【レビュー】赤外線サーマル&ナイトショット搭載スマホ IIIF150 Raptor

中国のスマホメーカーOUKITELのサブブランドIIIF150より赤外線サーマルセンサーとナイトショットカメラをダブルで搭載した新型タフネススマホがリリースされました。その名もIIIF150 Raptorです。販売価格はAliexpressのプレミアセールで280ドル(約4万円)です。それでは詳しく見ていきましょう。

商品概要

Aliexpressで6月12日から発売開始されたRaptorIIIF150のフラッグシップモデルスマホです。108MP画素メインカメラをはじめ、サーマルカメラ、AFナイトビジョンカメラ(ナイトショット)などを搭載します。SoCはMedia Tek Helio G99で、RAM 12GB(+拡張12GB)、ストレージ256GB(UFS 2.2)など。ディスプレイは6.8インチIPSパネル(120Hz)、OSはAndroid 13となっています。タフネススマホのため重量は359グラムと重めですが、本体サイズは厚さ15ミリと比較的スリムで、2年前に購入・レビューしたOUKITEL WP 17に近いサイズ感です。

4G LTEの対応バンドは、Band 1,2,3,4,5,7,8,12,13,17,18,19,20,25,26,28,38,40,41,66で、ソフトバンク(Band 8)はもちろん、中華スマホでは珍しくドコモ(Band 19)、au(Band 18,26)のプラチナバンドにも対応しています。

防水規格等はIP68、IP69K、MIL-STD-810Hをクリアし、最深6mの水中でも24時間使用可能です。バッテリーは大容量10,000mAhで、65W高速充電に対応し、30分で50%の容量まで、1時間50分でフル充電できます。バッテリー容量が大きいので65W急速充電対応はうれしいですね。重さを我慢すればメインスマホとしても使える充実のスペックです。

カメラ性能

メインカメラのセンサーは、XiaomiRedmi Note 10 Proなどにも採用されているサムスンISOCELL HM2です。ミドルレンジ向けの1/1.52インチ108MPセンサー(1億800万画素、12000×9000ピクセル)で、レンズのF値はf/1.88。9 in 1ピクセルビニングで、通常撮影時は9つの画素を1つにまとめることで1200万画素での撮影となります。これにより受光面積が確保でき、暗所にも強いのが特徴です。タフネススマホ(Rugged Phone)のメインカメラとしては最強クラスの性能になっています。なお、フロントカメラ(インカメラ)は32MPでSONY IMX616です。

ナイトビジョンカメラ(赤外線カメラ)は、新たに64MPセンサーを採用し、スマホ搭載のものでは最高性能です。f/1.79のレンズでオートフォーカスにも対応します。レンズの横に赤外線LED2個を搭載し、赤外線を照射することで、モノクロ画像になりますが、暗闇でもクリアな写真を撮影することができます。6400万画素あるので、5〜6倍ぐらいまでズームしてもクロッピングで画像劣化が少なそうなのは期待大ですね。

サーマルカメラは、InfiRay製の256×192センサーを採用し、-10〜550℃の温度を最長1kmの距離まで測定できます。同時期に発売されたBlackview BV8900に搭載されているFlir Lepton Thermal(160×120)より解像度が高くなっています。USB Type Cポート外付けのサーマルカメラが3万円以上するので、スマートフォンに搭載されているのはお得感がありますね。サーマルカメラ目当てにこのスマホを買っても良いかもしれません。

OUKITEL WP21 Ultraと比較

親ブランドのOUKITELから23年4月に発売されているサーマルカメラ搭載スマホWP21 Ultraと比較してみましょう。SoCなど基本的なスペックは似ていますが、IIIF150  RaptorはOSがAndroid 13になっているのが大きな違いです。

また、ディスプレイは、WP21の430nitに対してRaptorが560nitと明るくなっています。タフネススマホは屋外で使うことが多いので、ディスプレイ輝度が明るいのはうれしい。

