパスから発売されたAir A01に雰囲気は近いですかね。

中国のSVBONYという光学用品メーカーから発売されている商品です。Aliexpressでも取り扱いがありますが(約1.8万円)、ここのところの円安の影響か、日本のAmazonのほうが安かったのでこちらで購入です。800円オフのクーポン使って13,080円です。

開封してみた

同梱品は、本体のほか、アンテナ、C/CS変換アダプター、USB Type C to Aケーブルなど。出荷時、32GBのマイクロSDカードが本体内に内蔵されています。マニュアルは日本語も掲載されています。

外観から見ていきましょう。本体はアルミ合金製でしっかりした作りです。安っぽさは感じません。ただ、底部が丸くなっているので、そのまま置くと本体が転がりますね。三脚用のネジ穴も無いので固定できないです。これだと、私の用途ではかなり使い勝手が悪いです。

インターフェイスは、電源ボタンのほか、電源用のUSB Type Cが1つと、マイクロSDカードスロット、WiFiアンテナ端子というシンプルな構造です。USB Type CポートはUVC(USB Video Class)に対応しているので、PCやスマホに繋げてUSBカメラとして使うこともできます。インジケータとして、赤色LEDと青色LEDが付いています。マイクホールがあるので、動画撮影時は内蔵マイクで音声も収録できます。

1/2.7インチのSONYIMXセンサー(IMX335?)が搭載されています。ガラス製のUV/IRカットフィルター(ローパスフィルター)が付いています。

使い方

カメラの操作はWiFi経由でアプリを使って行います。Google Play Store / App StoreからSVBONY Camアプリをインストールします。

本体の電源ボタンを5秒長押しすると、青色LEDが点灯し、電源がオンになります。本体には1500mAhのバッテリーが内蔵されているので、USB電源なしでも最大3時間程度使えます。モバイルバッテリーなど外部電源を繋げて長時間撮影することもできます。

はじめに、WiFi設定で、SC001_******を選択して、パスワード12345678を入力すると、SC001のパーソナルホットスポットに繋がります。

画面上部に、デバイスが接続されましたと表示されたら、デバイスを起動をタップすると、カメラ操作画面に入ります。

正しく接続されると、アプリ上にカメラ画面が表示されます。カメラ動画タイムラプスの各モードで撮影できます。

Cマウントレンズ

この製品は、本来はフィールドスコープに接続して野鳥撮影などに使用するものです。Cマウント用のネジ穴が切ってあるので、CCTVカメラなどに使われているCマウントレンズを装着できます。付属のC/CS変換アダプターを使うことで、CSマウントレンズも装着できます。

ヤフオクで入手したKOWAのF2 / 35mm Cマウントレンズを装着してみました。コンパクトですね。

ただ、このままの状態では、最長で1.5メートル先ぐらいまでしかピントが合いません。絞り環は付いていないので、付属の絞りディスクを挟んで絞り値を上げてやると、遠方でもピントが合いました。

そのほか、手元にあったCマウントレンズをいくつかためしてみましたが、フランジバックの長さが影響しているのでしょうか、レンズによってはピントが取れないものもあります。ELPのカメラに付いていた写真のレンズはダメでした。

COSMICARのピンホールレンズもピントが合いませんね。もう少しレンズをセンサー側に寄せて、フランジバックを狭めないと無理ぽいです。

フジノンレンズ(12.5-100mm)があったので装着して撮影してみました。こちらは開放ではピントが来ませんが、少し絞ると問題なく使用できます。

どうやら赤外線フィルターを取り除いた影響でピント位置がズレて無限遠が出ないようです。赤外線フィルターの代わりに同じ厚みのガラスレンズをいれることで修正できるようです。

ということで、このフジノンレンズで撮影してみました。全画面表示すると写真のような画面になります。被写体はカプセルトイの三毛猫です。親指ぐらいのサイズのフィギュアです。アプリ画面右側のスライダーを上下することで明るさを調整できます。SONYのセンサーを使っているので、暗所耐性は比較的高めです。画質も上々です。室内でも問題なく撮影できますね。

フォルダボタンをタップすると、カメラ内のマイクロSDカードに保存された画像が簡易表示されます。

ダウンロードボタンを押すとスマホに画像が転送されます。動画は転送できないので、USBケーブルを繋げるか、SDカードを移すかが必要です。

動画撮影モードの設定はエンコーディングフォーマット(H264/H265)と、フリッカー低減用の周波数選択のみです。

タイムラプスモードでは、撮影間隔(3,5,10秒)と枚数(50,100,200枚)が選択できます。最長で30分ちょいというのは物足りないですね。もう少し柔軟に設定できると良いのですが…。

赤外線フィルター

赤外線撮影をするためには、①IRカットフィルターを取り外して、センサーが赤外線を取り込めるようにした上で、②IRフィルターを取り付けて、可視光をカットするように改造する必要があります。

SC001は、アダプター裏面にIR650赤外線カットガラスが貼り付けてあります。このガラスを取り除くことで赤外線撮影ができます。正確には、IR650nm以上の赤外線域も画像として取り込むことができるようになります。

接着剤で貼り付けてあるので、ガラスを割って外してみました。後から気づきましたが、ドライヤーで温めて接着剤を溶かせばきれいに外せて、IRフィルターも再利用できましたね。

