【レビュー】透けるスマホ作ってみた(屋外検証編)

きょうもスマホで赤外線写真にチャレンジです。前回紹介したXiaomi POCO F3赤外線フィルター(IRフィルター)を装着して、太陽光下での透け透け撮影をテストしました。普通のスマホカメラで、どの程度の赤外線透過撮影ができるのでしょうか。

今回は、680nm760nm950nmの3種のIRフィルターを用意しました。赤外線フィルターの数値によって、どのような変化があるかを調べ、透け透け撮影に最適なIRフィルターを見つけます。動画後半では、iPhoneなど他のスマホでも透過撮影ができるのか、衣類の素材によって透過度がどの程度変化するのかといったことも検証してみました。

なお、赤外線フィルターなど撮影機材の入手方法などはこちらに最新情報をまとめています。

POCO F3


まずは簡単におさらいです。XiaomiPOCO F3は、iPhoneなど一般的なスマホと比べると、IRカットフィルターの効きが弱く、赤外線域をセンサーに取り込むことができます。

この特長をうまく生かせば、スマホカメラのレンズ部にIRフィルターを装着するだけで、写真のような赤外線透け透け撮影を手軽に楽しむことができます。屋内での詳しい検証結果は別動画でまとめているので、概要欄から確認ください。

撮影環境

ということで、撮影準備です。スマホ用のレンズクリップホルダーに、IRフィルターを装着します。クリップホルダーのフィルター径は17mmなので、17-3737-55mmのフィルターアダプターを介して装着しています。

準備したフィルターをPOCO F3のメインカメラに取り付けて、撮影します。前回の検証で、室内なら赤外線ライトを照射することで赤外線撮影ができましたが、太陽光下の屋外ではどうなるでしょうか。

テスト環境を紹介です。透明のアクリル製写真立てに、クレヨンしんちゃんのイラストを挟み、その上から、薄手のポリエステル製Tシャツの生地をカットして被せたものを被写体として使用します。

オモテから見るとこのような感じです。普通のカメラで撮影すると、グレーのTシャツ生地が可視光を反射するため、生地の下のイラストは透けません。

屋外撮影テスト

それでは、検証スタートです。今回は、動きのある被写体を撮ることを前提に、手持ち撮影を視野に入れて、撮影モードはすべてオートにしています。これにより、シャッタースピードの下限が、ある程度は制限されます。

まずは、680nmIRフィルターから試してみましょう。赤外線域が780nm以上といわれているので、赤色の可視光域もある程度取り込むフィルターです。

屋内では、十分な透け効果の確認できた680nmフィルターですが、屋外では、太陽光の影響で赤色光域が多いのか、赤みが強く、下地はほとんど透けていません。

撮影情報を見ると、ISO56でシャッタースピードは1/50です。露出的には十分な光量です。IRカットフィルターの影響で赤外線域の光量が少ないのに対して、太陽光下で赤色光域が強いため、透過を妨げているようです。

動画だとわずかに透けて見えますね。これで透け透け撮影できましたとよろこぶのは、ちょっと厳しいです。

続いて、760nmフィルターです。こちらは、しんちゃんのマユゲの線までいい感じに透けていますね。

ISO1046と感度はやや高めで、シャッタースピードは1/33秒です。可視光域がほぼカットされるので、赤外線域が画像として現れてきます。

動画も問題なく撮影できます。透けてます。

こちらはIR950nmです。透けてはいますが、光量が不足しているため、画面全体が暗く、かなり粗い画像になりました。

ISO3205まで感度が上がり、シャッター速度も1/8と、手持ちでは厳しいレベルまで遅くなっています。オート撮影のため、シャッター速度に上限があってこのような暗めな画質になるようです。

他機種検証

ということで、一番良好な透け感が得られた760nmIRフィルターを使って、ほかの機種でも赤外線透過撮影を試してみました。室内テストでは、かなり赤外線感度の低かったiPhone SEです。やや赤みが強いですが、そこそこ透けていますね。

ISO640で、シャッタースピードは1/15です。屋内の検証では、赤外線感度が低かったので、あまり透けないかなと思っていましたが、意外と健闘しています。生地に露出があっているので、それも影響しているかもしれません。

動画も撮れますが、POCO F3と比べるとかなり暗い印象です。

続いては、IMX686センサー搭載のPOCO X2です。こちらも透けてはいますが、POCO F3と比べると、やや暗めですね。同じPOCOのスマホですが、こちらは赤外線カットフィルターの効果が強いようです。

センサーの赤外線受光量が少ないため、ISO5318とかなり感度が上がっています。シャッタースピードは1/17です。

動画も撮影できました。ただ、透け感はiPhone SEより低いようです。

ちなみに、IRカットフィルターのないIIIF150 Raptorナイトビジョンカメラ(赤外線カメラ)IR84フィルターを装着したものではこのように写ります。

ISO100でシャッタースピード1/271とかなり良好な数値です。透け感はPOCO F3と同程度ですが、ISO感度が低いので、ノイズの少ない、きれいな画質です。

素材検証

検証の結果、屋外では760nmIRフィルターが相性が良いことがわかりました。ここからは、どのような素材が透けやすいかをテストです。ポリエステル綿などで試してみましょう。

ユニクロのポリエステル製スポーツウェアです。生地は薄めです。

まずはRaptorの赤外線カメラで撮影してみました。赤外線を比較的通しにくいライトブルーカラーですが、きれいに透けています。

POCO F3です。透けてはいますが、なんとなく見えるかな程度です。クリップで止めているだけなので、ガラスで挟んで密着させていたときよりは透け感が低くなるようです。

動画撮影するとこんな感じです。薄っすら見えるかな程度ですね。

もうひとつは、ブラックのコットンTシャツです。先ほどのスポーツウェアと比べると、やや厚みのある素材です。

髪の毛と目の黒い部分が、薄っすら見えるかな程度です。やはり、ポリエステルなど化繊に比べると、綿素材は透けにくいようです。

Raptorの赤外線カメラなら、厚手の綿素材でもある程度は透けていますね。

風景動画も撮影してみました。晴天下の屋外では赤外線量が大きいので、IRフィルター装着状態でもそこそこ写ります。

ただ、画面中央の明るく丸い箇所があるのが気になりますね。ホットスポットと呼ばれるもので、赤外線撮影特有の現象です。コーティングが影響して、レンズによってはこのような症状がでるようです。

まとめ

ということで、まとめです。赤外線光のみの屋内環境とは異なり、太陽光下では可視光域の照射量も多いため、IR680nmでは赤色光量が赤外光量を上回り、ほぼ赤い画像になりました。IR760nmフィルターでは赤色光域がカットされるため赤外線光域が強まり、しっかりと赤外線撮影ができています。

950nmまで上げると、センサーに届く入射光量が大幅に減少するため、ISO感度が上がってオート撮影での許容範囲には収まらず、暗めでノイズの多い画像になります。晴天下の屋外で使うなら720nm760nmあたりが良い結果を得られるでしょう。

POCO F3のカメラは、Raptorなど赤外線専用カメラと比べると、赤外線の透過度が低いため画質はいまいちですが、それなりに赤外線透け透け撮影は楽しめるようです。

特に、スポーツウェアのような薄手のポリエステル素材では、POCO F3のような赤外線カット率の低いスマホでは透過度が高くなるようです。

最後までご視聴ありがとうございました。このチャンネルでは赤外線撮影の話題をいろいろお届けしていますので、合わせてチャンネル登録もいただけるとうれしいです。

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