【レビュー】赤外線サーモグラフィー搭載スマホ CAT S60 を買ってみた

FLIR製のサーマルカメラを内蔵するスマホとやらを発見したので買ってみました。キャタピラー社から発売されている「CAT S60」です。あの重機でおなじみキャタピラー社です。日本でいえばコマツがスマホ発売しましたみたいな感じ。工事現場でもビシビシ使えるいわゆるタフネス携帯です。

購入方法
日本国内では取扱いがないので海外の通販サイトから購入になります。今回お世話になったのが、英国のスマホ通販サイトhandtecです。この手の通販では他にもcloveあたりがメジャー系らしい。ちなみに、イギリスはポンド安で少し安く買えるのか。

購入は簡単。CAT S60の商品ページからBUYをクリックして購入手続きに進みます。価格は、Ex VAT(税抜き)425.00英ポンドと、Inc VAT(税込み)510.00英ポンドの2種が記載されていますが、日本に個人輸入する場合は、税抜き価格が適用されるので425英ポンド(約5万4千円)なり。別途、送料(24英ポンド)と輸入時に消費税・手数料等がかかります。あとは、クレカの情報を入力すればオッケー。

黄色いボックスがキャタピラーぽい

今回は、はじめて利用したので、注文後、住所の入った身分証明書の写しを送ってくれとメールきました。ので、運転免許証の写真撮ってメールで送信。即日、出荷されました。対応が早い。

ちなみに、イギリスの通販サイトだと、Xperia tablet Z4のSIMフリーキーボード付きが551.43英ポンド(約7万円、税別)とかで売ってる。価格COMの最安価格9万5千円(WI-FI版キーボード別売り)より2万円以上安かったりするので、いろいろと目移りしてしまうのです。

基本スペック
詳しくは専門サイトに譲りますが、基本スペックはいまどきの中堅機と同レベルといったあたり。バッテリー容量は3800mAhなんで結構電池の持ちはいい。特徴的な点として、高い防水機能を持ってて、水深5メートルに1時間沈めてもオッケーな防塵・防滴性能っつーことで、かなり手荒に扱っても大丈夫なレベルです。

CAT S60の最大の特徴としては、FLIR社の赤外線カメラが搭載されている点。FLIR社の赤外線カメラといえばiPhoneに直付けできるFLIR ONEが話題になりましたが、それと同レベルのものが搭載されている。FLIR ONEを単体で買えば約4万円するのでそれだけでも十分元が取れる感じ。


同梱品
キャタピラーの黄色い箱に入って届いた商品は、本体のほかに、USBケーブルとACアダプターが同梱されています。コンセントはイギリスで使われているBFプラグ。ま、端子はmicroUSBケーブルなんで充電に困ることはないでしょう。


外観
本体は、いまどきの携帯と比べると厚みがあって少し重いかなといったあたり。ま、強力な防塵・防滴性能なんでこのサイズと重さは許容できます。あと4.7インチの液晶は1280x720なんでちょい粗いですが、IPS液晶の画面自体はきれい。

SIMスロットは、本体背面のフタを開けたところにあります。今はやりのデュアルSIM。ナノSIMと呼ばれるSIMカードを2枚差し込んで使えます。2枚差し込めば通話とデータ通信で使い分けが可能になります。通話はdocomoで、ネットはMVNOでみたいな振り分けができるのかな。→デュアルスロットですが、SIM1は2G専用なのか?4G LTEのSIMを差しても認識されませんでした。

スロットのうち1つはmicro SDカードスロットとの排他使用になるので、SIM2枚差しするとSDカードが使えません。→と思ったら、SIM2とマイクロSDカードの同時使用はできました。


操作性
androidスマホなんで、操作感に特に違和感はなし。ただし、ホーム、バック、マルチタスクの各操作は物理キーが割り当てられています。タッチキーに慣れた今となってはちょっと違和感がありますね。物理キーを採用したのは、工事現場など手袋をつけた状態でも使えるようにという配慮でしょうか。

