【レビュー】Huawei SIMフリースマホ nova 3を買ってみた


Moto Zのバッテリーの調子が悪くなり、そろそろスマホ買い換えるかと思っていたところ、AmazonのサイバーマンデーでHuaweiのnova 3が安売り(49,464円→41,904円)していたのでポチってしまいました。さっそくレビューです。
【レビュー】nova 3用にいろいろ買ってみた


商品概要
nova 3は、Huaweiのスマホの中でミドルレンジに位置するシリーズです。最先端のハードを載せたPシリーズやMateシリーズと比べるとややスペックは落ちますが、そのぶん価格はリーズナブル。

SoCは一世代前のKirin 970ですが、AI専用プロセッサ(NPU)を組み込んでおり、フラッグシップモデルのP20 Proと同じになります。そのほか、メモリ4GB、ストレージ128GB、バッテリー3,750mAhで普段使いには十分すぎるスペックです。ディスプレイは、約6.3インチと大きめのフルHD+(2,340 x 1,080ドット)でIPS TFT液晶を採用しています。


SIMスロットは、4G+4Gで同時待ち受けができる「DSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)」に対応しています(1つはマイクロSDカードとの排他利用)。同時待ち受けだけなら従来のDSDSでもできますが、DSDSだと片方で4Gを使うと片方は3Gになります。nova 3はDSDVなので、両方のSIMでVoLTE(Voice over LTEの略、Docomo、au、SoftBankに対応)による高品質な通話が利用可能です。

カメラは、画素数こそ4,000万画素センサーを搭載している上位機のP20 ProやMate20 Proには及びませんが、アウトはダブルレンズで、 約1,600万画素カラーセンサー(開口部 F1.8)と約2,400万画素モノクロセンサー(開口部 F1.8)を。イン側もダブルレンズで、約2,400万画素カラーセンサー+約200万画素赤外線センサーとなっています。アウトのモノクロカメラはP20 Proの2,000万画素を超える2,400万画素となっているので高精細なモノクロ写真が撮れるのではと期待が持てます。


そのほか、iPhoneのフェイスIDライクな顔認証システムや指紋認証(本体裏面)も備えています。


また、上位機のP20 Proとの比較では、nova 3がマイクロSDカードやイヤホンジャックに対応しているあたりが大きな違いです。なお、防水やおサイフケータイには対応していません。



開封してみた
では、さっそく開封してみましょう。同梱品は、USB Type-Cのケーブル、ACアダプター、ヘッドホン(3.5mmプラグ)、スマホカバー(クリア)などです。液晶には保護フィルムが貼られているので、別途用意する必要はありません。


今回購入したカラーはレッド(サイバーマンデーの在庫がこれしかなかったので)です。派手かなとも思いましたが、カバーを着けるとそんなに目立ちませんね。付属のカバーは可もなく不可もなくな感じ。着けると若干厚み増すかな。


nova 3は画面サイズが6.3インチということで、5.5インチのMoto Z比で多少サイズが大きくなるかと思ってましたが、Moto Z(写真左)と比較すると、横幅はほとんど同じで、縦が気持ち長いかなぐらい。サイズ感はほとんど変わりません。


MediaPad M3(8インチ)と比較するとこんな感じです。6.3インチというサイズですが、電子書籍で雑誌とか読むのはちょっと厳しいですね。


SIMカードは、DSDVで1スロットはマイクロSDカードとの排他利用です。


APNはほとんどのMVNOがプリセットで入っています。IIJ mioも問題なく使えました。

対応APN一覧


使い勝手は
まずは、全体的な使い勝手から見ていきましょう。ミドルレンジとはいえ、SoCはフラッグシップ機P20 Proにも搭載されているKirin 970なので、動作はサクサクです。メモリも4Gで不便を感じることはありません。antutuベンチは20万超えです。


有機ELで1,440pのMoto Zからの乗り換えで、IPS液晶のnova 3はどうかなという不安がありましたが、予想していたより表示もきれいで使ってみると特に不満は感じません。ノッチについては、設定で隠すことができます。アプリごとの設定も可能なので、特に困ることはないです。



不満点としては
概ね気に入っているnova 3ですが、いくつか不満点も。まず、指紋認証が本体背面にあり、人差し指で認証させるのが正直使いづらいですね。Moto Zのような本体下部かサイドのほうが便利だと思います。

次に、スピーカーですが、画面下部に1つあるだけなので、映画とかスマホを横に向けて見るとき、右側からしか音が聞こえないとこ。そこそこ大きな画面なので、やはりステレオスピーカーが欲しかったですね。

あと、顔認証については認識に若干時間かかるねという印象。認識後、画面を上にフリックさせないといけないのも面倒くさいです。Moto ZのMotoアクションは便利だったな、あんな機能があれば…ぐらい。

