【音ズレのパターン】
音ズレのパターンは大きく2種類あります。1つ目は使用開始時からすでに音ズレが生じているパターン。画像と音声が同期せず、微妙に音ズレが生じます。これを①慢性的な音ズレと呼ぶことにします。
2つ目は、キャプチャ開始して時間の経過とともに徐々に音ズレが生じてくるパターン。はじめのうちは正常に同期していたのに、数十分〜数時間経過すると音ズレに気づきます。こちらは②時間経過による音ズレと呼びましょう。
【音ズレが生じる原因】
ビデオキャプチャによる音ズレ問題は、アナログキャプチャの時代から問題になっていました。原因は画像と音声とが別々の機器(パーツ)を通して記録されるためです。
例えばビデオキャプチャカードの場合、画像はビデオキャプチャデバイス、音声はオーディオキャプチャデバイスを使って記録しています。記録されたデータはキャプチャアプリなどによって統合され、AVIやMP4などの動画フォーマットとして保存されます。
この統合の際にビデオとオーディオの同期がうまくいかないのが①慢性的な音ズレを生じさせます。また、動画と音声との時間サイズが異なる(ムービー59.9秒&オーディオ60秒など)と②時間経過による音ズレが発生します。
【時間経過による音ズレ】
前後しますが、まずは時間経過による音ズレから。これが発生する主な原因はビデオのフレームレートです。フレームレートは1秒あたりの画像枚数のこと。たとえば、1080P 60fpsなら1920×1080サイズの画像が1秒間に60枚入っていることになります。fpsはフレーム パー セカンド(Frame per Second)の略です。
・フレーム欠落
PCの性能が低いと1秒に60枚の画像を取り込むことができず、たとえば10秒に1回59枚しか取り込めなかったりということが起こります。600枚の画像のうちたった1枚の欠落ですが、時間を重ねていくと600秒で60枚=1秒の欠落になります。
これでは10分の動画なのに9分59秒分のフレームしか生成されません。音声は10分なのに、動画が9分59秒。1/60秒の音ズレが積み重なって、10分あたり1秒後ろに音がズレます。これがフレーム欠落による音ズレです。録画時間が長くなるほど後ろの方の音ズレが顕著になります。
PCの性能不足による音ズレの解決策は、OBSではプロセスの優先度を高に設定したり、フレームレート(→30fps)や解像度を下げる(→720P)など、CPUの負荷が低い設定に変えることで解決する場合があります。
一昔前の動画キャプチャは、ハードディスクの書き込み速度などハードのスペックがかなり影響してましたが、今どきのPCならCPUにハードウェアエンコーダーが搭載されていますし、HDDも書き込み早いのでボトルネックにはなりにくいですかね。
・可変フレームレート
可変フレームレート(VFR : Variable Frame Rate)とは、その名のとおりフレームレートを変化させて記録させるものです。可変フレームレートでは1秒あたりのフレーム数が変化するのでファイルサイズを小さくできる利点がありますが、フレーム数が一定でないため音ズレを生じさせる原因になります。
OBSのキャプチャ設定が可変フレームレートになっている場合は、固定フレームレート(CFR : Constant Frame Rate)に変更すると音ズレが解消する場合があります。設定→映像→FPS共通値を60FPS(もしくは30FPSなど整数値)に、合わせてキャプチャデバイスのプロパティ内のFPSも60FPSにすることで音ズレが改善する場合があります。
固定フレームレート60fpsを選択
【慢性的な音ズレ】
キャプチャーを始めたときからすでに音ズレが出ている場合は、ビデオとオーディオの同期がうまくいっていない可能性が高いです。この場合もキャプチャソフトの設定を変更することで改善する場合があります。音声が出力されない、キャプチャーできないときなどもこのあたりの設定を変更してください。
OBSでチェックする項目としては、①音声ミキサーのプロパティ②オーディオの詳細プロパティ③キャプチャー設定の音声プロパティーなどを確認します。
①音声ミキサーのウインドウから、該当する音声ミキサーの設定アイコン(歯車マーク)をクリックするとプロパティを設定できます。ここで、デバイスのタイムスタンプを使用チェックをオンオフすることで遅延が改善する場合があります。
②上記で改善されない場合は、オーディオの詳細プロパティを開き、同期オフセットの数値を上げ下げすることで、音声を前後に微調整することができます。
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