【レビュー】S922X搭載Android STB「GT-KING」を買ってみた


Amlogicの最新SoC S922Xを搭載したAndroidセットトップボックス(STB)、「Beelink GT-KING」が発売されていたので買ってみました。さっそくレビューします。


商品概要
商品は、Beelink社製のAndroid STB(セットトップボックス)です。Amlogicの最新SoC S922Xを搭載しているのが最大の特徴。メモリ4GB、ストレージ64GBと、Android STBとしては充実したハードウェア構成です。OSはノーマルAndroid 9.0。AliExpressでの購入で、価格は11,208円+送料1,254円(DHL発送)でした。



Amlogic S922Xとは
スマホ向けのSoCとしては、クアルコム(SnapDragon)やサムソン(Exynos)、ハイシリコン(HUAWEI Kirin)が有名ですが、Amlogicは、Mediatekなどとともに低〜中価格帯のスマホやSTBに多く採用されているSoCです。

ちなみに、「SoC」はSystem on a Chipの略で、まあ簡単にいえばパソコンでいうところのCPUとメモリを実装したマザーボードみたいなもの。

S922Xは昨年発表された最新のSoCで、CPUにARM設計の「4つのCortex-A73コア」と「2つのCortex-A53コア」との計6コア(ヘキサコア)構成です。グラフィックには強力なMali-G52 MP4 GPUを使用します。SnapDragon 855などスマホの上位機種に搭載されているSoCには敵いませんが、Android STBで主流の4コアA-53のSoCと比べるとずいぶん性能は向上しています。


ROCKCHIPの最新SoC、RK3399との比較はこんな感じです。ハードデコード、エンコードの性能などS922Xが優れているのがわかります。



開封してみた
商品は深センからの発送で、7月16日の夜8時に注文して、17日発送、22日昼に到着です。さすがDHLは早いですね。


ということでさっそく開封です。同梱品は、本体のほかACアダプター、HDMIケーブル(1m)、リモコン、説明書。説明書はいちおう日本語もありますが、インターフェイスの解説なので、あまり意味なし。


リモコンは音声操作対応のボイスリモコンになっています。Googleアシスタントなどに使えます。電池ボックスの中にUSBレシーバーが入っており、電池は単四2個が別途必要です。


インターフェイスは、USBが3.0×2と2.0×1で、USB2.0を付属のエアマウス用に使っても、ハブなしで外部記憶装置を2台接続できます。そのほか、マイクロSDカードスロット、ギガビットLAN端子、HDMI出力×1、3.5mmオーディオ出力端子、光デジタル音声出力(SPDIF)を備えています。



テレビに接続
取り付けは簡単です。LANケーブルを繋げて(WIFIも可)、HDMIケーブルでテレビと接続。あとは付属のエアマウスレシーバーをUSB2.0端子に挿し込んで起動するだけです。


起動時のホーム画面はこんな感じ。エアマウスはちょっとクセがあるので慣れが必要ですが、慣れればサクサク使えます。左下のアイコンはメモリ使用量を示し、クリックするとメモリ開放します。メモリ4GBあるので、使わなくても困ることないけど。



この手の機器では珍しくHDMI CECに対応しているので、テレビのリモコンでも操作できます。とはいえ、専用リモコンある方が便利です。付属のリモコンは必要最低限のボタンしかないので、MX3などテンキー、キーボード付きのリモコンを別途購入したほうが便利です(→キーボード付リモコンMX3レビュー)。



ノーマルOSとTV OSの違い
ここで、以前も紹介しましたが、ノーマルAndroid OSAndroid TV OSの違いについて簡単に説明しておきます。どちらもAndroidベースですが、使えるアプリは異なります。Android TV OSが使えるのはTV OS対応のアプリのみです。よって、ノーマルAndroidよりは使えるアプリの数はかなり少なくなります。

一方、GT-KINGのようなノーマルAndroid OSのテレビボックスは、スマホ用のAndroidアプリが使えるのが利点ですが、一方で、一部アプリに機能制限があったり、インストールできなかったり、場合によっては操作できなかったりするので注意が必要です。

例えば、AmazonプライムビデオNETFLIXのような動画視聴アプリは解像度がSD画質(640*480)に制限されます。テレビで見るにはかなり物足りないですね。いくつかアプリを試してみたところこんな感じ。

Sony TV SideView
Panasonic Media Access
MLPlayer DTV
✕ソニーとパナソニックのレコーダー動画視聴アプリは使えませんでした。アルファシステムズのもダメ。HDMI出力に制限がかかっているようです。

