ヒメウズラの卵を孵化させたいけれど、①温度は何度が正解?②湿度はどれくらい必要?③孵化率はどのくらい?④途中で死んでしまう原因は?と不安になりますよね。
本記事では、ヒメウズラ・並ウズラ(日本ウズラ)の孵化方法を、温度管理・湿度管理・転卵・検卵・孵化直前の管理まで詳しく解説します。初心者でも孵化率を高められる実践的な内容です。
ウズラの卵を孵化させるための自動孵化器(孵卵器、インキュベーター)を購入したのでレビューします。ついでにウズラの卵の孵化から成鳥になるまでの育て方もまとめておきましょう。ウズラの孵化、飼育を検討している方は、はじめにこちらの「知っておきたいこと」にも目を通してください。
ヒメウズラの孵化に必要な準備
スーパーのウズラ卵
ちなみに、スーパーで販売しているウズラの卵(食用)は無精卵なので温めてもまず孵りません。とはいえ、たまに有精卵も紛れているようで、20個に1個ぐらいの確率でヒナが孵ることがあるようです。ただ、流通時の貯卵状態がよくない卵は孵化率や生存率が悪く、開脚障害のような障害を持った子が生まれる可能性も高くなるので、しかるべきルートで有精卵を入手することをオススメします。ヒメウズラと並ウズラの違い
卵を孵化器に入れる前に
卵が届いたら、すぐには孵化器に入れず、12〜24時間ほど冷暗所に定置しておきます。これは運搬中の振動で混ざった卵の中の空気が落ち着くようにさせるためです。保管する際は、冷暗所で、卵の尖ったほうを下に、鈍端部(尖っていない丸いほう)を上に向けます。種卵の温度管理が重要です
有精卵は、37〜38度前後の環境で適切に転卵されることで孵化が開始します。特に春先から夏場にかけては種卵の温度管理に注意しましょう。通販で卵を購入する際は、輸送時に車内で卵が高温にさらされないようクール便で配送してくれる業者・出品者を選ぶことをおすすめします。種卵の扱いが雑な販売者は暑さ対策なしで卵を発送するのでご注意ください。このような種卵はせっかく孵化させても全滅することが多いです。種卵の消毒は必要?
自動孵化器を準備します
入手した自動孵化器(オートマティック インキュベーター)は中国メーカーの製品で、鶏卵(にわとりのたまご)が32個セットできます。全自動の転卵機能がついたもので、卵を置く場所には検卵用のLEDライトもセットされています。Aliexpressで見つけたもので、送料込で13,000円。DHL発送で注文から1週間もしないうちに届きました。底面ヒータータイプの特徴
この手の自動孵化器は機器類の設置箇所の違いで大きく2タイプに分かれます。今回購入したのはヒーター類が底面に設置してあるタイプ(写真上)で、蓋をした状態でも卵の状態が確認できるところがメリットです。
上部ヒータータイプの特徴

小型孵化器はコスパがイマイチ
孵化には転卵が必要
自動孵化器の最大の特徴は、面倒な転卵作業を機械が自動でやってくれる点です。転卵とは、ざっくりとした説明ですが、卵の中の胚の代謝を促進したり、ヒナが殻に癒着するのを防いだりするために定期的に卵を動かす作業のことです。自然孵化では親鳥がコロコロと卵を動かし転卵しますが、人工孵化では数時間おきに人間もしくは機械が卵を回転させます。回数が多いほうが孵化率が上がるので、ウズラ農場では1時間に1回転卵をしています。
転卵の角度は90度程度が目安とされており、自動孵化器では卵を載せたバケットが2時間おきにモーターで左右に45度ずつ振れ、計90度動きます。
ウズラがヒナになるまで
ついでに卵がヒナになる仕組みについてもざっくり説明しておきます。ウズラになるのは有精卵の卵黄表面にある胚(胚盤)の部分です。卵黄(黄身)にはヒナが成長するために必要な栄養が詰まっています。一方、卵白(白身)には、ヒナが成長するのに必要な水分補給と、外部からの雑菌の侵入を防ぐ防御層の役割があります。ちなみに、卵の中にあるカラザと呼ばれる白い紐は、卵黄を卵の中央に固定する役割を果たします。※「たまご博物館」の鶏胚の成長ページでは卵の中でヒナが成長している過程が見れます。
電気アンカで孵化させるには
孵化は環境さえ整えれば専用の孵化器を使わなくてもできます。電気アンカやヒヨコ電球をダンボール箱の中に入れ、温度を制御するサーモスタットという機器を使って38度の温度をキープします。加湿用の水入れを置いて60%程度の湿度をキープし、あとは定期的に転卵を手作業でおこないます。加温装置はヒヨコ電球が温度制御がしやすくオススメです。電気ヒーター系の装置はサーモスタットがスイッチをオフにしてもしばらくは加温が続きますし、オンになったときも暖まるまでタイムラグが生じ温度の管理が難しいです。
転卵はどれくらいのペースで?