ホームボタンなどは物理キーを採用

Xperia Zでは、画面に少しでも水滴がついているとそれが影響して画面操作ができなかったのですが、このS60は水滴がビシャッとついてても問題なく使えます。文字入力については、購入時、IMEがドノーマルの日本語入力しか入ってないので、Google日本語入力を別途インストールする必要あり。

スピーカーは、防水機能の関係で本体内部に設置してあって、背面パネルから音がする仕組み。本体上下の防水ロックをオンにすると防水性能が2m→5mになります。ただし、密閉されるためスピーカーの音がかなり小さくなります。

充電はマイクロUSB端子がサイドにあります。充電のたびに開け閉めするので、繰り返し使っているとどうなんだろう。USB端子のキャップがどれぐらいもつのかがちょい心配です。

背面はカーボンパネル

FLIRの赤外線カメラ
このスマホ最大の特徴でもある赤外線カメラについて。赤外線カメラといってもサーモカメラなんで、暗闇で画像撮影ができるとか、スケスケ画像が撮影できるとかいうナイトショットとは別物なんでご注意を。

搭載しているのはFLIR社製のサーマルカメラ。iPhoneなどに外付けできるタイプのFLIR ONEで有名なサーマルカメラのメーカーです。

上がサーマル、下は普通のカメラ

S60搭載のFLIRカメラは、専用アプリ「MyFLIR」で操作します。撮影は簡単です。アウトカメラの画像と合成されます。撮影モードはフォト、ビデオ、パノラマ、タイムラプスの4つ。そのほか、カメラの表示が9種類から選ぶことができます。

サーマルカメラの威力は
アプリを起動すると5秒ぐらいで撮影できるようになります。画面には黄色→赤→青→黒と温度差別に表示され、最高温度と最低温度が画面右端に表示されます。画像はアウトカメラの画像と合成されるため、撮影対象の画像の上にサーマル画像が合成されたような感じになります。見やすいですね。

アウトカメラとサーマルカメラの2つの画像を合成させる関係で、近くのものを撮影したときは実画像とサーマルの画像にズレが生じます。写真はノートパソコンのキーボードを撮影したものですが、スペースキーなどがズレてるのがわかります。


撮影した画像は、サーマルと実画像が合成されています。撮影後、実画像のみを表示することもできます。

サーマルカメラの撮影可能距離は5mで、それ以上離れたものは映りにくいもしくは映りません。また、撮影対象の手前にガラスなどがあればガラス表面の温度を捉えるため正しい温度は測定できません。

実際に撮ってみた
CAT S60のサーマルカメラで運転中の扇風機を撮影してみました。羽根を回すモーター部と操作パネルの部分が黄色くなっており、この部分の温度が高いことがわかります。


サーマルカメラの用途
このサーマルカメラは、電気工事の現場などでは機器が異常な発熱をしていないかの確認に使うそうです。そのほかにもいろいろとおもしろい使い方が考えられます。

自宅室内をサーマルカメラで確認してみると、蛍光灯、冷蔵庫、HDDレコーダーなど、熱源になっているところが赤くなります。使用していない機器でも部分的に発熱しており、待機電力を消費していることがわかっておもしろいです。

下の写真は、デロンギのエスプレッソマシンですが、電源オフの状態でも本体後部の温度が高くなっているようです。待機電力を消費していることがわかります。


夜7時過ぎに自宅バルコニーの花壇を撮影すると、花壇の土の部分は17度程度でしたが、コンクリートの部分は20度以上と温度差があることがわかります。コンクリートが日中吸収した熱を放熱しています。エコ対策にも使えそうです。


【総合評価】☆☆☆☆☆
スマホとしての基本性能は押さえつつ、サーマルカメラという機能を追加したおもしろさが秀逸です。防水・防塵スマホとしての性能も高く、使っていて楽しい。楽しい。星5つ。

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