双眼鏡スタイルの望遠暗視スコープNV016レビューの第二弾です。前回は旭川の河原で基本的な撮影機能を中心にざっくりとテストしましたが、このカメラはいろんな場面で使えそうだということで、今回は撮影場所を広めの公園に移します。フルカラー暗視撮影と赤外線ナイトビジョン撮影に対応したNV016のデジタルズームやナイトビジョン機能などを詳しく見ていきます。
さらに、光学2倍テレコンを装着しての超望遠ズーム撮影、真っ暗闇の公園や駐車している車内など、実際の撮影シーンを想定してのテスト撮影にもチャレンジしてみます。1万円暗視カメラの性能でどのような映像が撮れるのか。最後までお楽しみください。
※記事内動画はYouTubeで視聴できます。
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[使用した商品]
Panasonic 2倍テレコン DMW-GTC1(※終売品)
【曇りの日】
今回は望遠性能を検証するために、敷地の広い岡山県総合グラウンドに場所を移しての撮影です。この日はあいにくの曇り空でしたが、そのあたりがどの程度画質に影響するのでしょうか。写真撮影からスタートです。まずは等倍250mm相当です。撮影地点から看板までの距離は約120mです。
なんとなくシャープさに欠けるボヤっとした画像です。シャッタースピードは1/2724、感度はISO100なので、光量不足というわけでも無さそうです。晴天時の画像と比べるとイマイチかな。解像感は高いけど、全体的にノイズが乗っているような印象です。
デジタル5倍ズームです。デジタルズームですが、このあたりまでは劣化も少なく、常用できるぐらいきれいに撮影できます。
デジタル10倍ズームです。10倍になるとかなりザラつきが目立ちますね。石碑の津島遺跡という文字は判読できますが、看板の文字は読めません。
続いて動画を見てみましょう。1080Pで撮影してみました。まずは1倍です。
続いて5倍です。
10倍になるとかなりノイズが増えます。
ズーム画面を動画で撮影してみました。1倍から10倍まで倍率を上げるのに約10秒程度要します。動作はかなりモッサリです。
4Kでも撮影してみました。1080Pと比べると解像感は高くなっています。1080Pで撮影したからといって画質が向上するとかは無さそうです。
【ナイトビジョンモード】
NV016は昼間でもナイトビジョン撮影ができます。
2種類のモードがあって、カラーナイトビジョンでは、カラー画像をそのまま使用するため若干色情報が残っています。
モノクロナイトビジョンでは、画像は白黒になります。画質に大きな違いはありません。
【2倍テレコン】
もう少し光学倍率が欲しいぞということでテレコンを取り付けることにしました。装着するのはパナソニックのマイクロフォーサーズレンズ用光学2倍テレコンDMW-GTC1で、レンズ前面に着けるタイプです。35mm換算で250mm相当のNV016に装着するとことで500mm相当の光学倍率になります。デジタルズームと合わせれば最大5000mm相当の画角が得られます。
NV016のレンズ筒はフィルターネジが切っていないので、フィルターアダプターをはめ込む改造を施します。サイズ的に40.5mmだと収まらないけど、37mmだと少しルーズな感じです。
手元にあった37-17ステップアップリングを取り付けることにしました。アダプターの周りに両面テープを巻いてサイズを調整しました。
テレコンを装着してみました。軽量でフィルターアダプターに取り付けても問題なく使用できます。
同じ場所でテレコンを取り付けて撮影です。500mm相当です。
デジタル5倍で2500mm相当まで寄れます。これぐらいズームできると便利です。コンパクトなテレコンの割に写りが良いのでおすすめです。
【WEBカメラ機能】
NV016はUVC(USB Video Class)規格に対応しているので、USB CケーブルでWindows PCやAndroidスマホに接続するとWEBカメラとして認識されます。
タブレットに接続することで外部モニターとして利用できそうなので試してみました。OTGアダプター経由でスマホに接続し(※直接繋げても認識されません)、USB Cameraというアプリを起動するとNV016が外部カメラとして認識されました。
スマホからのカメラ操作はできませんが、フルHDモニターとして使えるためNV016のモニターやWiFiアプリと比べると画質がきれいで画面が大きいので、ピント合わせが容易になります。1mぐらいのケーブルなら問題なく使えるのでリモート視聴にも使えそうです。