転卵はこまめにするほど孵化率が上がります。特に孵化開始から最初の1週間の転卵は重要なのでこまめにしてください。転卵は入卵1週目は4時間に1回程度のペースで、残りは6時間に1回程度しておけば問題ないようです。並ウズラを手作業で孵化させたことがありますが、6時間に1回程度のアバウトな転卵で孵化率は30〜40%程度でした。手作業で孵化させるときのポイントとしては、転卵をこまめかつ丁寧にすることです。急激に卵を動かしたり、転卵角度が大きすぎると中止卵になりやすいようです。癒着は卵の中のヒナの位置が少しでも動けば防げます。冬場は卵の温度が下がりやすいので素早く作業してください。
ウズラの孵化に適した温度と湿度
孵化時の温度・湿度の管理
温度・湿度はヒナの孵化率などに大きく影響を与えるので、孵化中は適正に管理するように努めてください。孵化器内での温度・湿度の大きな変動は開脚障害や消化器系の病気を引き起こしたり、ウズラの寿命を縮めるなど重大な影響が出てきます。高温には注意を!
胚(ヒナになる部分)はある程度の時間の温度低下には抵抗性がありますが、短時間でも温度上昇(ヒートストレス)が起こると発育異常、胎児姿勢異常を引き起こすことがあり、致命的になることもあります。39.4度以上になると孵化率とヒナ質に有害で、40度を超えると短時間でも致命的になる可能性があります。より正確な温度管理をするためには、赤外線温度計(2,500円程度で入手できます)で卵殻表面の温度を計測するのが有効です。換気も忘れないように
自動孵化器の使い方と設定方法
自動孵化器の構造
自動孵化器の説明に戻ります。仕組みは簡単です。底面には湿度計とヒーター、ファン、転卵用のモーターが、側面には温度センサーがセットされています。温・湿度計に連動してヒーターとファンが動作し、ケージ内の温度と湿度を一定の状態に保ちます。転卵は2時間おきにモーターが作動し卵の位置が変わる仕組みになっています。液晶画面(インジケーター)には、庫内の温度、湿度と転卵(2時間)のカウンター、経過日数が表示されます。ヒーター動作中は温度計マークが、ファン動作中はファンマークが表示されます。
温度の設定方法
温度設定はセットボタンを1回押して上下ボタンで選択します。初期設定は38.0度になっています。設定温度は37~38度がよいとされています。どの温度が最適かは書籍やウェブサイトによって様々ですが、愛知県の出しているうずら農家向けの飼育マニュアルでは37.8度を推奨しています。キャリブレーション
卵の設置場所(バケット)にデジタル温度計を設置し、正確な温度を測定し、インキュベーターの設定温度と誤差が生じている場合は、各種設定からキャリブレーション調整してください。各種設定はセットボタンの3秒長押し&短押しで選択・変更できます。
湿度の調整方法
湿度調整については、本体下部の水路(カナル、プラスチックの壁で囲まれた細い溝の箇所)にファンの風が当たることで水が気化され湿度を上昇させます。庫内の湿度が45%を下回ると警告音が鳴るので、警告音が鳴ったらすぐに水を補充してください。冬場は湿度が下がりやすい
霧吹き厳禁です
なお、卵に霧吹きなどで直接水をかけないようにしてください。卵の殻の表面に水滴が付着すると、卵の中に十分な酸素が供給されなくなり、最悪の場合は中止卵になってしまいます。冬場は、冷たい場所に置くと、結露が起きて水滴が卵に付く可能性もあるので要注意です。湿度が上がらないときはキッチンペーパーに水を含ませて置くとよいです。種卵を孵化器にセットします
温度変化の少ない場所で
それでは実際に孵化器に卵をセットしてみます。孵化器は温度変化の少ない風通しの良い場所に設置します。直射日光の当たる場所は特に春〜夏場に温度が40度以上になる可能性があるので避けましょう。また、エアコンを使う部屋に設置すると湿度が十分に上がらない可能性があります。洗面所やトイレなど一日を通して温度湿度の変化が少ない場所に設置するのがおすすめです。種卵投入の前日に孵化器をセット
