2025年11月10日月曜日

【レビュー】おとなの工作 ナイトビジョンスコープ用ピンホールレンズ搭載小型筐体を制作してみた(前編)

ナイトビジョンスコープNV016の小型化計画始動です。夜間暗視性能に優れたNV016ですが、本体サイズが大きい上に、デザイン的に人目のある場所ではワル目立ちするのでもう少しコンパクト&スタイリッシュに改造したいところ。

前回のマウントアダプター製作で3Dプリントが使えるようになったので、カメラ用の筐体を設計してみることにしました。

いきなりNV016は難しいので、本番前にもう少し小さな格安ナイトビジョンスコープで3Dプリント筐体を作って練習してみました。

ただ小型化するだけではやや面白みに欠けるので、オリジナルのCSマウント25mmレンズM12ピンホールレンズに換装して防犯用小型赤外線カメラを製作してみます。

なお、NV016の仕様や詳細については撮影編修理&改造編など過去動画で詳しく紹介しています。YouTubeには掲載できなかった情報や追加情報についてはブログに随時掲載しているのでそちらも参考にしてください。それではレビュースタートです。

動画内で紹介した製品(Amazonリンク)

ベースとなるナイトビジョンスコープは半年ほど前にAliexpressで購入した商品です。コンパクトさに惹かれて入手しましたがセンサー感度が低いなど全体的に性能が今ひとつだったので使うことなく眠っていました。

簡単に商品の概要を。価格はクーポンなど使って3,200円です。

現在(2025/11/01)は値下がりしているようで、送料込みで2500円程度(Aliexpress)で入手できます。この値段なら買っても損はしない。

カメラレンズです。搭載されているレンズは35mm換算250mm相当、フルHD 30fpsで撮影できます。赤外線IRライトレーザーポインターも内蔵し、安価な割に基本性能は抑えています。

本体サイズは15×12.5×6cmで、NV016と比べると2回りほどコンパクトで、片手で扱えるサイズですが。

モニターは2.4インチと小さく画質も今ひとつです。LCD横のゴムキャップをはがすとプラスネジがみつかったので分解していきましょう。

分解してみた

内部はこのような感じです。単三×4個の電池ケースがスペースの大半を占めています。工夫すればもう少しコンパクトになりそう。

前側パネルも開けてみました。向かって右側がカメラユニット、左側が赤外線LEDです。

バラしてみました。マイクとレーザーポインターは基板にハンダ直付けで外せませんが、そのほかのパーツはプラスネジで固定されているので簡単に外せます。

バッテリーは1000mAh×2個

LCDは2.4インチのTFT液晶です。

レンズ周りの作りはNV016と同じ、使われているのはCSマウントです。25mmレンズIRフィルターユニットカメラセンサーの構成です。

カメラセンサーのサイズはNV016と同じ1/4インチ。ただ、センサーの感度は今ひとつで、NV016とは異なるセンサーが使われているようです。

CSマウントでは各種C/CSレンズが使えますが、アダプターを介することでM12規格のレンズも装着できます。

ピンホールレンズを装着すればスパイカメラとしても使えるでしょうか。

カメラとして機能させるために必要なパーツはこれだけ。

バッテリーを繋げたら普通に動作しています。3Dプリンターで筐体を作り直せばさらにコンパクトな赤外線カメラとして使えそうです。

IRライトです。強力な割にコンパクトです。

レンズユニットはレンズ筒にネジで固定されていました。レンズと前面のプラパーツは接着剤で固定されているようで取り外しできません。

LCDはプラスチック板で挟んでネジで固定する構造です。

操作ボタンは独立したパーツで、別途用意する必要が。基板のボタン直押しでもいけそうです。一部複雑な箇所もありますが、構造自体は単純なのでもう少しコンパクトにした筐体をFusionで制作してみます。

3Dモデリング

まずは写真を取り込んで、メイン基板の3Dデータを作成します。

基板サイズ、ネジ穴、スイッチ、配線の位置を基準に本体の大きさを決めます

ざっくりとした基板のデータができました。これを元に筐体のスイッチやネジ穴の位置を決めます。

デザイン上の制約としては、基板上部のスイッチ×5個と右側面のUSB CポートTFカードスロットにアクセスできるようにする必要が。

LCDレンズをチルトできる構造にしたいところですが、ケーブルが短いので難しそうです。ということで、①基板ケース本体③フロント&上部パネルの計3パーツを作成することに。バッテリー×2個はカメラユニットの横のスペースに置きます

メイン基板を配置するためのケースです。基板固定用のネジ台TFスロットUSB Cポートの穴を開けています

本体にはカメラセンサーIRライトを固定するプレートを配置します。ネジ穴は小さいのであとからドリルで開けることに。

ケーブル長の関係でカメラレンズは前面左側に。そのほかIRライトレーザーポインターマイク用の穴を配置しています。

断面を確認するとIR LEDのスペースが狭すぎました。放熱のことも考えて本体側の壁は除去して、前面パネルでLEDを支えることにします。

そのほか、①外部マイク接続用の3.5mmジャック②LEDライト用のマウントシューが欲しいところですが、こちらはあとから対応することに。

LCDは上部に配置したかったのですが、ケーブル長が足りないので手前に配置です。

このような外観になります。本体サイズは10.7×7×5cmで、オリジナルの筐体(15×12.5×6cm)と比べると体積で1/3になりました。デザインは野暮ったいですが、今回は小型化が目的なのでこれでよし

プリント発注

プリントイメージを確認します。パネルのボタン部がやや薄めですがこれでオーダーします。


JLC3DPで見積もってみました。サイズにもよりますが、1パーツで1-3ドルです。ブラックレジンにしたいとこですが、値段が3倍になるので今回は白いスタンダードなSLAレジンに。

送料は最安のOCSエクスプレス8.5ドルです

初回限定のクーポンが使えて送料のみで注文できました。今回はここまで。商品が届いたら組み立て〜撮影など続きをレポートです。

まとめ

ということで、まとめです。ナイトビジョンスコープNV016用小型ボディ製作の前段階として、小型ナイトビジョンカメラを使った筐体製作にチャレンジしてみました。

カメラボディ程度の形状なら簡単な図形の組み合わせで初心者でも問題なく作れます。慣れてくれば複雑な形態のボディに組み込むことができそう。

注意点として、3Dプリントでは細かいネジ穴はプリントできないので、後からの対応となります。商品が届いたら、使用するインサートナットなど検討していきます。

なお、今回選択したSLAレジンABSなどと比べると製造にやや時間がかかるみたいです。急ぎならABSNYLONがおすすめ。

はじめての筐体製作で、ボディの噛み合わせや固定方法などいろいろと不具合が出る可能性は高いですが、パイロット版の出来を参考にして本番のNV016ボディ製作に反映できればです。NV016ではディスプレイのチルト機構や外部マイク端子、IRライト用のコールドシューを搭載したいところ。興味のある人はチャンネル登録しといてください。

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