【魔改造】ナイトビジョンカメラNVC200にニコン800mm超望遠レンズを付けてみた


ナイトビジョンスコープ NV016の改造用に購入したNIKON-Cマウントアダプターですが、NV016の筐体に収まらず断念。

せっかく入手したマウントアダプターを活用すべく、ナイトビジョンカメラNVC200に取り付けてニコンレンズを使った超望遠撮影に挑戦です。

800mm F5.6レンズやテレコンなど各種ニコンレンズを装着して遊んでみたいと思います。

2倍テレコンで光学1600mmのレンズをNVC2001/4インチセンサーと組み合わせることで10.6倍に。35mm換算17000mm相当の光学倍率、さらにデジタル2倍ズームで34000m相当の焦点距離を得られます。これで超望遠撮影にチャレンジです。

なお、ナイトビジョンコンデジNVC200の仕様や詳細については撮影編修理&改造編など過去動画で詳しく紹介しています。YouTubeには掲載できなかった情報や追加情報についてはブログに随時掲載しているのでそちらも参考にしてください。それではレビュースタートです。

動画内で紹介した製品(Amazonリンク)

センサーダスト対策

ニコンレンズ装着の前にNVC200のプチ改造です。レンズ交換時にセンサーにホコリが付着しやすいため対策することに。

マウントアダプター内部に37mmUVカットフィルターを接着です。これでセンサーダストを大幅に軽減できます。

1回レンズ交換しただけで、予想以上にホコリが混入していました。

乾燥したホコリであればブロアで除去できますが、油分を含むものなど場合によってはレンズユニットを外しての分解清掃が必要になります。ご注意ください。

貼り付けたUVフィルターの上から37mmフィルターを取り付けできます。試しにIRフィルターを装着。これならレンズの種類ごとに径の異なるフィルターを揃える必要もありません。

ただ、テレコンなど装着するレンズによってはアダプター側への繰り出しが大きくフィルターガラスに干渉するケースがあるのでご注意ください。

AF Nikkor 50mm F1.4

試しに手元にあったAF Nikkor 50mm F1.4を取り付けました。NVC200のオリジナルレンズが25mmなので倍率は2倍になります。

小型1/4インチセンサーフルサイズレンズの中心部を使うため画質は上々です。オリジナルレンズのように周辺部の画質が低下することもありません。

明るいレンズで暗めのシーンでもきれいに撮影できます。

IRフィルターを装着すれば赤外線撮影も可能です。

絞りリングが付いているので撮影シーンに合わせて絞り値を変更できるようになりました。開放端から1-2段絞ると画質はシャープになります。

ニコンAF 50mm F1.4を装着しての絞りテストです。一番手前の足元灯にピントを合わせて撮影します。開放端のF1.4から。ISO 100でシャッタースピードは1/16666です。

F11まで上げると一番奥の足元灯までピントが合うようになりました。シャッタースピードは1/364まで落ちます。足元灯は10mおきに配置されているようで、一番奥まで120mですかね。

IRライトホルダー

NVC200はホットシューが無いため、そのままではビデオライトなどアクセサリーが使えません。ということで、L型ブラケットを取り付けて、VCSELライト25mmQRクランプ小型マジックアームで固定することに。マジックアームでライトの角度を自由に調整できます。

NV016にもL型ブラケットを取り付けたので、簡単に交換できるようになりました。

ニコンE 100mm F2.8

50mmではやや倍率の足りない場面があるので100mmレンズを調達です。ニコンE 100mm F2.8です。コンパクトでNVC200に常時装着するのに適しています。状態にもよりますがオークションで5000-10000円で手に入ります。

このサイズ感で35mm換算1000mm相当の画角を得られるのは強いですね。

次回はこのE 100mm F2.8SONYVCL-DH2637オリンパスTCON-17Xを装着しての望遠撮影をテストします。このサイズ感で光学2600mm相当の画角を得られる計算ですが画質はどうでしょう。いいねチャンネル登録で更新情報をお届けできます。