録画はタブレットのストレージにMP4形式で録画されます。難点は、USBケーブルを繋ぐとPC Cameraモードに切り替わってカメラ本体を操作できなくなる点ですね。デジタルズームや設定変更などもできません。ナイトビジョンモードで使うなら、一旦ナイトビジョンカメラモードに切り替えてからケーブルを繋ぐ必要があります。
【暗視撮影】
暗視撮影機能も見ていきましょう。ビル屋上からです。まずは比較用にSONYハンディカムHDR-AX55で撮影してみました。通常モードです。街灯や部屋の明かりは映っていますが、建物は薄っすら見えるかな程度です。
ナイトショットモードに切り替えると多少明るくなりますが、色情報は失われます。
それではNV016の通常撮影モード(ナイトビジョンオフ)です。センサーは感度耐性が高いので、わずかな光源があればそのまま撮影してもフルカラーで撮影することができます。
ハンディカムと比べると、かなり明るくなりました。色情報も残っているので、昼間ほどではありませんがカラー感は出ています。
自動露出のため、部屋の中などは白飛びして映りません。
モノクロナイトビジョンモードに切り替えると、画面は白黒になりますが、赤外線LEDが照射されるのでカラーモードより鮮明に表示されます。
搭載されている赤外線LEDの波長は850nmです。レベル1では肉眼で見ると発光部がほんのり赤く光る程度です。光量を上げるとそれなりに明るくなるので、遠くから見ても赤く光っているのがわかります。
赤外線ポインターをオンにすると中央に赤い点が表示されます。ピント合わせに便利ですが、照射されたレーザー光は撮影対象に当たると赤く光ります。レーザー光は300mぐらい先なら問題なく照射できます。
場所を移して、再び岡山県総合グラウンドです。公園内でも特に照明の少ない芝生広場で撮影です。夜8時頃で曇り空のため月明かりも無く、街灯がわずかに差し込む程度です。スマホカメラで撮影するとこんな感じです。
かなり暗い場所ですが、カラーモードで撮影するとテーブルとベンチがはっきり見えますね。
NV016の画面を写すとこのように見えます。暗視性能の高さが伝わるでしょうか。
ナイトビジョンモードは赤外線光が照射されるためカラーモードより輪郭もはっきり出て、鮮明に写すことができます。
スマホRaptorのナイトビジョンカメラで撮影すると、NV016から赤外線が照射されているのがよくわかります。肉眼ではまったく見えません。赤外線は一番弱いレベル1でも100m先まで余裕で照らしています。
30mほど離れた林の中のベンチを映してみました。街灯も当たらず、真っ暗なのでカラーモードではほとんど映りません。
ナイトビジョンモードに切り替えると、赤外線光が照射され真っ暗闇でもはっきりと写ります。
50m離れたベンチに人が座っていたので撮影してみました。
カラーモードから。
ナイトビジョンに切り替えて。
5倍までズームしていきます。メガネと短パン裾の反射材に赤外線が反射しています。
10倍になるとかなり粗い画像になります。
駐車場に停まっている車も撮影してみました。距離は50m離れています。大通りに近く、街灯もあるのでカラーモードできれいに写ります。
【まとめ】
ということで、まとめです。今回は広い公園で望遠撮影と暗視撮影をテストしてみました。曇り空で暗めの環境とはいえ、やはり日中の撮影は画質がいまいちですね。1300万画素のセンサーから4倍の5200万画素を読み出しているようで、光量の有無に関わらずデジタルズームぽい粗い画質になるみたいです。
パナソニックのテレコンについてはいい感じで使えます。光学2倍で500mm相当の撮影ができ、デジタルズームより画質が良くなります。サイズ的にもNV016にピッタリでおすすめです。
夜間撮影機能はかなり役に立ちそうですね。街灯などある程度の明かるさがある場所なら、フルカラーで撮影できますし、光源のない真っ暗闇でもナイトビジョンモードに切り替えて赤外線を照射することでクリアな映像を撮影できます。1万円とは思えない暗視性能です。いろんな場面で役に立ちそうです。
次回は、NV016のナイトビジョン撮影機能を使って、IRフィルターを装着しての赤外線透け透け撮影にチャレンジしてみます。いったいどれぐらい透け透け効果を得られるのかお楽しみください。動画アップ時に通知がいくのでチャンネル登録いただけるとうれしいです。
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