今回はタブレットの話題をお届けします。BLACKVIEWから新登場した11インチタブレットTAB 16 Proを商品提供いただいたので、さっそくレビューです。Unisoc T616搭載で、RAM 8GB、ストレージ256GB、フルHDパネル&4G LTE搭載の廉価タブレットです。現在メインで使っているXiaomi Pad 5や同じUnisoc SoC搭載の8インチタブレットHeadwolf Fpad3などと比較してみましょう。一週間使ってみての良い点、悪い点をまとめてみましたので、11インチタブレット購入を検討している人は参考にしてください。それではレビュースタートです。
【商品概要】
BLACKVIEWは中国のスマホメーカーで、タフネススマホのブランドとして知名度があります。モバイルバッテリーなんかも販売しており、バッテリー関連に強いイメージです。
今回レビューするTab 16 Proは、型番的には、昨年発売されたTAB 16のプロバージョンということで、その上位モデルぽいですが、外観は大きく変わっており、後述するスペックなども含めて、別モデルと考えたほうがよさそうです。
まずは簡単に商品概要を紹介しておきましょう。SoCはUnisoc T616で、RAM 8GB、ストレージ256GBとTab 16と同じです。
Tab 16と比べると、新たにNETFLIXに対応したのと、Androidのバージョンが12から14へ上がったあたりが大きな変更点ですね。
ただ、ディスプレイは前モデルの2000✕1200から1920✕1080へと、スピーカーも上下左右のクァッドだったものが、ステレオスピーカーへと、ややスペックダウンしています。
前モデルでは好評だったデスクトップモードもこの機種ではサポートされていないようです。Proモデルの割にダウングレード感は否めないです。Tab 16とは別モデルと考えたほうがよさそうですね。詳しい仕様は概要欄のリンクを参照ください。
商品は日本のAmazonで購入可能で、価格は3月29日現在、定価39,900円で、10,000円クーポン使って29,900円です。
【開封してみた】
それでは、さっそく開封していきましょう。同梱品は、本体のほか、USB Cケーブルと充電器、SIMピン、ペンです。なお、今回レビュー用に提供してもらったものはグローバルモデルのため、充電器など日本国内で販売されるものとは同梱品が異なります。
付属のペンは先端に透明のラバーが付いた簡易タイプのスタイラスペンです。細かい描画とかには向いていません。
充電器は、18W(9V 2A / 12V 1.5A)の急速充電に対応しています。
出荷状態では、写真のような保護シートを貼っています。
保護シートの下には画面保護フィルムが重ねて貼られています。そのままシールを引っ張ると2枚とも剥がれてしまうので、慎重に保護シートのみ剥がしましょう。フィルムは簡単にキズが入るのであまり品質はよくなさそう。別途保護フィルムを用意したほうがよさげです。
【外観】
外観から見ていきます。筐体は、ぱっと見アルミぽいですがプラスチック製ですね。とはいえ、目視では判別できないので、安っぽさは感じないです。
表面は細かいザラつき加工がしてあり、指紋は目立たないですが、若干滑りやすいかなという印象です。
画面サイズは実測値で246×167×7.5mm、Xiaomi Pad 5が254×166×6.85mmなので、大きさはほぼ同じです。
ベゼル幅は上下左右ともに10mmと、スッキリしてます。
カメラ部はリアが2眼構成で、右が広角カメラ(13MP)で、左が深度カメラ(2MP)です。深度カメラの横には、LEDライトも搭載しています。
カメラユニットは、硬貨1枚ぶん、約2mmほど飛び出しています。
右側面には、電源と音量ボタンを配置しています。
本体上部は、スピーカーホールがあります。上下にスピーカーが配置されており、横向きしたときにステレオスピーカーとして機能するようです。
底面には、USB Cポートとスピーカーホール、SIMカードスロットです。3.5mmイヤホンジャックは無いです。
左側面には、マイクホールですかね。
SIMトレイは、2 SIMで、うち1つがマイクロSD(TFカード)との排他スロットになっています。タブレットでSIMを2枚挿すことはないので、これで十分です。SDカードは1TBまで対応です。