使い方は簡単です。底部の給水タンク(水路・カナル)に水を補充し、電源を入れて、温度をセットした上で、卵を載せてリセットボタンを押せばスタートです。スイッチ入れてすぐは庫内の温度が安定しないので、卵を入れる24時間ぐらい前から孵化器を動作させておくとよいでしょう。種卵を冷蔵庫から直接入れない
卵を冷蔵庫で保管していた場合は、いきなり孵化器に入れず、常温で数時間おいてから入れてください。特に夏場など湿度の高い季節は冷蔵庫から出したときに結露で卵が濡れることがあるので注意してください。濡れた卵は殻が空気を通さなくなるので、ペーパータオルなどで湿気を拭いてからセットしてください。入卵時、後述のとおり検卵をしておくと、不良卵を外すことができます。ウズラ用にカゴのサイズ調整を
孵化器は鶏卵用なので、ウズラの卵を設置するときは脱脂綿やアルミホイルなどですきまを埋めて、転卵で卵がすべったり、転がったりしないように固定しておきます。卵の向きは気室のある丸いほうを上向きにするのが理想的です。フタの開け閉めは最低限に
一度卵をセットしたらそのまま放置で、あとは2日おき(湿度の低い場合は毎日)ぐらいのペースで加湿用の水を補充します。水切れになると湿度が低下して警告ブザーが鳴ります。給水は横の給水口(穴)からもできます。フタを開ける必要がないので、庫内の温湿度が安定した状態で孵化させることができます。フタを開けると庫内の温度が急激に下がるので、孵化中はフタの開け閉めは控えましょう。16日目から生まれる可能性が
孵化器のリセットボタンを押すとインジケータには孵化開始から経過した日数が表示されます。通常は17日でヒナが生まれますが、温度設定が高いと16日で生まれたり、低いと18~19日で生まれたりと変化します。温度を低め(36.5度)に設定するとメスが多く生まれるという説もあるようです。検卵のやり方と注意点
検卵は、入卵前に目視では確認できない卵殻のヒビや不良の有無などを確認するために行います。孵化中の検卵は基本的には必要ありません。卵の中にいるヒナの生育状況を確認したい場合は安定期の7日目あたりで1回だけ検卵してください。自動孵化器に付属のLEDライトは鶏卵(ニワトリ)用でウズラでは確認が難しいので、LEDペンライトやエッグキャンドラーのような専用ライトの上に卵を載せて中を確認します。スマホのLEDライトも使えます。7日目の検卵で確認する箇所
7日目の検卵では、有精卵で孵化を始めているか、空気の溜まりである気室のサイズが適切かどうかなどを確認します。検卵で光を通す卵は、孵化が始まっていない無精卵もしくは孵化開始直後に問題が生じた透明卵なので孵化器から外します。孵化が進むと、卵の中の水分は徐々に卵の外に排出されていきます。合わせて卵重も徐々に減っていき、孵化中に12〜14%減少します。検卵時、気室のサイズや卵重を測定することで、順調に孵化が進んでいるかを確認できます。
中止卵の見極め方
気室が十分に大きくなっていなかったり、卵重の減少ペースが悪い卵については、ヒナが卵の中から出るときに必要な酸素が確保できず、中止卵になる可能性があります。その場合は、湿度を下げるなどの調整が必要になります。逆の場合は水分が出すぎて脱水を引き起こす可能性があるので湿度を上げます。なお、ウズラの卵は小さく冷えやすいので、検卵は必要最小限にしてください(基本的には検卵は必要ありません)。並ウズラの卵を孵化器の外に出したときに冷える速度を測定したところ、気温28度の環境では、孵化器内で37.5度あった卵が5分で34.5度まで低下、10分後32.5度に、そして25分後には30度を割り込みました。
7日を過ぎたら卵には触らない
孵化中、特に卵の中でヒナの形ができてくる後期に卵を動かしたり、温度・湿度が変わることは死ごもりや、開脚障害(Spraddle legs)のような障害を引き起こす原因になります。ヒナの形ができてクチバシや脚が形成されるとちょっとしたショックで卵黄嚢(らんおうのう、ヨークサック)と呼ばれる袋が傷つきます。検卵は入卵前を除いて基本的には行わないほうがよいでしょう。孵化14日目からの作業
14日目で転卵を中止