センサーが裸だと埃が付着しやすいので、IRフィルターを外した箇所に、直径20mmの円形ガラス板やUVカットフィルターが入手できれば、IRフィルターの代わりに貼り付けておくことをおすすめします。

先ほどの三毛猫フィギュアを、ほぼ明かりの無い状態で撮影すると、薄っすら猫の姿が見えます。

マニュアル設定で明るさを最大にするとぼんやり浮かんできます。

この環境で、写真の赤外線LEDライトを当てて撮影します。

室内は真っ暗でほとんど見えない状態ですが、きれいにフィギュアが写っています。ちょっとピントが合っていませんね。

赤外線撮影では、通常光より若干ピントがズレるので、ピントを調整して撮り直しました。ほぼ暗闇ですが、赤外線LEDで十分に光量があるので、感度はISO100です。

なお、スマホのLED照明を当てて撮るとこんな感じになります。可視光も受光するので若干色が付いています。光量が少ないので、感度がISO2860まで上がり、ノイズは多めです。

IRフィルター

夜間撮影ならIRカットフィルターを外すだけで赤外線写真が撮れますが、日中に赤外線写真を撮影する場合は、可視光(760nm以下)をカットする必要があるので、IRフィルターを挟みます。使用するのは富士フイルムIR76ゼラチンフィルターです。これを挟むことで、760nm未満の通常光をカットし、赤外線域のみを取り込むことができるようになります。

IRカットフィルターが貼ってあった場所に、両面テープでIRフィルターを貼り付けます。これで大半の可視光が遮断され、赤外線のみを取り込んだ画像になります。

IR76フィルターを挟んだ状態で撮影したものです。赤外線LEDライトを当てています。

スマホのLED照明を当てた状態では、可視光がカットされるので、このように暗くなります。感度はISO12800まで上がります。

EFレンズ装着

続いては、キヤノンEOS用のEFマウントレンズをマウントアダプターを介して装着してみます。AmazonK&F ConceptEOS-Cマウントアダプターを購入です。3729円なり。

こちらもレンズによってはピントが合わないものがありますね。また、EOS EFレンズはカメラ側で電磁絞りを操作する仕組みのため、手元で絞り操作ができないのが難点です。Cマウント用のアダプターはEFレンズ用のほかにニコン用もあるので、絞り環の付いたニコンレンズのほうが扱いやすいかもしれませんね。

いくつかレンズを装着してみましょう。フォクトレンダーのULTRON 40mm F2.0は問題なく使えます。

SIGMA 50-500mmを装着です。こちらもピントが合いました。そのほか、キヤノンEF40mm F2.8も試してみましたが、こちらはピントが合いませんでした。絞れば使えるかもしれません。

SC001のセンサーサイズは1/2.7インチで、面積が19.1mm2。APO50-500mmはフルサイズ用のレンズで、面積が864mm2なので、45倍に拡大される計算です。

まとめ①

ということで、まとめです。SC001の悪い点からいくつか。Cマウントレンズ装着については結構クセがあるなという印象です。アダプターを介するため、フランジバックが伸びてピントが取れないのか、使えるレンズを選びますし、絞りを強めにするなど工夫が必要です。あと、本体形状が丸くて、三脚取付用のネジ穴も無いので、取り回しに苦労します。三脚ネジさえ付いていれば、電動ジンバルとかに載せての撮影も楽しめそうなんですけどね。

一方で、バッテリー内蔵で、軽量コンパクトかつ安価に動画撮影ができる点は評価できます。レンズを別途用意しても3万円以下でそこそこの動画が撮れるのは便利です。特に、簡単な作業でローパスフィルターを外すことができ、赤外線撮影ができるところは、他の機種にはない大きなメリットといえるでしょう。

ちなみに、今回は私がキヤノンEFレンズを所有していたので、EFレンズ用のCマウントレンズアダプターを購入しましたが、絞り環の付いているニコンレンズのほうが扱いやすいと思います。メルカリで三脚ネジ穴の付きニコンマウント300mmズームレンズが1万円出せば入手できるので、SC001本体1.3万円、マウントアダプター4千円と合わせて3万円程度で超望遠撮影環境が手に入るのは魅力的ですね。

SC001は、手のかかるヤンチャ坊主ですが、いろいろ工夫して撮影すると、市販のカメラでは撮れないおもしろい写真・動画が撮れます。万人受けはしませんが、ちょっと変わったガジェットが好きな人にはオススメです。評価としては、完成度は今ひとつですが、初号機であることと、値段も安価な点を考慮して、今後の発展にも期待を込めて星5つです。SC002は4Kセンサーと三脚ネジ穴を搭載して欲しいです。

次回の動画では、カメラを屋外に持ち出して、日中および夜間の赤外線撮影や超望遠撮影にチャレンジしてみます。今回使用した商品やマウントアダプターなどアクセサリー類の購入リンクは概要欄に貼り付けておきます。ブログでも確認いただけます。このチャンネルでは、赤外線撮影グッズなど各種ガジェットの最新情報とレビューをお届けしています。チャンネル登録といいねいただけるとうれしいです。皆様のコメントもお待ちしています。

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