重量の公称値は503グラム。実測値は495グラムで、500グラムを切っています。出荷時の保護フィルムを1枚貼った状態です。11インチタブとしては軽い部類に入ります。
Xiaomi Pad 5(左)と比べるとサイズ感はほぼ同じです。Tab16が微かに大きいかな。
付属のケースはスタンドにもなります。机の上での操作や動画視聴には便利ですね。
【起動してみた】
さっそく起動してみました。システム設定を確認したところ、出荷状態でストレージは256GBのうち、11GBが使われています。十分な容量です。
RAMは、初期状態で本体メモリ8GBに加えて、仮想メモリ3GBが割り当てられています。設定→システム→メモリ拡張機能を選択すると、仮想メモリを最大で8GBに設定できます。
Antutu Benchmarkの結果は30万点。同じSoCのFpad3(27万点)と比べると、メモリが多い分スコアもよいです。ざっと使ってみた感じでは、 Xiaomi Pad 5(Snapdragon 870)あたりと比べるとアプリの起動がモッサリだったり、画像加工などの場面では、もたついたりする感はあります。ゲームや画像編集の用途には向きませんが、Web閲覧や電子書籍、動画視聴といった用途であれば問題ないです。
【ネットワーク】
Tab 16 Proの対応バンドは、Band 1/3/7/8/20ということで、ソフトバンクのプラチナバンドBand8には対応していますが、ドコモやauのプラチナバンド(Band 18/19)には非対応です。地下街などでは繋がりにくくなります。
試しに、LINEモバイルのソフトバンクSIMをセットしてみました。APN設定すれば問題なく使えます。
【ディスプレイ】
読書や動画視聴の用途で使用することが多いと思うので、電子書籍の表示を試してみました。雑誌の中では比較的フォントの小さいA4版のサイゾーで確認してみましょう。
カラーグラビアから。左がTab 16 Proで、右がXiaomi Pad 5です。どちらも輝度を最大にしています。カラーグラビアは非常にきれいに表示されます。ディスプレイの品質はよさそうです。
画面輝度を最大にして照度計で測定したところ、309ルクスで、Xiaomi Pad 5の420ルクスには及ばないものの、Fpad3の301ルクスやiPlay 50 miniの285ルクスよりは明るいです。
続いてはB5版の週刊文春です。2ページ見開きで表示してみました。
上がXiaomi Pad 5、下がTab 16 Proです。文字の解像感を見ていきましょう。
画数の多い文字は若干潰れ気味になりますが、画質自体は良好です。見開きでも問題なく読めますね。
Xiaomi Pad 5は、ディスプレイ解像度が2560×1600と高いだけあって、画数の多い文字もキリッときれいに表示されます。Tab 16 Proより品質は高いです。
もう1つ。以前レビューしたCHUWIの10インチタブレットHiPad Max(右)とも比較してみました。同じ価格帯ではどのような違いがあるでしょう。カラー画像はTab 16 Proのほうが輝度も高く、きれいです。素人目でもはっきりと違いがわかります。
Tab 16 Proのほうが表示品質はかなりいいです。HiPad Maxのディスプレイは解像感が低い上に、白色の表示がギラつくのが気になりますね。HiPad Maxの文字は読みにくくて品質はイマイチです。
Tab 16 Proは、上位モデルの高解像ディスプレイと比べると、解像感で若干見劣りしますが、低価格帯の商品としてはディスプレイの品質は良さげです。画面輝度については想像していたより明るく、直射日光の当たるような場面でなければ、不満に感じることはないでしょう。カラー写真や動画視聴用途なら満足のクオリティです。
動画も見てみましょう。Widevine L1対応ということで、Amazon Primeビデオは1080Pで表示されます。NETFLIXもフルHDで視聴できます。
やはり、ディスプレイ性能はいいですね。動画視聴や写真表示などもきれいです。
YouTubeも1080pで問題なく再生されます。
【スピーカー】
Tab 16 Proのスピーカーは、ステレオスピーカーで、本体上下に配置しています。横置きにしたときに左右から音が出るようになっています。