YouTube
◯こちらは問題なし。4K動画もきれいに出力されます。画面キャプチャはできませんが、視聴は大丈夫です。4K動画探してて見つけた倉木麻衣のPVがステキ。



TVer
Abema TV
◯TVer、Abemaとも問題なく視聴できます。



Kindle
◯当初、ダウンロードができず、読めませんでしたが、再度アプリを入れてみたところダウンロードできるようになってました。大画面で電子書籍が読めます。Amazonミュージックで音楽流しながら、大画面テレビで読書なんて使い方も可能です。左右キーでページ送りできます。


楽天マガジン
◯楽天マガジンも問題なく読めます。大画面でグラビア雑誌とか見れていい感じです。初期設定ではページめくりができないので、設定で「クリックで改ページ」しておけば、ページの端をクリックすると改ページできます。


Amazon Music
◯問題なく使えます。



みんなのゴルフ
△問題なくプレイできます。大画面で遊べるのはいいですね。と思ったら、ガチャが操作できません。プレイ自体は問題ないのにこれは痛い。。。



荒野行動、PUBG
◯パソコンみたいに、キーボード+マウスの組み合わせでプレイできます。前後左右がALTキー+W・A・S・Dというあたりがややこしい。スマホに慣れていると操作が難しいです。ゲームコントローラーならオクトパスというアプリを別途入れて設定することで使えるようです。この手のゲームはハード性能的にきついかなと思いましたが、特に動作が重くなるようなことはないです。


ハード性能
最新のAmlogic S922Xを搭載したハードの性能はどうでしょうか。Antutuベンチマークを試したところ、スコアは『125,961』です。NvidiaのSHIELDには及びませんが、中華製Android BOXの中ではトップのスコアです。


スマホと比べると、Kirin 710を搭載したHuaweiMate 20 Liteよりちょい低いぐらいの性能。メモリの容量も4GBあるので、いまのところハードスペックで不満を感じる場面はないです。



KODIでDVD再生
KODI(GT-KINGに標準で搭載されているのはQODI)で過去にリッピングしたDVDを再生してみましたが、特に問題なく再生できました。


メニュー画面からの音声・字幕選択も問題なし。


ブルーレイデータも問題なく再生できます。画面キャプチャ(PrintScreen)は不可でした。



TVチューナー接続
ピクセラのワイヤレスTVチューナー PIX-BR310Lが転がってたのでつなげてみました。結論から先にいうと問題なく使えました。ソニーやパナなどこの手のアプリはHDMI出力すると使えないことが多いのですが、Station TVなら大丈夫です。なぜかStation TV2は画面がグリーンになって使えないです。

あれこれ弄っているうちに問題点が見つかりました。

①付属リモコンのUSBレシーバーは、Station TVアプリ側でなぜかオーディオUSB機器として認識され、起動できない→リモコンをMX3に変えたところ、正常に動作するようになりました。リモコンのUSBレシーバーで相性があるようです。

②有線LANを接続するとアプリが使えないようです。→こちらは有線LANを外してWI-FI経由で接続すると使えるようになりました。



総合評価☆☆☆☆☆】
現在所有の「Fire TV Box」「Mi BOX」「UBOX」などとの比較になりますが、利点としては、やはりSoCの性能が向上したことでサクサク動作するのがうれしいです。動画再生+ゲームで遊べて、これでお値段1万円ちょいなら十分元が取れます。アプリの起動も早いのでストレス知らず。Kindleなど各種Androidアプリが大画面で使えるのも高評価なポイントですね。

難点は、GT-KINGの問題というわけではないですが、動画視聴系のアプリで制限が多いとこ。著作権管理の関係だと思いますが、プライムビデオとかさすがにSD画質では見る気になりません。Android TV使えってことなんでしょうけど…。

ということで、我が家的にはリビングテレビからMi BOX引退してGT-KINGが代わりの地位を占めることになりました。各アプリの使い分けはこんな感じ。

Fire TV 4K
Amazonプライムビデオ、NETFLIXなどなど。

GT-KING
YouTube、TVer、Abema TV、HDD動画視聴などなど


購入方法(Amazonへのリンク)
購入については以前はAliexpressなど海外サイトでの購入が一般的でしたが、現在は日本国内に代理店があるため、Amazonで購入するのが保証・返品などの点で安心です。ただし、商品の性質上、出品停止になることが多い(特にUBOXが)ので、最新の商品リンクを別ページにまとめておきます。UBOX & EVBOX商品リンクのまとめはコチラです。

Android TV


Amazon Fire TV


中華系TV BOX


・エアマウス
※付属のリモコンは赤外線でショボいので、同時購入をオススメ


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