ウズラは通常、孵化開始から17日程度で殻を割って出てきます。クチバシで卵の殻を破る嘴打ち(はしうち)が始まる頃には、卵の中のヒナは肺呼吸に切り替わっています。この時期に転卵をして卵の位置が動くと中のヒナの体勢が変わって窒息する可能性があるので、14日目に入ると転卵は中止します。作業は温度の変化に注意し、暖かい日中もしくは暖房の効いた部屋でおこないます。卵の尖った側を下向きに
転卵ケージを外し、孵化器底面に卵の尖った側を下にして卵を置きます。ヒナは鈍端側に頭を向けて嘴打ちをするので、卵の尖った側を上に向けると卵の中でヒナが逆立ちした状態になるので注意してください。殻破りしやすいよう湿度を上げる
庫内の温度を少し下げる
床面にキッチンペーパーを敷く
生まれたヒナは孵化器内を歩き回りますから、隙間からヒナが下に落ちないように孵化器内のあらゆる隙間をキッチンペーパー等で塞いでおきます。床面にもキッチンペーパーを敷いておきましょう。下に落ちると最悪、水路にはまって溺死する可能性があるのでこの作業は忘れないようにしてください。14日目からが特に重要
ここから孵化までの3日間が中止卵が発生しやすく、ヒナにとって一番大事な時期です。ここで温度が上昇、下降したり、動かしてショックを与えるとかなりの確率で中止卵になるので、3日間は孵化器のフタの開け閉めを極力控えましょう。安易に触ると死ごもりの原因に
特に孵化直前に卵の位置を動かすと、ヒナの体勢が変わり呼吸ができなくなるなどで死ごもりになる可能性が高いです。孵化の様子を見ようと頻繁にフタの開け閉めを繰り返したり、触ったりは絶対しないように気をつけてください。【ヒナ誕生】
ヒナは温めはじめてからほぼ17日で卵から出てきます。頭を鋭端側に向けた姿勢で卵の中にいるヒナは、まず頭の向きを鈍端側に変え、クチバシの先にある卵歯で内殻膜を破ることで気室の中の空気に接し、肺呼吸ができるようになります。その後、外殻膜と殻を破って卵の外に出てきます。
嘴打ち(はしうち)がはじまる
通常は気室のある鈍端部(丸いほう)から中央あたりにヒビが入り、穴が一周回るとフタを外すようにしてヒナが中から出てきます。ヒナが出てくるのは、個体差もあるので早ければ14日、遅いと20日を超えることもあります。今回は一番早い子で15日目には卵の中からピヨピヨと鳴き声が聞こえ、16日目にクチバシで卵の殻を破って誕生しました。遅い個体は20日目に
17日目になると9割のヒナがクチバシで卵の殻を破って次々と誕生します。18日目までには中止卵を除くほとんどのヒナが卵から出てきました。孵卵開始から20日経過したのでもう生まれないかなと思っていたところ、先に生まれたヒナたちの鳴き声に応えるかのように卵の中からピヨピヨと力強い鳴き声が聞こえ、1匹だけ20日目に遅れて出てきました。育雛箱へ移す
生まれたばかりのヒナは体が濡れています。この状態でヒナを触ると臍帯部(お尻の穴)から大腸菌等が入る危険性があります。卵から出てもすぐに孵化器から取り出さず、羽根が乾くまでは孵化器の中に放置しておきます。この時、出てきたヒナが他の卵を動かさないようヒナ専用のスペースを仕切って作っておくとよいです。安定するまでは孵化器の中で
ヒナは孵化直後は卵黄の栄養で1〜2日程度は生きられるため、すぐに給餌しなくても問題ありません。羽が乾いてヒナの状態が落ち着くのを待って、育雛箱(いくすうばこ、ヒナから成長になるまでを温度管理して育てる箱)に移してやります。1匹ずつ取り出すとそのたびに孵化器内の温度、湿度が低下して他の卵に悪影響を与えるので、1日数回に分けてまとめて取り出すようにしてください。育雛箱の準備は早めに
孵化時のトラブル
出てこれないヒナへの対応
中には卵にヒビが入ったのに出てこれない個体も発生します。原因は、卵の中のヒナの体勢が悪いことで起こる胎児姿勢異常や発育不良、卵殻への癒着などが考えられます。入卵から17日経過し、嘴打ち(はしうち)がはじまって殻が割れてきたのに途中で止まるなど、様子を見ていて出てこれないと判断したら早めに介助したほうがいいです。嘴打ちから12時間が介助の目安