800mm F5.6装着

それではメインイベントへ。Nikkor ED 800mm F5.6を装着です。単焦点の古いレンズでマニュアルフォーカスですが高倍率の割に明るいレンズです。

取り付け部分はこのような感じ。

テスト撮影はいつもの岡山城です。近くの公園からの撮影で天守閣までの距離は直線で370m。肉眼(35mm換算50mm相当)だとこ写真のような画角です。

さすがの800mm F5.6単焦点。鬼瓦はもちろんその下の軒丸瓦まできれいに描写しています。シャッタースピードは1/2288秒です。

デジタル5倍(実倍率2倍)です。1/4インチセンサー10.6倍に拡大されるので35mm換算では16960mm(800mm×10.6×2)相当になります。

デジタル10倍(実倍率4倍)ではここまで拡大されます。

撮影画面はこんな感じに。

さらに2倍テレコンを装着します。光学1600mmになります。

1/4インチセンサーでは35mm換算16960mm相当の光学倍率を得られます。開放F値はF11に上がるのでシャッタースピードは1/669秒まで落ちます。

デジタル5倍では2倍の実倍率が得られて33920mm相当になります。

デジタル10倍では軒丸瓦が画面一杯に映ります。67840mm相当です。

動画も見ていきましょう。この倍率になるとわずかな風でも手ブレが起こります。

大きめの三脚でレンズ側をしっかり固定しても、カメラ本体がプラスチック製の華奢なボディのためか手ブレは収まりません。レンズサポートで本体とレンズを固定したほうがよさそうです。

もう1つ。2倍テレコンを付けた状態で250m先の橋の看板を撮影してみます。

比較用に、以前ハンディカム FDR-AX55オリンパスTCON-17Xを装着して撮影した時の望遠端の画像です。手ブレ補正時は望遠端で804mm相当になるので1.7倍テレコン装着で1366mm相当の画角です。

800mm2倍テレコンを使うと等倍でもここまで拡大されます。

デジタル5倍にすると、魚の目まで見えてきました。

デジタル10倍ではここまで拡大されます。

対岸にアオサギを見つけたのでカメラを向けてみました。距離は125mです。

デジタル5倍でここまで寄れます。

河川敷に降りて撮影です。距離は100mに。こちらは川鵜ですね。テレコンを外しての800mmでも全身が収まりません…。

デジタル5倍でここまで寄れます。マニュアルフォーカスのため飛んでいる鳥は厳しいですが、止まっている鳥なら問題なし。被写界深度が深いのでピントは合わせやすいですが、背景をぼかすのは難しいです。

夜間テスト

夜間撮影もテストしてみましょう。マンション屋上から900m先のレストラン店内にカメラを向けます。

比較用に以前シグマAPO 50-500 F4-6.3の望遠端500mmで撮影した時の画角はこんな感じでした。800mmではどこまで拡大されるのか。

テレコンなしから。ISO 1080です。シャッタースピードはいずれも下限の1/15秒になります。

800mmならデジタルズームなしで900m先の部屋もここまで拡大できます。ISO 771です。

1.4倍テレコンを装着するとISO 2125になりました。F値が1段上がるとISO感度は2倍になります。夜間でも1.4倍テレコンなら使えそうです。

2倍テレコンです。ISO 3934まで上がります。F値は2倍のF11に、ISO感度は4倍になります。ノイズも増えて画質的には厳しいですが、照明の当たっている箇所はそれなりに写っています。

どこまで寄れるか試してみましょう。2倍テレコンデジタル5倍です。

デジタル10倍ではかなり画質が低下しますが、ここまで寄ることができます。

なお、カメラに表示されるデジタルズームの倍率についてはデジタル5倍が2倍、10倍が4倍程度の実倍率になります。

まとめ

ということで、まとめです。今回はNVC200NIKON-Cアダプター経由でニコンFマウントレンズを装着してみました。

ニコンレンズは比較的新しいものでも絞りリングが付いているのがメリットです。絞りを1-2段絞ることでよりシャープな画質を得られます。日中撮影することが多いなら絞りリングの付いたニコンレンズが使いやすいでしょう。

ニコンのオールドレンズは中古がオークションで安価に入手できるので、費用を抑えて超望遠撮影を楽しみたいならおすすめです。用途にもよりますが画角的には100-300mmあたりが使い勝手がよさそう。人物撮影なら50~200mの範囲をカバーできます。

夜間撮影なら、70-200mm F2.8300mm F4.5のような明るめのレンズも選択肢に入るでしょうか。赤外線撮影ではホットスポットの問題があるので古めのレンズがおすすめです。

コンパクトさ優先ならEシリーズ75-150 F3.5なんかもよいかも。これでも795-1590mm相当の光学倍率になります。重量520gで旅行に携帯するにもよさそうです。

今回テスト撮影に使った単焦点Nikkor ED 800mm F5.6はさすがの望遠性能ですが、単焦点で35mm換算8480mm相当となると、被写体を画角に収めるだけでもひと苦労で使用場面がかなり限られます。よほどの望遠目的でないと出番はないかな。


次回はコンパクトなE 100mm F2.8にテレコンを組み合わせての望遠撮影にチャレンジです。オリンパス1.7倍SONY2.6倍テレコンを装着しての画質を見ていきましょう。NVC200をはじめ赤外線撮影について質問などありましたらお気軽にコメントください。このチャンネルでは赤外線撮影に関する各種話題をお届けしています。更新情報をお届けできるので、チャンネル登録やいいねいただけるとうれしいです。

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