カメラについては、Raptorがメイン108MP / ナイトビジョン64MPと、WP21 Ultraの64MP / 20MPからグレードアップしています。ただし、サーマル補助用の5MPカメラは省略されています。海外のレビュー動画を見ると、ナイトビジョンカメラをサーマルの補助用に使っているみたいですね。カメラスペックを見ても今から買うならRaptor一択でしょう。

注文してみた

ということで、Aliexpressのサマーセールで割引クーポンがあったのでRaptorを購入してみました。本体価格40,757円から、各種クーポン使用で6,867円引の33,891円です。

6月12日に注文した商品は、シンガポールポスト便で6月16日出荷、6月19日に経由地のシンガポール着、22日発で、23日日本に到着でしました。25日に税関検査で、27日に配達されました。注文から約2週間で到着ですね。

開封してみた

さっそく商品を開封してみました。同梱品は本体のほか、ガラスフィルム、USB Type Cケーブル、65W GaN急速充電器など。出荷状態ではフィルムは貼られていません。充電器はEUプラグです。

外観を見ていきましょう。重量は付属のガラスフィルムを貼った状態での実測値が377グラムです。この手のスマホでは標準的な重さですね。

以前に購入・レビューした同じOUKITELのWP17と比べるとサイズ感はほぼ同じですが、重量は40グラムほど重いです。

ディスプレイは6.8インチのIPSパネル、解像度が2460×1080ピクセルで、縦方向に広い画面は視認性が高いです。リフレッシュレートは60,90,120Hzで可変します。

カメラ部は、左からメインカメラ、赤外線LED2個、ナイトビジョンです。その下にサーマルカメラとLED×3個を配置しています。WP17(右)と比べるとデザインはかなり個性的ですね。

本体の厚さは15ミリで、カメラ部の1番厚みがある箇所で17ミリあります。

一般的なスマホ(Redmi K30)と比べると厚みがあるのがわかります。

本体底面は、スピーカーホール、Type Cポート、マイクホールがあります。Type Cポートはキャップレス仕様です。ストラップホールがあるのはうれしい。3.5ミリオーディオ出力端子はないです。

本体右側面は、音量上下と指紋認証センサーを兼ねた電源ボタンを配置しています。

左側面はプログラムキーとSIMスロットです。プログラムキーには、シングルクリック、ダブルクリック、長押しの3種類のアプリを登録できます。

SIMトレイは2スロットで、うち1つがマイクロSDカードとの排他スロットです。

背面パネルはプラスチック製で、側面はアルミ合金製のフレームです。持ち手の部分にスリットが入っているので手にしたとき滑りにくいです。このあたりのデザインはいいですね。

バッテリー周り

バッテリーは10000mAhで十分な容量です。付属の充電器はEUプラグで最大20V×3.25A=65W充電に対応しています。

Baseusの65Wチャージャーに繋いでみると、27Wあたりで充電されています。

リバース充電にも対応しているので、Raptorから他のスマホへ充電することもできます。充電速度は5W程度と遅めです。

システム関係

システムなど見ていきましょう。Antutuベンチマークのスコアは27万点オーバー。一般的な用途であれば十分な性能です。

ストレージは256GBのうち16GBを使用しています。RAMは12GBで、追加で仮想メモリを12GB拡張できます。

アプリケーションは、Google系のものが一通り入っています。余計なものが入っていないシンプルな構成はうれしい。

道具袋を開くと気圧計高度計LEDライト方位計などアウトドアに便利なアプリが揃っています。

総合評価★★★★★

基本性能の部分を評価しましょう。タフネススマホとしてはSoCのスペックは十分で、メモリ、ストレージともに十分な容量です。バッテリーが大容量なので65W急速充電に対応しているのはうれしいですね。ディスプレイの品質も及第点。基本性能は現行タフネススマホのなかではトップクラスと言ってよいでしょう。難点を挙げるとすれば、スピーカーがモノラルな点ですかね。あとは、重めな重量とカメラユニットのデザインぐらい。マニアックなカメラ機能も含めて、サブスマホとして使うなら大満足の星5つです。

各カメラ機能のレビューへ続きます。

メインカメラ編

ナイトビジョンカメラ編

サーマルカメラ編


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