通常、嘴打ちは初めに1箇所にヒビが入った後、しばらく止まり、その後数時間経過したら再開し、一気に殻を破ってヒナが外に出てきます。介助の目安としては、外卵殻膜(殻の内側の薄い膜)が乾燥してきた段階、もしくは卵の殻の大半が割れたのに中からヒナが出てこないとき、嘴打ちがはじまって12時間経過しても変化が起きないときが目安になります。少し割って様子を見る
介助したヒナは隔離を
介助して出てきたヒナは体力が落ちて弱った個体が多いです。元気なヒナは弱ったヒナを突いたりするので、他のヒナとは別の場所もしくは仕切ったスペースで管理したほうがよいです。孵化器を止めるタイミング
孵化器に入れたすべての卵が孵ることはまずありませんから、どこかの時点で孵化器の運転を中止します。私の場合は、20日が経過した時点で卵に動きがなければ孵化器の電源を落とします。これは、黄身に含まれている栄養は17日+3日分あると考えて、20日を過ぎても出てこれない子は栄養不足で生きていないという判断です。ただ、ネットを調べたところでは22日目で生まれてきた事例もあるようです。生体反応があれば介助を
なお、孵化中止を決めた時点で卵の中からヒナの鳴き声が聞こえるなどの生体反応があれば、殻を割って中から出してやります。ヒナの体に卵の殻が癒着している場合は、ピンセットを使って丁寧に殻を剥がします。ヒナの体温が下がらないよう作業は温かい場所でおこないます。自力で卵の殻を破れない個体は生存率が低い個体なので、あまり期待はしないように。ウズラの卵の孵化率はどのくらいか
3分の1は無精卵
今回、生まれてこなかった卵(中止卵)を確認したところ、購入したヒメウズラの卵30個のうち、9個は無精卵だったのか黄身のままの卵でした。これはちょっと残念な結果です。20個購入で10個オマケということだったので、だいたい3分の1ぐらい無精卵が混じっているようです。有精卵の孵化率は8割くらい
そして、残り21個の卵については、18匹のヒナが生まれ、3個が中止卵でした。自動孵化器としては8割以上の孵化率(無精卵を除く)だったので、中止卵の多かった手動孵化よりは随分と孵化率は上がりました。孵化したヒナのうちペローシスは1体だけでした。3日遅れで生まれてきた子で、胃腸にも障害があったようで自力排便できず、看病の甲斐なく3日で亡くなりました。介助したヒナでも元気に
余談ですが、今回、殻に穴が開いたものの穴が小さく中から出てこれない個体が一体だけいました。その子は、気室側(丸いほう)からカッターナイフで殻を割って中から出してやりました。現在も元気に育っています。孵化中止卵の確認
孵化しなかった卵は、殻を割って中身を確認することでどのような理由で孵化しなかったかをある程度推測することができます。ヒナが生まれた卵の殻のフタの大きさを見れば、孵化中の湿度が適正だったか否かの判定が可能です。フタ(キャップ)のサイズが小さいと気室のスペースが小さく湿度が高すぎたことを示し、半分あたりで卵が割れているときは水分が蒸発しすぎているので、湿度が不足していたと考えられます。孵化失敗の原因として考えられるもの
孵化が上手くいかないときの原因について考えられるものを挙げておきます。無精卵 有精卵として販売されているものでも、交配がうまくいかなかったなどの理由で2〜3割は無精卵が混入します。
初期死亡 採卵、輸送、貯卵時の管理不足や、長期貯卵、不適切な貯卵コンディション、栄養素の欠乏、細菌汚染などが原因として考えられます。輸送・保管時の高温がもっとも可能性として高いです。
中期死亡 この時期の死亡はほとんど起こりません。急激な温度・湿度の変化、結露による酸欠などで中止卵になることがあります。
後期死亡 不適切な温度・湿度、ヒートショック、転卵回数・角度の不備、移卵時のダメージ、卵内の水分不足・過剰などです。後期は、初期の次に死亡率が高いです。
孵化時死亡 低湿度、高温、換気不足、不適切な転卵・種卵セット、移卵時のダメージなどが原因です。
奇形 ヒートショック、温度・湿度管理の不備、親鳥の栄養不足などで発生します。ヒナ飼育編に続く。
孵化を成功させるTips!