音は良いですね。さすがに値段が倍のXiaomi Pad 5には及びませんが、Fpad3と比べると、音量、音質ともに、はっきりと違いがわかります。
なお、Bluetoothオーディオについては各種コーデックが対応していないため、デフォルトのSBCしか使えません。このため、ゲームや動画では遅延の影響が出て、音ズレが発生する可能性があります。有線イヤホンが必要です。
【バッテリー容量】
Tab 16 Proは、7,700mAhのバッテリーを搭載しています。ディスプレイの輝度を80%に設定して、バッテリー100%の状態からAmazon Primeビデオで150分の映画(TENET)を2回と105分(計405分)再生したところで、バッテリーが0%になりました。一般的な用途であれば6時間は使える計算です。これだけ持てば十分でしょう。
18W急速充電に対応しています。USBメーターで見たところ、9V 2Aで充電されているようです。
【カメラ】
カメラについても調べてみました。メインカメラは、画角27度の1300万画素センサーを搭載しています。室内でもきれいに写っています。
照明を落として脱衣所の明かりだけで撮影してみましたが、暗所でもきれいです。
これは意外でしたが、マクロがかなり寄れます。お札のマイクロ文字も写っています。
動画はこんな感じです。1080p 30fpsですが、画質は上々です。タブレットのカメラとしては十分な性能です。
【GPS】
気になったのはGPSの掴みの悪さ。岡山駅近くの商業ビル内(窓際)で調べたところ、まったく掴みません。UnisocのSoCはGPSが弱いイメージどおりです。
駅から離れた自宅だと、建物の中でもそれなりに掴んで、位置も正確に表示されます。やはり高い建物がある場所だと拾いにくい印象です。タブレットなのでGPSが必要な場面は少ないですが、カーナビ目的で購入を考えている人はご注意ください。
【総合評価☆☆☆☆☆】
ということで、まとめです。1週間ざっくり触ってみての感想です。まずは良い点から。高評価ポイントとしては、①高画質なディスプレイ②デザイン③大容量メモリ&ストレージ④LTE対応ーといったあたりです。ディスプレイがきれいなので、読書や動画視聴に向いています。メモリが8GBあるので動作はサクサクです。加えて、この価格帯でLTE搭載というのは大きなメリットですね。
加えて、11インチタブレットとしては軽量な部類に入るあたりが好印象な点でしょうか。Xiaomi Pad 5の546gと比べると50gぐらい軽いです。この差は大きいです。画面サイズ大きめのタブレットを探している人は選択肢に入れても良いと思います。
一方で、マイナス点は、価格と貧弱なSoCですかね。他社が、より高性能なHelio G99搭載モデルを2.5〜3万円で発売しているのを考えると、メモリ8GBとはいえ、T616で3万円という価格は微妙です。2万円台半ばまで下がれば買ってもいいかなというのが率直な感想です。HEADWOLFやALLDOCUBEのようなローエンドメーカーの製品と比べると、BLACKVIEWブランドの安心感はありますが、日本国内ではイマイチ知名度低いので、消費者に受け入れられるかは微妙かもです。
総合評価は、難しいですね。価格が3万円なら星3.5ぐらい。2.5万円あたりまで下がれば、星4かな。これといって特長が無い割に値段がやや高いという印象です。タブレットの主流SoCがG99に移っている中で、T616というとこが大きなマイナスポイントです。G99でこのスペックなら星5つでしたね。とはいえ、画面はきれいで、動画視聴や読書用途であれば十分な性能なので、LTE対応の11インチタブレットを探しているなら選択肢の1つとして考えてもよいでしょう。
ちなみに、NETFLIX対応やAndroidのバージョンに拘らないなら、2.4万円で買えるTab 16のほうがお得感はあると思います。
また、BLACKVIEWからはHelio G99搭載モデルのMEGA 1という製品も発売されているので、SoC性能を求めるならそちらも選択肢に入るでしょう。最後までご視聴ありがとうございました。このチャンネルでは中華スマホやタブレットのレビュー動画などをお届けしています。最新情報をお届けできるのでチャンネル登録いただけるとうれしいです。
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