【レビュー】赤外線撮影についてまとめてみた

赤外線写真撮影に嵌っている今日この頃です。最近の中華製タフネススマホにはナイトビジョンカメラと称して赤外線カメラを搭載しているモデルがいろいろあります。中には、OUKITEL WP17のようにオートフォーカス対応で、SONYIMXセンサーを搭載しているモデルもあるので、手軽に高品質な赤外線撮影を楽しむことができます。今回は、赤外線カメラ搭載スマホを赤外線撮影用に改造してみたのでレポートです。合わせて赤外線撮影にもチャレンジしてみました。一部界隈で話題の透け透け撮影についても解説します。

IIIF150 Raptor

今回使用する赤外線カメラ搭載タフネススマホIIIF150 Raptorについては、以前レビューしているので詳細は省略します。最大の特徴は、6400万画素のナイトビジョンカメラを搭載している点ですね。今回は、そのナイトビジョンカメラ機能を使って赤外線撮影にチャレンジです。赤外線カメラを搭載した中華系タフネススマホなら、同様の写真が撮影できるので、興味のある人はチャレンジしてください。

赤外線撮影

赤外線撮影は、通常人間の目では見えない赤外線(InfraRed)領域を撮影することができる撮影手法です。CMOSCCDなど一般的なカメラセンサーで赤外線域を撮影することができます。

海外では、Infrared Photographyとして以前から人気で、赤外線撮影を専門に扱った書籍も数多く出版されています。

一般的なデジタルカメラでは、内部にUV(紫外線)とIR(赤外線)をカットするフィルター(ローパスフィルター)を配置してあるため、赤外線域は撮影できないか、できても感度が低くなるよう調整されています。

このようなカメラでは、UV&IRカットフィルター(ローパスフィルター)を取り外す改造を施すことで赤外線撮影ができます。赤外線撮影用にUV&IRフィルターを取り外した改造カメラもオークションなどで販売されているようです。

また、一部のデジカメやスマホカメラでは赤外線感度が高いものがあるため、そのままでも赤外線撮影ができるようです。赤外線感度のあるカメラは、テレビリモコンの発光部を撮影すると、肉眼では見えない光が点滅するのを確認できます。

赤外線カメラ改造

今回使用するIIIF150 Raptorなど、一部の中華製タフネススマホには、ナイトビジョンカメラなどの呼称で赤外線カメラを搭載しているものがあり、改造しなくても、そのままで簡単に赤外線撮影が楽しめます。ただし、このままでは可視光域も取り込むため、今回は、可視光部分もカットして、780nm以上の近赤外線域だけを取り込む赤外線撮影にチャレンジします。

IRフィルターは数値が高くなるほど純粋に赤外線域を撮影できますが、その代わり取り込める光量は少なくなるので、撮影時シャッター速度が遅くなり画質が劣化するなどデメリットもあります。FUJIFILMのIRフィルターでは、76から96までラインナップされていますが、一般的には76〜86あたりが使われているようです。

ナイトビジョンカメラを搭載したスマホの場合、改造は簡単です。写真の赤外線フィルターをカメラレンズ部に貼り付けるだけ。今回は手元にあったフジフイルムIR82フィルターを使いました。Amazonで1800円程度で入手できます。これで820nm未満の可視光をカットしてくれます。

フィルターをハサミで切って、レンズの上に両面テープで貼ればよいのですが、それだと見た目が悪いので、写真のようなRaptor用のブラックのTPUケースをAliexpressで購入して、ケース内側に貼り付けることにしました。これで、ケース装着時は近赤外線光のみ撮影、外せば通常光も取り込める2通りの赤外線撮影に対応します。

RaptorIRフィルターを貼り付けたケースを被せるとこんな感じです。派手な金色のカメラ周りも隠せて、見た目も落ち着いた感じになりました。

屋外撮影

IRフィルターを貼り付けた赤外線カメラでいくつか撮影してみました。まずは、上野公園です。赤外線光のみを取り込むので、空や水など赤外線を吸収するものは黒く写ります。

衣類などは、素材にもよりますが、生地の表面で赤外線が反射されるため、模様が消えて白く表現されます。一方で、赤外線を吸収しやすい色(赤、黒など)や材質(化繊など)のものは、布地を透過するため黒く写る場合もあります。

樹木は葉っぱが赤外線を反射するため白く写ります。

晴天下では、青空が黒く写り、雲は白く写ります。

Raptorのナイトビジョンカメラは、モノクロで6400万画素なので、一般的なカメラより高精細な写真が撮影できるのが特徴です。画素数が多いのでトリミングしても画質の劣化が少なくなります。

透け透け写真

一時期、世間を騒がせた赤外線盗撮は、この赤外線カメラの仕組みを利用したものです。赤外線が衣類を透過し、体や下着に反射することで、衣類が透けることがあります。ニュース画像のようにユニフォームを透過した赤外線が、下着に吸収されることで黒く写る場合があります。

一般的な環境では、ほとんど透けることはありませんが、水着やユニフォームのような赤外線を透過しやすい、濃い色で薄い化学繊維の素材では、屋外など赤外線量の多い環境で、衣類が透けて下着などが写るようです。

赤外線は、赤色や、黒や紺といった濃い色を透過する性質があるので、日本国旗を撮影すると日の丸が透けて白く写ります。

こちらは、Raptorで撮影した画像です。画面右中央を拡大トリミングしてみます。

女性のパンツが若干透けていますね。このように、撮影条件によっては衣類が透けることもあるようです。

そのほかにも、赤外線光は肉眼では見えない特徴を利用して、夜間に動物を撮影する用途でも、赤外線撮影は活用されています。

博物館など学術用途で赤外線撮影を使うシーンもあるようです。墨書など赤外線カメラを使うことで鮮明化することができます。

赤外線カメラを使って絵画の下絵撮影にも可能なようです。

まとめ

ということで、まとめです。従来のデジカメではローパスフィルターの取り外しなど専門的な分解改造が必要でしたが、一部の中華製スマートフォンに搭載されているナイトビジョンカメラを使えば、簡単な改造で手軽に赤外線撮影を楽しむことができます。

赤外線撮影では、日常とは異なる趣の写真を撮影でき、写真撮影の表現手法を拡げることができます。ニュースで話題になっていた透け透け写真は、この赤外線の特性を活用したもので、条件によっては、衣類が透けた写真を撮影できるようです。そのほかにも、暗視撮影や学術用途で気軽に赤外線撮影を活用できます。

次回の動画では、透け透け撮影について、赤外線撮影で実際どの程度の効果が得られるのかを、素材や色などを変えて調べてみます。

 

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