温度は「設定温度」ではなく「卵の高さ温度」を測る
多くの失敗はここです。孵化器の表示温度が37.8℃でも、卵の位置では36.9℃しかないことがあります。必ず卵と同じ高さに温度計を設置し、外部温度計で実測値と表示値との差を確認し、キャリブレーション機能で調整しましょう。これだけで孵化率が大きく改善します。
孵化率が急に落ちる本当の原因
1. 輸送ダメージ
一番多いのが輸送時も問題です。夏場はクール便など温度対策がされていますが、春や秋でも天気の良い日は車内温度がかなり上がるため高温で種卵にダメージを与える可能性があります。また、配送業者の扱いが悪いと衝撃で種卵内部が損傷している場合があります。外見では判断できません。到着後は12〜24時間休ませる。尖った側を下にして安定保管が基本です。
2. ロックダウン期に開けすぎる
ヒナが殻を破る直前は内部湿度が重要です。この時期にフタを開けると内部膜が乾燥し、殻にヒナの体が貼り付き出られず死亡という事故が起きます。孵化直前は庫内の湿度を上げて、孵化が始まったら我慢が最強です。
3.春先に孵化させる
冬場は空気が乾燥しており、特にエアコンを効かせた室内では湿度管理が難しいです。湿度と温度の安定した春先から初夏にかけてが一番負荷率が高いです。秋口は温度が低下するので、生まれた後のヒナの飼育が難しくなるのでご注意ください。
4.ウズラ孵化で奇形が出る主な原因
奇形は、高温暴露、急激な温度変化、極端な湿度不足で発生率が上がります。特に40℃近くに一時的でも達するとリスクが高まります。直射日光が当たる場所での孵化は避けて、洗面所など温度・湿度の安定した場所での孵化がおすすめです。
ウズラの卵孵化のまとめ
長くなりましたが、自動孵化器を使ったウズラの孵化はこんな流れです。使い方が簡単で値段も手頃なので、初心者でも簡単にウズラの卵を孵化できます。今回、30個の卵を孵化させてみましたが孵化率は80%オーバー(無精卵を除く)で、以前に日本ウズラを手作業で転卵、孵化させたときよりかなりよくなりました。何より面倒な転卵作業を2時間おきに自動でやってくれるのがいいですね。生まれてきたヒナも順調に育っており、2匹が星になりましたが、それ以外は1ヶ月経過した現在も元気です。生後生存率も手動孵化に比べると高い成績を残しています。今回使用した自動孵化器の評価は文句なしの星5つ。
動作音については、昔使ったことがあるフタの裏にヒーターとファンがついているタイプのインキュベーター(Wei Qian社製)はけっこうファン回転音が大きくうるさかったですが、今回購入した底面タイプは静かで、動作音はほとんど気になりません。寝室に置いても大丈夫なレベル。
難点を挙げるとすれば、本文中でも触れましたが、底面にファンやヒーター、湿度計、加湿用タンクが設置してあり、そこに卵の殻やヒナの糞が落ちるのが気になりますね。キッチンペーパー敷いておけば特に問題ないですが、落ちた殻を掃除するときはプラスドライバーでネットを外してという感じでけっこう大変です。ファンなどがフタ裏に設置してあるタイプのほうがメンテナンスはラクだと思います。
なお、Amazonで「温度が正しく測れていない」といったレビューがありましたが、運転開始時は庫内の温度が均一になっていないため温度ムラが出て、正確に温度が出ていないような感じがしますが、1時間ほど運転続けると庫内の温度が安定します。庫内に温度計を設置して温度差を測定してみましたが、インジケーターに表示されている値と温度計の値は同じ値を示していたので、特に問題はないように思います。また、実際の値と誤差があるようなら、設定→CA→キャリブレーション調整で、表示温度と実際の温度と差を調整できます。
◯心構え編
◯孵化編
◯ヒナ飼育編
◯エサ編
◯エサ編(ウソホント)
〇グッズ編
◯いろいろ編
◯1ヶ月経過編
◯2ヶ月経過編