そのほか、自分はそんなに困りませんが、無線充電(Qi)とか、防水に非対応なのでご注意ください。なお、3.5mmイヤホン端子は本体下部にあります。


カメラ機能
カメラ機能は充実しています。AI機能を搭載し、アウトカメラでは、AIが22種類のシーンや被写体を自動判別し、ベストな撮影方法を自動で設定してくれます。いつ使うかは不明ですが、「パンダモード」があるのは中国のメーカーらしいですね。

AIシーン一覧 パンダモードも

インカメラを使った自撮り撮影でもAIセルフィー機能を備え、8種類のシーンから最適な撮影を自動設定してくれます。また、逆光でも被写体が暗く潰れないように合成されるHDR Pro機能も備えています(※インカメラのみ)。

インカメラは8種類のシーンを識別


アウトカメラについては、モノクロセンサーで撮影した写真の色の濃淡などを付加情報として読み込むことで、カラー写真を補正する技術を搭載。それぞれのセンサーでディテールや階調といった情報を別々に取得することで、よりきめ細やかで表現豊かな写真を撮ることができます。

モノクロ撮影
加えて、モノクロ写真が美しく撮れるのもポイントです。通常、カラーセンサーのみのカメラで「モノクロモード」の写真を撮った場合、カラー写真をただ白黒に画像変換しているだけですが、nova 3ではモノクロセンサーを使って撮ることで白黒の濃淡が美しいモノクロ写真を撮影することができます。


通常カラー撮影では、センサーの前にRGBのフィルターを通して各画素を抽出しているため、モノクロに変換すると若干解像感が低下します。加えて、モノクロセンサーはセンサー前にフィルターがない分、より多くの光を取り込め、低照明撮影性能が向上します(※このあたりの話はこちらの記事が参考になります)。よって、nova 3は普通のスマホに比べると夜にもかかわらず白黒の濃淡が綺麗な写真が撮影できます。Mate 20 Proのように最近のスマホはモノクロセンサーを廃止する方向なので、24MPモノクロセンサー搭載のnova 3は貴重な存在になるかもしれません。


カメラレビュー
せっかくなので、カメラ機能についても詳しくレビューしておきます。Moto Zのカメラは1,300万画素でしたが、nova 3の1,600万画素+2,400万画素のデュアルカメラで撮影してみたところ、解像感が格段に向上していることがわかります。

まずは、カラーで自宅からの街並みを撮影。画面中央一番奥にある東横イン屋上の看板を拡大してみます。




カラーの画素数は1,600万画素ですが、それでもしっかり解像していますね。「toyoko-in.com」の文字も若干ボヤけてはいますが認識できます。スマホのカメラでここまで撮れるとは驚きです。

続いて、モノクロモードで撮影してみましょう。モノクロセンサーを使うので解像度は2,400万画素になります。



「toyoko-in.com」の文字がカラーの画像よりシャープになっているのがわかります。この解像感はおどろきです。モノクロ撮影を多用したくなります。

ちなみに、夜景撮影するとこんな感じになります。上がカラーで、下がモノクロです。カラーはAIモードの影響か拡大するとノイズというか色ムラが目立ちます。モノクロはトーンもなめらかで良い感じです。



カラー撮影では、1,600万画素(3,456×4,608)の画像が生成されますが、モノクロに切り替えると2,400万画素(4,224×5632)の画像が生成されます。プロモードではRAWデータも保存できます(カラーのみ)。モノクロでもRAW撮影できたら良かったんですがね…。


暗所撮影については、予想を超えてきました。モノクロセンサーのおかげでしょうか、ミドルレンジのスマホカメラでここまで撮れるのかと感心しました。P20 Proのカメラ評価が高く興味を持っていましたが、nova 3でも十分な画質です。正直驚きです。お散歩カメラには最適。




マクロはこんな感じです。そこそこ寄れます。


自宅本棚を撮影してみました。三脚に固定して、蛍光灯下でのショットです。書籍のタイトルを拡大して解像感を比べてみました。これだと、カラーとモノクロで解像感の違いはあまり感じられませんね。階調はモノクロのほうがノイズも少なくなめらかです。



ちなみに、下の画像はミラーレスのGH4で撮影したもの。レンズは30mmですが同じ画角で撮影・拡大しています。GH4は1,600万画素ですが、さすがにこちらのほうが解像感があります。レンズの違いも写りに大きく影響するのがわかります。ただ、nova 3に比べてGH4は暗所のノイズが目立つような気がします。



動画撮影レビュー
動画については、4Kが30fpsまで。60fps対応していないのは残念なところです。HDについては、一般的な1,920×1,080に加えて、HD+の2,240×1,080にも対応しています。


弱点としては、手ぶれ補正に対応していないため、光学式手ぶれ補正に対応したビデオカメラと比べると、動画撮影時の画面ブレが目立つとこでしょうか。手持ち撮影では、別途、電動スタビライザー(ジンバル)があったほうが便利かと思います。

あと、動画撮影はメインカメラのみ使っているためか、暗所での撮影についてはノイズが結構目立ちます。カメラほどノイズリダクションの効果が無いように感じます。

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