【レビュー】赤外線撮影対応モデルSONYハンディカムFDR-AX55のナイトショットモード規制を解除してみた

SONYハンディカムを使った赤外線撮影についての話題です。今回は、ナイトショット規制を解除するために最適なフィルターを探してみました。ハンディカムナイトショット撮影は、透視撮影防止のため、日中の明るい環境下では画面が真っ白になるように制限がかかります。ところが、赤外線フィルター(IRフィルター)減光フィルター(NDフィルター)を装着することで、規制を解除し、晴天下でもナイトショット撮影ができるようになります。IRフィルターNDフィルターで、どの程度白飛びを制御できるかを詳しく検証してみました。興味のある人は最後までご覧ください。

なお、赤外線フィルターなど撮影機材の入手方法などはこちらに最新情報をまとめています。

FDR-AX55

簡単におさらいしておきます。今回検証に使うFDR-AX55など、SONYのハンディカムでは、一部の機種でナイトショットと呼ばれる赤外線撮影機能を搭載しています。

しかし、一時期、雑誌などで赤外線による透視撮影が話題になったことから、昼間の撮影ではナイトショット機能を使えないようソフトウェアで制限がかけられています。

FDR-AX55で、晴天下でナイトショット機能をオンにすると、写真のように白飛びした画像になり、赤外線撮影ができなくなっています。一定の光量を超えると、カメラ側が日中の屋外撮影と判断して、画面が白飛びするようにソフトウェアで規制されているようです。

前回の検証では、IRフィルター(赤外線フィルター)と、NDフィルターとを組み合わせることで、この規制を解除できることがわかりました。今回は、さらにどのフィルターの組み合わせが制限解除に最適かをテストしてみました。

用意するフィルター

今回の検証では、950nm760nm680mmの3種のIRフィルターと、可変NDフィルター(2-400)ND1000フィルターCPLフィルターを用意しました。これらのフィルターを単独もしくは組み合わせて、どれが一番良好な効果を得られるかを検証します。

IRフィルター比較

まずは、ZOMEIIRフィルターを使って、赤外線カットの波長域によってどのような差が生じるのかを比較してみました。

①IR680

680nm以下の可視光域をカットするIRフィルターです。赤色光を通すため、通常モードでは画面が赤くなります。ナイトショットをオンにすると、フィルターなしと同様に、規制で画面がほぼ真っ白になります。680nmではあまり効果はないようです。

②IR760

こちらは760nm以下をカットします。フィルター性能としては、可視光域をほぼカットしても、制限は効くようで、全体的に白飛びしています。ズームしても白飛びは改善されません。

③IR950

一番数値の大きい950nmのフィルターです。制限が解除されて景色が写るようになりました。中央の葉っぱで白飛びの目立つ箇所がありますが、白飛びしている箇所にズームすれば症状は収まります。晴天下で使うなら950nmがよさそうです。

IRフィルターについては、日本ではKenko R72(720nm)が入手しやすく、Amazonヨドバシカメラで購入できます。

NDフィルター

NDフィルターについても試してみました。メーカーによって品質にばらつきがあるのて、香港のフィルターメーカーH&Yの製品で統一しています。可変ND(2-400)フィルターND1000の2種類です。

余談ですが、今回の検証用にNEEWERND1000フィルターを調達しましたが、Amazonでの評価が高かった割に品質がいまいちでした。レンズフィルターは、メーカーによってかなり性能差があるので、特にNDフィルターはある程度信頼のあるメーカーの製品をおすすめします。

④可変(ND2-400)

ND2からND400の範囲で調整できる可変NDフィルターでは、効果を最大のND400まで効かせると、制限が抑えられて全体が表示されます。ただ、赤外線反射量の多い葉っぱの箇所などで、白飛びが目立ちます。葉っぱにズームすると白飛びはある程度は収まります。


⑤ND1000

ND1000で減光を効かせると、白飛びはきれいに収まりました。画質も良好です。今回比較したフィルターの中では一番きれいに白飛びをコントロールできています。

CPL

⑥CPL

MarumiCPLフィルターも試してみました。CPLだとやや効果が薄いですね。晴天下での使用は厳しそうです。

IRとNDの組み合わせ

日にちを変えて、IRフィルター可変NDフィルターの組み合わせも試してみました。前回と比べるとやや曇り空で日照量は落ちています。

⑦IR680+VND400

IR680ND400の組み合わせでは、露出は制御できていますが、城の白い壁の箇所でやや白飛びが目立ちます。

⑧IR760+VND400

IR760に切り替えると、白飛びしている箇所はなくなりました。

⑨IR950+VND400

IR950との組み合わせでは、白飛びは発生しませんが、光量が不足しているようで、感度アップに伴いノイズが目立つようです。

透過撮影

透過撮影についてもテストしてみました。クレヨンしんちゃんのイラストの上にグレーのTシャツを被せたものを撮影します。フィルターなしの状態では、ナイトショット規制で画面が真っ白になります。

①VND(400)

最初は、可変ND(2-400)です。透けてはいますが、露出オーバー気味ですね。十分に光量がコントロールできていないようで、透け感は抑えめです。

②ND1000

制限解除の効果が高かったND1000では、きれいに透けています。ただ、光量が不足するのか、ややノイズが目立ちます。NDフィルターでは可視光域を取り込みますが、無地でグレーのTシャツのため問題ないようです。

②IR950

IR950もきれいに透けてはいますが、ND1000よりと比べるとやや露出オーバー気味でしょうか。ノイズはこちらのほうが少なくきれいな画質です。

④760+CPL

IR760の上からCPLを装着してみました。透けてはいますが、薄っすら透ける程度で、ND1000IR950と比べると透け感は低いです。

⑤680+VND(400)

IR680可変NDの組み合わせでは、可視光域の受光量が大きいのが影響するのか、透け感は低いようです。

⑥680+ND1000

IR680ND1000の組み合わせでは、透け具合は高いですが、光量が不足するのか、ややノイズが目立ちます。

まとめ

ということで、まとめです。何通りかのフィルターを試してみましたが、晴天下でナイトショットの規制解除をするためには、ND1000IR950、もしくは、IR760可変NDフィルターとの組み合わせが効果が高いようです。

IRフィルター使用の目安としては、晴天下では赤色光域の影響が強いので、可視光をカットできるIR950IR860がおすすめです。雲天下で赤外線撮影するならIR760IR720が、屋内ならIR680IR720になりますね。

屋外では、雲で太陽が隠れるなど、天候によってかなり光量が変化するので、ND1000IR950だと対応が難しいというデメリットもあります。IR760可変NDフィルターとの組み合わせなら、天候の変化に合わせて減光量を調整できるので、使い勝手がよくおすすめです。

ND1000まで対応する可変NDフィルターも発売されているようなので、それとの組み合わせも選択肢に入るでしょう。今回使用したフィルターの入手方法など詳細はブログ内で紹介しているので、動画概要欄から確認ください。

なお、新たにIR720IR850を注文したので、入手できたら、改めて5種の比較や可変NDとの組み合わせも検証してみたいと思います。更新情報をお届けできるのでチャンネル登録いただけるとうれしいです。

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