フルサイズ用レンズ対応に改造した中華製ナイトビジョンカメラNVC200/NV016に絞りリング付きの300mmズームレンズをということで、新たにオークションでニコンマウントのTokina AT-X SD 100-300mm F4を入手してみました。
1986年発売のオールドレンズで、1/4インチセンサーのNVC200に装着すると35mm換算で1060-3180mm相当の超望遠撮影が可能になります。
さらに、1.4倍リアテレコンを組み合わせての4450mm相当超望遠撮影にもチャレンジです。
赤外線暗視を中心にいろんなパターンでテスト撮影してみたのでナイトビジョンカメラの購入を検討している方は参考にしてください。
なお、NVC200/NV016の仕様や詳細については撮影編、修理&改造編など過去動画で詳しく紹介しています。YouTubeには掲載できなかった情報や追加情報についてはブログに随時掲載しているのでそちらも参考にしてください。それではレビュースタートです。
【動画内で紹介した製品(Amazonリンク)】
【AT-X SD 100-300mm F4】
今回検証するのはTokina AT-X SD 100-300mm F4です。ヤフオクで送料含めて4100円。1986年発売の古めの製品ですが、AT-Xというプロ向けラインナップでF4と明るいレンズが特長です。
海外レビューサイトによると中心部の解像力が高いという評価のようで、中央をクロップするNVC200に最適かも。絞りリングや三脚座も付いており、NVC200用レンズに求めるスペックをすべて満たします。
1.4倍リアテレコンを装着すれば望遠端420mm F5.6で撮影できます。なお、2倍テレコンはサイズ的に無理でした。
この三脚座の位置ではNVC200に装着するとバランスが悪いので、100mmアルカスイスプレートを付けてバランス調整です。これならレンズサポートなしでもイケそう。
三脚に取り付けるとこのような感じになります。
【撮影テスト】
それでは撮影テストです。公園の広場から400m先のスタジアム照明を撮影します。
広角端100mmから見ていきましょう。35mm換算で1060mm相当です。古いレンズですが画質は問題なし。きれいに写っています。
デジタル5倍。
デジタル10倍。
望遠端300mmは3180mm相当に。開放端F4ではやや甘いかなという気もしますが、解像感もあって良好な画質です。
デジタル5倍、実際の拡大率は2倍です。
デジタル10倍、同6.6倍ではそれなりに粗い画質になりますがここまで拡大されます。
ちなみに同じAT-X 100-300をフルサイズ機のSONY α7Sで撮影するとこのような画角に。
1/4インチセンサーで中心部を10.6倍に拡大するNVC200と比べるとかなりワイドな画角です。
デジタル2倍に拡大してもこの程度。フルサイズ機だけあって画質はきれいですが800万画素センサーのため解像感は抑えめです。
NVC200と同サイズに拡大してみました。解像度が低いため細かい部分は描写できません。
続いて1.4倍リアテレコンを装着です。F値はF8に上がります。
望遠端は420mmで4452mm相当です。色収差の影響かややボンヤリした画質です。
デジタル5倍です。照明カバーや鉄骨など輪郭部が滲んでいます。
2段絞ってF8にするとかなりシャープな画質になりました。2段目のライトの網目もしっかり描写されています。
デジタル10倍です。
こちらも2段絞るとシャープな画質になります。照明の光源部もきれいに解像しています。
絞り値ごとの違いも見ていきましょう。やはり開放端ではぼんやりした感じに。F8〜F16あたりが一番画質が良いです。
F4 SS 1/400 ISO 100
F5.6 SS 1/200 ISO 100
F8 SS 1/125 ISO 149
F11 SS 1/60 ISO 116
F16 SS 1/30 ISO 156
F22 SS 1/30 ISO 255
F32 SS 1/30 ISO 341
【撮影テスト②】
続いては250m先の橋の看板を撮影です。比較用に以前ハンディカム FDR-AX55にオリンパスのTCON-17Xを装着して撮影した時の望遠端1366mm相当の画像です。
AT-X 100-300の望遠端です。絞り値はF8です。文字もしっかり解像して画質は上々です。
デジタル10倍です。サカナ釣り禁止のイラストもしっかり見えるようになりました。
1.4倍リアテレコンを装着です。
デジタル5倍でイラストがはっきりと見えてきました。画数の多い文字もしっかり読めるように。
デジタル10倍ではややザラつきが目立ちますが、釣り糸の細い線も描写しています。
赤外線撮影です。石碑の細かい文字もしっかり解像しています。
【暗視撮影(100m)】
暗所性能はどうでしょうか。公園の芝生広場でナイトビジョン撮影のテストです。ほぼ真っ暗な状態です。
VCSEL赤外線ライトを照射してナイトビジョンモードで100m先の看板を撮影します。シャッタースピード(SS)やISO感度を見るため静止画撮影から見ていきましょう。
ほぼ光が無いため、通常モードではシャッタースピードは下限の 1/15秒、ISOは上限のISO 6400になります。看板の形はなんとか見えますが文字は見えません。
ナイトビジョンモードです。広角端100mmから。やや光量が不足するようで、いずれの画像もシャッタースピードは下限の 1/15秒になります。
感度は画面全体平均測光で赤外線の当たらない周辺部に引きづられて高めのISO 855です。
デジタル5倍ズームです。
赤外線が照射されている箇所を拡大するためISO 760に下がっています。
デジタル10倍ではISO 668まで下がります。
前回レビューしたAi-S Nikkor 100-300 F5.6と同じような感じです。
デジタル5倍ズームです。ISO 516に。VCSEL IRライトの輝度が高いので、ISO値も低く細かい文字の輪郭もきれいに写っています。
デジタル10倍です。ISO 470。画数の多い文字もしっかり解像しています。
【絞りテスト】
絞り値の変化もテストしてみました。各画像はブログに掲載しているので興味のある人はそちらを覗いてください。ISOはこんな感じで変化します。
F4 ISO 842
F5.6 ISO 1070
F8に絞ると女性のズボンの部分など縞模様がかなり目立ちます。ここまではっきり出ると赤外線暗視撮影には向いていないレンズかなという評価になります。
1.4倍テレコンを装着です。昼間の撮影ではきれいな画質でしたが、100mの夜間撮影では光量が不足するようです。かなり画質が低下しています。
テレコンなしだと問題ないです。ただ、衣服の白い部分や木の幹はホットスポットが見立ちます。
【まとめ】
ということで、まとめです。今回は改造版NVC200にTokina AT-X SD 100-300mm F4を装着して超望遠撮影をテストしてみました。
中古で安価に入手できるレンズですが高性能で日中の撮影であればNVC200で問題なく使えます。100m前後の距離であれば100-300という画角は使い勝手がよいです。
1.4倍リアテレコンを装着すれば420mm相当の画角で撮影できます。開放端ではやや甘めですが、1-2段絞るとシャープな画質です。昼間の超望遠撮影にはおすすめのレンズです。
加えて、このレンズは三脚座が付いているので、双眼鏡アダプターやレンズサポートが不要です。荷物が減るのはうれしい。
夜間赤外線撮影については、F4.0と明るいレンズで100m程度の距離ならVCSELとの組み合わせでISO 500前後で撮れます。
ただ、赤外線撮影では縞状のホットスポットが確認されました。F8に絞るとかなり目立ちます。夜間の赤外線撮影には向いていないかなという印象です。昼間画質は二重丸、夜間暗視画質は三角でしょうか。
過去動画では色んなレンズを使って撮影した動画サンプルをアップしているのでそちらも参考にしてください。
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