【レビュー】岡山芸術交流に行ってみた


地元岡山市で開催中のアートイベント「岡山芸術交流」に行ってみたのでレビューします。

岡山芸術交流とは
「earth music&ecology」などのブランドでお馴染みストライプインターナショナルの石川康晴社長が主導して地元岡山で開催中のアートイベントです。瀬戸内国際芸術祭に合わせて3年に1度開催されています。今年が2回目。場所は岡山市内の後楽園、岡山城周辺。オリエント美術館や林原美術館なども会場になっています。徒歩で回れるコンパクトな芸術祭です。


10月31日に石川社長のトークショーがあったので、そこで語られた内容をまとめるとこんな感じ。①岡山市を現代アートの街にしたい②大衆に媚びない尖った展覧会を目指す③日常に現代アートがある世界を作りたいーなど。ベネッセの瀬戸芸が日常からの離脱を目指しているのとは対比的でおもしろいですね。

クラ紡の大原孫三郎が作った大原美術館が「近代アート」、ベネッセの福武總一郎の作った直島ほかプロジェクトが「現代アート初期」と位置づければ、ストライプの石川さんは「現代アート中期」を対象とした作品群を岡山市内に展開していきたいと語っていました。

10/31のトークショー


いざ鑑賞
ということで、平日の空いた時間帯を利用して、少しずつ展示を見ています。ちなみに鑑賞券は大人1800円(岡山県民1500円)、学生1000円などなど。

(A)旧内山下小学校
この会場が一番規模が大きいです。ちなみにチケットは1会場につき1回だけ入場できます。入場したらスタンプポンされるので再入場はできません。校門右手の体育倉庫で受け付け後、入場。展示は体育館、校舎内、グラウンド、プールなどなど。

まずは体育館。意味不明な作品が多数…。直島界隈のアートも素人には難しいですが、こちらはさらに難解ですね。


校内は…、こちらもよくわかりませんがな。ただ、廃校になった小学校校舎を歩いて回れるのは新鮮です。平日なのでお客さんも数組+団体一組だけでした。


一番印象的だったのはこちらのプール。水面にピンク色の塗料を浮かべています。欧米人の平均的な肌の色だとか。空が映り込んでいい感じ。ウユニ塩湖ぽい。偶然、ヘビのような雲が出現です。


グラウンドではアーティストによる舞踏が。不定期に踊り始めるようです。この日は土曜でしたが、プールサイドでもパフォーマンスしてました。

突然アーティストが踊る

グラウンドの片隅には土俵が。昔々、岡山出身の横綱力士が小学校に寄贈したものです。廃校になり放置されていましたが、芸術祭に合わせて復元したようです。なぜかヘビのロボットがうろついてます。



(B)旧福岡醤油建物
こちらはVRを使った作品を展示中。ちょっと怖い。しかし、明治時代に建てられた建物は見応えあります。このエリアだけ岡山空襲の被害を免れたようで、市中心部では貴重なものです。

地下で醤油を醸造していたらしい


(C)天神山文化プラザ
こちらも難解ですね。動物の骨を粉々にしてばら撒いて…。建物は、ル・コルビュジエに師事した前川國男さんの設計です。階段とかコルビジェの国立近代美術館に雰囲気が似てますね。アート作品はよくわかりませんでしたが、建物は見どころ満載でした。




(D)オリエント美術館

(E)岡山城
岡山城では映像作品2点を展示。オバさんが全裸でダンスしてたり、ウンコしてたり、意味わからん…。しかし、久しぶりに岡山城内に入った。



(F)シネマ・クレール丸の内
映画館では1日1回(12:15〜)ですが、ファビアン・ジロー&ラファエル・シボーニの「反転資本 公理」(58分14秒, 2018)という映画が上映しています。

(G)林原美術館

(H1)CCCSCD
テレビによると、ユーグレナで作ったスープとか「食べる現代アート」が楽しめるらしいです。1日10食限定。



(H2)石山公園(無料公開)
何だあ、これは何なんだあ。



(H3)岡山城堀(無料公開)
旭川と城のお掘りになんか棒状のものが浮いてますね。これもアートです。



(H4)岡山市民会館(無料公開)
市民会館は壁面になにか煙のようなものが投影されているような…。



(H5)RSK山陽放送
巨大スクリーンにカエルの動画が映し出されます。意味不明だけどスケール感あってわかりやすいのでおもしろい。旧内山下小学校のプールからも鑑賞できます。プールの水面にカエルが映り込みます。



その他
そのほか、市内には芸術交流に合わせて個性的な建築物がいくつか出現しています。現代美術アーティストと日本人建築家がタッグを組んで宿泊施設を作るプロジェクト「A&A」(Architect & Art)もスタートしました。アドバイザーに建築家の青木淳さんも入っているようなので期待高まります。

A&A リアムフジ

A&Aジョナサンハセガワ(jiji.comより)

すでに2軒がオープンしており、全部で20軒のホテルを岡山市内にオープンさせるようです。3軒目のプロジェクトは建築家の藤本壮介さんが設計を担当するとか。旧福岡醤油建物も石川さんが土地建物を取得したようで、こちらもホテルになるとの話が出ています。期待が高まりますねえ。一度は泊まってみたいけど、平日で9.9万円とか値段高すぎ。4人で割っても2.5万円ですよ。


ちなみに岡山駅前広場にあるインフォメーションセンターは、新国立競技場を設計した隈研吾さんがデザインしたものです。



総合評価☆☆☆☆☆
意味不明な作品多数ですが、敢えて素人に媚びないハードな路線で攻めたのは他の芸術祭と差別化できてよいと思います。SNSとか見てても意外と評価高いですね。空いてる時間にチョビチョビ見ていったのも良かったかもしれません。一度にあれだけの意味不明を見ると挫折していたかもしれませんが。。。

石川さんがおっしゃるには気に入った作品を1つ見つけてじっくり鑑賞してほしいと。旧内山下小学校の作品の一部がメンテナンス中だったため再入場できるので、暇を見つけてプールサイドで30分ぐらいぼーっとしてみたいですね。

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