■ 参考文献:
- Hatching & Brooding Your Own Chicks: Chickens, Turkeys, Ducks, Geese, Guinea Fowl (English Edition) / Gail Damerow (著)
- Domestic Quail Keeping : A Comprehensive Beginners Guide for Raising Urban Quail (English Edition) / David Josephson (著)
- Storey's Guide to Raising Chickens, 4th Edition: Breed Selection, Facilities, Feeding, Health Care, Managing Layers & Meat Birds / Gail Damerow (著)
- 【飼養衛生管理基準ガイドブック】鶏その他家きん編
よくある質問(FAQ)
Q1. ウズラの孵化に最適な温度は何度ですか?
一般的に37.5〜38.0℃が適温です。39℃を超えると奇形や早期死亡のリスクが高まり、36℃台では発育が遅れます。温度は安定させることが最も重要です。
Q2. 孵化までの日数は何日ですか?
ヒメウズラは約16〜17日、並ウズラは約17〜18日が目安です。温度が低いと1日ほど遅れることがあります。
Q3. 湿度はどれくらい必要ですか?
通常は50〜60%が目安です。孵化直前(転卵を止める期間)は65〜70%程度まで上げると殻内乾燥を防げます。
Q4. 自動孵化器は必要ですか?
手動でも可能ですが、転卵を1日3〜5回行う必要があります。自動転卵機能付きの孵化器を使うと孵化率が安定します。
Q5. 転卵はいつまで行いますか?
孵化予定日の2〜3日前まで行います。それ以降は転卵を止め、湿度をやや高めにして孵化に備えます。
Q6. 検卵はいつ行えばいいですか?
7日目前後に1回目、その後10〜12日目に確認すると発育状況が分かりやすいです。血管が見えない場合は無精卵の可能性があります。
Q7. 有精卵はどこで入手できますか?
フリマサイトや通販で販売されていることがありますが、輸送ダメージで孵化率が下がる場合があります。できれば近隣ブリーダーからの直接購入が理想です。
Q8. 卵は何日以内に孵化器に入れるべきですか?
産卵から7日以内が理想です。保管する場合は15℃前後で尖った方を下にして保存します。
Q9. 孵化率はどれくらいですか?
条件が整っていれば60〜80%程度が目安です。輸送卵や温度変動があると30%以下になることもあります。
Q10. 孵化が始まったら手助けした方がいいですか?
基本的には触らないのが原則です。殻を無理に割ると出血や死亡の原因になります。24時間以上進展がない場合のみ慎重に判断します。
Q11. 孵化後すぐに餌は必要ですか?
孵化後24時間程度は卵黄の栄養で生きられます。その後はウズラ用初生ヒナ用フードと浅い給水器を用意します。
Q12. 停電した場合はどうなりますか?
1〜2時間程度であればすぐに致命的になることは少ないですが、保温対策(毛布など)で急激な温度低下を防ぎます。
Q13. 温度計の表示が孵化器と違うのはなぜですか?
内蔵センサーと外部温度計の誤差があるためです。実際に卵の高さに温度計を設置して確認するのが理想です。
Q14. 孵化器を開けるのは何分まで大丈夫?
通常期は短時間(1〜2分)なら問題ありません。ただし孵化直前は湿度低下を防ぐため極力開けないようにします。
Q15. 孵化しない卵はどうすればいいですか?
21日以上経過しても動きがない場合は孵化失敗の可能性が高いです。処分前に必ず検卵で確認しましょう。

























